【アンコもどき小説】やる夫と叢雲とステンノは世界を渡りながら世界の危機を回避するようです   作:北部九州在住

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職域確認折衝 その2

 皇居地下に作られた宮内省神祇院地下会議室に集まったのは三人。

 俺こと入即出やる夫宮内省技術総括審議官に、ターニャ・デグレチャフ米国第五艦隊司令官、そして菊島雄麻厚生省衛生二課嘱託研究員。

 その後ろに宮内省と厚生省の入江が二人。

 俺の後ろには叢雲とステンノとマシュが、デグ様の後ろにはユーリア・ブラッドストーン大佐とイントレピッドが控えているのだが、菊島雄麻は平然としているあたり肝は据わっているらしい。

 

「さてと、お時間をとって集まってもらった訳で互いの情報確認からしたい所なのだが」

 

 菊島雄麻の現状認識 100でばっちし

  72

 

「あら?何か確認する事はあるのかしら?」

 

「強いて言えば、そちらのお遊びで上の首が飛んで我々にお鉢が回ってきたという所だな。で、後を引き継いだジミー・ハーディ大将はこの問題の早急な解決を求めている訳だ」

 

「それはこちらも同じでね。

 とりあえず、米国には潜水艦作って渡すから見なかったことにしないかと言ってみた訳だ」

 

「それを米国が受けると?」

「それを我々が認めると?」

 

 ほぼ同時に菊島雄麻とデグ様が言うが、実にわざとらしく俺は両手をあげる。

 なお、デグ様とは打合せ済である。

 

「この場合は認めるか認めないかというよりも、起こった事に対しての事後処理に近いんだ。何しろ『この世界では』、米国が自衛隊にミサイルを撃ったりする関係なのでね」

 

 後から挿入系の話はこういう形で世界が変わってゆくから、後始末が面倒なことこの上ない。

 日本は究極的な所見なかった事にするで片づけて、東京に落ちてくる核ミサイルを迎撃する体制にシフトすればいいが、潜水艦を奪われた米国はそうもいかない訳で。

 CIAをはじめ色々動いているが、表向きは日米安保を堅持している為に過度な内政干渉はできずにいた。

 俺はトランプを取り出して、自分とデグ様と菊島雄麻の前に一枚伏せる。

 

「現状はこういう訳だ。

 互いにカードを伏せていて、勝つか負けるかわからない。

 そして、伏せているからこそ、掛け金を積めるし、話し合いができる」

 

「ああ。なるほど。

 真浜原発を誰かが攻撃すると」

 

 菊島雄麻がニヤリと笑う。

 俺もデグ様も似たような顔をした。

 

「まぁ、情報は流した。食いつくかどうかはまた彼らの勝手さ。

 俺の声が届くところには一応食いついたら痛い目に合うとだけ言っておいたけどな」

 

「私の所も、馬鹿が食いつくのだから手を出すなと命令はしている。

 CIAについては一応声は届けたが奴らの事は知らん」

 

 

 

食いついた馬鹿 100ほど食いつく

 

 時計塔         72  

 

 聖堂教会        56 

 

 十字教         67        

 

 メシア教        11

 

 ガイア教      14

 

 学園都市        20

 

 ネオナチ 46

 

 アーカム        23

 

 化け猫         36以上で介入

 

 

「おーおー。

 時計塔に十字教に聖堂教会にネオナチがエントリーか。

 ネオナチはともかく、化け猫退治に張りきったという所か」

 

「また科学が効かなそうな連中が出張ってきたな。

 こいつらどうやって潜水艦を見つけるんだ?」

 

「……もしかして、この人たちまず潜水艦を見つけられないんじゃない?」

 

 

 

 菊島雄麻の一言にそれとなくそっぽを向く俺とデグ様。

 メシア教の連中はCOMPを持っているからターミナル技術あたりは入手していそうだが、問題はその侵入の為の通路がない所にある。

 原子力潜水艦というのは、こういう意味でとても厄介なのだ。

 

「彼ら、名古屋観光を楽しむでしょうな」

 

 どちらの入江が言ったかしらないがその言葉で俺もデグ様も菊島雄麻も笑いだす。

 サイコロを振る前に、まず舞台に上がれない。

 そうなると焦点は真浜原発になるのだが……

 

 

時計塔  32

 

聖堂教会 11

 

十字教 23

 

ネオナチ 40

 

化け猫 66

 

 

 

「時計塔はそもそも科学を顧みる事無く、聖堂教会は吸血鬼装備で化け猫退治。

 十字教は化け猫を理解する気もなく、オカルトと科学を融合させていたネオナチが一番進撃したとは……」

 

「それでも、情報と現代兵器で武装した化け猫に勝てなかった……か。

 この賭けは、菊島さんの勝ちですな」

 

 数時間後。

 第三次真浜原発攻防戦が化け猫の勝利に終わった様子を俺たちはこの地下からじっと見ていた。

 デグ様の呻き声も俺の白々しい賞賛の声も菊島雄麻に届かない事は承知の上。

 

「何か賭けている訳ではないですが、勝ったのですからお二人の余裕について教えていただいても?」

 

 菊島雄麻の言葉に俺とデグ様は実にわざとらしい笑みを浮かべた。

 

「簡単な事さ。

 あれが『情報』そのものなら、その情報に勝てるものをぶつけるのさ」

 

「そして、それについては、この入即出審議官は折り紙付きのプロでね」

 

 もちろん、それ以上の事は教えるつもりもないので、この場では名古屋というか綾金の件は厚生省管轄という事で米軍立ち合いのもとで、職域確認の覚書が締結されることになった。

 

 

 

 

「警報解除。

 対ミサイル警戒はそのままで」

 

 菊島雄麻の退室後、デグ様がユーリア・ブラッドストーン大佐に命じ、日本周辺の警戒態勢が平常時に戻される。ペンタゴン側ではデフコンが4になっていたとかなんとか。

 万一これでミサイルが撃たれても迎撃できる体制は日米で確保していたからの余裕である。

 

「で、だ。

 あれ、どうやって沈める?」

 

 デグ様がため息をついて俺に確認する。

 見なかった事にしようという提案は、聖杯戦争で聖杯が米国に渡り、ネオナチの活動が活発化している中、アンブレラ排除に動こうとした矢先の不祥事である。

 本来なら軍どころか国防長官や下手したら大統領の首すら飛びかねない不祥事である。

 潜水艦を用意して見なかった事にしようという俺の提案が渡りに船だったのは言うまでもない。

 

「究極的にはどうとでもなります。

 昔よろしく、爆雷をばら撒けば沈みますよ」

 

 要するにそのばら撒くための情報が信頼できないのだが、そこもいろいろ手はある。

 例えば、修理予定の樹形図の設計者とか。

 それを知って化け猫たちが学園都市に入ったらそれまで。AIM拡散力場に捕われていいようにされるのが落ちである。

 それすら乗り越える化け猫たちには、特効薬の『アポトーシス2』と電霊ミネッサが待っている。

 それすら乗り越えるなら、ダヴィンチちゃんと超鈴音の出番である。

 

「そこも信用しよう。

 で、我々にくれるという潜水艦のあてはあるのかね?」

 

「ええ。ありがたい事に一隻。闇に葬られた都合の良い船がありまして。

 それを秘密裏に建造する事にしますよ」

 

 その船は、シーバット級原子力潜水艦シーバットというのだが。

 つくづく、これが流れてよかったと思ったのは内緒である。




シーバット『沈黙の艦隊』。
これも電子書籍一括買いしたので入れてみる。
米海軍及び海自艦長たちが強化される予定。
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