【アンコもどき小説】やる夫と叢雲とステンノは世界を渡りながら世界の危機を回避するようです 作:北部九州在住
「君も中々の厄介事を持ってきたものだ」
室戸次官は、木林の持ってきたプロジェクトチーム案を見て苦笑する。
それがどれだけ厄介なのかを理解しているからの苦笑である。
俺も同じ顔をしていた。
魔法側のゲートシステム及び、ターミナルシステムの全資料をこの場で見せられた隣りにいる木林は今更顔が青くなっているが、知ったことではない。
「どうせ誰かが開けるパンドラの箱です。
我々が開けても問題はないでしょう?」
「開けて貧乏くじを引いた場合は?」
「誰が開けても世界情勢が変わります。
それなら、開けたほうがいいでしょう?」
説得材料はあった。
ターミナルシステムの持つ特性は、そのまま管轄の違いをあらわしていた。
「このまま木林さんが開けたら、文部科学省が手柄を持っていきます。
そして、ターミナルシステムは通信だから、絡むのは現郵政省の管轄。
通信行政は内務省が狙っていた場所ですよね?
ゲートシステムは英国に現物があり、その前段階のレイシフトは理論がほぼ完成しています。
この動きを現覇権国家の米国が座視するとお思いで?」
「英国や米国と組むという選択は?」
「ありでしょうが、ただ頭を下げるのは芸がないでしょう?
このプロジェクトは米国及び英国との覇権争いに我が国が勝つ為のプロジェクトではなく、両国と手を組む為の材料として外交的に提供する事を目的としています。
それに手を組んだら外務省が出しゃばってきますよ」
室戸次官はため息をつく。
デメリットが甚大過ぎて、手を引いても自分にダメージが出る。
だったら、こっちで手を出して主導権を握ってしまう方がまだメリットが発生する。
「好きにしたまえ。
とはいえ、定期的な報告は届けるように」
そう言って、承認の判子を押したのだった。
「で、何時冬木に向かうのですか?」
室戸次官の部屋を出た後、額の汗をハンカチで拭きながら俺に尋ねる。
俺は承認の判子が押された書類をひらひらさせながら木林に言う。
「その前に、できる事はしておいておこう。
怪しいプロジェクトだから、良い報告は早いうちに次官にあげておきたいからな」
という訳で横須賀港。
久しぶりに海自服を着た感じを堪能しながら俺は叢雲に告げた。
「じゃあ、やってくれ」
「わかったわ。
いくわよ!」
叢雲のメンタルモデルの解除と再展開。
中の乗員等は避難させている。
その上で再展開時に何が残り、何が消えているのかを確認するのがその良い報告の正体だ。
なお、試験用にハイデッカーとオイランロイドを乗せている
1 基本装備のみそれ以外は消失
2 基本装備に追加兵装も残る燃料・物資・弾薬はそのまま
3 ↑+人員も残るが、艦内時間は外と同じ
4 同上
5 同上
6 同上
7 基本装備と追加兵装が残り、燃料弾薬は初期満タン状態に回復。
8 ↑+人員も残る、艦内時間は同じ
9 ↑+人員も残る、艦内時間は停止
10 何か増えてる
結果 10 何か増えてる
「マスターくん。
ちょっといいかな?」
万一のことを考えて、艦内にセンサーを仕掛けていたダ・ヴィンチちゃんが呆れ声をだす。
叢雲と木林を連れてそのモニターを見てみると、何か反応が増えていた。
「場所は冷蔵庫なんだけどさ」
その一言で察する俺と叢雲。
仲良く額に手を当てて空を見上げる。
世間はもう夏だが、多分冷蔵庫の中はとても寒いのだろう。
という訳で、準備を整えて冷蔵庫のドアを開けた。
「くろまくー」
「あ!レティだ!」
「ヒーホー♪」
あの冷蔵庫、最後にはキングフロストでも出してくるんじゃないだろうな?
「再展開後のチェックだけど、あの冷蔵庫以外は異常は見られないな。
それと、解除時の時間をオイランロイドの体内時計で確認したけど、外の時間と同等に流れていた。
ハイデッカーのボディ・メンタルチェックもさせているけど、問題はなさそうだね」
叢雲の食堂にホワイトボードを持ち込んで、艦内チェックの報告をするダ・ヴィンチちゃん。
まじものの大天才に木林もたじたじどころか、負けていないのが木林の木林たる所だろうか。
「この資料にあったレイシフトは適性者のみができると書かれています。
という事は、もし、叢雲さんがこの適性者だった場合、大規模の物資と人員を連れて探検に行ける事を意味します」
「あ。
それなら問題ない。
叢雲じゃなくてマシュの方が適性者だ」
元がカルデアのデミ・サーヴァント。
レイシフトができない方がおかしい。
ロリンチちゃんが懐かしそうに苦笑する。
「君たちがあの時、この装備で居てくれたらどれほど楽だったか」
俺でも思いつく、マトリョーシカ展開。
物資と人員満載の叢雲のメンタルモデルを解除して、物資と人員満載のマシュ風に乗り、マシュ風もメンタルモデルを解除してレイシフト。
逆に展開すればレイシフト先に、二隻の護衛艦とその乗員が展開されるという戦法は凶悪以外の何物でもない。
「けど、いいの?
この二人をここから動かしちゃって」
ステンノの言葉に頭を抱える俺。
タンカージャック事件から、海軍戦術システムの脆弱性が暴露されて、護衛艦の全艦艇のシステムの再チェックが進められている最中だった。
そのため、俺が雇った『スプーキーズ』は現在もここ横須賀でど修羅場である。
俺は、木林に次の課題を告げた。
「という訳で、この二隻を動かすために、替わりの戦力を確保するのが次の仕事だ」
証拠写真
https://twitter.com/hokubukyuushuu/status/1125323074918739969
レティ・ホワイトロック
『東方妖々夢』。
雪女扱いでレベルはサイコロで決めた。