【アンコもどき小説】やる夫と叢雲とステンノは世界を渡りながら世界の危機を回避するようです 作:北部九州在住
あっ……
『コロンバス』撃沈において最大の問題は、化け猫たちの電子機器ハッキング能力である。
だからこそ、艦娘たちによる旧型艦で沈めるという鬼手が使えるのだが、それ以外の所をハッキングしたり逃げられたりしたら意味がない。
そんな訳で、伊勢湾にという所で急遽ストップがかかる。
「ギャラクシー4?」
「我が国の軍事偵察衛星だ。
CIAが極秘に配備運用されていたものなのだが、それが化け猫たちにハッキングされてな。
奴らからの警告で先ほど発覚し、またCIA幹部の首が飛ぶことになる」
今までの訓練を見られていて、沈められると判断したから止めにかかったと。
それは喜ぶべきなのだが、こういう後出し設定だと頭を抱えるしか対応がないのも困る。
横須賀在日米海軍司令部の一室にてデグ様も苦笑しつつ身内の恥を晒す。
「八丈島の件だけでなく、アーカムがやらかした騒ぎでネットワーク全てのチェックをしていたのだが、当然表に出せない、出したくない奴がごまんとあってな。
ギャラクシー4はそんな衛星の一つだった。
この件でCIA内部は何度目かの粛清が発生して、誰がどうなるのか見当もつかん。
とはいえ、表向きの線は私とジミー・ハーディ太平洋艦隊司令官でなんとかするから作戦は継続の予定だ」
「で、そのギャラクシー4の制御は取り返したのですよね?」
「だったら、作戦中止の脅迫が来るわけがないだろう?」
「おっしゃるとおりで」
『敵を知り己を知れば百選危うからず』だったか。
化け猫たちはしっかりと、孫氏の教えを守っているという訳だ。
となれば、『コロンバス』撃沈前にギャラクシー4を何とかしなければならない。
「で、だ。
ギャラクシー4をなんとかしたい」
「なんとかできるでしょうが、問題は何とかの意味合いです。
なんとかして我々が責任を取らされるのは本末転倒でしょうに」
「帳簿上には最初から存在しないものだ。
存在しないものに対して責任も何もないだろう?」
さすデグ。
こういう時の手回しがいいのがありがたい。
それならば、話がシンプルになる。
「問題は二つ。
化け猫を上回る何かを用意して、化け猫以上の厄介事に巻き込まれるケース。
そしてもう一つは、用意したはいいが、それが化け猫に乗っ垂れかねないという事です」
この闇鍋世界の構造的欠陥がこれだ。
何がどれだけ混ざっているか分からないので、その世界の強弱が分からない……というかそれを同期率という数値で強弱を決めるというこの話の根幹だったりするのだが、デグ様にそれを言っても仕方ない訳で。
現在の世界との同期率 100%で馴染んでいる
ジオブリーダーズ
42
型月
65
とある
96
メガテン
99
ある意味正しくメガテン世界が馴染んでいるし、とある世界も適正が高いから『樹形図の設計者』で『アポトーシス2』を走らせたら多分殲滅できるだろう。
その再建計画には、学園都市だけでなく俺も絡んでいた。
「多分潰せます。
ネットワークに繋がる化け猫たちを『アポトーシス2』で自滅させ、オフライン環境の『コロンバス』をその後で撃沈する。
案としてはこれが最善です」
「なるほど。
その最善案を阻む障害は?」
「衛星軌道上の『樹形図の設計者』が故障中で現在修理計画を進めている所ですが、製造から運営まで学園都市が握っており、日本政府も米国政府も介入が難しい所ですね」
「学園都市か……」
デグ様も何とも言えない顔をする。
絡んでみて分かったが、あれほど厄介な場所はない。
「セカンドプランは?」
「情報環境モデル都市・天海市。
あの街にスーパーコンピューターを据え付けます。
問題は、どのスーパーコンピューターを持って来るかと、世界を左右しかねないものです。
使い終わったら、確実に政治に巻き込まれますな」
宇宙に自前で行く手段があるが、使ったら最後ろくでもない事に巻き込まれるのが目に見えている。
だからこそ、代替案は常に用意しておくべし。
「スペースシャトル使えますか?」
「できなくはないが、何をする気だ?」
「おりひめ1号。
そこに搭載されている『樹形図の設計者』を回収します。
ソフトはこっちで構築し、使い終わったら学園都市に返還。
後々を考えないなら、これが一番ベターです」
「待ってろ……もしもし、ジミー・ハーディ太平洋艦隊司令官を頼む……」
スペースシャトル利用判定 100でさすデグ
76
「ジミー・ハーディ太平洋艦隊司令官からNASAに正式に依頼を出した。
回収したスペースシャトルは米国に降ろすと向こうで政争の具になるからトラブル名目でこっちに降ろさせる。
学園都市の空港でなく成田空港でいいんだな?」
「4000メートル滑走路は成田しかないでしょう?
こっちに降ろしても政争の具になりますが、プレイヤーとして参加できます。
勝っても負けても、手も足も出せないという事はありませんよ」
「それは良かった」
こういう時デグ様は笑うのだ。
さすデグと思いつつも、これで後方行くの無理じゃねという言葉は喉の内にしまっておくことにした。
「私は、こういう争いで負けたくはないのだよ」
関空の第二滑走路は2007年。