【アンコもどき小説】やる夫と叢雲とステンノは世界を渡りながら世界の危機を回避するようです   作:北部九州在住

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高位分霊や英霊相手にガチバトルができるむぎのん爆誕


学園都市暗闘 その3

バイオハザード拡大 11

学園都市の抗議 11

 

 

 翌日。

 こちらへの襲撃事件もバイオハザードも何事もなかったかのように学園都市は平穏な朝を迎えた。

 これぐらいは学園都市にとって日常茶飯事という事なのだろう。

 学園都市側からは襲撃事件と戦闘について形だけの抗議が一つあったのみ。

 見事に肩透かしを食らう俺たちだが、そんな中やってきたのは麦野沈利だった。

 

「あんたら、何かした?」

 

シャケ弁バフ

 

1 レベル6に

2 レベル6に

3 レベル6に

4 ケルト神属

5 ケルト神属 転生者扱い

6 どないしよ

 

5 ケルト眷属 転生者扱い

 

 

「……という訳で、君のシャケ弁のシャケは最高級どころじゃない、ケルトの知恵の鮭だったという訳だが、見事に開花したみたいだね。

 アナライズしたら、君、ケルト神族にカテゴリーされているが?」

 

 こういう時の説明役としてのダヴィンチちゃんは便利な事この上ない。

 魔法と科学の両方からアプローチできるから俺たちも聞き手に回っている。

 

「ケルト神族?」

 

「レベル6のさらに先という事だよ」

 

 そうなのかと完全に置いてきぼりの俺たちにたいして、ダヴィンチちゃんは語る。

 語っているのは、盗聴器の先にいる木原一族とその先にいるアレイスターに向けてだと後で知った。

 

「この都市は、『人間に神様の計算はできない。ならばまずは人間を超えた体を手にしなければ神様の答えには辿り着けない』というのを理念にしているのだったかな?

 当然、そのアプローチの手段としてこの都市が選んだのが超能力という訳だが、魔法サイドから見ると、これは神化に他ならない訳でね。

 人間が自分の手で神化するのは難しいけど、魔法側から見て神化というのは結構簡単なのだよ。

 そんな一つが、主神による眷属化というやつさ。

 神話が体系的に整えられてゆく過程で、その地の英雄や偉人が神化している。

 それを君はなぞった結果、ケルトの神族となった訳だ。

 おめでとう。レベル6。

 たとえ学園都市が否定しても、人類史の天才レオナルド・ダ・ヴィンチが保証しよう。

 君は、この都市の理念を達成したのだよ!」

 

 

麦野の反応 100で怒る

 32

 

聞き耳連中の反応 100で大事

 66

 

麦野沈利のレベル

転生者補正

 30+63=93

 

 

「ふーん。

 そうか。なっちゃったんだ。レベル6。

 けど、なんか嬉しいというか、怒るとかの前にあっけないというかなんというか……」

 

 なお、ここでさらなる厄介ごとである麦野相手にドンパチなんてしたくないので、このダヴィンチちゃんの褒め殺しに俺も便乗する。

 常盤台中学の制服姿なので、暗部に絡んでまだ日も浅いあたりだろう。

 

「で、私、何ができるの?」

 

「こっちで調べた限りでは、ケルト神話の女神リアンノンみたいだね。

 何者も追いつけない魔法の馬に乗り、七つの地方すべての食べ物と飲み物を収めても一杯にならない魔法の袋を持つ女神だよ。

 これは多分、君の超能力を神話に当てはめた形になるのだろうね」

 

 その説明でなんとなく納得する俺。

 麦野沈利の通り名は『原子崩し』。

 魔法の馬あたりは速さの隠喩で、たしか『0次元の極点』という特殊空間理論もあったな。こいつ。

 それが魔法の袋に転換されたか。

 

「まぁ、こちらとしてはその成果をかっさらうのもやぶさかではない。

 見た所、君はまだ中学生だ。

 それであんな所に出てくる理由があるのだとしたら、俺の方でそれを処理してあげよう」 

 

「そんな事できるの?」

 

 

 麦野の厄度 100でやばい+レベル分

 58+93=151

 

 

「優しくはないが、かといってできないという訳でもない」

 

 俺はそんな事を言うがもちろん嘘である。

 こんな最高のモルモットを学園都市が手放す訳がない。

 とはいえ、モルモットであるがゆえに、こんな場末の戦場に投入される事はなくなるだろう。

 絶対能力進化実験は一方通行が中心となるはずで、彼女の神化はアレイスターのプランには入っていないだろう。多分。

 本当にやばくなったら、引き取って麻帆良学園にでも押し付けよう。

 

 

麦野の好感度判定

 60

 

介入判定 60以下で成功

 75

 

 

「まぁ、いいわ。

 あんたたち結構気に入っているから、何かあったら連絡頂戴。

 助けてあげるわ」

 

 そう言って、麦野沈利は去っていった。

 帰ったのを確認して俺とダヴィンチちゃんは盛大にため息をつく。

 

「まだ来て早々というに、学園都市イベントあり過ぎだろう……」

 

「とりあえず、昨日の襲撃者の追跡と、バイオハザードの調査をしないと。

 で、マスターくん。

 この都市の上への説得ネタはあるのかい?」

 

「それこそ無制限に」

 

 俺は笑う。

 せっかくダヴィンチちゃんに来てもらっているのだ。

 最高のネタがあるのでまずはそれから提案する事にしよう。

 

「『樹形図の設計者』の修理に協力するのさ」

 

 

 

キャスター・リンボ捜索

 29

 

バイオハザード関連探索

 31

 

学園都市イベント

 74

 

他勢力介入イベント

 73

 

介入勢力の厄度

 63

 

 

 

「研究会への招待、公演の依頼、引き抜きに、研究協力……

 学園都市ってのは、節操がないな。ほんと」

 

「『科学ノ進歩、発展ニ犠牲ハツキモノデース』ってね」

 

 麦野にしこまれていた盗聴器はかなりの人間が聞いていたらしい。

 で、己の研究が捗るならばと悪魔に魂を売る連中がゴロゴロ居るのがここ学園都市である。

 そりゃ、接触しようとするわな。

 

「所で気になったのだが、ダヴィンチちゃん名前がアンジェラになっているのはどうしてだ?」

 

「そりゃ、この体でレオナルドはないだろう?」

 

「ごもっともで」

 

 そんな雑談をしていたこの日の結果だが、あまりよくない報告しか出てこなかった。

 叢雲がその日の結果を報告する。

 

「キャスター・リンボの情報は無し。

 バイオハザードについては解決済みという報告を学園都市はよこしてきたわ。

 これ以上の介入はしてほしくないという所かしらね」

 

「先輩。

 先進教育局の木原研究所所長、木原幻生氏がお会いしたいと連絡が来ていますが」

 

 マシュの報告に露骨に顔をしかめる俺。

 いずれは会わないといけないだろうが、キャスター・リンボとバイオハザードの経過を確認するまでは他のイベントに関与はしたくない。

 

「婉曲にお断りしておいてくれ。

 で、ステンノは何を持っているんだ?」

 

「えっと、貴方のお友達のターニャさんからメッセージだそうよ」

 

 学園都市の動向米国も注視しているらしく、それなりにスパイを配置しているらしい。

 そんな一人が接触してきたという訳だ。

 

「……全世界規模でネオ・ナチの活動が活発化しているらしい。

 何でも英国で聖杯。こっちの聖杯ではなく、本物の聖杯がUボートから出てきたとかで英国情報部とネオナチが激しくやりやっているとか。

 俺が聖杯を用いた神様召喚をやった事で、彼らが何かを呼び出そうとしているのではと考えているらしい」

 

 つまり、ネオナチの連中は冬木の大聖杯を狙う……待てよ。

 なかったか?

 ここ東京に聖杯があった世界線が。

 

「……やばい」

 

 何でキャスター・リンボが出てきた?

 聖杯があったからというのが、一番楽な答えだ。

 そんな聖杯をこの学園都市を作ったアレイスターが見逃す?

 ある訳ないだろうが!

 

 手の令呪を見る。

 まるで聖杯を感知したかのように、赤く光っていた。

 こうして、科学の都市で行われる魔術儀式である聖杯戦争の幕が開かれた。




証拠写真
https://twitter.com/hokubukyuushuu/status/1218351239580147712?s=20


アンジェラ
 藤本ひとみ『逆光のメディチ』。
 TSF小説なんたが、歴史ものとしてすごく好きなのだ。
 『ブルボンの封印』とこの本は私のお気に入りである。


ネオナチ
 この時期のネオナチのボス組織感は異常。

聖杯
 『スプリガン』六巻『聖杯』


東京にある聖杯
 『コハエースEX』から『Fate/KOHA-ACE 帝都聖杯奇譚』にかけて、連載前に打ち切られるという完全に浮いた物語の聖杯をゲットしたのが……
 なお、作者も黒幕がわからないというサイコロまかせ。

確定
 キャスター・リンボ マスター???

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