ARMOREDCORE compensation   作:天武@テム

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意識を失ったグレイ。ECMにより通信がない中、ジンは1人で戦うことになる。


chapter2-13(β)「紅い刃」

 

「ジン…!ジン!!グレイちゃんとの通信が途絶えた!そっちは何が起きてるの!?聞こえてる?返事して!」

 

ノアはレーダーの砂嵐が続く中、ジンとグレイに通信をかけるがジャミングを受けて返事は一向に帰ってこなかった。

 

「ダメだ、ECMの影響をモロに受けてる…」

 

「どうして!?こっちのECM対策はしっかりしてる筈…!」

 

「こっちの対策が万全でも。紅桜とイモータルのECM耐性がないんだ……」

 

「それじゃあ…2人が助けを呼んだって何も聞こえないってこと…!?嫌よそんなの!!」

 

「姉貴落ち着け!まだレーダーには友軍信号が点いてる。まだ戦ってるが、一機は動いてない……」

 

レーダーは、砂嵐が混じりにも表示されており、友軍信号の緑のアイコンは2つ表示されていた。まだ、機体は稼働している証拠だ。

 

「動いてないのがきっとグレイちゃんね…死んでないわよね?」

 

「そう思っておこう、信じるしかない。対策を考える。俺達は俺達で出来ることを探そう」

 

2人はジンとグレイを信じながらオペレーター室で対策をしながら無事を祈ることにした。

 

―――――――――――――――――

 

 

一方リッチランド農業プラント。敵のネクストは逃げ惑う紅桜にグレネードやミサイルによる飽和攻撃を仕掛け。それを避けるのにジンは必死だった。

 

「フハハハッ!!いいぞ…お前の感情が見える。やはりでかいだけのデカブツとは違う!!」

 

「避けてるばかりじゃ、こっちがやられてしまう……!!サクラ!こっちのAPと全部武装の残弾を!」

 

ジンは飛んでくるミサイルをアサルトライフルで迎撃したり、グレネード弾を避け続けながら機体の耐久とプラズマキャノンの残弾を支援AIのサクラに尋ねる。

 

『AP残り50%!ライフルは300発、バックウェポンのプラズマキャノン残り2発。まともに撃ち合えばこっちがやられてしまいます!』

 

「相手はGAフレーム、ライフルでチマチマ撃ってるとこっちがやられる…。相手として相性が悪すぎる!!」

 

『相手は単発武装を沢山持っててどれもリロードに時間がかかります。その隙にレーザーブレードを使えば……まだ可能性はあります!』

 

「まだ近接戦闘慣れてないのにやれっていうの!?」

 

『やるしかありません…!でないと…』

 

「生き残れないってことだよね……!わかったよ。僕だって、こんなところで死にたくはない!!」

 

紅桜はクイックターンをして敵ネクストに真正面から突入し始めると、プラズマキャノンとライフルで集中攻撃を行った。敵ネクストはQBで直撃は避けられるがプラズマキャノンの影響でPAの形状が不安定になっていく。

 

「ようやく戦う気になってくれたか…。いいだろう、存分にかかってこい!!」

 

敵ネクストのパイロットはコクピットの中で笑みを浮かべる。今まで逃げ腰だった相手が振り向いて攻撃してくることで昂っているのだ。敵ネクストは負けじとミサイルとバズーカを放ってくる。紅桜はミサイルを迎撃しながらも迫ってくるバズーカとミサイルをQBで避けると、負けじと再びプラズマキャノンを放つ。今度は直撃し、PAの形が徐々に歪んでいく。

 

『プラズマキャノンパージ!!敵ネクスト、PA減衰していきます!このまま行けば…!』

 

「こうなったらこっちのもの!!」

 

出来るだけ身軽になるようにプラズマキャノンをパージする。紅桜は紫色レーザーブレードを構えて灰色のネクストに切り込こもうとする。

 

「思い切った判断だ!!だが甘いぞ!」

 

敵ネクストは接近してくる紅桜にミサイルとグレネードで迎え撃つ。

 

「避けなきゃ ──」

 

『ここは私が!』

 

サクラは紅桜を操縦し、グレネード弾をライフルで撃ち抜くと目の前で爆発し、同時に迫っていたミサイルも誘爆して大きな爆発が起こる。

 

「あの爆発じゃ直撃か……。度胸は良かったが、未熟だったな」

 

煙が立ち上る様子を後にして、敵ネクストは武器を下ろして、動かなくなったイモータルの元を向かおうとした次の瞬間だった-

 

「なんだと!?」

 

煙の中から紅桜が飛び込んで来てブレードで斬りかかる。灰色のネクストのPAは破られて、バズーカの砲身も切断して爆破させる。紅桜は爆風に巻き込まれないように瞬時に距離を離してライフルを撃ち始める。

 

「今のは一体……」

 

『これなら致命傷を与えられると思って…。ごめんなさい、操縦権勝手に奪っちゃって……』

 

「ううん、大丈夫…!凄いよサクラは……。僕もあんな風に動けたら…」

 

『ご主人ならやれます。信じてますから!』

 

「……うん!やってみるよ!」

 

紅桜は前傾姿勢になりながら弧を描くように旋回しながら徐々に近づいていく。

 

「次はそうはいかんぞ!!」

 

しかし敵ネクストも同じ手は通じんとばかりにQBを利用して左右に瞬時に移動しながら後退し、プラズマライフルとグレネードキャノンで近寄らせないようにする。

 

「引き撃ちしてくる相手にはどうしたらいいサクラ?」

 

『機動力は確実にこちらの方が上です。グレネードは私が処理します!多少の被弾は気にせず、ちょっとずつでいいからQBを使って距離を詰めましょう!』

 

「やってみる!!」

 

紅桜はグレネードを撃ち抜き、QBで瞬時に弾道を避けながら距離を詰め、ブレードが届く距離まで近づく。しかし、近づいた瞬間に敵ネクストのミサイルコンテナが開き発射されて直撃を食らって足止めされるが構わずにブレードを振りかざす。

再生しきれてないPAは完全に機能せずにブレード等身は敵ネクストの装甲を傷跡を残す。

 

 

「あと少し……!!」

 

「やってくれたな……だがこのくらい!」

 

敵ネクストは反撃しようとグレネードキャノンを構える。

 

「ジン!!離れろ!!」

「っ……!グレイさん!」

 

紅桜は咄嗟に離れ、その背後からグレネード弾が飛んでくる。敵ネクストに直撃し、膝を着く。

 

「至福のうちに果てるとは……。これも戦場を甘く見た報いか…」

 

敵ネクストのカメラアイは消え、機能を停止した。紅桜はそれを後にして両膝を着いている、イモータルの元へ向かう。

 

「……やったんだよね?そ、そうだ……グレイさん体調は?」

 

「身体のあちこちが痛い…。そうだ、通信は?」

「そうだった……。兄さん、お姉ちゃん!聞こえる?」

 

プラズマの影響が無くなった今、通信回線を開くと、ノアの声が聞こえ始めた。

 

「ジン、グレイちゃん!!……よかった、無事なのね?」

 

「なんとかね……目標、撃破したよ」

 

「ほんとか!!よくやった……今そっちに向かう。…無事でよかった」

 

「……ジン。ほんとに今回は助かった、ありがとう」

 

「こっちこそだよ、グレイさんがいなかったらやられてたかも」

 

「あのな……呼び捨てでいいぞ?武にぃの弟なんだろ?」

 

「え?あ……うん。いいの?」

 

「いいんだよ。むしろかしこまった呼び方されるのは苦手でな」

 

「そっか、じゃあ……ありがとうグレイ」

 

「ああ、こっちこそ」

 

武の安心した声が聞こえる。紅桜はイモータルに手を差し伸べて立ち上がる。ジンは少しばかりか、彼女との友情が育まれたような気がした。

 

 

 

 

 

 

 

 

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