ARMOREDCORE compensation 作:天武@テム
試験場内にサイレンが鳴り響く。ラストスパートをかけようとしていた2機は、動きを止める。
「サイレン?一体何が」
『リリアナよ!今すぐこっちに戻ってきて頂戴』
「リリアナ!?アイツらまた……!場所は何処ですか!戦います!」
ジンは応戦しようと、食い気味に場所を聞く。
「落ち着いて!まず状況確認を…」
食い気味に場所を聞こうとするが、アンテナのような頭部に、背中に戦闘機のジェットを取り付けたような飛行型ノーマルが紅桜とフラジールに向けてレーザーを撃ち始める。 フラジールは装甲に当たらない向きに機体を傾けた後、ノーマルの頭部にペイント弾を打ち付ける。ペイント弾によってノーマルは視界を塞がれてしまい、紅桜が左腕に装備していたレーザーブレードで飛行型ノーマルを切り裂れる。
残りの2機も紅桜に向かってレーザーを連射する。レーザーは紅桜の紅い肩部に命中するも、紅桜はレーザーブレードで一機切り裂き、もう一機はマシンガンを叩きつける。叩きつけられたノーマルは、ブースターを損傷し、不時着した。
『ご主人、急いで戻りましょう。』
「だけどこのまま戻ってる間にリリアナが……」
「その心配はないわ。こっちもテストパイロットを出撃させたから、急いで武器を取りに来て頂戴」
「…分かりました」
ジンはハンナからの通信を受けて、紅桜をアスピナのドッグへ急がせた。
「リリアナ?なんでこんな所に……」
「分からないわ。でも、何か嫌な予感がするわ」
武はリリアナの襲撃に疑問を持ち、懸念な表情をするのに対し、ハンナは表情を固くしてノーマル部隊に率いたネクストが領域内へ近づく様子が映ったモニターを見つめる。
「姉様、私も出ます。テストパイロットだけでは力不足かと」
「ええ、お願い」
ノラは頷くとモニタールームを出ていき、出撃する準備へ移った。
「ハンナさんよ、こっちの戦力はどれくらいなんだ」
「ジン君を含めると出撃予定のネクストが4機、それに迎撃ミサイルに機関砲台がそれぞれ二機ずつ」
「ネクストが建物周辺の防衛は危険だろ?アスピナはノーマルを持ってないのか?」
ネクストは、ノーマルと比べると圧倒的な持つが、起動するだけでコジマ粒子を散布してしまうため、非戦闘員がいる周辺での使用を暗黙の了解として禁止されている。武は、ネクストの防衛範囲からすり抜けてきた部隊の迎撃を懸念した。
「GAのSolarWindなら鹵獲したものなら持ってるわ。でも、ここには操縦出来るパイロットがいないのよ」
「だったら俺が乗る」
「乗るって…貴方動かせるの?それに、たった一機しかないのよ?危険だわ」
「俺だって元リンクスだ。ノーマル位動かせる。それに、ネクスト戦力だけの企業が本社を襲撃されて壊滅してるのを俺は知ってる。そんなの事になるなんて、あんただって嫌だろ」
「…貴方それってもしかして」
「話は後だ、ハンガーに案内してくれ。悪いようにはしない」
「…わかった、案内するわ。ついてきて」
ハンナはモニタールームから出ていき、武はその後についていく事にした。
紅桜は、アスピナのハンガーに到着すると作業員に誘導されてネクスト専用ハンガーに移動する。ドッグ内は各作業員と作業用ロボット【MT】(マッスルトレーサー)が慌ただしく動きながら、アスピナのネクストX-SOBREROが出撃していく中、ジンはドッグに待機していた例を見ないコアパーツに独特の複眼カメラを持つヘッドパーツをした機体である黒いホワイトグリントが出撃準備をする姿を確認する。
「サクラ……あれの機体、解析できる?」
『黒いネクストですか?かしこまりました、過去のカメラデータと比較します………類似度98% 反転迎撃の頃の救援に来た機体とほぼ同じです』
「やっぱり……じゃあ、パイロットもノラさんじゃ…」
「その感の良さは、いつか身を滅ぼしますよ」
「うぇっ!?その声もしかして……」
「ええ、ノラですよ。あの時助けたのも私です」
オープン回線からノラから通信が来る。ジンの予想は的中した。
「じゃあ、あの時なんで僕を……?言ってしまえば、あの時は他人だったじゃないですか。助ける理由が想像出来ないです」
「確かに、想像出来ないかも知れませんが、君のお姉様から依頼されてたのですよ。これはほんとです。お話はここまでです。行きましょう」
正面のハンガーの隔壁が開かれ出撃を促されていた。紅桜は歩き出し、隔壁から外へ出るとブースターを吹かして移動を急ぐ。