ARMOREDCORE compensation   作:天武@テム

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スフィア侵攻部隊を反転迎撃を依頼されたジン。
オーメル飛行部隊だと思っていたがそこには━━


chapter1-6 「Asutate」

━━コジマエネルギー発電施設スフィア主権領域上空━━

 

「ぐ……ぐううう……」

 

爆撃機(GAC6-GALAXY496)とヘリの混成部隊がスフィアに向かって飛んでいる背後に、外付け大型ブースターVOBによって高速移動している紅桜が約マッハ2で翔んでいる。ジンはGを悶え、耐えながら紅桜の操縦桿を握っている。

なぜそうなったのかは2時間前……

 

━━2時間前━━━

 

「ミッションを説明するわ、依頼主はBFF。目標はスフィア侵攻部隊の迎撃。今回は、依頼主から具体的な作戦が提示されてるわ」

 

紅桜のコクピットの中からノアの声が聞こえる。

 

「具体的な作戦って?」

 

ジンはノアに聞く、リンクスとしては作戦を聞かないとどう行動すればいいか分からない為、聞かないといけない。

 

「今から説明する。敵部隊は、スフィアに向けてホワイトエンドを行軍中らしいわ、この背後をVOBで強襲、なるべく多くの損害を与え、突破後に反転、残敵を掃討しろ、とのことよ。仲介人のジョージはこれがBFFらしさって言ってたわね。とりあえずジンにはVOB発射場に向かってもらうわ」

「なるほど、だから左武装がブレードじゃなくてマシンガン(01-HITMAN)なんだね。それで、VOBって?」

「これは俺が説明する。VOBは、ネクストに取り付ける大型ブースターだ。VOBは略称であってフルネームはVanguard Overd Booster(ヴァンガード オーバード ブースター)、元々VOBはAF(アームズフォート)にネクストで対処するために開発されたもので、ネクストをAFの至近距離まで到達させるための物だが。こういう使い方は初めてだな。」

「でもAFに接近する目的だけのブースターじゃないから、これも有効な使い方かもしれないね?」

「ああ、そうだな」

 

━━現在━━

 

「前方に侵攻部隊確認、情報通りだな……今のうちに攻撃しておけよ、そのほうが楽だぞ」

 

武が指示を送る。

 

「うぐ………うん……」

 

ジンはGに耐えながら操縦桿を握り直す。ネクストの前方に備えられている、バックブースターを吹かし、戦闘ヘリ部隊に照準を合わせマシンガンとライフルを撃つ撃つ。マシンガンの弾はまっすぐは飛ばず、少々ばらつきつつヘリに向かって飛んでいき数発命中しヘリは爆発する。ライフルの弾はヘリめがけてまっすぐ飛んでいき、命中し爆発する。この調子で、ヘリ部隊を撃破しサイドブースターを瞬間的に高出力で吹かし(QB)、爆撃機(GAC6-GALAXY496)の背後に周りマシンガンとライフルを撃つ。弾は命中し一機の爆撃機が爆発。

しかし、爆撃機は当然のようにヘリより装甲が硬い。何発か撃ち続けないと撃破出来きず、爆撃機を撃破できずにVOBの加速によって通り過ぎてしまうこともある。

 

「VOB使用限界近いわ、そろそろ通常戦闘意識しておいて。」

 

今度はノアが指示をし、武がレーダーで探索する。

 

「っ……!大型の熱源反応!これは…アームズフォート…!?」

 

武は驚きながらも、紅桜のメインカメラ映像をモニターに映す。しかし、距離があって微かに大きなシルエットが見えるくらいだ。

 

「オーメルまだアームズフォートを開発中だった筈だそれに陸上型じゃなくて飛行型だ……アルゼブラは開発はしているが…まず有り得ない。まだ戦闘できる状態じゃないはず……消去法で考えると恐らくランドクラブだ!」

 

ランドクラブ、GAが開発した量産型アームズフォート。上部に主砲が四つ設置され、クラブと名前にあるだけに、多数の脚があり、前方だけでも八本の脚がある。

ジンはレーダーを確認する。レーダーには、侵攻部隊の向こう側に大型の熱源、恐らくあれがランドクラブだろう。ランドクラブは、主砲を紅桜に向けて砲撃する。しかし、約マッハ2で飛ぶ紅桜に命中せず、紅桜はランドクラブの上空を飛び越える。

 

「情報が違うじゃないの……!VOB、使用限界パージするわ!AFも含めて残った敵部隊を排除して!」

 

ノアは仲介人に苛立ちを覚えながら、使用限界に到達したVOBをパージさせる。VOBのパージされた紅桜は、VOBの余力で飛びながら陸地に着陸する。紅桜は方向変換し、ランドクラブがいる方向に向く。紅桜の正面にはショットガンを撃ちながら2機のアルゼブラ製ノーマル(SELJQ)がお互いに距離を置き、突撃してくる。

紅桜はマシンガンから、左背中武装の軽量プラズマキャノン(TRESOR)に武装を切り替え、接近してくるノーマルに照準を向けて撃つ。プラズマの光線は真っ直ぐ飛びノーマルに直撃し爆発する。もう撃破されたノーマルの後ろから続いて、もう一機のノーマルも突撃してくる。ノーマルは、紅桜との距離を詰めた瞬間、パイルバンカーを突き刺そうとする。紅桜はバックブースターを吹かしてパイルバンカーのレンジ外まで下がる。紅桜は再装填が完了したプラズマキャノンを放ちノーマルを撃破する。

 

「よしっ……!命中した……!」

「目標残り半分、気を抜かないでよ。いや……待って、紅桜以外のネクストの反応を確認…!増援…!?」

「いや待て、増援だったら紅桜に接近するはず……あのネクストはランドクラブに接近してる。」

 

武はレーダーを確認する。レーダーには、紅桜以外のネクストの反応がある。謎のネクストは、紅桜には接近せずランドクラブと距離を詰めている。

その瞬間、ランドクラブの主砲が砲撃した音が轟く。しかし、主砲は紅桜を狙わずに謎のネクストの方を狙う。

謎のネクストはグレネードキャノンと散弾を発射するスラッグガンをギガベースの主砲をすれ違いざまに放ち、1つの主砲を破壊する。不明ネクストは急旋回し、QB(クイックブースト)を吹かし、グレネードキャノンとスラッグガンを構えたまま接近する。しかし、ギガベースもただやられる訳にもいかず不明ネクストに向けて主砲で砲撃をする。しかし、高機動を得意とするネクストには当たらず接近を許してしまう。不明ネクストは主砲には攻撃せず、主砲が並ぶ上部の中央に辿り着く。主砲はここぞと言わんばかりに主砲を不明ネクストに向ける。

ランドクラブの四門の主砲は甲鈑の中央に降り立つ黒い不明ネクストに向けて撃とうとした瞬間だった、不明ネクストは緑の光に包まれまばゆい緑の光が広がる。

 

 

「うわぁ……!?」

 

ジンを思わずその眩しさに目を瞑る。

目を開けると、あの不明ネクストはおらずランドクラブは甲鈑と四門の主砲が抉られていて戦闘は到底出来ない状態だ。

 

「な、なんだったんだ……あれ…」

 

紅桜は呆然と立ち尽くすが、迎撃し損ねた爆撃部隊は紅桜に向けてハイレーザーを放つ。ジンはバッククイックブースターを吹かしてハイレーザーの直撃を免れる。紅桜は上昇し一機の爆撃機にライフルとマシンガンによる攻撃で撃破。しかし、エネルギー残量がなくなり上昇出来ずに落下、その隙を逃さずにハイレーザーを放つ。エネルギー残量が少ない紅桜はかろうじて避けようとするがハイレーザーばヒット。

 

『ぐっ……うう…』

「ごめんよサクラ……もう少しで終わるから…」

 

ハイレーザーはプライマルアーマーを貫通し、腕部の装甲を一部の装甲を溶してい紅桜は痛みに耐えるように歯を食いしばった声を出す。すぐさまにジンは反撃し爆撃機を撃破する。再び上昇すると爆撃機の後ろに回り次々に撃破する。レーダーには、爆撃機の反応はなく。残りは作戦領域の端のヘリだけだ。

 

「よし……あとはヘリだけ…」

 

ヘリだけなら問題はないと安心してオーバードブーストを起動して向かいヘリ部隊をマシンガンとライフルで迎撃する。

「敵熱源ゼロ、なんとか終わったな。ここからヘリで迎えに行くから、待っててくれよ。」

ヘリで迎えに行くと言う通信が兄さんから来た、これでなんとか一安心だ。

ジンは破壊されたランドクラブの方を向く。

「あの機体は……一体なんだったんだろう……でも、あのシルエットは…」

ジンはあの不明ネクストのシルエット見覚えがあった。それは、カラードランク9ネクスト「ホワイトグリント」だ。

疑問を持ちながらもヘリの迎えを待つ。

 後にまた遭遇することをジンは思いもしなかった━━

 

 

 

……To be continued




次回も戦闘回です、よろしくお願いします

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