ARMOREDCORE compensation   作:天武@テム

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突如現れた黒いネクストによって一命を取り留め、ミッションを成功させたジン。これで一安心と思ったらGAから緊急の依頼を頼まれる。その内容は━━


chapter1-7 【A Gray Next】

大型輸送ヘリの迎えを待つこと約1時間、ジンの上空から武が搭乗している大型輸送ヘリが降りてくる。

 

「待たせたな、今から回収するからな」

 

大型輸送ヘリに備えられてあるカーゴのハッチを開くと、サブアームを展開しプライマルアーマーを解除した紅桜を掴むとそのままカーゴの中に入れてハッチを閉じる。

 

「ディムフロストコーティング開始っと…」

 

カーゴ内が密封状態になると紅桜のフレームに白い霜のようなものがつき始める。作戦領域上空に到達するまで、又は帰還する際完全密閉状態に保たれる。このとき、内部はコジマの分子運動を阻害するため極低温状態にして、ネクストの装甲表面は特殊な冷凍方法によってコーティングが施される。これをディムフロストコーティングと呼ぶ。

 

「そう言えば、輸送ヘリなんてどうしたの?いつの間に買ってたの?」

 

ジンは輸送ヘリを運転している武に疑問を持ち話しかける。輸送ヘリなんてウチにはなかった。ミミル軍港襲撃の報酬で買ったのだろうか。

 

「ああ、こいつはちょっとした取引で貰った物だ。」

 

「取引?」

 

「その話は私が説明するわ」

 

ノアが通信に割り込んで来てモニターに世界地図とノアの顔が映る。

 

「んぇ?お姉ちゃん、どういう事?」

 

「さっき、GAからの通信でね。今からリッチランドへ行って敵部隊を襲撃して欲しいってさ。もし成功すれば、報酬とこの輸送ヘリを渡すとの事よ。」

 

「なんとなくわかったんだけど…リッチランドって?」

 

「簡単に言うと、アルゼブラが所有する農業プラントよ。MTやノーマルACは勿論、鹵獲した量産型アームズフォートだけじゃなく、ネクスト戦力を投入されてるみたい。今リンクス、メイ・グリンフィールドが応戦してるけど結構不利な状況ね……」

 

カラードランク18、メイ・グリンフィールド、GAに所属するネクスト「メリーゲート」のパイロット。緑色に塗られた角張ったフレームと大きな笑顔のイラストのエンブレムが特徴のメリーゲートは支援機として高い評価を受けており、現時点でのGA専属のリンクスとして最高戦力とも言える。

 

「GAは他の企業に比べてネクスト戦力が乏しい。数少ないネクスト戦力をこんな所で失いたくないんだろうな。一応聞いておくが、ジンやれるよな?」

 

「うん、やれるけど……もうライフルとマシンガンの弾減ってるよ…?」

 

「残り何発だ?」

 

「ええっと……ライフルがあと61発でマシンガンが563発だね。あと、プラズマキャノンはあと7発だよ」

 

「それぐらいあれば十分足りる。さあ、急ぐぞ」

 

「うん……!」

 

輸送ヘリは最高速度でリッチランドへ向かい。ジンはできるだけさっきの戦いの疲れを取るために軽く仮眠を取ることとした。

 

 

 

 

 

 

 

━━旧ロシア、モスクワ近郊。現企業アルゼブラ農業プラント 「リッチランド」━━

 

『メイ!APが半分を切った!この調子だと堕ちてしまうぞ!』

「わかってる……なんとか援軍が来るまで持ちこたえないと……!」

 

メリーゲートのオペレーターはパイロットのメイに注意喚起をして、クイックブーストで後ろに下がりながらGA製のライフル「GAN02-NSS-WR」とバズーカ「GAN01-SS-WB」を撃ち続ける。その前には直撃を避ける灰色で流線形のフォルムのネクスト「AALIYAH」が突撃型ライフル「04-MARVE」とマシンガン「01-HITMAN」を撃ち続けるのと同時に灰色のネクストの後ろから砲撃が放たれている。メリーゲートは実弾防御力は高いが、機動性が低い為避けようとしても灰色のネクストの攻撃が当たってしまう。

 

「ネクストだけならまだしも…アームズフォートがまだ動くのが……!」

 

灰色のネクストの背後には半壊したアームズフォート「ランドクラブ」が援護砲撃を行っていた。ランドクラブの砲撃は辛うじて避けることはできるが、当たったらいくらGA製のネクストでもひとたまりもない。

 

「いた…!起きろジン!お前の出番だ!」

 

リッチランド領域内に到達した紅桜を積んだ輸送ヘリが到達し、武は戦闘しているメリーゲートを発見をする。

 

「どうする?降りるか?」

「うん……!もう大丈夫…!」

「オーケー了解した、投下するぞ!」

「行くよサクラ!」

 

「サクラ」は意気揚々にはいと返事をする。輸送ヘリのハッチが開き紅桜が降下し始めると同時にネクストの心臓部であるジェネレーターが起動し、カメラアイが光ると纏っていた真っ白な霜を割って戦闘準備を行う。

 

『……敵増援を確認。マスター、ネクスト「紅桜」です。』

「ネクストだと!?そんな情報聞いてないぞ!」

『GAが救難信号を送ったのでしょう……GAも貴重なリンクスを失いたくないのでしょう……』

 

灰色のネクストのオペレーターが紅桜の接近に驚くも、「イモータル」が冷静に返答する。

 

「ごちゃごちゃうるさいぞ亡者、イモータル。つまりは、GAがこの事を予測済み……という事なんだろ?」

 

『ええ、そうだと思います。意外と老いた巨人も侮れませんね。』

 

「だな……でも、相手は新人だ。それに、まだランドクラブも動いてる。行けるはずだ。」

 

『左様ですね、まだ勝機は残っています。』

 

「ああ…!行くぞイモータル!」

 

『仰せのままに、マスター』

 

 

 

 

……To be continued




次回は紅桜対灰色のネクストとの戦闘になります。
最近自動車学校やらで忙しい時が続いてますが、地道に書いていきます。

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