【アンコもどき小説】やる夫と叢雲とステンノは世界を渡りながら世界の危機を回避するようです   作:北部九州在住

155 / 226
閑話 小ネタ劇場 その8

「やぁ。マスター君。

 この姿では久しぶりだね」

 

 叢雲艦内にあるロリンチちゃん工房に顔を出すと、ロリンチちゃんがダヴィンチちゃんに変わっていた。

 これぐらいで驚いたのでは身が持たない。ダヴィンチちゃんだし。

 

「で、何でその姿に?」

 

「ひどいなぁ。

 もう少し驚いてくれてもいいじゃないか」

 

 そんな事を言いながら、ダヴィンチちゃんは理由を語る。

 案の定、駄女神様だった。

 

「君、別の世界に行って、その世界の根幹技術をもらってきたよね?

 それを君の女神様は記憶媒体よろしく、私の中に押し込めたんだよ。

 おかげでキャパが足りなくなってね。

 慌ててこの体を起動させたという訳だ」

 

 作っていた訳だ。元の体を。

 そりゃ、蒼崎橙子やアリス・マーガトロイドやエヴァンジェリン・A・K・マクダウェルなんかと知り合えば、体なんてどうにでもできるからなぁ。

 クローン技術が完成している対魔忍世界やニンジャスレイヤー世界ともつながっているし。

 

「じゃあ、元の体は?」

 

「とりあえず眠らせているよ。

 シャドウ・ボーダーを単体で走らせることもないけど、バックアップ体としてここに置いておくことにする予定さ。

 壊れたらまた元に戻って作り直すさ」

 

 へらへらと自分のことを語るダヴィンチちゃんだが、ここから先は真顔になる。

 それは、天才ゆえの警告。

 

「で、だ。

 私の中にあるこの理論たちだが、理解しているのかい?

 人が、ついに星の海に乗り出すための人類の夢の具現化さ。

 出せばとんでもない事になるよ」

 

「だから、あの駄女神様はデータ記憶媒体としてダヴィンチちゃんに預けたのだろうさ。

 俺じゃあ知っていても、その理論体系を現実化させるのに苦労するからな」

 

 文字通りの天才であるレオナルド・ダ・ヴィンチに不可能はない。

 ましてや完成された理論体系ならば、別世界の理ですら可能にする。

 それぐらいのことができるから、彼女は人類史に英霊として刻まれたのだ。

 

「せっかくだから、話しておくか。

 その世界で、その理論で、人がどういう戦争をやらかしたかをさ」

 

 という訳で、一年戦争を軽く語る。

 コロニー落としやコロニーレーザーのあたりでダヴィンチちゃんも頭を抱える。 

 百億近い人間がわずか一月で消えたという惨状に第二部をある程度知っているダヴィンチちゃんですら、こんな言葉を吐かざるを得ない。

 

「ねぇ。マスターくん。

 守らないとという決意は今でも変わっていないが、私たちの汎人類史は本当に……」

 

 その先を言わなかったのはダヴィンチちゃんの最後の良心なのだろう。

 それを尊重した俺はそのまま流す事にした。

 

「学園都市はもうすぐ軌道エレベーターの建設に踏み切る。

 完成は多分21世紀になるし、建設には魔術的な裏がある。

 けど、この理論を握っているとその計画どうなるのだろうな?」

 

「君は、この世界でも君が見てきた光景を見たいのかい?」

 

「まさか?

 強いて言うならば、ああなっても生き残れる人類存続のための手段を確保したいだけさ。

 扱いはダヴィンチちゃんに任せるよ。

 どのタイミングで学園都市にその技術をばらすか好きにするといい」

 

 後日談だが、ダヴィンチちゃんはこの技術を学園都市にすべて流した。

 人類を信じ、未来を彼女は信じたからだ。

 それを俺は尊重したいと思う。

 なお、学園都市のセキュリティーレベルが急上昇したのは言うまでもない。

 

 

 

 

 

 

 年が変わる。

 気づいてみたら1994年である。

 年明けから宮内省が稼働し、技術統括審議官としての仕事が待っている。

 という訳で、少しバカンスに行くことにした。

 

「いらっしゃいでち!

 ……どうしたでちか?」

 

 宿のロビーでの紅閻魔の一言で、口を押さえる俺と叢雲。

 提督業をやっていると、いやなミームが頭をよぎるのだ。

 

「あれは終わった。

 終わった。

 うちはホワイト鎮守府だ」

 

「そうよ。

 オリョクルはもう消えたのよ。

 過労な潜水艦娘はもう居ないのよ」

 

「……けど、ゲージ回復と支援で削るために潜水艦で、ソロモンに出撃は言い逃れできないのでち?」

 

グサッッッッッッ!!!!!

 司令官と秘書官は紅閻魔の致命的な一撃を受けた。

 

「すまなかった。

 すまなかった……大破進軍……ハイパー北上様……」

 

「ごめんなさい。

 ごめんなさい。

 お仕置き部屋はもういやなの……

 燃料が尽きて攻略をあきらめてごめんなさい……」

 

 宿に泊まる前に、魔人大僧正に供養法事をしてもらったのは言うまでもない。

 なお、紅閻魔判定だと、まだ地獄行きではないらしい。

 

「そうでちよ。

 お客様、億の人の命を救ったでち。

 彼らがお前様を救うでちよ」

 

 あ。

 ガンダム世界のやつもカウントに入っているのね。

 この閻魔亭繁盛しているのだが、人でない皆様というのがまた。

 滞在中に思ったのだが、ここを起点にすれば、切り離された後のカルデアとつながれるのではないだろうか?

 そんなことを考えながら、のんびりと湯治を堪能したのだった。

 

 

え?

 おねーちゃん?

 

「うう……なんでか頭があがらない……」<<キャス狐データを取り込んだせい

 

「相変わらず愛情過剰すぎて旦那様を肥えさせる気でちか……」<<ヘルズキッチンで成果を確認中




ダヴィンチちゃん
 証拠写真。
https://twitter.com/hokubukyuushuu/status/1214708609788964864?s=20

 福袋ガチャの結果。
 3/1を外すかぁ……マーリン……スカディ様……


軌道エレベーター
 『劇場版 とある魔術の禁書目録 -エンデュミオンの奇蹟-』
 これの建設計画があるから、宇宙開発技術が安かったというのもある。
 なお、できあがったら、『ガンダム00』のフラグが立つ。
 考えてみると、『UQホルダー』にもあるんだよな。
 軌道エレベーター。



閻魔亭
 今のFGO復刻イベント。
 なお、紅閻魔の声優さんは艦これの声優さんでもある。


作者のトラウマ
 13年秋イベントの悪夢。
 セリフで察してほしい。
 二代目北上様はすでに98。
 なお、e-6丁で二ゲージ目である。

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。