【アンコもどき小説】やる夫と叢雲とステンノは世界を渡りながら世界の危機を回避するようです   作:北部九州在住

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【短期集中リハビリネタ企画】やる夫は叢雲とステンノとマシュを連れて一年戦争を乗り切るようです その2

 ルウム戦役までおよそ一週間しかない。

 これで生き残れてるとは到底思わないので、俺は迷うことなく奥の手を差し出した。

 

「ムラクモ。お返しします」

 

今の評価 57 以下で成功

結果50

 

「よく司令部が応じてくれたわね」

 

 叢雲が呆れ声でぼやく。

 返却に伴い艦籍も戻したので、もうあの船はムラクモでなく、別の船である。

 なお、帰還時に換気しきれないイカ臭さですごく有名になったが、そこは我慢してもらうとしよう。

 

「で、次の任務は何になるのでしょうか?」

 

 マシュの質問に俺は命令書をひらひらさせる。

 今の連邦には、将官を遊ばせておける余裕はない。

 

「帰還時に一緒に帰ってきた連中の指揮権をもらった。

 修理して来たるべきジオンとの決戦に備えろだと」

 

 

マゼラン

 中破3隻

サラミス

 中破2隻 大破13隻

 

 

 帰ってきた連中の船をチェックすると、この有様である。

 マゼランはサラミスより船体が大きく、対空火器が多く積まれていた事から中破で持ちこたえていた。

 一方サラミスは、ザクのバズーカに耐えられなかったらしく、その殆どが大破判定となった。

 中には、艦橋がぶっ飛んだが機関が生きていて宇宙服を着てここに帰ってきた船も。

 という訳で、ルナ2のドックを一つ借りて船を修理してゆく。

 ルウム戦役が始まるのが15日。

 それに出撃するからルナ2を出るのは遅くて14日。

 編成なりなんなりで完成していないといけないのは13日である。

 

「大破の修理は諦めて、部品取りに使おう。

 まずはサラミスを修理する」

 

 

サラミス1

 ダメージ50%-修理16-大破部品13隻=ダメージ21%

 

サラミス2

 ダメージ50%-修理30-大破部品13隻=ダメージ7%

 

かかった日程3日

 

 

 

「修理予定の船を並べろ!

 部品取りの大破艦は宙に浮かせるんだ!

 アンカーで固定だけはしっかりしておけよ!!」

 

「まずは機関のチェックだ!

 システム周りはその後で!

 使えるボールは全部持って来い!!」

 

「物資搬入は同時並行して行うぞ!

 いつジオンの奴らが攻めて来るか分からないんだからな!!

 急げ!」

 

 

 他の艦の修理を圧迫するのでルナ2のクレーターを使っての大修理作業。

 ここで大活躍したのがボールというかスペースポッドである。

 もちろん砲なんてついていない。

 これが急増兵器として戦場に投入されると知っているだけに、感慨もまた……

 連邦の工廠能力の凄さを思い知る。

 大量生産されたブロック工法というのもあるだろうが、二隻のサラミスが無事に生き返る。

 次は残っているマゼランであるが、スパッと三隻復旧は諦める。

 

「一隻を部品取りにして、二隻復旧を目指す。

 それに合わせて、機銃とかも増設しておいてくれ」

 

マゼラン1

 ダメージ50%-修理9-大破部品13隻-マゼラン部品取り25=ダメージ3%

 

マゼラン2

 ダメージ50%-修理31-大破部品13隻-マゼラン部品取り25=ダメージ0+機銃火力増設(19)

 

 かかった日数2日

 

 

 マゼラン一隻を部品取りに使った事で、この二隻の復旧に成功する。

 損傷ブロックをまるごと取り替えることに成功したのだ。

 その結果、マゼラン2の方は完全修理だけでなくサラミスやマゼランの機銃増設の改造工事まで行えた。

 こいつが第二の『ムラクモ』になる予定である。

 

 

乗員の士気と練度

 

士気

 評価57+6+前の乗艦連中17=80

練度

 評価57+13+前の乗艦連中38=108

 

強化人間(娼婦)増加

 24人+16人=40人

 

 

「ニューソクデ提督に敬礼!」

 

 まだ艦が修理中なのでドッグ内の空きスペースを使って行われた戦隊結成式典。

 打って変わって明らかに士気と練度が高い。

 種を明かせば簡単で、一緒に撤退した連中の部品取りした将兵を引き取ったのである。

 連邦正規兵が各艦に配置されたことで、やっと船として反乱の心配をしなくてよくなったのは、何と素敵なことだろうか。

 あ。ルナ2に逃れた避難民の中に娼婦が居たので引き取っておいた。

 旗艦のムラクモに集中させて連絡艇で使わせる予定である。

 その場所だけ明らかに雰囲気が違うのがまた……

 

 

配属艦隊

 

1 レビル艦隊

2 レビル艦隊

3 レビル艦隊

4 ティアンム艦隊

5 ティアンム艦隊

6 ルナ2駐留

 

1 レビル艦隊

 

 

 まぁ、戦艦2隻、巡洋艦2隻の戦隊を編成したら、そりゃレビル本隊に組み込まれるわな。

 この特大死亡フラグをどう回避するべきか……

 

「あら?

 何か手はあるのかしら?」

 

 ステンノの声に俺はため息をつく。

 あまりしたくはないのだが、こうなったら仕方ない。

 

「一番損傷の激しいサラミスがあったろ?

 あれを無人操縦にして囮にする」

 

 ミノフスキー粒子はレーダー等が使えなくなる謎粒子なのだが、それの結果有視界戦闘に追い込まれてMSに艦船が負ける結果になる。

 逆に言えば、MSパイロットたちも彼らの目を頼りにする必要がある訳だ。

 そういう所で、彼らの意図しない時に彼らが攻撃していなかったサラミスが派手に爆発したらどうなる?

 

「あとは、叢雲の操艦能力とマシュ風の対空カットインが頼りさ」

 

 有視界戦闘というか夜戦をお家芸とする大日本帝国海軍の駆逐艦娘。

 おそらく、対MS戦に最も特化している彼女たちの対空カットインでどれだけザクが落とせるかが勝負の鍵である。

 

「あらあら?

 私は役立たず?」

 

「まさか。

 君は最高の女神だよ。

 有視界戦闘だから、いやでもMSパイロットは君を目に入れる。

 その時に彼らを魅了してやれ」

 

「……あんまり、働きたくはないんだけど♪」

 

 そんな事を言いながら嬉しそうなステンノであった。

 

 

 

艦の位置

 

1 最前線

2 前線右翼

3 前線左翼

4 前線中央

5 本陣

6 後方

 

結果 5 本陣

 

 配置されたのはレビル艦隊本陣である。

 おそらく、艦船修理等で優遇されたのだろうが、こちらからすれば特大の死亡フラグが立ち続ける訳で。

 今思ったが、これは『ORIGIN』なのか『IGLOO』なのかどちらなのだろう?

 

1 ORIGIN

2 IGLOO

 

1 ORIGIN

 

 旗艦アナンケを見た結果、どうやらORIGINらしい。

 となれば、いくつか手がある。

 

「僚艦のマゼランとサラミスに伝令。

 責任は私が取る、以下の想定に備えて……」

 

 

 

 

0079 1月27日 ルウム

 

「第5戦艦戦隊にダメージです!」

 

 シャアの突貫。

 それがルウムの幕開けとなる。

 ならば、こちらも開幕の鐘を鳴らそう。

 

「主砲発射用意!

 目標前方!!

 対艦ミサイルも全弾発射しろ!!」

 

「し、しかし、まだ旗艦が発砲……」

 

「責任は私が取る!

 主砲!撃てぇ!!」

 

 俺の声に叢雲が反応する。

 まわりのスタッフはついていけないが、現在死亡フラグ真っ只中なのを知っているのは俺たちだけしかいない以上、独断専行しても生き残る。

 ……どうせ、ここの敗戦でうやむやになるだろうし。

 

「私の前を遮る愚か者め。沈めっ!」

 

 有視界戦闘で敵艦が向こうから突っ込んてくる。

 つまり、撃てば当たるし、その練度を叢雲は持っている。

 闇に隠れていた先頭のムサイ一隻が見事に貫かれて爆散。爆沈する。

 

「機関最大戦速!

 敵艦隊に突っ込め!!

 本戦隊はそのまま離脱する!!」

 

 ここで踏ん張っても、次のMSに艦艇が粉砕される。

 負けフラグでいくら頑張っても負けである。

 だから、前方に退路を開いてさっさと逃げるに限る。

 ここで、正面火力が有利な連邦艦艇の強さが発揮される。

 

 

 叢雲のムサイ撃沈数9隻。

 僚艦マゼランのムサイ撃沈数1隻。

 ドズル中将の生死

 

1 生存

2 死亡

 

結果2 死亡

 

 

「敵艦隊散開してゆきます!」

「敵旗艦ワルキューレの撃沈を確認!!

 敵艦隊混乱中!!」

「他の連邦艦の射撃始まりました!!!」

 

 

 そりゃ、指揮官先頭で突っ込んでくるんだから先頭から十隻も沈めれば艦隊は混乱するわな。

 旗艦の撃沈でジオン艦隊が混乱する中、そのまま速度を上げてレビル艦隊からも離脱する。

 旗艦撃沈で一気に勝負を決めようとした連邦艦隊にMS隊が襲いかかっているのが見えた。

 

連邦艦隊

 62+ドズル戦死100=162

ジオン艦隊

 73+276-ドズル戦死100=249

 

戦力比

 4:5

 

結果

1 ジオン勝利 レビル艦隊壊滅 レビル将軍捕虜

2 同上

3 同上

4 ジオン勝利 レビル艦隊半壊 

5 ジオン勝利 レビル艦隊撤退

6 連邦勝利 ジオン艦隊撤退

7 同上

9 連邦勝利 ジオン艦隊壊滅 MS隊壊滅

10 熱烈歓迎

 

結果 3 ジオン勝利 レビル艦隊壊滅 レビル将軍捕虜

 

 

「おお……溶けてる溶けてる……」

「れ、連邦艦隊が……」

 

 俺のぼやきにブリッジクルーの誰かのつぶやきが大きく響いた。

 あのタイミングが唯一の脱出チャンスだった。

 勝てるとジオン艦隊殲滅に動いた連邦艦隊は、その後逆襲に怒り狂ったジオンMS隊の猛攻を受けることになったのである。

 赤い彗星や黒い三連星をはじめとするエースパイロットたちの猛攻を凌ぐ力は、レビル艦隊にはなく、最後は艦隊とMSの挟撃によってレビル艦隊は壊滅してゆく。

 

「こっちにもMS隊が向かってきます!

 数は10機!!」

 

赤い彗星 1居る2居ない

 結果 2居ない

 

黒い三連星 1居る2居ない

 結果 2居ない

 

 唯一脱出しかかっている戦隊の上、ドズル中将を討ち取った武勲艦である。

 出せる最大戦力で潰しに来たのだろう。

 赤い彗星や黒い三連星はレビル艦隊壊滅で弾も燃料も使い切ったのか来てはいない。

 それもこちらの想定の上だった。

 

「お相手しましょう。来なさい!」

 

 マシュ風乙改

 対空カットイン固定ボーナス5+マゼラン対空砲火3+サラミス対空砲火2+サラミス対空砲火1=10 全機撃退

 

 何もMSを撃墜する必要はない。

 濃厚な弾幕を張って、相手を近づかせなければこっちは勝利なのだ。

 既に全力で遁走に入っているのでジオン艦隊はこちらに追いつけず、MS隊は勝っているからここで無理して戦功より命を失うのが惜しい。

 そして、それにつけこむマシュ風の対空カットイン。

 ニュータイプかこいつと言わんばかりに艦艇の対空砲火でMSに当ててくる。

 こうして、おれたちはルウムから生き残った。

 

 

連邦首脳部の俺たちへの評価

 57-100(命令無視)+200(ドズル旗艦撃沈)+33=190

 

 

「ニューソクデ君。

 君には色々言いたいことがあるが、お互いあの戦場から生き残った事を神に感謝しよう」

 

 レビル将軍が脱走してルナ2に帰ってきた時、ワッケイン少将と共に出迎えたのだが、レビル将軍の視線の冷たいことと言ったら。

 とはいえ、ドズル中将を討ち取って指揮下の戦隊を無事にルナ2に帰還させたので、政治的英雄として連邦は俺を取り扱った。

 少将に昇進し、命令無視と離脱の件は読みどおり有耶無耶にされたのである。

 

「で、どこまで読んでいたんです?」

 

 ムラクモの艦長室。

 俺の上で裸のオボロ大尉が尋ねる。

 彼女もルウムの報奨として昇進が決まっているので、もうすぐ少佐である。

 

「まさか。

 生き残るのに必死だっただけさ」

 

「本当かしら?」

 

 俺の隣で何も着ていないステンノが意地悪そうな笑みを浮かべる。

 同じく裸の叢雲がマシュと一緒にさも当然のような声で言い切る。

 

「こいつ、絶対いきあたりばったりよ。

 あの敵艦隊の間を突貫するの、肝が冷えたんだから!」

「けど、先輩は叢雲さんを信じていたから命じたんですよ」

「…そんなの当たり前じゃない!」

 

 壁のモニターではレビル将軍が『ジオンに兵なし』の演説を行っている。

 これで戦場は、地上に、重力戦線に移動するだろう。

 つまり、しばらくはここで彼女たち相手に爛れた日々を過ごせるという訳だ。

 そんな事を考えながら、俺は彼女たちを貪り、南極条約の締結を耳にする事になる。

 

 

 




証拠写真
https://twitter.com/hokubukyuushuu/status/1196665303897272320?s=20

絶対死ぬなと思ったんだが、ドズル閣下よ。
指揮官先頭で突っ込んだら駄目だろ……

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