ARMOREDCORE compensation   作:天武@テム

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chapter2-15 「コロニーの再生」

「……それで兄さん、急ぎの依頼ってなんなの?」

 

武がレンタルしたコンパクトSUVはジンを助手席に乗せてコロニー内のハイウェイを走って行く。

走行車両には一般車両は殆どなく、GAグループのトラックや装甲車両が多く走っている。

「計画都市フィリップ跡地を占拠しているテロリストの排除だとよ。至急してローゼンタール社に向かうように…だとさ」

 

リンクス戦争以前、企業によって一般市民への居住区として作られた人口都市である。しかし、人類の大半がクレイドルに住むようになってから都市だけが残り、反動勢力の拠点と化している場所が幾つか存在している。

 

「ふぅん……。でも、それってローゼンタール社が運営してるんでしょ?僕達、お姉ちゃんの会社のAGEから多少のバックアップ受けてるのに、なんで僕達に依頼がくるの?」

 

「それが……テロリストの正体がリリアナかもしれないって話なんだ」

 

ジンはリリアナの文字を聞くと、顔色が一瞬で変わった。ジンは今度こそ、オールドキングの情報を聞けるかもしれないと、思わず前のめりになりながら武の話を聞いていた。

 

「それは本当なの?そいつらの目的はなんなの!?」

 

「落ち着け、まだ決まったわけじゃない。それに、今は濃霧で視界が不安定らしい。ネクスト戦力がいるって話だが……まだ不確定要素が沢山ある。正直やりたくは無いが」

 

「僕やるよ!今度こそ分かるかもしれない…!!」

 

「お前……前に死にかけたの忘れてないだろうな?」

「忘れてない…!今度は大丈夫だって……」

 

武は呆れたようにジトっとジンを横目に見ると、ジンはたじろぎ大人しく座り直す。

 

「はぁ……まぁ、今回はお目付け役がいるから大丈夫か」

 

「お目付け役って…?」

 

「そう、ローゼンタールからも調査隊を出すみたいだ。自由都市を開発するための調査だとかなんとかって」

 

「へぇ、自由都市……か。なんでそんなものを?」

 

「さぁ?お嬢さんの聞いてみたらどうだ?」

 

「ん?お嬢さんって?」

 

国家解体戦争後、企業はコロニーを設立し、パックスエコノミカが施行され、住民に資源の節度ある配給が行われた。しかし実情は最低限の衣食住を渡すだけの奴隷制度であった。しかし自由都市は真逆で、クレイドルと同様に住民達が自由に売買が可能となり、国家解体以前の様な体制となる。

ジンは、お嬢さんって言葉にピンと来ずに首を傾げていた。

 

「お前……あんだけ仲良さそうに追いかけっこしてて分かってないのか?」

 

「追いかけっこって……もしかしてコスモスの事!?」

 

「ああ?なんだ違うのか?呼び捨てだしってきり」

 

「違うっていうか、呼び捨てでいいって言ってたし…それに、あの時はその…なんか見覚えのある人だったと思ったから思わず…」

 

「見覚えのある人ってそりゃそうだろ。覚えてないのか?」

 

「思い出せたらいいんだけど……小さい時の事を思い出すそうとしても、思い出せなくって…」

 

ジンは母親を殺された時以前の記憶を思い出せずにいた。それ故に、コスモスのことを思い出せずにいることを負い目を感じている。

コンパクトSUVは空港に着くとノアがローゼンタールのバッチを付けたスーツの男性と話していた。男性は兄弟の方を見ると会釈をした。

 

「彼が例のイレギュラーネクストを?」

 

「ええ、腕は下手なリンクスよりかは戦力になりますよ」

 

「ええ、期待しています」

 

そう言うと、男性は武の方に近づいて手を差し伸べた。

 

「初めまして、ジン=叢雲。今回はよろしくお願いします。噂通り、端正な顔出しですね」

 

「ありがとうございます。でも、ジンは俺じゃなくて…こっち」

 

男性はキョトンとした顔になり、ジンは深くため息をついた。

武の方がリンクスと間違えられる事はよくある。しかし、だからといって気にしていないわけではなかった。

 

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