ARMOREDCORE compensation   作:天武@テム

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カブラカン戦後半です
前後編連続投稿です


chapter1-11 【Giant Killing - β】

chapter1-12 【Giant killing -β】

 

「なにが起きてるのジン君!?急にレーダーに大量に敵影信号が…!」

「ランドクラブから……大量の自律兵器が…」

 

 

キャタピラを破壊し、スカートアーマーの中で身動きが取れないメリーゲート。

自律兵器は紅桜の上空を覆うように飛び交う。その数は、レーダーを敵影信号で埋め尽くす程だった。

 

「いくらなんでも不味いわよこんな数……武、なんとかならないの!?」

「こっちは僚機付きだ、今から援軍が来るわけないだろ……いいかジン、こんな数でも単機での戦闘力は低いはずだ、ランドクラブを盾しながら一機ずつ確実に破壊するんだ。今はそうするしか手がない…」

「わ、分かったよ……!」

 

自律兵器は紅桜に向かって散弾を撃ち始める。しかし、自律兵器は紅桜と距離が離れていた為か、拡散した弾はプライマルアーマーに弾かれていく。

その間に、距離を離しながらライフルを着実に当てていく。自律兵器に2発当てると落下していき、そのまま壊れる。

 

「有り難いことに装甲は薄いみたいだ……あとは気を付ければなんとかなる…!」

『若様、この距離じゃマシンガンは届きません…!ライフルで地道に撃破するのがいいかもしれません』

 

ジンは分かったと答え、ライフルの照準を意識し、徐々に接近してくる自律兵器を一発一発着実に撃破していく。しかし、接近してくる数と撃破する数は追いつかず、直撃は免れるものの被弾を許してしまう。

 

「これじゃあジリ貧だ……なにか打開する手があれば…」

 

このまま被弾し続ければ、いつか限界が来て撃破される。そう考えていたジンにある通信が送られる。

 

「こちらGA、アームズフォート部隊だ。此方の作戦が終わり次第、援護する、もう少し耐えてくれ」

「援軍……という事はこの事はある程度予想してたみたいね…聞こえた?援軍が来るまで耐えるのよ!」

 

ノアからの指示を聞くと、ジンは避けることを優先し、徹底的に自律兵器の攻撃が来ない距離まで離れていく。

 

「私もなんとかここから出られれば…」

 

メリーゲートはカブラカンの強固なスカートアーマーから出られずにいた。

なんとか出ようと考え、辺りを見回すと、メイはスカートアーマーの下に埋まっている不発した地雷を見つけた。

ライフルで撃つと地雷は起爆し、スカートアーマーは大きくめくれた隙にスカートアーマーから抜け出す。

 

「ごめんなさい、やっと抜け出せたわ」

 

そう言うとメイは上空の自律兵器をマルチロックをすると背面武装の垂直に発射されるミサイルで弾幕を張る。大量の自律兵器にミサイルに当たり、その中の数機を撃破する。

 

「サクラ、あと何機?あた、腕武器の残弾数も教えて」

『解析……残り76機です。腕部武装の残り弾数は、右ライフル残り396発、左マシンガン、820発です。余裕でたります』

「ありがとう、この残弾数ならなんとかなる…!」

 

紅桜は距離を離しながら自律兵器に照準を合わせて撃ち、次々撃破していく。機動力の遅い大量の自律兵器は紅桜とメリーゲートの攻撃を直撃して数が減っていく。このままGAのアームズフォート部隊が来れば一気にカタがつく……そう武が思った矢先、通信が入ってくる。

 

「トラブルだ。アームズフォート部隊は停止した。すまんが、支援は難しい。そっちでなんとかしてくれ。」

「おいちょっと待て!2機だけでやれって言うのかよ!」

「2機もいるんだ、それにこっちは高い金払ってるんだ、出来るだろう?リンクス」

 

アームズフォート部隊からの通信は反論する余地もなく切断される。

 

「……ジン聞こえたか、援軍は来ない」

「そんな…!いくらなんでもこの数は…!」

「どう言おうがお前ら2人で何とかするしかないんだ。数を多いが動きは遅い、冷静に対処すればどうってことない……いけるな?」

「うん…分かったよ」

 

幾らネクスト2機と言えど、ジンはまだ戦闘経験が浅い。武は最悪撃墜されるかもしれないと心配しつつも冷静にジンに指示する。

紅桜はブーストで自律兵器の距離を離しながら着実にライフルを当て続ける。メリーゲートの協力もあって自律兵器の数は確実に減っている。

そして20分後、自律兵器の最後の一機を紅桜が撃破する。

 

「自律兵器撃破…武、敵影は?」

「スキャン完了、敵影なしだ。今ので最後だったようだな」

「終わった……の?」

「ああ、よくやったな」

「作戦完了ね……ジン君、おつかれさま」

「はい、ありがとうございますメイさん」

 

暫くすると紅桜とメリーゲートの上空から輸送ヘリが降りてきて回収して行く。ミッションは無事成功し、ジンは安堵して輸送ヘリのカーゴ内で一息つく。

 

 




企業における軍事力は、コントロールをその第一の要件とし、代替不能な個人にこれを委ねることは厳に慎まれるべきである。リンクス戦争以降、それは企業の共通認識であり、その結果として生まれたのが、巨大兵器アームズフォートであった。
代替可能な多数の凡人によって制御され、ハードウェアとして安定した戦力を約束する。アームズフォートは、正に企業の望むソリューションであり、事実としても、その戦力は平均的なネクストを遥かに凌いでいた。
物量とパワーの戦争。大多数のネクストにとって、ジャイアント・キリングは、その名の通り奇跡の親戚にすぎなかったのである━━━




という訳で原作通りchapter1おしまいです。
次回からchapter2へ続きます

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