【アンコもどき小説】やる夫と叢雲とステンノは世界を渡りながら世界の危機を回避するようです   作:北部九州在住

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【短期集中リハビリネタ企画】やる夫は叢雲とステンノとマシュを連れてグリプス戦役を乗り切るようです その9

エゥーゴVSティターンズ

 

1 ティターンズ攻勢 連邦軍権限移譲 アポロ作戦

2 同上

3 ティターンズ攻勢 連邦軍権限一部委譲

4 同上

5 バスク決起 小惑星ペズンにてニューディサイズ結成 独自行動へ

6 エゥーゴ攻勢 議会工作進行

7 同上

8 エゥーゴ攻勢 議会工作進行 ニューギニア基地攻略作戦

9 アクシズ接近

10 熱烈歓迎

 

5 バスク決起 小惑星ペズンにてニューディサイズ結成 独自行動へ

 

ニューディサイズ賛同勢力 100で大部分が参加 

 79

 

 

「現在のティターンズのやり方は生ぬるい!

 地球の反連邦勢力が壊滅し、アクシズというジオン残党が接近しつつある中、連邦宇宙軍は今こそこのジオン残党を討ち、ジオンの亡霊を終わらせなければならない!

 にもかかわらず、連邦宇宙軍はジオンの残党と手を取ろうとしている。

 これが許せるだろうか!

 諸君!連邦軍軍人の諸君!!地球に住む有権者の諸君!!

 家族を、友を、同胞を、故郷を、母なる大地ですらコロニー落としで汚したジオン残党を許し、かりそめの平和を維持しようとする連邦軍の現状に我慢できない!!!

 私はここに『新たな決意』『反対』『反スペースノイド』を旗印とした『ニューディサイズ』の結成を宣言する!!!

 連邦軍将兵たちよ!

 この旗に集い、ジオンの亡霊を討つべし!!!」

 

 

 舐めていた。

 バスクの扇動ではなく、アースノイドの反ジオン感情を舐めていた。

 まぁ、毒ガスによるコロニー虐殺にブリティッシュ作戦のコロニー落とし、さらに防いだ星の屑作戦の衝撃と憎悪を俺は舐めていた。

 ワイアット大将が警告していたというのに。

 とはいえ、これは抑えられないだろうなぁ。

 

「グリプスはニューディサイズの指揮下に入ると宣言しました。

 月面のエアーズ市もニューディサイズに賛同するとたった今放送が」

「ルナ2の連邦主力艦隊から多数の離脱艦がグリプスに向かっています!

 ニューディサイズ艦隊司令官にブライアン・エイノー提督が就任すると……」

「地球のティターンズ拠点だったニューギニア基地及びキリマンジャロ基地もニューディサイズ指揮下に入ると宣言しています!!

 ティターンズの大部分がニューディサイズに変わったようなものです!!」

 

 次々と上がってくる報告にフォン・ブラウン基地司令部内で叢雲とマシュとオボロが他の将兵たち叫びながら状況把握に躍起になっている。

 ここまで大規模になるともはやクーデターと言った方が良いだろう。

 ステンノはそんな俺の隣で笑顔を絶やさない。

 それが司令官席に座っている俺に落ち着きを与えてくれる。

 

「月方面艦隊のニューディサイズへの賛同者はどうなっている?」

 

 

月方面艦隊のニューディサイズ参加者 100で大部分が参加

 1

 

「ほとんど居ないわ。

 前に月のエゥーゴ掃討でティターンズ賛同者はあらかた出たのが大きいわね」

 

 叢雲の報告に俺は安堵のため息をつく。

 少なくとも、これで最悪月とサイド3をラインとしてニューディサイズやアクシズと一戦できる事は分かったからだ。

 モニターに映っている月周回中の巨大船を見つけて、ふと彼の動向を訪ねる。

 

「で、あの船の船長はどっちに?」

「それ、聞く必要あるのかしら?」

 

 俺の質問にステンノが楽しそうに笑う。

 わかっているが、非常時だからこそ間違いだけは許されない。

 俺は通信を『ジュピトリス』に繋ぐ。

 船長であるシロッコはいつもの笑みで俺のモニター前に現れた。

 

「大変なことになっているが、大佐。そっちはどうかな?」

「木星航海は長期にわたるので、この手の反乱は起こさないように手を尽くしています。

 あの程度のプロパガンダで寝返るような軟弱物は、このジュピトリスには居ませんよ」

「それは良いニュースだ。

 で、悪いニュースだが、連邦宇宙軍の大部分がニューディサイズに寝返った。

 まともに戦えるのは俺の月方面艦隊と君のジュピトリスだけだ」

「閣下の勢力下に加えていただけるのは光栄ですな。

 で、エゥーゴやアクシズについてはどうなさるおつもりで?」

 

 モニター向こうのシロッコの顔は『お手並み拝見』という表情を隠そうともしない。

 ここで、全力でニューディサイズとやりあったらこれまでの対アクシズ戦略が完全にご破算になる。

 

「ジオン共和国やエゥーゴとも話はするさ。

 だが、ここでニューディサイズと決戦するほど俺は愚か者ではないよ」

 

 バスクの思考はなんとなく分かる。

 連邦宇宙軍の大部分を指揮下に置いた現状で、残っている俺の艦隊は後でどうとでも料理できるし、この大戦力をもって失脚のきっかけとなったエゥーゴを支持基盤から殲滅したいのだろう。

 

「ニューディサイズとエゥーゴの決戦は中立で居るさ。

 最も、月方面艦隊の管轄内での軍事行動については、それ相応の手続きを取ってくれという条件はつけるがね」

 

「それを馬鹿正直に行うバスクではないでしょうに」

 

「奇遇だな。

 私もだよ」

 

 似たようなやりとりをしたなと二人して苦笑する。

 俺は顔を引き締めてシロッコに宣言した。

 

「君は手続きを順守する限りにおいて好きに動きたまえ。

 君が見たかった最高のものが見れることを祈っているよ」

 

「閣下も人が悪い。

 一年戦争の英雄の手腕。

 近くで学ばせていただきます」

 

 通信を切ると、俺は矢継ぎ早に命令を出す。

 

「ニューディサイズに加わっていない基地を確認する」

 

「月面ではエアーズ市以外の全都市がニューディサイズ参加を見送っているわ。

 ルナ2は多くの艦隊が脱出したけど、ワイアット大将が掌握しているみたい。

 ジオン共和国をはじめとした各サイドも沈黙を守っているわ。

 アナハイムの秘密拠点になっている荊の園と、ラビアンローズは存在を確認」

 

 叢雲の報告と共にエゥーゴの拠点がモニターに映る。

 彼らとて無策ではない。

 ここ最近の戦勝で支持者が増えてきた矢先のことだったのが痛い。

 少なくとも、ニューディサイズについた連中を再度引き離す必要があった。

 

「ゴップ議員に連絡をとれ。

 ジャミトフ大将を取り込むと共に、サイド1・30バンチコロニー毒ガス虐殺事件を公表する」

 

 これは切り札だったのだが、ここで切らないとニューディサイズに押し切られる可能性があった。

 連邦及び連邦軍の正当性に致命的打撃を与えるから、できれば切りたくはなかったのだが背に腹は代えられない。

 そして、引退していた駒を引きずり出す。

 

「ジャブローのエルラン将軍に連絡しろ。

 北アメリカのシャイアン基地に軟禁されているアムロ・レイを連れだせ。

 宇宙に上げたらMSガーベラ・テトラ改を乗せたサラミス改を一隻つけるから彼の好きにさせろ。

 エゥーゴに加わっても、ティターンズに入っても構わん。

 命令書はゴップ議員に協力して、正規のやつを連邦軍本部より発給させる」

 

 彼がニューディサイズに行くことはないとだけはニュータイプではないが確信していた。


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