【アンコもどき小説】やる夫と叢雲とステンノは世界を渡りながら世界の危機を回避するようです   作:北部九州在住

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プリズマ・コーズ補正 型月キャラ以外は元の72%まで弱体化
魔法少女補正     魔法少女の場合44%バフ




プリズマ・コーズ探索 その2

 図書館にてハロウィンエリちゃんとパチュリーと出会い、話はこの世界の理に移ってゆく。

 当然というか、やっぱりというか、エリちゃんはエリちゃんだった。

 

「聖杯?

 あるけど、これでしょ?」

 

 当たり前のように出してくれるエリちゃんマジエリちゃん。

 もはやエリちゃんには聖杯ゲッターの概念がついているとしか思えない。

 パチュリーも聖杯と呼ばれる魔力塊を見て唖然としていたし。

 多分、この世界に色がついたのは、このエリちゃんの聖杯のせいだろう。

 聖杯とマスターが揃ったことで、イベントとして色がついたという所だろうか。

 

「入即出海将補相当官。

 この少女達は……?」

 

 意外に常識人の木林がひいている。

 小悪魔やエリちゃんの羽や尻尾のせいだろう。

 コスプレですと言えたらどれほど楽か。

 

「気にしたら負けだよ。木林さん。

 自己紹介がまだだったね。

 入即出やる夫。

 この世界に縁のあった者だよ」

 

「パチュリー・ノーレッジ。

 魔法使いよ。

 で、あなた達はどんな用事でこの世界にやってきたのかしら?」

 

「ターミナルの開発さ」

 

 俺と七曜の魔法使いの会話に横から口を挟む木林。

 このあたりの柔軟性がこの木林をここまで連れてきたとも言えるだろう。

 

「人を情報生命体にして別の場所に送り込むねぇ……」

 

「皮肉にもそれの実用化のメドがつきつつあってね。

 その研究としてここにやってきたという訳だ。

 この図書館には過去現在未来に至る魔法少女たちの記録が眠っている。

 そのあたりから役に立つデータを拾おうと思ってね」

 

 話していた俺の背中にゾクリと悪寒が走る。

 それを感じたらしく、叢雲やステンノ達も警戒しパチュリーも視線は俺に向けたままだが、小悪魔達が戦闘態勢を取っていた。

 何も知らない木林のみが呆然としていた。

 

「パチュリー様。

 ご無事でしょうか?」

 

 不意に現れたメイド長にこちら側が手を出そうとするのを俺が制止する。

 彼女も俺は知っていたからだ。

 

「大丈夫よ。咲夜。

 一応、お客人として扱って頂戴な」

 

「入即出やる夫。

 この図書館の元の主の知己でね。

 会いに来たという訳だ」

 

 パチュリーの説明と俺の挨拶に、咲夜と呼ばれたメイドは優雅に一礼する。

 メイド長のその仕草が完璧で瀟洒に見える。

 

「これは失礼いたしました。

 わたくし、パチュリー様がお住みになっておられる紅魔館にてメイド長をしております十六夜咲夜と申します。

 失礼ですが、先程のおぞましい気配については何かご存知でしょうか?」

 

「あいにく分からないというのが本音だ。

 この世界には厄ネタが多すぎる」

 

 ちらりとエリちゃんが持っている聖杯を見る。

 これも厄ネタだし、現在叢雲につけられたダ・ヴィンチちゃん工房に置かれている水晶の中にある美遊・エーデルフェルトは特大の地雷だろう。

 いざとなったら、この世界からの撤退も視野に入れないといけないなと思っていたら、小悪魔が来客者の名前を告げた。

 

「お客様がお見えになりました。

 時空管理局執務官のクロノ・ハーヴェイと名乗っておりますがどうなさいますか?」

 

 ここで登場するか。時空管理局。

 俺は両手をあげる。

 

「今の図書館の主は貴方だ。

 貴方の選択におまかせしますよ。

 パチュリーさん」

 

「そうね。

 千客万来だけど、話を聞いてみましょうか。

 咲夜。

 皆様の分の茶菓子を用意してくれないかしら?」

 

「かしこまりました」

 

 お菓子の国に行けばそのあたり大量にあると思ったが、それを伝えるほど俺は無粋ではなかった。

 

 

 

 クロノ・ハーヴェイは『リリカルなのは』のキャラではあるが源流の『とらいあんぐるハート』の『リリカルおもちゃ箱』に登場する。

 なのは世界が独立した際に消えたキャラクターと思っていたが、こういう形で再登場したのは、時空管理局の設定がある程度固まったというのが大きい。

 巡航艦に艦長が乗り、武装隊の指揮官が執務官と考えるならば、彼の登場は必然と言えよう。

 女神様、キャラ検索で必死に探したのだろうなぁ。きっと。

 巨大なテーブルが用意され、その中央にパチュリーが鎮座し、右側に俺と叢雲とステンノが座る。

 残りの面子は戦闘態勢を維持するために後ろに下がって本棚あたりにたむろすることに。

 一方、クロノ・ハーヴェイは一人左側に座っている。

 おそらく、巡航艦がこのやりとりをモニターしているのだろうなぁ。

 

「時空管理局巡航艦『エスティア』。

 執務官のクロノ・ハーヴェイと申します」

 

「パチュリー・ノーレッジ。

 魔法使いよ」

 

「日本国海上自衛隊。

 入即出やる夫海将補相当官だ。

 君たちの世界で言う所の97管理外世界の国家軍人と言った方が分かりやすいかな」

 

「はい!

 エリザベート…んーーーー!!!!」

 

「気にしないでください」

 

 空気を読まないエリちゃんをマシュとクー・フーリンがドナドナしてゆく間場が和むが、すぐに緊迫した空気に戻る。

 せっかく十六夜咲夜が用意した茶菓子に誰も手をつけていないのがそれを物語っていた。

 

「我々時空管理局は第一級ロストロギアである闇の書を追っています。

 現在広範囲の捜索を行っていますが、事件の発生した次元世界を方向を計算すると、この世界にたどり着いたのです」

 

 その言葉に納得した俺が居た。

 このときの闇の書は、魔導師の魔力の源であるリンカーコアを吸収し蒐集する事でページが埋められ、666ページ全てが完成すると『覚醒』して甚大な被害を撒き散らすやっかいなものである。

 そして、この図書館には古今東西、現在・過去・未来の『魔法少女』達の記録が本として眠っている。

 ついでに言うと、その記録の実体化あたりできちゃう魔力塊をエリちゃんが持っている。

 ここに闇の書が到来した時の悪夢を考えると、背筋が凍った理由はこれかと俺は一人納得したのだった。




闇の書事件
 『魔法少女リリカルなのはA's』が2005年。
 その前に暴れたのが11年前だから1994年。
 この話が1993年なのがここに繋がった。

十六夜咲夜
 MMDミーム汚染で、グラビアムチムチメイド長に。
 なお、マジカル咲夜ちゃんスターで魔法少女設定もありかなとなんて思ったり思わなかったり。

クロノ・ハーヴェイ
 一時期オリキャラでごまかそうとしていた作者。
 女神と作者は頑張った。


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