【アンコもどき小説】やる夫と叢雲とステンノは世界を渡りながら世界の危機を回避するようです   作:北部九州在住

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全てはガチャのお導き……という体にして自慢したいだけである。
なんだよ。6ゾロって……


証拠写真
https://twitter.com/hokubukyuushuu/status/1293879987544551437?s=20



入即出やる夫のバカンス その7

敵潜水艦の数 2隻

 

1 ロサンゼルス級

2 同上

3 同上

4 同上

5 オハイオ級

6 どないしよ

 

66 どないしよ

 

 

「潜水艦発見しました!

 データにありません!!」

 

「この時点で味方とも思えないじゃない!

 対潜戦闘準備!!」

 

 叢雲の声に艦橋が潜水艦に対する攻撃をしようとする前に、回線に割り込む実にろくでもない声が。

 

「待った!

 攻撃しないでくれ。

 機械は魔術以上に苦手なんだよ……

 ああ。

 久しぶりだね。カルデアのマスター君。

 私はマーリン。人呼んで花の魔術師。

 気さくにマーリンお兄さんと呼んでくれ。

 堅苦しいのは苦手なんだ」

 

「目標。海中の潜水艦二隻。

 あれは撃っても罰が当たらんし喝采する奴も多いだろうよ」

 

「分かった。

 君はせっかちなんだから。いいかい。攻撃しないでくれよ」

 

「敵潜水艦二隻の反応が消失しました!

 別の個所に潜水艦反応!!

 我々の目の前です!

 浮上します!!!」

 

 あの二隻幻術のスキルなんだろうなぁ。きっと。

 ドン!という音と共に潜水艦が姿を現す。

 その潜水艦は少なくとも、現代技術の船ではない。

 同時に、駄女神さまによって知識が更新される。

 

「ノーチラス号……たしかに出るだろうが、あれ『ナディア』のノーチラス号じゃねーか」

 

「だってマーリンよ。

 それぐらいできて当然じゃない?」

 

 俺のボヤキにステンノが適当につこっんだが俺は何も返事ができなかった。

 潜水艦のハッチが開いて、ターバンを巻いた少年水兵たちがこちらに合図を送っている。

 どうやらマーリンを乗り移らせたいらしい。この忙しい時にだが、マーリンである。

 あいつは人の話なんてはなから聞いていないくせに、ハッピーエンドの最適解を突っ走るのだ。

 水兵たちの後に花の魔術師が花を巻き散らかしてハッチから出て来る。

 

「米艦に敵ではない事を伝えてくれ」

「了解」

「あの花、掃除大変そうだな」

「もう一人出てきましたね」

 

 ん?

 マーリン以外の誰か?

 俺は双眼鏡でマーリンの隣に立つ少女を見る。

 魔術師の杖を持つアルトリア顔。

 アルトリアシリーズ、また増えたのか……

 

「こんにちは! キャスター、アルトリアと申します!

 実のところ、サーヴァントというのはよく分からないですが、

 魔術なんかでお役に立てるなら遠慮なくお使いください。

 え? 魔術は『なんか』じゃない?

 うわぁ……こっちの世界ではそうなんですか?」

 

 あと、この二人のついでに眼鏡っ娘がついてきてえらく叢雲に興味を持っている。

 

「な、なに?

 私の顔に何かついているの?」

 

「いえ。

 貴方を見ていると『そういう手もあったのか』と感心している所で」

 

 あ。

 こいつ、人間じゃないな。

 うっすらと分かっていたが。

 

 

 

 α島攻略作戦までまだ時間があった。

 とはいえ、事が事だけに放置する訳にもいかず、美野原主席幕僚に指揮を任せて叢雲の艦内食堂に通しての話し合いである。

 で、開口一番にグランドろくでなしはこうのたまってくれた。

 

「だって、こんな面白い世界、私が見ない訳ないじゃないか」

 

 知ってた。

 その時点で頭を抱える俺とダヴィンチちゃん。

 状況が分かっていない叢雲は首をかしげ、状況が分かっているのでステンノは満面の笑みである。

 

「お帰りはあちら。

 というか塔から出て来るなよ。

 大体なんで今、この時にここに現れた?」

 

 ぼやく俺にマーリンは自慢そうにその説明をする。

 それを聞いていた俺とダヴィンチちゃんは徐々に顔色が青くなる。

 

「まずは、そこから説明しようか。

 この世界が闇鍋なのは君も理解していると思うが、ここは属性がきれいにそろっていてね。

 介入するのにうってつけだったという訳だ。

 カリブ海の海上の閉鎖空間、バミューダトライアングル。

 アトランティスがらみのワードでそろえると色々とね」

 

 ああ。

 そういえば、バミューダトライアングルの中に沈んだ古代帝国アトランティスがあるなんて話もあったなー。

 ノーチラスの原作の海底二万里にもアトランティス出ていたし。

 で、ノーチラス号を用意してやってきたと。

 

「で、まあ、マスターの思いを私は無下にするつもりはないが、向こうのカルデアのマスターも面白そうだから助けてあげようと思ってね。

 ここにはこのアルトリアを置いてゆく事にするよ」

 

「ちょっと待ってくれ。

 つまり、マーリンはこちらのカルデアに渡るために、この世界を経由するという事かい?」

 

「そのとおりさ。ダヴィンチちゃん。

 この世界はあまりにも複雑で、かつ繊細だ。

 それにも関わらず、こういう閉鎖空間でかつこちらが介入しやすいワードがそろっていた。

 抑止力はある日不意に牙をむくから気を付けるに越したことはないからね」

 

 こういう事をさらりと言えるから、このろくでなしはグランドキャスターなのだろう。

 彼の向かうカルデアに幸あれ。

 胃薬を物資の中に入れておいてあげよう。

 

「で、だ。

 お嬢さん。

 貴方はこちらに残るつもりで?」

 

 俺は一応無駄だと思いながらも聞いてみる。

 案の定、帰ってきたのはこんなセリフだった。

 

「運命ですから。

 望まれた事を望まれたように」

 

 

 

「失礼します。

 そろそろ作戦開始時刻ですので艦橋にお戻りください」

 

 α島攻略作戦の開始時間が近づき、美野原主席幕僚の声がスピーカに届く。

 俺たちは立ち上がって、食堂から出ようとして最後に声をかけた。

 

「とりあえず、この作戦の間はおとなしくしてくれ。

 まぁ、敵潜水艦でなかった事はほっとしているよ」

 

 艦橋まで歩いている間、ステンノが楽しそうに囁く。

 

「楽しいわ。

 マスター。

 あの人、ここでもあなたを助けるつもりなのかしら」

 

 ろくでなしでおせっかいで、ハッピーエンド至上主義者。

 そんな彼が現れた事で、事態は悪くはないだろう。

 艦橋に戻ると朝日が昇りつつあった。

 この閉鎖空間、最後の一日がこうして幕を開けた。




 さらりとアトランティスワードで二部五章の『アトランティス』にマーリンが触れていない所はポイント。
 やる夫はそこまで知らないという訳だ。
 そのくせ、キャストリアを連れて来るあたりこのろくでなしはただのろくでなしではない。
 ハッピーエンド大好きなろくでなしなのだ。 (人類視点というえらくでかい視点なのは見ない方向で) 


ナディア
 『ふしぎの海のナディア』
 あ、レッドノア出せるな。


66
 なお、三隻で666だったら、ネオ・ノーチラス号になっていた。

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