【アンコもどき小説】やる夫と叢雲とステンノは世界を渡りながら世界の危機を回避するようです   作:北部九州在住

27 / 226
第四次聖杯戦争介入 その4

「さてと、移動中だが文句は言わないでくれよ。

 護国機関ヤタガラス所属の入即出やる夫二佐相当官だ」

 

「先輩。

 カルデアのマスターじゃなかったんですか!?」

 

 元水着マシュがびっくりした声をあげ、それにオルガマリー所長がびっくりする。

 彼女からすればマシュが二人居る時点で大混乱なのだろう。

 

「ちょっと待って!

 あなた何でカルデアの事を知っているのよ!?」

 

 なお、ここは陸自の用意したトラックの中。

 参加者はカルデアの面々にまだついてきているライダー陣営である。

 征服王の図体のせいで、結構狭い。

 

「まぁ、色々あってな。

 そのあたりを話すと長くなるんだが……」

 

「その長くなるのをこちらとしては知りたいんだけどね。

 やぁ。私。ずいぶんと小さくなったものだね」

 

「これはこれで中々いい体だよ。

 何しろ君が作ったのだからね。私」

 

 カルデアからの通信が開き、ダ・ヴィンチちゃんが姿を現す。

 一を聞いて十を知る天才ダ・ヴィンチちゃんとロリンチちゃんの挨拶だが、互いに目は笑っていない。

 

「まぁ、そのあたりはおいおい説明するとして、俺達はこのままキャスター討伐に向かう。

 元々、それが理由でこの冬木にやってきたんだよ」

 

 そんな訳で用意していた雨生龍之介の情報を見せる。

 彼の殺人経歴と現在十数人の子供が冬木市およびその周辺都市で行方不明である事を知ると皆の顔が一様に強ばる。

 

「で、そんな奴がなんの因果かしらないがキャスターを召喚し聖杯戦争で暴れている。

 こいつを討伐するために、俺達はやってきたという訳だ」

 

「何だ。

 聖杯戦争には参加せんのか?

 それだけ優れたサーヴァントを連れているというのに?」

 

「あいにく、これだけのものを得てなお聖杯に望む願いなんて無いよ」

 

 叢雲とステンノを抱きしめて俺は言い放つ。

 かっこいい事を言っているつもりだが、はたから見ればクズでしかない。

 

「というか、征服王なんでついてきた?

 ここからはこっちの都合だから来なくても良かったのに」

 

「たわけ。

 ここまで戦を見せておいて絡めぬとはもったいないではないか。

 それにこの外道を討伐するのは坊主に戦を教える良い機会だ」

 

 ついでとばかりに当たり前のようについて来ている野良サーヴァント状態のモードレッドにも確認をとる。

 

「野良だから改めてマスター探してもいいんだぞ」

「二王に仕えないって言ったろ。

 それに、お前相手だとこっちも楽しく戦えるからな」

 

 知ってた。

 モードレッドとドレイクは俺のサーヴァントだからこそこっちに出てきたのだろう。

 だが、カルデアのバックアップ無くして、この二騎のサーヴァントと契約なんてすれば、干からびかねない。

 ロリンチちゃんに頼んだ、ケイネスの魔力炉はそのためにも必要だったのだ。

 そんなロリンチちゃんが爆弾発言をかます。

 

「で、マスター。

 君は何処まで知っているのかな?」

 

「知らないけど、君が出てくるという事は知っていたよ」

 

 ここでネタバラシをしよう。

 遅れてFGOをやり始めた俺は、一部攻略を終えた所で満足し、1.5部をちびちびとクリアしていた所で止まっていた。

 つまり、第二部の概要はなんとなく耳に入っていたけど、そこから先を知らない。

 だから、1.5部の水着マシュが出てくるのは予想はしていたが、第二部のロリンチちゃんが出てきたのは完全に想定外だった。

 あの魔力炉関連も実はここに居るカルデアの面子になんとかしてもらう予定だったし。

 

「なるほど。

 つまり君は2018年の我々を知らないのだな?」

 

「ああ。我々が知っているのは2017年だ」

 

 ぺたん。

 その言葉に荷台に座り込んだのがオルガマリー所長だ。

 目に涙を浮かべている。

 

「良かった……

 私達は間違っていなかったのね。

 良かった……」

 

 アイコンタクトで互いに確認する。

 あの人に真実を言うのはやめておこうと。

 成仏するならまだしも、恨まれて怨霊化でもしたら目も当てられない。

 そのまま俺は視線をカルデアの面々に向ける。

 

「そっちもだ。

 無理して戦う事もない。

 このままここに残ってくれて構わない」

 

「結構です。

 私達も戦います。

 こんな非道を見過ごすことなんてできない!」

 

 ああ。

 藤丸立香はこんなやつだった。

 こんなやつだからこそ、人類最後のマスターとして人類を救ったのだ。

 俺はCOMPを操作してクー・フーリンを召喚する。

 

「呼んだか?

 サマナー」

「って、俺じゃねえか!?」

「おぅ。

 そっちはドルイドか?」

 

 同キャラ同士の挨拶もそこそこにさせて、俺はクー・フーリンに命じた。

 

「せっかくのよしみだから、こいつらの護衛をしてやってくれ。

 着いたぞ」

 

 未遠川の水道地下に作られたキャスターの工房。

 もちろん探知されているだろうが、この数が力攻めを可能にした。

 

「じゃあ、任せた。

 サポートをつける。

 マシュは俺の護衛。

 多分、見ている連中がいるから、そいつらから俺を守ってくれ」

「おぅ!

 ぶっ潰してやるぜ!」

「はい!

 先輩!!」

「サマナーに感謝を。

 ジルを救うチャンスを私に与えてくれたことに」

 

 モードレッドにジャンヌ・ダルクをくっつけて送り出す。

 ジャンヌという最高の餌がある以上、消耗しているのにキャスターは出てこざるを得ない。

 マシュが警戒している中、残っている連中に一言付け加えておく。

 

「中に入るのはいいがあまりおすすめしないぞ。

 猟奇殺人の現場になってるからな」

 

 それでも力強く藤丸立香は前に進む。

 それを彼女のマシュが追いかけ、オルガマリーが慌てて続き、二人のクー・フーリンが警戒して中に入ってゆく。

 そして、そんな彼女を見て覚悟を決めたウェイバーが入り、征服王がその後に続いた。

 

「さてと、使い魔で見ている諸君。

 我々はキャスターの討伐を以て今回の介入を一時中断する事を宣言しよう。

 また何かあるようだったら、舞鶴基地の自衛隊に連絡を入れ……っ!?」

 

「先輩っ!」

 

 甲高い音とともにマシュが盾を構えていたがそのまま俺に近寄る。

 マシュが盾で一つ弾いたみたいだが、もうひとりの狙撃手から撃たれたらしい。

 たしかにこんな狙撃チャンスを逃さないか。

 それが、誘いの罠という事に気づかずに。

 

「大丈夫だよ」

 

 ポケットからあるものを取り出す。

 禁凝符の束が灰になって散った。

 物理反射の札は衛宮切嗣対策で大量に持っていたのが役に立った。

 さて、彼は手傷を受けているといいのだが。

 

 

「うっ……」

「おぇ……」

 

 キャスターとそのマスター討伐は消耗していた所を数で押し込まれて、見せ場もなく終わった。

 十数人の子供を救い出し、犠牲者をキャスタークー・フーリンの炎で焼いて成仏させる間、藤丸立香とウェイバーの吐き気が止まることは無かった。




キャスター出落ち。
 魔力回復の時間もなく速攻で潰したのが勝因。

世界観レイヤーの修正

 メガテン世界ベースの冬木市でZERO時空
 +
 FGO世界の特異点F
 +
 FGO世界のFate/Accel Zero Order -LAP_2- 1.5部水着マシュ
 +
 FGO第二部 ロリンチちゃん

つまり

 現在のメガテン世界
 +
 選ばれなかった女主人公FGO世界線
 +
 やる夫がやっていたFGO世界線
 +
 その先でやばいことになって逃げ出したロリンチちゃん


12/7
 ZEROを見て、衛宮切嗣と久宇舞弥が同時狙撃しているから、マシュが一つ弾いた事に修正。

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。