ARMOREDCORE compensation   作:天武@テム

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ローゼンタールの令嬢が乗っている輸送機の護衛を受けたジン達。
行きでは、何も起こらなかったが──


chapter2-8 「Scramble」

 

「ミッションを説明するわ。用心が乗ってる輸送機の護衛。グレイとジンは左右に展開して索敵、敵が来ない限り武は輸送機内で待機よ。来るとしてもノーマル程度だろうけど、気をつけてね」

 

ブリーフィングを終えると、タイミング良く輸送機が降りて後部のハッチを開く。

 

「ジン、グレイ、ノーマルはプライマルアーマーも無ければクイックブーストもない。そこを意識しておけよ」

 

了解。グレイと僕は返事をして輸送機と同時に離陸して共にローゼンタールの本部まで飛び立っていく───

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

輸送機の空路には敵はおらず、問題なく本部まで辿り着いた。帰還まで護衛する任務となっている為、僕らは会議中は輸送機内で待機していた。シュミレーターで操作は覚えていたが、本物のノーマルを実際に操縦するのは初めてだったから心配だったが、敵機と鉢合わせにならずに済んだから安心した。

 

「何も来なかったね?」

 

「ローゼンタール本社にいる時はともかく、道中で平和だったのは運がいいな」とグレイが余裕そうに言った。

 

 

「ジン、グレイ、さっきまで何も来なかったからって、気を抜くなよ」

 

「「分かってる(よ)」」

 

僕とグレイは兄さんに注意されるが、確かにその通りだった。

 

「所属不明機、防衛目標に接近!」

 

ほっと一息つこうとした瞬間、アラートが鳴り響く。レーダーを見ると、前方からノーマル機が接近して来るのがわかった。

 

「敵!?このタイミングで!?」

 

「言っただろ、気を抜くなって。フォローは任せろ。空を飛べるお前らは、目の前の敵を蹴散らせ」

 

敵の数は5機、モニターを拡大すると、エイのような形をした戦闘機が2機、ノーマルが3機の編成だ。兄さんは輸送機から出ると、輸送機の甲板部分で、レーザーキャノンを構える。兄さんが乗っているハイエンドノーマルは、ノーマルと違ってカスタマイズの幅が広く、運動性能は上だが、空中や水上でのホバリングが出来ない。僕達は身構え、戦闘準備をするが、ノーマル部隊は止まり、一機だけ近づいてきた。

 

「そこのノーマル三機、企業の人間じゃないだろ?」

 

オープン回線から、男の声が聞こえた。恐らく、目の前のノーマルのパイロットだろう。どうやって答えたらいいか迷っていたら、兄さんが通信に応えた。

 

「だったら、なんなんだ?俺達も依頼を受けてやってるんだよ」

 

「俺達は無駄な戦闘はしたくない、さっさと輸送機から離れろ。もう離れたら、報酬以上くれてやるよ」

 

「知らない奴に言われても信用出来ねえよ。まず、お前達は何者なんだよ」

 

「答える必要な無い。死ね」

 

 

ノーマル部隊はライフルを撃ちながら接近してくる。僕とグレイは前進して、右手に装備してあるレーザーをノーマルに当てるが、撃破出来ずに、機関砲を撃ってきた。

慌てて避けて、なんを避けるがもう一機ノーマルが避けた先にライフルを撃たれて被弾してしまった。

 

「落ちなかった…!?」

 

「エネルギー対策はやってるってことよ。ノーマルはネクストより火力が低いのを忘れないでよ」

 

お姉ちゃんの言った通りだ、ネクストより性能が低いなら、武器の火力も必然的に低いし、瞬間的に避けられるクイックブーストも当然ない。

慌てて姿勢を制御して、反撃を仕掛けるも避けられるが、レーザーキャノンで貫かれて墜ちていく。

 

「バックアップは任せろ、お前は無理に撃破しなくていい」

 

「分かった…!でも、この機体って…」

 

「今は考えるな、とにかく輸送機を守れ!」

 

そう言った、グレイは機関砲を撃って来た戦闘機をレーザーでコクピットを撃ち抜いて撃墜した。流石に、ノーマルと戦闘機じゃあ、戦力の違いがあるから簡単に撃破できる。

僕も負けじと向かってくる、戦闘機の撃ち落とすと、残りはノーマル二機だけになった。

 

「どうしたんだ?その程度だったのかよ」

 

「ちぃ…撤退するぞ」

 

ノーマル二機は反転すると、撤退して行った。

 

「なんだったんだろ……あれ」

 

「おおよそ、盗賊とかそんなところだろ。なんにせよ、クライアントに、大事なくてよかったな」

 

グレイと言う通り、盗賊だったのかもしれない。企業専属の部隊だったら、肩部に企業のロゴが入ってあるが、遭遇した部隊にはなかった。この世界には、国という概念はない。20数年前の国家解体戦争で企業が勝利したからだ。だから、人を罰する法律は大半は無くなり、クレイドルや企業のコロニー以外の生存区域の治安は、かなり悪い。

兄さんやお姉ちゃんがいなかったら、盗賊の仲間に入っていたのかもしれない。そう考えると、僕は人を恵まれているのかもしれないと、帰還しながら考えた。

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