【アンコもどき小説】やる夫と叢雲とステンノは世界を渡りながら世界の危機を回避するようです   作:北部九州在住

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挿入話のテスト


【短期集中リハビリネタ企画】やる夫は叢雲とステンノとマシュを連れて一年戦争を乗り切るようです その1 一般将兵side

「おい。ニューソクデ准将だ」

 

「あの愛人三人連れて艦長になったってあれかよ……」

 

「詳しくは知らんが、政府高官のコネとか。

 見ろよ愛人もまた美人揃いで」

 

「わざわざ三人相手にするために、艦長室改造したらしいぞ」

 

「うわぁ……」

 

 

 開戦前のルナ2は地球連邦軍の最大の宇宙軍事拠点であるが、各サイドに駐留艦隊が居る時点では辺境基地という印象があったのは事実である。

 そのために、連邦軍本部があるジャブローに居る連中から見て『島流し』扱いされるのもある意味当然とも言えるだろう。

 そんなルナ2に愛人を連れてやってきたのがニューソクデ准将。

 連邦政府に強力なコネがあり、戦艦に乗りたいからとコネ人事でやってきたという変わり者である。

 

「マゼラン級の最初期タイプか。

 機関の故障や通信関連にトラブルが続いて、近く解体する予定だったといういわくつきの船。

 船籍はムラクモにしておいたから、名実ともにこれは俺の船なんだが……」

 

 そんな人間に渡す戦艦なんてある訳もなく。

 ジオン公国との風雲急を告げる戦況で解体は止められたが誰も乗りたいなんて言わない船を渡された准将は、愛人を連れ実に楽しそうに己の船を見て笑った。

 もちろん、話題のさしてない軍事基地だからこそ、格好のネタになった。

 こんな会話があちこちでされる事になる。

 

「おい。知っているか?

 あのムラクモって名づけられた船の乗員、懲罰兵とジオンからの志願兵らしいぞ」

 

「引き取り手のない連中をニューソクデ准将が全部引き取ったらしい」

 

「あの船には乗りたくないな」

 

「ははははは……」

 

「大変だ!

 TVつけてみろ!!

 ジオンが連邦に対して宣戦布告した!!」

 

 彼らがニューソクデ准将の評価を変える前の話である。

 そして、一週間戦争という惨劇が幕を開けた。

 

 

「整列!

 准将閣下に敬礼!!」

 

 巨大な宇宙戦艦ともなると、その乗員は本来ならば1000人を超える。

 にも関わらず、この船の前で敬礼している人数は354人しか居なかった。

 内訳は、軍犯罪者が26人、ジオンからの志願兵304人、強化人間という設定で准将が強引に連れ込んだ娼婦が24人である。

 敬礼はともかく、およそ軍艦というよりも海賊船という雰囲気だったとドックで物資搬入を行っていた兵はあの時のことを語った。

 

「あれで戦争に行くのかと唖然としましたよ。

 そりゃ、コロニーが地球に落ちるかもという瀬戸際だったからあんな船でも駆り出さないといけなかったのは分かりますが、恩赦につられた犯罪者は不敵な笑みを隠さないし、ジオンから寝返った連中は敵意すら俺たちに見せていましたからね。

 あれは戻ってこないなとみんなで話していましたよ。

 ただあの准将、定員通りの物資をあの船に乗せるようにジャブローの命令書を見せつけて強要したんですよ。

 定員の1/3しか乗らないのに妙だなと思っていましたが、あれがああなるとは思っていませんでしたね」

 

 

 当時、乗り込んだ軍犯罪者に話を聞くことができた。

 戦後恩赦を出された彼は、今は軍を抜けて第二の人生をサイド7で送っていた。

 

「俺は元憲兵で、当時物資の横流しを見逃して捕まって牢にぶち込まれていたんだが、あの准将が出してくれて最初に俺たちに言った事って何だったと思います?

 『何もしなくていい。船が出て着くまで部屋でおとなしくしてろ。それで罪を帳消しにしてやる』ときたもんだ。

 何か裏があると即座にピンときましたよ。

 で、乗ってみたらほとんどがジオンの志願兵で、ジオンの破竹の勢いに艦を奪って寝返ろうとか堂々と言う始末。

 え?その話に乗らなかったのかって?

 俺の実家、サイド2だったんですよ。乗れるわけないじゃないですか。

 まぁ、准将の方もそれを察して俺たちを釈放してくれたんだから文句は言えませんがね」

 

 

 ジオンからの志願兵にも話を聞くことができた。

 彼も軍を抜け、グラナダにて第二の人生を歩んでいる。

 

「実際、開戦初頭のジオンの破竹の進撃で寝返って戦艦を手土産にというのは話されていましたよ。

 それを実行しなかったのは、出港後すぐの准将公認の乱痴気騒ぎのせいでしょうな。

 一週間戦争で避難した娼婦たちを雇って乗せたと聞いた時はこの女好きがと思ったのですが、彼女たちを好きに使っていいとなるとそんな企み吹っ飛んでしまいましたよ。

 何しろ、連邦に亡命してあの惨劇だ。

 正直、准将が連れ出してくれなかったら、俺たちがルナ2内でリンチにあっていたかもしれません。

 あと、犯罪者連中が艦橋周りの通路を監視していたから、大挙して行く事ができないのも大きかったですね。

 悪さをしないように女をあてがって、それでもやるかもしれん連中の為に悪党に見張らせる。

 マフィアの手口ですよ。あれは」

 

 

 娼婦の一人に話を聞くことができた。

 彼女も軍を退役して、地球で第二の人生を歩んでいる。

 

「軍と女ってのは切っても切り離せないのだけど、あの将軍さんは頭ぶっ飛んでいたわね。

 一人一人に札束握らせて私たちを買った上に、乗員全員と寝ろときたんだから。

 強化人間……だっけ?

 なんか軍の機密云々で、私らに軍籍と准尉の階級をくれてね。

 私ら連邦軍の制服の着方すらわからなかったし、あの航海ではあの後制服を着たのは撤退前だったから……撤退後?

 ああ。コロニー落としの阻止失敗で撤退する際に大破で動けなくなった船の乗員が大量に乗り込んできてね。

 まっとうな士官様にそりゃ怒られてパーティーはおしまいになったという訳。

 けど、結局あの将軍私らを戦争終了まで雇い続けたのよね。

 おかげでそこそこの箔と結構なお金をもって第二の人生をという訳」

 

 

 ブリティッシュ作戦。

 連邦軍本部ジャブローにコロニーを落とすというこの作戦は、連邦軍必死の反撃によって阻止されたがコロニーが地球に落ちることは止められなかった。

 そして、作戦終了後からこの船の評価が一変する。

 

「コロニーの阻止限界線を越えた瞬間から戦闘そのものが終息に移っていました。

 ジオン軍は帰るための燃料と酸素を考えないといけないかったし、連邦軍はコロニー阻止ができずに心が折れていた。

 あの船。『ムラクモ』が活躍したのはあの後からですよ。

 あの船、後方に居たというのもありますが、作戦終了後に算を乱して逃げ出した連邦艦隊と違って最後まで残って、指揮を掌握し続けたんです。

 俺はあの時、パイロットとしてトリアーエズに乗っていたんですが、母艦のコロンブスは既に逃げ出して帰るあてもなくて途方に暮れていたんですよ。

 にもかかわらず、あの船堂々と信号弾を打って存在を知らせてくれたのだからありがたかったですね。

 機体はその時に捨てることになりましたが、こうして生きて帰る事ができた。

 まぁ、帰る際に乗せてもらった『ムラクモ』の風紀にちょっと驚いたのは内緒ですがね」

 

 

「私が乗艦していた船はサラミス級巡洋艦だったのですが、艦橋がザクのバズーカにやられて吹き飛んでしまって、戻れるかどうか怪しかったんです。

 困ったのが、艦橋が吹き飛んだ事で艦内酸素が一気になくなって、ルナ2まで戻れそうもないという事でしたね。

 そんな時、残ってくれた『ムラクモ』が定数を満たしていないというのがどれほどありがたかった事か。

 ええ。ランチを使って生き残った乗員は全員『ムラクモ』に避難させたんです。

 その上でサラミスはルナ2周辺に着くように計算して自動操縦させたのですから、あの准将ただものじゃないですよ。

 まぁ、『ムラクモ』艦内の惨状を知らずに移ってきた士官連中に艦を預けて愛人共々部屋に引っ込んだのはオフレコでお願いしますよ。

 今や、あの人は英雄なのですから」

 

 

「俺はジオン軍パイロットとしてザクに乗ってあの作戦に参加していました。

 あの惨劇については勘弁してください。

 まだ、色々あって語りたくないので……

 ああ。あの船ですか?

 覚えていますよ。

 すべてが終わった、いや、手遅れになったと言うべきですか。

 逃げ出す連邦艦隊とは別に、今だ艦首をこちらに向けてビームを撃っていたんですから。

 あの戦い、連邦艦艇はほとんどがコロニーに向けてその砲火を向けていました。

 けれどもあの船だけは、全てが手遅れになった後からは我々に向けてビームを撃っていたんですよ。

 狙おうと思えば、狙えるだけの燃料と酸素は残っていたのですが、あの船は手を出したらまずい船だとなぜか思いましたね。

 あの時残っていた他のパイロットも同じことを言ったのを覚えています。

 そうそう。これも話しておきましょう。

 あの船を見た時、なぜか女を思い浮かべたんですよ。

 顔はよく覚えていないのですが、なんだかその笑顔を見ると死ぬ。そんな感じがして……これも他のパイロットでも同じことを言っていたんですよね……」

 

 

 こうして、英雄ニューソクデ准将は作られた。

 

 

--あるジャーナリストの記述より--




 マゼランの乗員が分からないので、とりあえず1000人という事で。
 大きさから考えるとミズーリと似たようなものだから、1500人はいるのかもしれん。
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