【アンコもどき小説】やる夫と叢雲とステンノは世界を渡りながら世界の危機を回避するようです   作:北部九州在住

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【短期集中リハビリネタ企画】やる夫は叢雲とステンノとマシュを連れてグリプス戦役を乗り切るようです 戦闘終了後のグリプスにて

「降伏した艦艇およびMSは動力を切れ!」

「ニューソクデ大将からの厳命だ!

 同じ連邦軍将兵として扱い虐待は厳禁だぞ!」

「負傷者はティターンズ艦艇に運べ!」

「MSはもう収容できない!

 ジュピトリスが受け入れてくれるぞ!!」

 

 戦闘が終わった後の後始末も戦闘と負けず劣らず忙しい。

 エゥーゴとニューディサイズの戦いは双方共倒れの果てに、シロッコ率いるティターンズが漁夫の利を占めるという結果に終わった。

 一応エゥーゴは勝者のはずなのだが多くの艦艇を失って後始末のできる将官の多くを失い、この宙域を制圧しているのはジャブローから追加で送られたティターンズ艦隊である。

 

「勝ったには勝ったが……なんだこれは……」

 

 アーガマに乗り込んでいたウォン・リーが呆然と呟く。

 彼はエゥーゴのスポンサーでありティターンズにも張っているアナハイム・エレクトロニクスの幹部なのだが、だからといって自分が乗っていたエゥーゴが囮に使われて面白い訳がない。

 

「仕方ありません。

 参加艦艇51隻の内38隻が撃沈。

 我々はティターンズ艦隊がなければ勝者になれなかったのですから」

 

 アーガマ艦長になったブライト・ノア大佐が怒りを抑えてぼやく。

 マゼラン改級にアイリッシュ級の戦艦は全て撃沈され、指導者ブレックス・フォーラとヘンケン・ベッケナーの両者とも戦死となった。

 月方面艦隊からの艦艇提供などで借りをつくったのでこの二者とも前に出らざるをえず、戦死した結果エゥーゴは実質的に脳死状態となったのだが、このあたりがエゥーゴという組織の脆弱さを象徴していると言っていいだろう。

 事実、ティターンズを吸収した形になった連邦軍はニューソクデ大将のティターンズ艦隊、ルナ2のグリーン・ワイアット大将の連邦艦隊主力、ワッケイン中将臨時指揮の月方面艦隊の三つに分かれて誰が倒れても問題ないようにしている。

 その上、ジャブローからの艦隊打ち上げでは自身を囮にしてコロニーレーザーの射線をずらす支援までしていた。

 二人はそれを理解していたからこそ、漁夫の利を奪われた怒りをティターンズに向けられない。

 そんな二人のいるブリッジに参加していたアムロ・レイとクワトロ・バジーナが入っている。

 

「お疲れ様。MS隊はどうだ?」

 

「艦艇に比べたら問題はないさ。

 後始末が大変だろうが、勝ったからこその贅沢だよ。それよりもだ。ジュピトリスからの情報だ。

 アクシズがついに地球圏に接近した」

 

 想定していなかった訳ではないがあまりにもタイミングが悪かった。

 MSはまだあるがそれを運べる艦艇がなく、連戦にあるのでパイロットに負担がかかる。

 何よりも、勝者であるエゥーゴはこのグリプスを管理する義務がある。

 実際はティターンズが行っているとはいえ、ここにエゥーゴがいるからこそ彼らは下請けに回ってくれているのだ。

 

「で、ニューソクデ大将からのプレゼントだ。

 ブライト・ノア『准将』。

 残存艦艇をまとめてほしいそうだ」

 

 テンプテーション艦長時代は中佐で、エゥーゴ参加時に大佐昇進、准将もニューソクデ大将の強力な後押しがあった事があったのは言うまでもない。

 厳しい顔をして書類の一つをブライト・ノアに渡すクワトロ・バジーナにアムロ・レイが突っ込む。

 

「で、君はどうするんだい?

 エドワウ・マス『准将』」

 

「その名で呼ばないでくれ」

 

 脳死状態のエゥーゴ再建の為には将官が絶対に必要になる。

 それを理解していたニューソクデ大将は、偽名将官を用意するという荒業でシャアを表舞台に立たせようとしていた。

 それが分かっているシロッコは渡す時に軽蔑の視線でシャアを見て、シャアもそれに気づいていた。

 

「シャア。気づいているんだろう?

 エゥーゴ艦隊は動けないが、僕には独立裁量権がある。

 月に行けば、新型MSも受けとれるが、積み込む艦船の編成と指揮は将官が絶対に必要になる。

 ブライトさんがここにいないといけない以上、できるのは君だけなんだ」

 

「わかっているさ。アムロ。

 だからと言って、割り切れない感情があるんだ」

 

 今から行っても間に合うとも思えないが、アクシズと連邦が戦闘を始めた時に間に合うかもしれない。そんなタイミングだからこそ動かないといけない。

 それはシャアにも分かっていた。

 

「アーガマのパイロットを全員連れて行く」

 

「ああ。

 散々ホワイトベースを追い詰めた指揮に期待するよ。『准将』」

 

 MSは置いてゆくがパイロットだけを連れてゆく。

 月に行けばアナハイムの工場から新型MSが出て来るだろう。

 それを乗せる為の艦艇の確保など、将官となったシャアにはする事が山ほどあった。

 

 

 

「『バターン』が宙域を離脱します。

 独立裁量権に基づく独自行動だそうです!」

 

 ジュピトリスの指揮席でその報告を聞いたシロッコは皮肉っぽい笑みを浮かべて言った。

 

「行かせてやれ。

 我々も引継ぎを済ませたら移動するぞ。

 準備をしておけ」

 

「はっ。それで目的地は?」

 

 オペレーターの声にシロッコは離れてゆく『バターン』とは違う場所を告げた。

 

「サイド3だ」

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