【アンコもどき小説】やる夫と叢雲とステンノは世界を渡りながら世界の危機を回避するようです   作:北部九州在住

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まだまだ続く猫の手の確保 その3

「私はカルデアの方に行くよ」

 

 あっさりというグランドろくでなし……じゃなかったマーリンだが、現在のカルデアはこんな感じである。

 

1 オルレアンクリア

2 ローマ攻略中

3 ローマ大詰め

4 ローマ攻略

5 オケアノス攻略中

6 どないしよ

 

6 どないしよ

 

1 クリティカル

2 ファンブル

 

2 ファンブル

 

 

「ちょうど良かったわ!

 助けてほしいの!!」

 

 という訳で、マーリンを連れて都内セーフハウスに滞在しているオルガマリー・アニムスフィアに連絡をとったら、第一報がこれである。

 

「何があったんです?」

「見た方が早いわよ……」

 

 という訳で、カルデアからの回線を回してもらってみてみるとその理由が分かった。

 冬木はクリアしたのだが、その次がオルレアンでなかったのだ。

 

「……湖かな?」

「建物から見て、これ日本のどこか?」

「あらあら。

 こんな所で何をしているのかしら?」

「先輩!先輩が居ます!!

 二人!?」

 

 画像を見て俺が呟き、叢雲が建物を見てあたりをつけて、ステンノが楽しそうに笑い、マシュが特異点先の俺を見て驚く。

 幾人かのサーヴァントらしきものが水着になっていた。

 あ。

 これは水着イベに巻き込まれたみたいだが、俺はこのイベントを知らない。

 

「現場の混乱を考えて通信は最低限に押さえさせているけど、向こうで傍受した通信には明らかに私たちの知らないカルデアと通信していたそうよ」

 

 多分、世界線が混乱している。

 そうなっただろう原因らしきものに俺は説明を求める。

 

「説明、してくれるよな?」

 

 こういう事になりそうな理由を知っていそうなマーリンに話を振る。

 何しろ、わざわざ接触してきたこいつの事だ。

 こうなる理由を知っていそうではある。

 

「まぁ、隠してもしょうがない事だからね。話すよ。

 簡単に言うとだね、この世界線は最後諦めちゃったじゃないか。

 そ れ は お も し ろ く な い だ ろ う ?」

 

 意味が分からないオルガマリー・アニムスフィアに対して、分かっているだけに絶句する俺。

 この世界のカルデアがバビロニアで諦めたのを知っているのは俺たちだけだ。

 そして、そのバビロニアに出て来るのがこのマーリンである。

 

「勘違いしないでほしい。

 私はね、彼女の努力と旅路を否定するつもりはないのだよ。

 ただ、あの時は盤外にあまりにも理不尽なタイムリミットがあった。

 運を天に任せるにしても、せめて五分五分にならないと不公平だろう?」

 

「大体、博打ってのは胴元が勝つようにシステムが組まれているだろうに……」

 

「だから、それを是正するためにイカサマをするという訳だよ」

 

 とてもいい笑顔でマーリンが笑う。

 このろくでなし。まるでカジノでも大暴れしたかのようなはっちゃけである。

 

「現在と未来は基本繋がっている。

 過去と現在も同じく繋がっている。

 だから、時の流れという見方だと、過去-現在-未来は一本の線となる訳だ。

 カルデアが対処しようとしている特異点とか異聞帯とかは、その流れが止まるととりあえず定義しておこうか。

 で、だ。

 未来に自分たちが観測された場合、現在の私たちはその未来の影響を受けると思わないかい?」

 

 何を言っているこいつと思って首を捻ったら、我慢できなくなったらしく画像が浮かんでカルデア側のダヴィンチちゃんがあきれ顔で突っ込んでくる。

 

「つまり、夏休み初日に最後まで日記を書いて、当日までその日記通りに行動させようという訳だね?

 呆れたものだ……」

 

 とはいえ、あながち間違いでしないのが困る。

 マーリンが今やっているのは、FGO第二部水着イベントをクリアさせる事で、この時間軸で『カルデアがFGO二部まで行く』という事実を未来に刻もうとしているという事だ。

 未来が確定した結果、現在がそれに引っ張られないとタイムパラドックスが発生する訳で。

 グランドキャスターにふさわしい大魔術と言えなくもない。

 

「で、日記通りに彼女たちを動かすためにも現場に出ないとという訳でね。

 わざわざこうして出向いたという訳さ。

 この件も夢のように片づけよう」

 

「私たちを手伝ってくれるのですか!?」

 

 胡散臭い笑顔でマーリンが手を差し出すと、彼の本質を知らないオルガマリー・アニムスフィアは手をとった上に涙まで流している。

 真実を言って水をさす必要もない。

 厄介払いともいうのだが。

 

「という訳だ。

 あとはこの花の魔術師にお任せするとしよう。

 ……ん?

 丁度戦っているな」

 

 モニターではちょうど藤丸立夏がマシュと沖田総司とアーチャーエミヤと茨木童子とキャスタークーフーリンと謎の槍水着サーヴァントを連れて戦闘をしていた。

 

「ん?

 彼女は?」

 

「ああ。

 貴方が知らないのも無理はないわ。

 彼女は芥ヒナコ。

 Aチームの魔術師で優秀……」

 

 

「イ マ ジ ナ リ ー 項 羽 様 展 開 !」

 

 

「……」

「……」

 

 何か訳の分からない言葉を言って、ポールダンスで敵を倒すAチームの魔術師の先輩。

 俺は何も言わず説明をオルガマリー・アニムスフィアと画面のダヴィンチちゃんに求め、二人は視線をそらせる事で、回答とした。

 なお、ひとりグランドろくでなしは大爆笑していた。




Twitterで見たパイセンと共に行く人理修復。
水着イベが冬木クリアが条件だったのでつい……

という訳で、藤丸立夏の方に虞美人(槍)とマーリン加入。

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