「いい青空だな~」
ガタンガタンと音を立てながら揺れる荷車の中で
仰向けに寝ながら空を見上げる青年
「そうですな、こんな日にはゆっくりと過ごしたいものです」
前で馬を操作している。ガッチリとした体型の鎧を着た男が言う
他にも鎧を着て馬に跨がって走らせている男達が沢山いた
「しかし壁殿、我々だけこんなにゆっくりで宜しいのでしょうか?」
「宜しいんじゃあないの?俺の私兵だし。最近、使いっぱをさせられてるせいで武器の補充なんてしてなかったしさ」
身体をお越し立ち上がると、隣に座り込み
「それは、そうなのですが。今回は殿自らが出陣なのですよ」
「確かに…そうだよな?」
「そうだったかな?」
「「頭(大将)、どうなんですか?」 」
周りの男達もざわつく、軽く溜め息をつくと立ち上がる
と息を吸い込む
「今回の戦いでは、曹操様直々に戦場に出陣されたと聞く!
故に、壁隊は遅ればせながらもこれに参加するものである!!!」
大声でしかしはっきりと、後の兵にまで聞こえるように伝える。
「「「おおおぉーーーー!!!」」
一斉に皆が叫びながら拳を高々と上げる
青年はゆっくりとその場に座り込む
「……もう終わってないかな」
小声で呟きながら空を見上げる青年の顔は、それはやる気のない顔であった
それから刻が過ぎていき
「絶賛、戦中とか頭可笑しいわ」
予定の場所からは少しだけ離れているものの着いたのは着いたのだが……
「どうしますか?壁殿。斥候の話では既に敵は壊滅状態だそうですが……」
「どうするったて、もう勝ったようなものでしょ?今更でてもやることないし」
「ですよね~」
あれからゆっくりとぐだぐだ行軍しながら戦場に向かう際に、蒼い甲冑を纏って馬を走らせ此方に知らせてくれた使いの者からの報告を聞き、身軽な奴を先に行かせて斥候させたのは良かったんだけどな……
「しょうがないわ……使いからの話であった。三人の女芸者だっけ?そっちに行こうか。流石に、あんな状態なら逃げてるか死んでるっしょ」
指差す方向には、敵が火の中を必死に逃げるか、味方に殺されるかの状態に陥っていた
「とりあえず、劾と叛と暦の三人に50ずつ渡すから
此方に来る残党処理をさせてこいや」
わかりましたと、先程まで荷車を操っていた男。圓さんに指示を出すと
三人とも此方に礼をすると、直ぐに動き出した。
「残りは、俺と探索な」
荷車から得物を取り出し身体を伸ばすと、隣にいた兵の後ろに乗り込むと馬を走らせるよう言うと他の者達も後を付いていくのであった