現役女子大生2人と気づいたら同棲していた件について 作:神崎識
~307号室~
本来なら307号室は自分の部屋なんだが、何故か今は両隣の現役女子大生二人と同棲している。
彼女らは近くの大学に入学し、このマンションの同じ階の自分の部屋の両隣に引っ越してきた。
最初はただのお隣同士だったけど、いつしか自分の部屋に入り浸るようになっていた。
別に迷惑してるわけではない。
家事も手伝ってくれるし、光熱費も多少は出してくれるのでうれしい。
彼女らは戦車道という競技をしていると聞いた。
高校時代は名のある選手だったらしく大学も戦車道で入ったと聞く。
正直、自分は戦車道の事はよくわからないけどケガをしないのなら安心だ。
その戦車道の名家の西住流の家元の娘の西住まほだと本人から聞いた。
別に自分は驚きもしないし、特別扱いして媚を売るわけでもない。
もう一人の安斎千代美は名古屋から静岡の高校にスカウトされた程の実力があると聞いた。
自分からすると2人はただの女子大生ぐらいにしか思えないけど。
「なぁなぁ新作の恋愛映画が公開されたんだ。一緒に行かないか?」
「安斎、佑真は私と出かけるんだ。一人で見に行ってくれないか?」
2人は自分を挟んでにらみ合っていた。
「私と映画を見に行くよな!」
「私と出かけるよな!」
自分の腕は二人に引っ張れて滅茶苦茶痛い。
「痛いから放してくれ!」
2人は自分の悲痛の声を聞いて腕を放してくれた。
「どこかに出かけるのはいいが、それ以前に戦車道の練習があるだろ?学業を疎かにするようではいけないぞ!」
自分の正論過ぎる反論に返す言葉がなく、固まる2人。
「とりあえず朝食にしよう。その後に言い分は聞くから」
とりあえず朝食をとり、今日の日程を考える事にした。
ちなみに我が家の朝食は日により違う。
今日はパン食だが、ご飯だったり麺類だったりと様々だ。
それも千代美のおかげだ。
彼女は戦車道の腕も料理の腕も一流だ。
それに比べるとまほは確かに戦車道の実力は千代美より上だが、家事スキルが全くと言っていいほどない。
だけどそれは最初の話。
今ではかなりうまくなっている。
元から吸収するのがうまいからすぐに何事も出来るようになっている。
だけどどこか抜けている所がある。
たまにミスをするところがギャップを感じる。
千代美は乙女なところがある。
恋愛漫画や恋愛小説など恋愛関係の物が好きでついこの間もTSUKAYAで借りた恋愛物の映画を一緒に見た。
その時まほは寝てしまっていたけど。
まほはこういうのが苦手で千代美とはあまり趣味が合わない。
でも衝突したことはない。
むしろ2人の間に協調性が生まれている。
だからこそこの3人での同棲生活がうまくいっているのかもしれない。
かく言う自分もこの現状はまんざらでもない。
「朝食用意が出来たぞ」
呼ぶ声に自分は反応して回想を終える事にした。
ちなみに今日の朝食の作は千代美である。
トマトのスープ、ミネストローネスープとこんがり焼かれたトーストとシンプルな物だが味は一級品だ。
今日も朝からとても美味しそうな朝食だ。
「それでは手を合わせて」
自分の合図で2人が手を合わせてかく言う自分も手を合わせた。
『いただきます』
2人と出会うまで休日しか朝食を真剣に作らなったからこういうちゃんとした朝食を食べれるようになっているのはかなり幸せな事だと思う。
自分で作る朝食より誰かに作ってもらう朝食はとても美味しく感じた。
朝食の種類も多いから味にも飽きない。
「今日は2人ともちゃんと戦車道の練習に行けよ。最近、サボり過ぎだぞ」
「今日は行く。だが来週は予定を空けておいて欲しい」
「そうだな。来週は空けておいてくれ」
「はいはい。わかった来週は空けておくよ」
とりあえず今日は平穏な休日が得られるようだ。
「ごちそうさま。洗面所は先に使うから着替えておいてくれよ」
「わかった」
「りょ-かい」
流石に同棲しているとはいえお互い下着姿や裸を見られると恥ずかしいから洗面所を交互で使用して、使用している時に着替えるという方法にしている。
今のうちに顔を洗い、歯磨きと髭を剃っておく。
「もういいか?」
洗面所の扉越しに聞いて返答を待った。
「もういいぞ」
千代美の返事が聞こえたので戻る事にした。
そこには最近はボーイッシュな服よりかわいい系の服を着始めたまほといつも通り乙女チックな服を着た千代美がいた。
「それじゃあ行ってくる」
「行ってくるぞ」
「いってらっしゃい」
こうやって人を見送るのも中々一人暮らしでは経験で来ていなかったが、やはり見送るのも見送られるのもとてもいい事だと思う。
こうして今日も1日が幕を開ける。
彼女たちと一緒に。
どうでしたか?
次回からは他のキャラとも絡ませたいと思うので、side別で話が進行するかもしれません。
それではまた次回!