【アンコもどき小説】やる夫と叢雲とステンノは世界を渡りながら世界の危機を回避するようです   作:北部九州在住

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反省会

「よし。反省会だ」

 

 冬木市新都聖堂病院。

 傷などは魔法で回復させたが、かといってそれを警察や救急隊が信じてくれるわけもなく。

 結局、救急病院に指定されている聖堂病院に押し込まれる事になった。

 唯一の収穫は、マシュが霊基データを確保してこっちに持ってきた事ぐらいだが。

 

「戦力はあったのに負けたのはどうしてか?

 簡単な事だ。

 バトルロイヤルで周囲に気を払っていなかった。

 これに尽きる」

 

 検査が終わったら破れた制服を着替えて退院して良かったが、既に夕方。

 下手に移動して再度襲撃を受けるのを避けて、叢雲を舞鶴基地から冬木港に持ってこさせることにした。

 到着後にそちらに移動する手はずになっている。

 

「個々の戦力では勝っていたけど、手数ではこちらが負けていた。

 特に、マヨーネの出した悪魔の排除に時間がとられたのが痛かった」

 

 マヨーネの悪魔が5体。

 こっちが3体で攻撃を防ぎ排除に成功したが、ここで悪魔を拘束されたのが痛かった。

 そして、霊基データが破壊・もしくは奪取される事を恐れた俺は、マシュとモードレッドを確保に走らせたのが致命傷。

 この時点で、俺の壁は叢雲とステンノでボブミヤとヘラクレスを防ぐことに。

 そこでじっと潜んでいた衛宮切嗣にぶん殴られた。

 

「少しレベルの低い他の悪魔も出して叩くべきだった?」

 

 叢雲の指摘に俺は顎に手を当てて否定的に言う。

 可能性だが、こういう時には最悪のケースで想定していた方がいいだろう。

 

「キャロルJが悪魔を出していなかった。

 あの場で全滅していた可能性が高いけど、場の悪魔のレベルが高かったから出さなかった可能性もある。

 サマナーは悪魔が全滅すると戦力が一気に使い物にならなくなる。

 あと一体ぐらいは出せただろうよ」

 

 COMPの未拡張だと入る悪魔は6体。

 という事は、マヨーネすら最後の一体を出していなかった可能性がある。

 

「そして、戦力があったのだから、戦場に突入する前に低レベル悪魔を散らして偵察をするべきだった。

 つまる所、今回の反省点はそこさ」

 

 タカミチ・T・高畑が戦場に巻き込まれていたからと、即座に介入してしまった点が反省する所だろう。

 とはいえ、生き残ったし霊基データは確保している。

 とりあえずは良しとしよう。

 問題は、この霊基データの価値がバレたらとたんに戦争勃発という所だろうが。

 ノックがされてその後でタカミチが入ってくる。

 

「入即出さん。

 来客だ。

 聖堂教会の言峰神父が会いたがっている」

 

 そうくるか。

 ここは聖堂教会にゆかりの深い場所だ。

 会って情報収集という所だろう。

 ついでに嫌味の一つぐらい言われるかもしれんが、それは敗北という失敗のペナルティーとして受け止めよう。

 

「いいよ。

 入れてくれ」

 

 なお、この病院には入江省三も入院している。

 彼もタカミチも傷は悪魔の魔法で治している。

 魔法バンザイ。

 

「おや。

 お元気そうですな?」

 

「まあな。

 死ななければ、なんとかなるのが聖杯戦争のありがたい所だ。

 で、下手を打った俺に何のようだい?」

 

 冒頭からこちらの自虐のジョークを鼻で笑った言峰綺礼は要件を口にした。

 

「あなた達が戦ったサーヴァントについての情報を監督役としてお聞きしたい」

 

「監督役……ねぇ。

 まぁ、話せる所は話しておこうか」

 

 ここで話す事と話さない事を考える。

 それで相手側が何を知って、何を知らないかが分かるからだ。

 

「とりあえず、襲ってきたのはアーチャーとバーサーカーの二体。

 なんとか食い止めたけど、このざまだ」

 

「バーサーカーとアーチャー。

 ふむふむ。

 こちらが把握しているバーサーカーとアーチャーと違ったみたいだが、何か知っていると?

 それに、そちらのアサシンともう一人、エクストラクラスの彼女についても話して頂けるとありがたいのだが?」

 

 当たり前の追求だよな。

 同時に、モードレッドについて触れていないのは、あえて触れないのかそれとも……

 

「このアサシンとこっちのシールダーが俺のサーヴァントだ。

 二騎抱えている事については秘密という事にさせてもらおう」

 

「なるほど。

 そちらのエクストラクラスはシールダーと言うのか。

 それで、このような状況になった事について何か知っているかね?」

 

 これも当然の追求だろう。

 それを俺は笑ってごまかす。

 

「そうさな。

 理由は推測できるが、それをそちらに話す根拠を提示してくれるとこちらとしても話しやすいな」

 

「監督役の指名では駄目かね?」

「駄目だね。

 聖杯は聖堂教会の監督役を否定した」

 

 使い魔か控えているアサシンのハサン経由で聞いているだろう言峰璃正と遠坂時臣に言ってやる。

 こちらが敗者でも、情報戦では圧勝している事がこの状況を有利に持って行ける。

 

「大聖杯に仕組まれた隠しコードが発動している。

 今回の事態の理由はそれさ。

 そっちの資料を漁ってみるといい。

 残っていたらの話だがな」

 

 聖杯戦争において異常事態が発生している事は理解しただろう。

 そこから、聖杯大戦のシステムに気づいてルーラーと話ができて再度聖堂教会が監視役に返り咲けるか?

 向こうからすれば、大量にある言峰璃正の令呪が切り札となるだろう。

 

「この異常事態に共に協力するという選択は可能かな?」

 

 このままバトルロイヤルが進行すると、真っ先に落とされるのが場所が分かっていて令呪が一つしか残っていないだろう遠坂時臣だ。

 同じく場所が分かっているケイネスや、解除されたとは言え警察や自衛隊に見張られているアインツベルンを攻めるよりも遠坂を攻めた方が楽なのだ。

 そして、十字教と同盟を組んだ事がここで効いてくる。

 拠点である冬木ハイアットホテルの防衛を彼らに任せることができるからだ。

 

「できなくはないが、条件があるな」

 

 こちらからすれば状況の整理は絶対条件だ。

 そのため、俺は当然の要求をする。

 

「サーヴァントを持っていない勢力について、何らかの話し合いの場を作って頂きたい。

 それが協力、および情報開示の条件だ」

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