【アンコもどき小説】やる夫と叢雲とステンノは世界を渡りながら世界の危機を回避するようです 作:北部九州在住
カルデア陣営はマシュの他に野良サーヴァントだったクー・フーリンしか無く、ゲーム的に言う所のリセマラ鯖が居ない。
という事は、ガチャの時間である。
「いいのかい?
霊基データを使わせてもらって?」
「構わないさ。
元々これはそっちの技術だ。
データそのものはロリンチちゃんがバックアップを取っているしね
彼女の旅はこれからなんだから」
「ありがとうございます」
モニターしていたダ・ヴィンチちゃんに霊基データのコピーを渡し、カルデア式の召喚システムに組み込む。
冬木式とカルデア式の英霊召喚の違いは、カルデア式は英霊のエネルギーを外部に任せていることで、英霊の長期存続を可能にしたという所にあるだろう。
その為、マスターだけでなく英霊の存在を維持し続ける為にカルデアのオペレーションルームは常に修羅場っているのだが……まぁそれは置いておこう。
もう少し補足すると、野良サーヴァントは基本そのエリアで発生した抑止力、今回の場合は冬木の聖杯戦争がめちゃくちゃになったのでそれを何とかするために抑止力が座から英霊を引っ張り出したという形になっているので、冬木の聖杯戦争が終結したら彼らは座に帰る事になる。
その流れでいうと元が野良サーヴァントだったモードレッドとドレイクも一旦帰る訳だ。
カルデア式の場合は使い魔、もっとぶっちゃけると今俺達の居るメガテン世界の悪魔召喚に近く、術者の使役という形で契約が行われるのでそちらで再召喚すると経験や記憶を持って、契約を解除するまで存続する事になる。
そういう意味からも、カルデア式召喚の中核である霊基データと、その維持に必要な魔力炉は絶対に必要だったのだ。
「それでやる夫先輩。
具体的にどうするんですか?」
先輩。
中々いい響きであるが、藤丸立香から言われると色々と考えるものがある。
マシュとかぶるからと名前をつけて先輩と呼んでもらうようにした。
それはさておいて、彼女の質問に俺は少し困る。
召喚陣は叢雲のヘリポート。
カルデアの設備だったシャドウ・ボーダーがまだ乗っているのでそれを中継してカルデアとラインが繋げるというのと、叢雲に搭載された魔力炉を補助として使えるというのが理由である。
その為、魔術の秘匿はガン無視で進められている。
「呪文とか儀式とか全部機械に任せているから、召喚陣の前で祈っていればいいんじゃね?」
適当に俺が答えたら、異を唱えたのがウェイバー・ベルベット。
ちゃんと儀式で征服王を召喚しただけにこの面子で一番説得力があったりする。
「待てよ!
召喚に際しての触媒は?
呪文すら言わないのか!?」
当たり前のように見物に来ていた征服王コンビだが、正当な魔術師を目指しているウェイバーはこのカルデア式召喚に疑念を呈す。
確かに一理あるなと思って俺はふと考えた。
「触媒は、こっちの霊基データ。
呪文は正直言わない方が安定するんだよなぁ」
「安定?」
このあたりは女神転生の概念だ。
向こうも悪魔召喚という形がある。
「呪文や儀式を正確に間違いなく言い続けるのが人には難しく、その使い魔との契約は文字通り悪魔との契約だ。
だったら、それを機械に任せてしまった方が間違いないんだよ。
科学はそういう方向で魔術すら取り込んだ」
「……」
そりゃ、メガテン世界だとFate世界は唖然とするだろう。
召喚するものは似たようなものであるが、明らかに安定性が違う。
魔術師というのは本質的に孤独なものだ。
しかも力の根源が神秘の秘蔵と絡んでいるから、必然的に一人でなんとかする形でしか大成しない。
現代科学文明は、情報化と機械化を前提にした組織化でこの人間という種を覇者に押し上げた。
「聖杯戦争のクラスの概念はまさにそれだ。
英霊そのものをフルに使えないから、クラスというものに押し込める」
「いいですか?やる夫先輩。
今、ウェイバーさんから召喚呪文のメモを見せてもらったのですが、私、祖が分からないのですけど?」
数合わせの素人魔術師としてカルデアに呼ばれた彼女だから、祖なんて呼べる一族はないわけで。
ここに来てカルデア陣営が確保している聖晶石は6つ。
ならば召喚は二回出来る計算になる。
「せっかくだから、最初は藤丸さんが呪文を読んでやってみようか。
祖はありがたい事に、俺たち共通のお方がいらっしゃるし」
「誰です?先輩?」
俺のマシュが首をかしげて尋ねたので、俺はいたずらっぽくその御方の名前を告げた。
「我ら日本人の総氏神様たる天照大神様さ」
「素に銀と鉄。 礎に石と契約の大公。 祖には我らが氏神天照大神様。
降り立つ風には壁を。 四方の門は閉じ、王冠より出で、王国に至る三叉路は循環せよ」
「閉じよ(みたせ)。閉じよ。閉じよ。閉じよ。閉じよ。
繰り返すつどに五度。
ただ、満たされる刻を破却する」
「―――――Anfang(セット)」
「――――――告げる」
「――――告げる。
汝の身は我が下に、我が命運は汝の剣に。
聖杯の寄るべに従い、この意、この理に従うならば応えよ」
「誓いを此処に。
我は常世総ての善と成る者、
我は常世総ての悪を敷く者。
汝三大の言霊を纏う七天、
抑止の輪より来たれ、天秤の守り手よ―――!」
召喚陣が光る。
おお。
虹色。
星5レア来たこれ。
「新選組一番隊組長。
沖田総司、推参。
あなたが私のマスターですか……え、羽織?
それが何処かにいってしまいまして……」
藤丸立香は見事に日本鯖を引っ張ってきた。
桜セイバーである。
あ。
笑顔のくせに眺めていた連中の何人かに即座にガン飛ばしてやがる。
さすが新選組。
「もう一個あるけど、こっちは呪文を唱えずにやってみるか」
さて、なにが出て来るか……
「サーヴァント・アーチャー。
召喚に応じ参上した」
あ。
これ、地縁で出てきたな。間違いなく。
藤丸立香強化イベント
桜セイバーは福袋
エミヤは、ギル様狙いで出てきたので小説に使うことにした。
少し反省している。