ARMOREDCORE compensation 作:天武@テム
ボロボロになった紅桜を目の前にして、武は悩んでいた。
今回のミッションで贈られた報酬があまりにも少なく、修理費、弾薬費を計算すると赤字になってしまうからだ。
いっその事、修理を諦めて他のパーツで代用しようかと思っていたところ、後ろから声をかけられた。
「武さん?叢雲=武さんですよね?」
振り向くと、白いシャツに青いカーディガン。そして、フリルの着いたスカート姿を履いたコスモスがいた。
「……どちら様で?」
「やだな〜私です、コスモス・ノインです」
なんだ、フランメの妹さんか。10何年も会ってなかったらそりゃ分からんな。
「それで、俺に何の用だ?」
「ちょっと頼みたいことがあるんですよ」
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「護衛って……どういうこと?」
唐突に言われて困惑した、目の前にいる女の子はただの女の子にしか見えないし、いきなり護衛と言われても……。
「そのまんまの意味よ、重要な会議があるから、ローゼンタール本社までノイン家のご子息のエリカ嬢とコスモス嬢を乗せた輸送機の護衛をするの」
「ノイン家って……あのローゼンタールの代表の…」
「そこまで言わなきゃ気づかなかったっていうの?全く…ムラクモは随分落ちぶれたね」
そこまで言われるのは心外だ。こっちだってなりなくてなった訳じゃないのに。
「……色々言いたいことはあるだろうけど、お嬢様?貴方が住んでるコロニーまで案内してくれるかしら?」
「ええ、もう手配は済んでるわ。着いてきて」
僕らは、ノイン家のお嬢様に着いて行き、最上階にあるヘリポートまで向かった。その間、色んな方向から誰かに見られてたような気がしたけど、恐らく護衛の人が監視してたんだろう。
ヘリポートには、既に離陸準備が完了したヘリと護衛の人。そして、肩に大きな単眼を中心に、翼と足が生えたようなシルエットをした不気味な機械を乗せ、鋭い赤い目に輝いて見える銀髪ロングの少女待っていた。身長は僕と同じくらいだろう、少し大人びて見える。
「やっと来たか、お前の後ろにいる奴が今回のパートナーなのか?」
「ええ、今回パートナーに選んだ、ジン=ムラクモよ」
「ムラクモ……じゃあ、お前が武兄の…」
銀髪の少女は僕の方をじっと見る。……というか今兄さんの名前を言ったよね?一体何者なのだろうか。
「あの──」
「何ボーッとしてるの、早く乗りなさい」
「ま、待って…!引っ張んないでよ…!」
お姉ちゃんに襟をを引っ張られながらヘリに乗せられる。
全員乗ると、ヘリは離陸してカラード支部から飛び立ち、砂の大地真っ直ぐ飛んでいく。
数十年前のリンクス戦争で大半の大地がコジマ粒子で汚染され、大地は水没、砂漠化して人々が住めなくなった。どこを見ても、砂漠と海と企業の基地。国家解体以前の面影はなくなっていた。
ヘリが飛び続けている間、沈黙が流れる。
お姉ちゃんは、ノートPCで黙々と打ち続け、エリカ嬢は不機嫌そうに窓から外を眺めていた。
というか、エリカ嬢はさっきまで機嫌が良かった様子が全くなかったんだけど……。
どうしたものかと思い、隣を見ると僕の方に乗った巨大な目玉がじっとみていた。
「うひゃあああぁ!?」
思わず素っ頓狂な声を上げて、椅子から崩れてしまった。その瞬間、全員僕の方を見た。
「そんなに驚くことはないでしょうに……」
「目の前にでかい目玉が肩に乗っていたら普通驚くだろ」
「なるほど……それは申し訳ありません」
デカい目玉は、お辞儀をするように目玉だけを下を向いた。
「悪いな、うちのイモータルが驚かせた」
「ううん、大丈夫。気にしてないよ。えーと……」
「俺はグレイ、グレイ=アンダーソンだ。これでもリンクスだ。お前は?」
「僕はジン=叢雲。今日はよろしくね」
「ああ、ムラクモ……ってことはタケル兄の弟なのか?」
「兄さんのこと知ってるの?」
「ああ、知ってるぞ。レイレナードで同じテストパイロットで、世話になったんだ」
「そうなんだ、テストパイロットしてたってのは聞いたことあるけど、当時の兄さんってどんな感じだった?」
「気さくで、誰にでも分け隔てなく接したな。俺の事を妹分みたいに可愛がってくれたな」
「そうなんだ!昔から変わってないだ…もう少し聞かせて欲しいな」
「ああ!いっぱい聞かせてやる」
グレイは嬉しそうに顔をほころばせて話してくれた。僕の知らない兄さんの姿を聴けてなんだか嬉しかった。
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暫くすると廃ビル郡の中で目立つ巨大なドーム状の何かが見えてきた。リンクス戦争以前、巨大兵器をドームで隠していたっていう文面は見かけたことはある。だけど、近くに基地やコロニーがない砂漠のど真ん中にあるのは不自然だ。
「ねぇ、あれ何かわかる?」
「あれか?ローゼンタールの数少ない残ってるコロニーだ」
「コロニー?それにしてもなんか小さいような……」
「住民をAMSの研究者と被検体だけに制限してるの。このご時世、クレイドルに移住した方が安全よ」
グレイの隣にいたエリカ嬢が答える。
確かに、汚染された地上よりもクレイドルに乗って空で過ごした方がとても安全だ。
ヘリはドーム付近のビルへ降下する。ビル屋上には既にノーマルACが3機鎮座していた。
2機はオーメル製の頭部がアンテナ型で戦闘機のような主翼がある特徴な空戦タイプで、もう一機は母さんが使っていた型式の白い流線型のハイエンドノーマルだ。恐らく、兄さんが乗っているのだろう。
「もうすぐ着くわよ、ブリーフィングはノーマルに乗ってからよ」
ヘリは着陸し、僕とグレイの2人だけ降ろして飛んでいく。依頼主はどうして僕らを選んだのか気になったけど、初めてのノーマルに緊張しながらコクピットに乗った。
後書きって何を書けばいいんですかね……?
最近起こったこととか書けばいいの……?
まぁ、それはそれとして。ノイン家のエリカとコスモスは仲のいいフォロワーの許可を得て使わせていただいてます。
エリカは高飛車お嬢様でコスモスはおてんばお嬢様って思ってくれたら大丈夫だと思います(多分)
また、次回でお会いしましょう。