【アンコもどき小説】やる夫と叢雲とステンノは世界を渡りながら世界の危機を回避するようです 作:北部九州在住
0079 10月。
史実より早いオデッサ作戦
連邦軍の攻撃 117
ジオン軍の防御 164
「さてと、順調に行けばそろそろオデッサから逃げ出すHLVが出てくる頃なんだが……」
「それを艦隊全力で潰そうとするなんて悪い人♪」
「作戦と言ってくれ」
ムラクモ艦橋でステンノとそんなやり取りをしていた俺の前にマシュが報告を告げる。
そのモニターの先では、ホワイトベースが大気圏に入ろうとしていた。
「ホワイトベース。
ジャブローへの降下軌道に入りました。
敵の妨害はありません」
「けど良かったの?
あの子帰しちゃって?」
叢雲の質問に俺は少し考える。
サイクロプス隊の襲撃時に機密を見たとかでアムロ・レイ他が捕まったのである。
それを穏便におさめてなかったことにしたのである。
それでも原作の修正能力だろうか、機密を見た事でホワイトベースメンバーはジャブローに行き、いずれは戦場に出るのだろう。
結局、俺のしたことといえば自己満足に近いものである。
「16の初陣は早いよ。
そういう時代があった事は知っているが、今は宇宙世紀だ。
彼らを戦場に出して負けるほど連邦は物量に苦しんでいないさ」
そこまで口にして俺は宇宙から地上を見る。
MSと戦力をオデッサ周辺にかき集めたジオンは決戦を望み、連邦はそれを受けて立つ。
集まったMSに地上戦力が駆逐され、それを連邦の航空機が高高度の絨毯爆撃で破壊する。
そんな地獄が地上で繰り広げられていた。
117:164=4:6
レビル将軍の生死と勝敗
1 生存 連邦勝利 ジオン降伏
2 同上
3 同上 連邦勝利 ジオン敗走
4 同上
5 死亡 ジオン勝利 連邦敗走
6 死亡
7 死亡 ジオン勝利 連邦壊滅
8 死亡
9 死亡
10 熱烈歓迎
結果 1
オデッサ作戦は、ジオンの核攻撃の脅しをもろともせずに連邦が押し込んでジオンの降伏という形で幕を閉じた。
司令官マ・クベはエルラン将軍に降伏したが、これはいままでの戦いでジオン地上軍戦力がほぼ枯渇していたからに他ならない。
残存戦力で抵抗の意志のある連中は既にキリマンジャロの方に逃れているという。
信じられないぐらい、組織だった降伏。
それの意味することは一つだ。
「ジオン内部でキシリア・ザビが失脚したな」
ドズルが死んでその戦力すら使って重力戦線に投入したのに結果は大敗。
結果、彼女の切り札たるNT部隊の出陣前に失脚という事になった訳だ。
サイド7にやってきたサイクロプス隊を使ったルビコン計画といい、常軌を逸していたからあれがトドメになったか。
マ・クベが内通していたエルラン中将に降伏して戦功を上げるあたり、ジオン敗北後の動きを見据えているのだろう。
これで、地上の戦いはほぼ一段落し、主戦場は宇宙に移ることになる。
北米?
潰せるだろうが、ジオン敗戦後が見えてきた今、無理してガルマ・ザビがうまく治めている北米を落とす必要はない。
なお、待ち構えていたのに宇宙に上がるHLVはついに見つからなかった。
「当たり前だろう。
我々の兵站線を散々叩いてくれたニューソクデ提督が上に居るのに、上がる馬鹿が何処に居るのかね?」
とは、捕虜となったマ・クベ中将のお言葉。
なるほど。
俺たちが居たおかげで、逃げられずに降伏を選んだのか。
ジオン軍が投入した戦力はおよそ100万。
そのほとんどが宇宙に帰ることはなかった。
「艦隊上がります!
数はマゼラン1!サラミス4!!」
「周囲の警戒を続けなさい!
ミノフスキー粒子の濃度には注意するように!」
あれから、急速に連邦艦隊は再建されつつある。
俺のニューソクデ艦隊とティアンム艦隊が居たのだが、グリーン・ワイアット中将が率いる艦隊とレビル将軍直率の本隊の四個艦隊三百隻体制にまで膨らもうとしていた。
その威容をジオンに見せつけるために、近く観艦式が行われる予定である。
「問題はジオン内部がほぼギレン・ザビによって統一された事なんだよなぁ」
叢雲やマシュの指揮ぶりを眺めながら俺はぼやく。
彼の取る作戦は簡単だ。
コロニーレーザーが手元にあるので、これでこちらを焼くつもりなのだ。
面白いのは、ソロモン及びグラナダの戦力の統一指揮が実現した事で、ジオンの艦隊戦力については一時的な改善が図られている所。
艦艇数だけを見ると、ドロス級二隻にグワジン級十隻程度にチベ・ムサイの巡洋艦が六十隻程度と想定されている。
歴戦のMSパイロットを地上で多く失ったが、ジオンはザンジバル級で彼らエースパイロットを帰還せているという。
ザンジバルの数が少ないので、うまくいっているかどうかこっちで把握できないのが少し辛い。
連邦の攻撃目標
1 ソロモン
2 同上
3 同上
4 ルウム
5 同上
6 同上
7 グラナダ
8 同上
9 同上
10 熱烈歓迎
結果 4 ルウム
「で、観艦式の後、私達は何処に向かうのかしら?」
ステンノのささやき声に俺は苦笑して地図を眺めた。
レビル将軍にとって因縁の場所。
彼は宇宙での最初の戦場をそこに選んだ。
「ルウムだよ。
『リメンバールウム』。
もっとも……」
そこで俺は言葉を区切る。
今のルウムにジオンは戦略的価値を置いていないと俺は見ていた。
「ジオンの連中が、出て来るかどうかは別問題だろうけどな」