【アンコもどき小説】やる夫と叢雲とステンノは世界を渡りながら世界の危機を回避するようです   作:北部九州在住

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ターミナル開発 その1

 女神転生には『ターミナルシステム』というものがある。

 開発者の一人であるスティーブン曰く、離れた場所をワープで繋ぐ転送装置の事なのだが、これが魔界につながってしまって、というのが物語の背景にある。

 その技術を応用して作られたのが『悪魔召喚プログラム』という訳だ。

 そんな技術も闇鍋世界と時間経過によって、ついにある種のタイムマシンにまで進化した。

 FGOが使っているコフィンシステムがそれだ。

 もちろん、このあたりがバレると色々とまずいので俺ですら口を噤んだ一件だが、この木林はそれによりにもよって触れようとしているらしい。

 

「ご存じかと思いますが、悪魔と呼ばれる存在が情報生命体であるという理論によって、悪魔召喚は飛躍的に進歩し、悪魔絡みの犯罪も多発しております。

 ですが、我々はこの理論から次の疑問を感じざるを得ませんでした。

 つまり、『人は情報生命体になれるのか?』という点です」

 

 根が同じ技術だから、その疑問はある意味当然と言えよう。

 そして、ワープ技術が実現化すれば、一気に世界の覇権を握ることも可能になるだろう。

 この技術は本気でパンドラの箱なのだ。

 

「おっしゃることは分かります。

 それが冬木市のゲートとどう話が繋がるのですか?」

 

 己がつけている眼鏡に手をかけながら木林は続きを話す。

 この木林ノリノリである。

 

「はい。

 現在、この理論は悪魔召喚プログラムの実現まで進みましたが、次の段階である『人間の情報生命体化』の目処が立っていませんでした。

 ですが、冬木で見つかり封印されたゲートは、現在世界唯一の時空移動が可能な次元の歪みであると私は考えています」

 

 俺は黙り込む。

 この人、IQ170の天才だったな。

 その才能を超理論にばっかり使っていたが、その超理論が跋扈するこの闇鍋世界だと水を得た魚のように活き活きしてやがる。

 

「このゲート理論が確立するならば、人類は新たな段階に歩みを進めます。

 私は、このチャンスを逃したくはないのです」

 

「ですから、その話に私がどう絡むのか、おっしゃって頂かないと」

 

 仕方ないので、俺の方から話を振る。

 木林はそれを待っていた。

 

「あのゲートの封印、その責任者は貴方じゃないですか?

 だから、私は貴方の許可をもらいに来ているのです」

 

 なにそれ初耳である。

 あのゲート封印は、アマテラス様が呼び出した八衢比売神を俺と契約し……あ。

 たしかに責任者俺になるわ。

 

「私としては、わざわざ開けて危険を招く必要はないと思っているのですけどね」

「入即出さん。

 貴方をはじめとした上のお歴々が、何かに怯えるかのように早急に軍備を整えているのは理解しています」

 

 汗が頬を垂れる。

 この人は何処まで掴んでいるのだ?

 それがわからないから、俺は黙らざるを得ない。

 

「人間相手だったら、ここまで急ぐ必要はない。

 ハルマゲドンが迫っているのでしょう?」

 

 言葉に詰まる。

「「「な、なんだってー!」」」と言えたらどれほど楽なことか。

 彼のとんでも理論はこっちの隠していたことを完璧に見抜いていた。

 時は世紀末一歩手前。

 ノストラダムスが華やかなりし時である。

 

「そのお話は誰かにしましたか?」

「鼻で笑われますよ。

 まだ、囁かれている自衛隊の不穏な動きの方が信憑性があるでしょうな。

 ですが、そういう混乱が発生した後ではもうあのゲートは調べることはできないでしょう」

 

 木林は力説する。

 その言葉の力に飲まれなかったと言えば嘘になる。

 

「今しかないのです!

 今ならば、まだなんとかなります。

 ハルマゲドンが発生した時に、あのゲートを開けるのはそれこそ不可能だ。

 政府組織が機能して、各勢力からのフォローが期待できる今しかあのゲートを調査する時間は無いのです!!」

 

「それがパンドラよろしく災厄を撒き散らすものだとしても?」

 

 俺の確認に木林は嗤う。

 それは自説を顧みられなかった皮肉からか、それが現実になろうとしている世界へか。

 

「現在、世界的大財閥のアーカムが日本の龍脈について調査しているのはご存知ですか?

 アーカムは貴方が関与した聖杯戦争に重大な関心をよせています。

 ワープによる転送には莫大なエネルギーが必要で、そのエネルギー源として龍脈を考えているのではと私は考えているのです」

 

 若狭湾の原発を利用したレールガン規模のエネルギーを常時維持できるのならば、あのゲートが安定化したのもある意味納得がいく。

 天橋立というパワースポットのあるあの場所は、日本の霊脈のラインの一つが走っている。

 そんな事を考えていたら木林が冗談を言う。

 

「それに、パンドラの箱ですら希望は残っていた。

 未来がハルマゲドンならば、希望に縋っても人類存続を願うのは間違っているのでしょうか?」

 

 彼を放置するという選択も無い訳ではない。

 だが、それで待っているのは、彼の身の危険だろう。

 ゲート転送システムは魔法側ではほぼ完成しているし、この世界にもスティーブンが居るのは俺自身が接触している。

 できることがわかっているものを止めることはできない。

 

「分かりました。

 私の管理下という条件でプロジェクトチームを発足させましょう。

 ですが、これを行うともう戻れませんよ?」

 

 俺の脅しにも木林は通じなかった。

 代わりに彼は俺に手を差し出す。

 

「戻れない?

 人は前に進むことしかできないんですよ。

 そうやって未来を切り開いていったんです」

 

 木林の手を握り、俺は苦笑する事で彼の言葉に応えた。




女神転生のターミナルシステム ワープ  スティーブン
ネギまのゲート 惑星間ワープ 及びタイムマシン 超鈴音
FGOのコフィン タイムマシン ダヴィンチちゃん

 開発者や関係者達がいるのも強み。
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