【アンコもどき小説】やる夫と叢雲とステンノは世界を渡りながら世界の危機を回避するようです 作:北部九州在住
聖杯を奪取された以上、今度は聖杯にくべられるサーヴァントを減らす必要がある。
アーチャーについてはひとまず放置するとして、セイバー・カエサル、バーサーカー・フランケンシュタイン、アサシン、アサシンパライソの三騎を安全に脱落させる必要があった。
そして、その脱落作業は早ければ早いほどいい。
そういう訳で、夜が明け始めた平崎市のホテル業魔殿の地下で悪魔合体を行う事にする。
「英霊が奪われた聖杯を通じて座に帰ると、いろいろとやばい事になる。
ならば、悪魔合体で英霊を悪魔に変えてしまった方が後々の処理も楽になるという訳さ」
という訳で、その最初の処理に入る。
最初はカエサルと大淫婦バビロンの合体である。
黙示録の四騎士のうち二騎が闊歩している現状で、こいつの強化はリスクとリターンの両方があるのだが、最終的にカエサル自身の決断によって行われることになった。
「現世に留まりたくないと言えば嘘になるが、あの聖杯の元に行くのはお断りだね」
「本音は?」
「TSFって一度やってみたくてな」
うん。カエサルはカエサルだった。
なお、ネロちゃまの正式名称は、『ネロ・クラウディウス・カエサル・アウグストゥス・ゲルマニクス』という訳で。
1 大淫婦バビロン レベル90
2 同上
3 TSFカエサル レベル90
4 同上
5 水着ネロ レベル90
6 同上
結果3
TSFカエサル レベル90
「来た!見た!勝った!!」
堂々と肢体を晒す水着ネロじゃなかったTSFカエサル。
まさか、カエサルがバ美肉するとはなぁ……
元マスターの木原加群が固まってやがる。
「しかし良かったのか?
今更だが、マスター権と令呪は高く売れるし、こちらは高く買い取るつもりだったのだが?」
「構わんさ。
学園都市の木原連中が、ダヴィンチ女史によってきりきり舞いしているだけで俺は十分だ。
どうせ学園都市をこのまま放置するつもりもないのだろう?」
木原加群の言う通りで、そもそもの介入のきっかけがキャスターリンボの討伐であり、その過程で聖杯戦争に絡んだという形になっている。
で、聖杯戦争はともかくキャスターリンボ討伐についてはまだ続行中という訳で。
というか、麻帆良学園都市のテロ事件で責任を取られかねないから、まだ終われないというのが本音だ。
立ち上がりの新興組織なだけに、足を引っ張ろうとする輩は霞が関だけでなく市ヶ谷や永田町にもたくさんいる訳で、せめて取り繕う功績を用意しないと捜査が終われないのである。
「まぁ、学園都市との交渉次第だが、とりあえず聖杯戦争うんぬんの後始末でいろいろする予定だ。
で、あれはどうする?」
TSFカエサルの今後
1 やる夫の仲魔のまま
2 同上
3 同上
4 木原加群のサーヴァント扱い マスター制御不能
5 同上
6 どないしよ?
5 木原加群のサーヴァント扱い マスター制御不能
「余はマスターについてゆくぞ。
何しろ危なっかしいからな」
復讐を誓ってそれだけに邁進していた木原加群はただでさえ、それが成就しようとしてその先を考えていなかった。
何をするにせよ、カエサルと木原加群はそれを考える時間ぐらいは与えてもいいだろう。
どうせ、何かあったらカエサルが俺に接触してくるだろうし。
「では、短い間でござったが、主殿に仕えた事を感謝しますぞ」
アサシンパライソはカエサルとはある意味逆で彼女の身に宿っているオロチの呪いを純化させて、オロチとして出す事を目指す。
何しろ、『亜種特異点3 屍山血河舞台 下総国』の鯖だから、キャスターリンボに何か仕掛けられているだろうからだ。
また、カルデアに酒呑童子が居るので、因縁が爆発したなんて事がないようにという対策である。
そこから性別が同じ上に竜王属性である乙姫あたりに収まれば御の字だろう。
1 竜王 オロチ レベル24
2 同上
3 同上
4 竜王 乙姫 レベル38
5 同上
6 どないしよ?
5 竜王 乙姫 レベル38
「わらわは竜王乙姫。
今後ともよろしく……」
彼女は矢本古希の仲魔としてCOMPを与えることにする。
レベルが低くて俺が使うのには少しもったいないし、矢本古希自身はニンジャになりかかっているから麻帆良学園都市に移した六車学園に通わせようと考えているからだ。
彼女はまだ学ぶ年であり、戦場に出す年ではないだろう。
「矢本君。
我々は君の住居と戸籍を用意して、学ぶ場所提供する用意がある。
まぁ、ニンジャについてはある程度学んでもらう事になるだろうが、それでも君は日常に帰れるなら帰るべきだ」
俺の言葉に少女の目から涙が流れる。
それは、逃亡者として安住の地がなかった彼女の安堵の涙。
「わ、わたしは、学校に行っていいのでしょうか?」
そういって泣く矢本古希を乙姫が抱きしめる。
カエサルに次いで楽だったアサシンパライソの処遇もこうして終わった。
「さてと、問題は……」
「……ウゥゥゥゥゥ」
冷凍保存されて運ばれたゾンビニンジャであるジェノサイドとその鯖であるバーサーカーフランケンシュタインのコンビ。
ゾンビ故の記憶障害で意思疎通に難がある上に呼び出したのがある意味縁召喚であるフランケンシュタインである。
聖杯戦争から手を引いた老元寛から受け取ったはいいが、いくつかの選択肢がある。
一つは、ジェノサイドを治癒したうえでフランケンシュタインを悪魔合体させる案、一番穏便な奴だ。
次にジェノサイドとフランケンシュタインを悪魔合体させて悪魔人として構成させる案。
最後はジェノサイドを処分して、フランケンシュタインを悪魔合体させる案だ。
ポイントはマスターであるジェノサイドにかかっている。
「こいつ、生前殺し屋っぽいんだよなぁ……」
ためらっているのはそこだ。
ついてきたイモータル・ニンジャ・ワークショップのデータによると、『ジェノサイドは基本的には自分から相手に手を出すことはないが、自分にとって邪魔な存在を抹殺するためならば周囲に幾ら被害が出ても顧みない戦法をとる』とある。
下手すると敵が増える……今更か。
「ウ?」
「バーサーカー。君が決めるといい」
1 ジェノサイド治癒
2 同上
3 ジェノサイドと合体
4 同上
5 ジェノサイドを処分
6 どないしよ?
4 ジェノサイドと合体
「ウゥー、ウゥ……」
「合体か。
それもいいだろう」
1 ボディコニアン レベル7
2 同上
3 造魔の素ドリー・カドモン
4 同上
5 造魔
6 どないしよ?
3 造魔の素ドリー・カドモン
合体の後出てきたのは悪魔ですらなく造魔の素ドリー・カドモンだった。
両方とも作られた命みたいなもので、ある意味正しい結末と言えよう。
俺は造魔の素ドリー・カドモンを手に取る前に手を合わせてジェノサイドとフランケンシュタインの冥福を祈ってやった。
「さてと。
最低限の仕事はしたな。
後は、アルジュナか……」
彼クラスの英霊ともなると、鯖二個分とかありそうで困る。
手持ちの爆弾は解除したので、残りの爆弾解除のために俺はまた学園都市に戻ることになるのだった。