【アンコもどき小説】やる夫と叢雲とステンノは世界を渡りながら世界の危機を回避するようです   作:北部九州在住

232 / 237
この世界でこういう事をするとこうなるという例

「まーちゃん!助けて!!」

 

 持ってはいたが野良鯖として俺の前に出てきたのはおっきーこと刑部姫。

 時期は冬。ああと察する。

 

「コミケ?」

「コミケなの!!」

 

 知ってた。だが、気づいているのかい?

 うち、紫式部も清少納言もダヴィンチちゃんも水着北斎も居るんだけど?

 飛んで火にいる夏の虫どころか、確定伊東ライフ状態インペリアルクロスになるよ。君。

 

「だから、あの人たちの助けを借りなくて本を出したいのよ!!」

 

 うん。サバフェスに何度か出れば本家にも出たいというのは分からんではない。

 異界で自由に動けるからこそ、そういう息抜きも大事だろう。

 で、そっぽ向きながらこっちを見ている水着ジャンヌオルタよ。何か言えよ。

 

「わ、私だって……出したいし……」

 

 わかる。

 本ができたなら、多くの人に手に取ってもらいたいものである。

 折角だ。出したい人たちの為に少しいい事をしてやるかと仏心を出したのが運の尽き。

 同人作家の地獄を俺は見る事になった。

 

「ネタが……ネタが……あと16ページ……」

「これでいいの?

 時間が……いや、ここはなおして……」

 

 同人道とは修羅道なり。

 なぜ人は同じ過ちを繰り返すのかと問いかけても答えは白紙の原稿用紙である。

 これが昔なら手伝う所だが、今の俺には金とコネがある。

 大量投入されたマシュ茶々丸がアシの仕事を完ぺきにこなしていた。

 

「……」(返事がない。ただの屍のようだ)

「あんたっ!よくもこんな本を……」(ミミノアレーピコピコ)

 

 超鈴音経由で直でその世界に行けるのを良い事に、コミケ体験をさせてやろうとオータムクラウド先生を呼んだら、俺と叢雲の生物エロ本を書き出して酸素魚雷でぶん殴られたオークラ先生こと秋雲の死体(死んでない)を前に叢雲が真っ赤になって原稿を読み耽っている。お気に召したらしい。

 アシスタントとしてついてきた風雲に宝玉を渡して復活させてやると、心配なのかついてきた夕雲に話しかけられる。

 

「提督もお元気そうで何よりです」

「まぁ、色々とやっているが、なんとかやっているよ。みんなも変わってないかい?」

「ええ。何かありましたら私たち一同提督の元にはせ参じますので」

「その時は頼むよ」

 

 来ない方が幸せなんだがなという言葉を飲み込む。

 冷静に考えて、一国の海軍規模の艦艇が一人で操れるのは真面目にやばい事この上ない。失脚ならまして最悪封印指定……まぁ、今更か。

 一方、アシスタント勢はアシスタント勢で修羅場になっていた。

 

「いやさ。イベントのコス参加に出ていいからって来たけど、過去でパソコンの性能が……こっちの持ってきていいか?」

 

 超鈴音経由で引っ張ってきたアシスタントその一、長谷川千雨。

 コスプレイベントOKの所でホテル暮らしだよ。サバフェスって言うんだが。言ってないが。当人は本人にとって過去時間のコミケに参加できると思っているみたいだが。

 メイヴちゃんとかクレオパトラが居るコスの頂点を見て絶望するか奮起するか楽しみである。

 

「何で私、ここでこんな事しているんですかぁ……」

 

 他の面々と自分の原稿を書いているのが桜木高見。

 足と宿と巨額の報酬でこの場のアシとして来てもらっているが、同時に時代差があるパソコン技術を習得してもらうのも裏目的だったりする。

 長谷川千雨の能力と技術の幾ばくかでも学んでくれるとありがたいものである。

 もっとも、アシスタントたちも遅れ気味の進捗に悲鳴を上げているのは言うまでもない。原稿がアシの方に回らないと、彼女たちも仕事はできないのである。

 

「マスター。進捗どう?」

 

 当然のようにこの場では編集者になったクロエは我慢の顔で尋ねるが、俺は今回完全に愉悦組である。

 

「見ての通りさ」

「何とかする手はあるんですよね?」

「もちろん」

 

 という事で手を叩く。

 軍隊において『できませんでした』は禁句である。

 というわけで強引にもできるようにする。

 

「「ひっ!?」」

「?」

 

 天敵を見たかのような悲鳴をあげる刑部姫とジャンヌオルタとわからない顔をする秋雲以下。

 

「彼女たちもコミケに出たくてね。

 ああ。君たちを助ける事はしないよ。自分の原稿があるからね。

 それでも、彼女たちの姿勢は何かを得ると俺は思っているよ」

 

 紫式部と清少納言とダヴィンチちゃんと水着北斎の同人誌作成作業に何も知らない秋雲がヘルプの手を挙げると、水着ジャンヌオルタが、刑部姫もいつの間にか陽キャ清少納言と作業をしていたから原稿は間に合うだろうと部屋を出たら黒ひげにいい笑顔を向けられた。

 

「デュフフフフフ。マスターもわかってきたでござるな」

「お祭りだからな。これぐらいでちょうどいいさ」

 

 なお、彼女たちの本は無事に完売となった。

 ついでにいうと、水着北斎の色紙は『葛飾北斎の模倣絵』として美術的価値がつくことに。さもありなん……

 その後、帝都新聞社経由で『美食倶楽部に絵を飾りたい』と俺の所に海原雄山から依頼が来たのは笑い話である。

 

 

「あの手この手でなんとか現界しました!

 何でもしますから、紫式部様の本を読ませてください!!!」

 

 文車妖妃の姿を借りて強引にやって来た菅原孝標女。

 ああ。とある年は平安ぱうわーが高まったからなぁ……

 




長谷川千雨『ネギま』。ちうたん。

桜木高見『ジオブリーダーズ』の高見ちゃん。

海原雄山『美味しんぼ』。
多分アニメ版(1988年10月17日から1992年3月17日)

平安ぱうわー
2024年NHK大河『光る君へ』
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。