【アンコもどき小説】やる夫と叢雲とステンノは世界を渡りながら世界の危機を回避するようです   作:北部九州在住

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 色々な放置伏線処理回


まだまだ続く猫の手の確保 その1

 政権交代と省庁再編が行われたこの世界の94年が始まっておよそ三か月ばかり。

 バカンスを楽しんでいた俺だが、仕事が本格的に溜まってきたので処理を始める事にする。

 

「この書類は……この折衝は……予算について……」

 

 ありがとう。諸葛亮。サンキュー諸葛亮。

 冬木からやってきた彼を宮内省特別参与として霞が関に送り込んだ結果、見事に活躍する彼の姿が。

 さすが一国の宰相をやった男。

 行政組織においてかがやくことこの上ない。

 その有能さを室戸次官が放置する訳もなく、現政権はかつての野党大連立という事で国会が既に混乱しているので、連立政権の党務側を支えているキングメーカー澤田議員も接触しているあたり笑うしかない。

 

 

オカルト事件への対処

 94%

 

 

「現在の日本国内のオカルトが絡む事件の対処についてですが、おおむね順調に進んでいます。

 理由として、情報の集約に伴う戦力の適切な投入があり、組織としてはこの状況を維持できるかについては……」

 

 宮内省の会議の席で諸葛亮が淡々と報告する。

 宮内省の実務部隊の有用性が実証されている事もあって、室戸文明次官も山本信繁神祇院総裁もこっちに出席していた荒巻大輔内務省公共安全庁長官(出世したらしい)も淡々と聞きながらも安堵の空気を隠してはいない。

 

「学園都市で発生した聖杯戦争及び一連の事件などの対処が難しい事件については今後も入即出統括審議官の出馬をご足労願いますが、現在はその予兆をとらえる事で火種が燃え上がる前に対処する予防に力を注ぐ体制を……」

 

 

メシア教の暗躍 100で色々やっている

 87

 

ガイア教の暗躍 100で色々やっている

 38

 

ミレニアムの介入 100で色々やっている

 1

 

 

「各勢力の動向ですが、メシア教が勢力を拡大しています。

 現在のオカルト事件への対処の理由の一つにメシア教徒の協力があり、それがガイア勢力への牽制となっているという裏事情があります」

 

 麻帆良学園で聞いた未来のダヴィンチちゃんの言葉を思い出す。

 結局のところ、この世界で大洪水が発生したのは、クーデターを潰すのに奔走してメシア側の勢力を削れなかった事があげられる。

 そして、そのメシアの勢力が削れない理由が既に現れていた。

 

「もっとも、メシア教が協力関係にあるのは裏で色々とやっている事もあるのですがね。

 少なくとも、学園都市の聖杯戦争では米国を動かして内政干渉に近い動きをしていました。

 彼らが善意でこちらに協力している訳ではない事には留意が必要です」

 

 なまじかつての政権が対魔忍世界だったこともあって、私利私欲繋がりでガイア教との関係が深かったというのもあり、現政権のメシア教の影響力はかなり強い。

 学園都市の聖杯戦争で最後米国がらみの介入に折れたのは、このメシアの影響力もあったのだろう。

 諸葛亮の報告の後で、参加していた荒巻長官が立ち上がって報告する。

 

「ここで気を付けてほしいのは、メシア教を一つで見てはいけないという点だ。

 過激派も居れば穏健派も居る。

 暗躍しているメシア教過激派を叩きつつ現政権へのダメージを最小にすることが望ましい」

 

 そういう前置きと共に、荒巻長官は会議参加者に資料を手渡す。

 

「メシア教テンプルナイト。

 現在急速に戦力を整えている勢力の一つです」

 

 

テンプルナイトの規模

 

1 小隊規模

2 同上

3 中隊規模

4 同上

5 大隊規模

6 同上

7 連隊規模

8 同上

9 旅団規模

10 どないしよ?

 

3 中隊規模

 

 

「表立って武装については我々の取り締まりを避けるためか、表立った武装は見えませんが、組織内部に武器が隠されているとの情報があります。

 それよりも、中隊規模の彼らは全員『天使』と呼ばれる悪魔を使役しており、後方支援等の協力によって我々を懐柔しようという動きが見えます」

 

 これが『天使 エンジェル』ならばレベルは10台前半なので、必然的にテンプルナイトのレベルがなんとなく見えて来る。

 もちろん、それ以上の高能力者が居るだろうから、気は抜けないがこのレベルは現在のオカルト事件の対処に使っている対魔忍と平均レベルが同じぐらいと言えばテンプルナイトの戦力が侮れない事が分るだろう。

 

「米国に持ち去られた聖杯を用いた聖杯戦争の可能性とそれに介入するオプションは?」

 

米国内政治情勢 100で混乱

 82

 

「おすすめはしませんな。

 現在、米国内では巨大企業アンブレラ社のミレニアム関与に伴う捜査が大詰めに入っております。

 アンブレラ社が倒産まではいかないにせよ、分割と他社による買収は避けられず、アーカムやトライデントが救済を名目に激しく鞘当てをしています。

 米国内でのミレニアムパージが終わるまでは、米政府との協力もできないというのがこちらの結論です」

 

(なるほどな。

 米国内部でのミレニアムとアンブレラパージに先手を打って施設や人員の補充先にこの国を選んだな……)

 

 ミレニアムと大天使ミカエルのつながりを知っている俺は、黙ってそう結論付けた。

 そうなると、メシアの拠点がどこかという事になるのだが、現在のメシア教は既に拠点を構築していた。

 品川大聖堂。

 

 こりゃ、大天使ハニエルが現界しているっぽいな……




 とりあえず、孔明合流。
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