ARMOREDCORE compensation 作:天武@テム
ジンさん!ジンさん…!なにがあったんですか!応答してください!』
コスモスの応答に答える余裕もなく、紅桜は砂漠の狼を正面に捉え、装備していたマシンガンを突き付ける。
「くそっ…!なんでお前が……お前がこんな時に!!」
『お姫様の邪魔をするように依頼されてな、お前には用はない』
「なんだと!!」
『この濃霧の中、俺を捉えられたら構ってやるよ』
砂漠の狼は、飛び上がり濃霧の中へ姿を隠した。レーダーには再びECMによって居場所がつかめなくなっていた。
「またECM…!一旦どこから!」
『恐らく敵ネクストが安易的なECM発生装置をもっているのかと…ご主人!後ろ!!』
紅桜は追いかけようと砂漠の狼と同様に飛び上がり、濃霧の中で視界を巡らすが機影らしきものは見えなかった。しかし、背後から威力よりもマイクロミサイルによる面制圧を優先した散布型ミサイルが背後から迫ってくる。紅桜は迎撃が遅れ、ミサイルの爆風に巻き込まれて落下してしまう。
「くそっ…!どこにいるのかさえ分かれば…!」
『メインカメラを暗視スコープに切り替えます!お兄様が万が一の為にと、つけて頂きました…!ですが、暗視スコープは熱を感知し、映像化します。これを使えばカメラの解像度が低くなり、障害物の有無、友軍機と敵機の見分けがつかなくなりますが…』
「それでも構わない!!どうせ僕とアイツしかいないんだ。お願い、切り替えて」
『了解しました。システム、暗視スコープに切り替えます』
サクラは、暗視スコープに切り替えると視点の殆どが緑色に変わり、熱源体は赤く映っていた。しかし、熱源体は複数あり、戦っている様子だった。
「見えた!でも、戦ってるのは見えるけど、どれがどれだか…」
『そう言う時は通常のカメラに切り替えるんだ』
「兄さん…!ECMの影響は?」
『もうとっくに解消されてある。効果が短いものみたいだ。友軍機がいる内に急いで援護にまわれ!』
「了解…!」
紅桜は熱源体が複数ある方向へブーストを吹かしながら、通常カメラへと切り替える。
通常カメラに切り替えて索敵していると、監視役として同じ作戦領域にいたイカロス小隊は黒色に塗装されたGA製のノーマルを主体としたリリアナ部隊と、白いネクストは砂漠の狼と交戦していた。
「リリアナ…!?潜伏してたって言うの?」
『最初に撤退していったのはフェイクだったって事か…。まんまと騙されたな』
紅桜は、すぐさまマシンガンを撃ちながら、イカロス小隊の壁なるように前に降り立ち、すぐさま敵ノーマルにレーザーブレードで切りかかる。エネルギー刃によってノーマルは容易く胴体と脚部が分断される。すると、緑色の爆発が起こり紅桜は爆発に巻き込まれてしまう。プライマルアーマーは徐々に減衰し、モニターで表示されていた機体の耐久値も擦り減ってしまう。
「なんで…!?何が起きたの!?」
『高濃度コジマ粒子による爆発です!恐らく、撃破したノーマルにコジマタンクを積んでいたのかもしれませんね』
「お姫様の邪魔をするって、まさか…」
『恐らくは…、とにかく敵機を爆破させないようにしないといけません』
「するってどうやって…!」
『例えば、ジェネレーターを破壊せずに…。ご主人、三時の方向!!』
今度は仇を討つかのようにパイルバンカーを持ったノーマルが紅桜に接近するが、近づかれる前にバックブースターを吹かして距離を離す。すると、イカロス小隊による援護射撃によって動きを止める。
『援護感謝する、だが先に姫様の護衛にまわってくれ。』
「姫様って…コスモスのこと?」
『ノイン家のご令嬢だぞ!軽々しく呼び捨てにするな!わかったなら、さっさといけ!』
「は、はい…!」
紅桜はイカロス小隊を後にして、コスモスの元へ向かうことにした。
廃墟を駆け抜けると、砂漠の狼と白いネクストが交戦しているのが確認でき、紅桜はすぐさまマシンガンを撃った。
『ちぃっ!タイムオーバーか!』
砂漠の狼は紅桜に気付き、飛び上がって紅桜の弾を避けると紅桜に散布型ミサイルを放つと、紅桜を飛び越えてエリア外へ飛んで行った。
「逃げる気か!!」
『追いかける必要ありません。あくまでもコロニー跡地の調査ですから…ですが、ここのコロニー再開発は厳しいかもしれませんね…』
コロニー跡地は許容範囲以上のコジマ粒子が飛び交っており、人が住める環境ではなくなっていた。