【アンコもどき小説】やる夫と叢雲とステンノは世界を渡りながら世界の危機を回避するようです   作:北部九州在住

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 征途やまと、ハリアーとヘリ何機ぐらい詰めるのか分からないので、艦これ式に7+7の14機にしておこう。
 あれ?これやばくね?


更に続く猫の手の確保 その4

 ヘリ空母ジャンヌ・ダルク。

 名前の通りヘリ空母である。

 という訳で、備品としてヘリコプターがついてきた。

 アグスタウェストランド リンクス3機とSA 316 3機である。

 乗る人間も居ないし横須賀基地に上げたのだが、潜水艦絶対殺すマンと化している海上自衛隊がこのスペースを見逃すわけがなく。

 かなり強引にヘリを乗せることになった。

 

「ここ、戦闘妖精少女の嬢ちゃんたちとヘリが運用できるでしょう?

 きちんとしたそっちのプロをあの船に乗せた方が後々楽ですよ。

 どうせ、この船から降りるつもりはないみたいですし」

 

 美野原首席幕僚がそのあたりを解説する。

 後部甲板にヘリ搭載スペースとか用意しているので、ヘリ運用ができるのはこちらとしては悪くはないのだ。

 そこで、ふと似たような状況になった船を思い出す。

 

「うちでこれなら、『やまと』はどうなっているんだ?」

「あっちの修羅場があったからこそ、こっちも強引に乗せてきているんですよ」

 

 聞くと、艦娘護衛艦やまとは備品でハリアーが搭載されていたのだ。

 しかも日本独自改造のやつで、ハリアーⅡJと呼ばれるものらしい。

 はやくも海自はこれを運用しようとパイロットの育成に入ったらしいが、同時にハリアーⅡの購入に走り、航空隊の設置に動いているらしい。

 この世界の海自の空母構想は、ゲテモノである艦娘護衛艦『やまと』とうちのジャンヌ・ダルクによって広げられようとしていた。

 おまけに、この手の拡張に強行に反対していた左派勢力が今は連立政権に入っているので、障害は恐ろしく少ないとか。

 彼らにとって自衛隊は信用はしていないが、懐柔はしておきたいという心理がよく見える。

 

「目指すは空母か」

「一足飛びにはいかないでしょうが、このご時世何が起こるかわかりませんからな」

 

 日米関係の悪化もあって、ある程度の戦力強化はむしろ必要という空気が政権内に流れているのも大きい。

 実際にすぐにできるとは思えないが、その端緒についたという事は10年後ぐらいには持てるのかもしれない。

 そうなると、どうやってその人員を確保するかにかかっているのだが、そっちについては未だ見通しがたっていなかった。

 とりあえず、うちの船にはSH-60J 6機が積み込まれる事になり、パイロットとその整備員達が乗り込むことになる。

 戦闘妖精少女たちも彼らの下で働くことになるのだが、空自から出向してきたパイロットが数人。

 こいつら、機体状態の戦闘妖精たちに乗る為にやってきたとか。

 色々騒動があったりするのだが、それはまた別の話としてひとまずおいておこう。

 

 

 

 

 

「わっかんないなぁ。

 今のマスターくんは考えうる限り最強に近い戦力を持っている。

 にも関わらず、どうして数を求めるのさ?」

 

 ロリンチちゃんの質問は尤もだ。

 英霊に悪魔に艦娘にその他色々。

 最強戦力に近いものを保持しているが、俺は所属しているらしい海自と一応本籍がある内務省の意向に合わせて、数の拡大に突っ走っていた。

 ロリンチちゃんはその真意を問い正したいのだろう。

 

「まぁ、デミ・サーヴァント実験に反対した先代ダ・ヴィンチちゃんならそういうだろうな。

 ちなみに俺は、あの実験ができるとしたら、喜んでゴーサインを出すという事で話を進めていこう」

 

 ロリンチちゃんの眉間が厳しくなる。

 まずはお互いの立ち位置の確認。

 その上で、大規模投入というパンドラの箱を開いたクローン・アンドロイドへの是非を話す。

 

「軍隊において、最も練度が高い状態って何時だと思う?」

「そりゃ、征服王の将兵とか考えたら、歴戦のというから戦い抜いた連中のことだろう?」

 

 これはよくある勘違いなのだ。

 それを俺は訂正してゆく。

 

「実は開戦前こそ一番練度が高いんだよ。

 その後、消耗で補充が追いつかず、未訓練の新兵を導入してゆくから、練度はどんどん低下してゆく」

「戦闘経験のありなしについてはどうなんだい?」

「当然差が出る。

 とはいえ、その差は数で押し切れるものだ」

 

 話しながら、横須賀基地に並ぶ日米の両艦艇を眺める。

 ほんの半世紀ほど前、この並んだ両海軍が太平洋で血みどろの殴り合いをしていたという事実を俺はデータでしか認識できない。

 

「ほんの半世紀ほど前の話だ。

 ものすごく高い練度と実戦経験を持った海軍が、数にすり潰されてゆくのをこの国は知っているんだよ」

 

 ミッドウェー海戦の敗北、ソロモンでの消耗戦、大本営発表が本当だとしても潰しきれなかった米海軍驚異の生産能力。

 その桁違いの物量の前に、すり潰されてゆき、ついにその戦力回復ができずに敗北の道を転がり落ちていった。

 

「ロリンチちゃん。忘れたらいけない。

 俺はたしかにグランドマスターかもしれないが、俺の世界においてかの魔術王は数百万ものグランドマスター達に殴り殺されたんだ」

「それがマスターくんが危惧する悪魔にも通用すると思うのかい?」

「するとも。

 むしろそれこそが、俺たち最大の武器だ」

 

 俺は断言する。

 悪魔相手の戦いでも、アラヤの抑止力は有効に機能すると確信している。

 だからこそ数は正義であり、その数を減らす大洪水なんて許せるわけがなかった。

 

「さて、本題に入ろう。

 デバイスについて分かったかい?」

 

 管理局との接触で、ミッドチルダ式魔法をほぼ習得したロリンチちゃんだが、ついでに確保していたデバイスの解析をお願いしていたのである。

 これをクローン対魔忍やマシュ・茶々丸に持たせることで戦力を底上げするのが目的である。

 この話はその枕なのだ。

 

「解析はできたが、量産については少し厳しいね。

 この星には無い未知の鉱物資源がいくつか使われている。

 それの入手まであの管理局は認めないだろうね」

 

 ロリンチちゃんの説明に、少しがっくりする俺。

 となると、選択肢は一つだ。

 

「つまりデバイスの代替品をこちらで用意すればいい訳だな。

 一つあてのある世界がある」

 

 デバイスとよく似たものを使って魔法を使っていた世界。

 何よりも地球文明というのがすばらしい。

 時間軸が違うから諦めていたのだが、超鈴音のボソンジャンプシステムを組み込んだカシオペアが使えることで一気に選択肢に入る。

 

「一応聞くけど、何処さ?」

 

「この国だよ。

 ただし、西暦2090年代だけどね」

 

 行く世界は『魔法科高校の劣等生』。

 狙うはCAD技術である。




ハリアーⅡJ
 オリ設定。
 ただJをつけたかっただけである。
 征途世界のやまとは湾岸戦争と統一戦争の戦訓を受けているから、ミサイルの大量飽和攻撃への対処と限定的な制空ができるようにしたかったのだろうなぁ。


さすおに世界
 先に展開をバラすと、イージス戦艦やまとの活躍が見たいという人が多くて、『だったら沖縄戦でしょう』という事でそういう作品を探したら出てきたというのをバラしておく。
 『空母いぶき』も選択肢にあったけど、コミックス途中だから変な改変がしにくくて没になった事も記しておく。

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