ARMOREDCORE compensation   作:天武@テム

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chapter3-3「アスピナのネクスト」

アスピナ機関に到着すると、複数の研究員らしき人物がジン達を待っていた。研究員達は女性と男性半々といったところで、見た目の人それぞれなのだが、研究員の中心にいた女性以外は全員真顔でジン達を見ていた。

中心にいた女性は艶やかな白髪に白い肌、またそれを一際目立たせる赤い瞳は、文字通りの美女と言っていい見た目であった。そんな美女はジンに微笑みかける。

 

「いらっしゃい、ノーちゃん。ジン君と武君は初めましてね、ようこそアスピナ機関へ」

 

美女はジンに近づき、微笑みかける。

 

「は、はい。よろしくお願いします…!」

 

今まで姉を含めて年上の女性と会話するのは少なくはないが、慣れていないジンは緊張のあまり声がうわずってしまった。

 

「緊張しなくて大丈夫よ、どんな人が来るかと思ったけど、こんな可愛らしい子だったなんて思わなかったわ」

 

「別にそんなことは…」

 

ジンは可愛らしいと言われるのにどうも慣れておらず、むず痒い反応を示す。

 

「あら、ホントの事よ?君みたいな可愛い顔だったら、フリルとか似合うかも?」

 

「えっ!?あ、あの…!ま、待って下さい!?」

 

ハンナはジンに近づき、軽くしゃがんでジンと同じ目線になると、ジンの顔に手を添えてじっと見つめる。ジンは突然の事で狼狽える。その光景を後ろで見ていた武はノラに軽く肘で小突くと小声で話し始める。

 

「なぁ、あの人随分と馴れ馴れしいけど、一体誰なんだ?」

 

「彼女は、ハンナ・L・ミーハイル。アスピナの中でも1、2を争う研究員と同時に、私の姉です」

 

「…止めなくていいのか?」

「それもそうですね。……姉さん、ジンさんをからかうのはそこまでにして、依頼の説明をお願いします」

 

「あら、ごめんなさいね、久しぶりに可愛い子をみたらついからかいたくなっちゃって」

 

ハンナは手を離してごめんねとジンのポンポンと子供をあやすように頭の撫で、立ち上がると、「着いてきて」と言って先を歩き出す。三人はハンナの後ろをついていき、残りの研究員はその後ろからついていく形をとる。ジンは表情を一切変えない研究員を少し不気味に思いながらも何も言わずに武の傍から離れないように歩き続けた。

アスピナ機関は全面真っ白で、所々ガラス張りの壁や観葉植物が置いてあるだけで殺風景な空間で如何にも研究所のような光景が見られた。

 

「…どこにネクストがあるのですか?」

 

ジンは、ふと疑問に思い、ハンナに聞く。こんな如何にも研究所のような雰囲気の中、ネクストを開発しているとは思えなかったからだ。

 

「あら、研究機関だからって全部のフロアでAMSの研究しているわけじゃないのよ?」

 

そう言いながらハンナは、オペレーションルームとネームプレートに書かれた自動ドアをカードキーで開ける。

そこは、今までの雰囲気と変わって企業と同様の指令室となっていた。既にテストは始まっている様で、メインモニターには黒い巨体が動いているのが見える。恐らくあれがネクストなのだろうが、早すぎてカメラが追い付いていないようだ。

 

「一度中断してもらってもいい?後、ソブレロをカメラに映して頂戴」

 

黒いネクストは動きを止め、モニターの中心に映る。

 

「どう?我々アスピナが一から作ったネクストよ」

 

「これが…ネクスト?」

 

モニターに映ったネクストは、文字通りのT字の胴体。腕部パーツも腕とは言えず、関節がなく、ただL字に曲げて武器を固定させただけのマニピュレーター、脚部も関節がなく非常に細い。まるで板を取り付けただけの様に見えた。あまりにも異形なシルエットにジンは言葉が出ないと同時に、これから行う性能テストに大きな不安を抱いた。

 

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