鎮守府が、異世界に召喚されました。これより、部隊を展開させます。   作:Red October

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ムー統括軍強化編です。ムー統括軍の魔改造が始まる…



098. 生まれ変わるムー統括軍

 中央暦1641年2月5日、第二文明圏列強ムー国西部 アルーの街。

 アルーの街は高原都市であり、かつてはムー大陸西部を占領した、民族の侵入を防ぐ防衛拠点として機能していた。具体的には、都市を防衛する城壁として都市周辺には石垣が組まれており、市街地の町並みも少し入り組んでちょっとした迷路のようになっていた。そして今、この街はグラ・バルカス帝国の侵略に対抗することになる“最前線拠点”と見做されている。というのも、グラ・バルカス帝国の勢力圏に最も近いのがこのアルーの街だからだ。

 それはつまり、この街に駐屯するアルー守備隊の“責任の重さ”を意味していた。だからこそムー統括陸軍司令部は、首都オタハイトや商業都市マイカル、北部の造船都市スカパ・ブローといった要衝の他に、このアルーの街の守備隊にも、最新鋭兵器を回す決断をしたのである。

 

「総員、よく聞け!」

 

 この日の早朝、営舎前のグラウンドに集められたアルー守備隊の兵士たちを前にして、守備隊長のベルタ准将が声を張り上げる。

 

「我が国が、ロデニウス連合王国と同盟を締結したことは、もう諸君も知っていると思う。そしてロデニウス連合王国は、我が国にグラ・バルカス帝国の脅威を教えてくれた。グラ・バルカス帝国は、()()我が国の陸軍では勝ち目のない、“強大な相手”だということを。

それを重く見た我が陸軍司令部は、新たなる大砲をロデニウスより導入し、そしてそれを我がアルー守備隊にも配備する決定を下した! そしてその大砲が今日、1門だけだが我々に届けられた!

砲兵諸君には、この新たな大砲の扱いに習熟して貰う! 今回導入した大砲は、これまで我が陸軍が扱ってきた大砲とは一線を画する代物だ。教官殿の教えをよく守り、いつ攻めてくるやもしれないグラ・バルカス帝国に、いつでも対抗できるように練度を高めておけ!」

 

 ベルタがこう言った時、どこからかトラックらしい車輌のエンジン音が聞こえてきた。

 

「では、大砲を紹介しよう」

 

 ベルタがそう言って右手を上げると同時に、営舎の陰から1輌の細長い車輌が姿を現した。運転席の窓は横に細長く、しかも金属板の覆いが掛けられている。更に、トラックでいう荷台の部分には座席が設けられ、10人は同時に乗れるようになっていた。明らかに戦闘用、それも兵員輸送用の車輌である。

 そして、前輪が通常のタイヤ、後輪が無限軌道になっているその車輌に牽引されていたのは“巨大な大砲”だった。砲身の太さ自体も太いが、特筆すべきはその砲身の“長さ”である。これまで、ムー陸軍が配備してきたどの大砲よりも長い砲身を有していたのだ。そして、見るからに重厚そうな防盾までも付属している。

 

「「「おおっ……」」」

 

 砲兵たちの中には、その圧倒的な存在感に思わず声を漏らす者もいる。

 

「これが、ロデニウスから届けられた新兵器だ! 名前は確か、ええっと……」

 

 言いかけて、ベルタは軍服のポケットから紙を引っ張り出す。どうやら名前を覚えていなかったらしい。

 

「88ミリ野戦高射砲だ! 遠距離でも命中させることができる優れモノで、陸上に居ながらにして航空機を叩き落とすことができるという、“従来の我が軍”には存在しなかった兵器だ! あと、こいつは発射時初速が速く、それはつまり『装甲貫徹力の高さ』に直結するため、装甲戦闘車輌を狙い撃つための対戦車砲としても運用できるそうだ。我が陸軍の首都防衛隊が配備している『ラ・テックス戦車』なぞ、一撃で粉砕できるらしい!

このような強力な兵器を与えられ、後で追加で届けて貰う契約も取り付けたんだ。諸君には、これを“グラ・バルカス帝国の来寇まで”に十全に使えるようになっておいて貰いたい! さらに、ロデニウスの厚意で教官まで派遣していただいた。二週間という短い間だが、しっかりと教育を受けるように!」

 

 ベルタの説明の声を聞きながら、砲兵の1人アーツ・セイは目をキラキラさせて新しい大砲……88㎜Flak36野戦高射砲を見詰めていた。

 その大砲は、見るからにムー国の大砲とは“何か”が違う。何というか、非常に強力そうなのだ。威風堂々とした佇まいに、太く長く突き出た砲身。こんな大砲は、これまで目にしたことが無い。

 

(俺が、こいつを使えるようにならなければ……!)

 

 セイは砲兵の中でも“砲手”である。つまり、大砲の狙いを付け、トリガーを引いて砲を撃つのが仕事なのだ。ならば、俺は()()()()この砲の扱いに習熟してやろう。そしていつか、グラ・バルカス帝国の連中がやってきた時には、この砲を撃って敵を撃退し、ムーの民を守るのだ!

 セイは朝日を浴びて輝く砲身を見詰めながら、決意を新たにしていた。

 

 

 その後、早速訓練開始である。今日は「基礎中の基礎」として、新しい大砲の砲弾を装填する訓練が全員一律で行われた。砲手であっても体力は必要だし、それにもし戦闘中に装填手が戦死してしまった場合、砲手が装填手も兼任しなければならないかもしれないからだ。

 という訳で、持ち込まれた88㎜砲弾……と全く同じ重さ・太さの鋼鉄の円柱を持ち上げる訓練をしていたのだが。

 

「お、重い……!」

 

 初めて円柱を手にしたセイは、愕然とした。

 セイがこれまでに扱ったムー国の大砲の砲弾もそこそこ重かったが、これはそれらとは比べものにならない。何というか、手に持つと“ずっしりと()()()かかる”重さなのだ。さらに言うと、砲弾の長さが異様に長いため、持ちにくいことこの上無い。

 

「教官殿! この砲弾、重いのは分かるのですが、何故こんなに長いのですか?」

 

 セイは、たまたま通りかかった教官に声を張り上げて尋ねる。すると、その教官は笑って答えた。

 

「ああ、それはな。砲弾と装薬が()()()しているからだ!」

「……え? それは、どういうことですか?」

 

 セイには、教官の言っていることが分からなかった。

 

「ああ、ひょっとしてお前らが扱った大砲は、これまで砲弾を装填してから“装薬を詰めていた”のか?」

「は、その通りであります!」

「なるほどな。良いか? この砲弾は、言ってみれば砲弾と装薬がくっついているんだ。砲弾の()()に、装薬がくっついているのさ。だから、その分長くなるんだ。持ちにくいかもしれないが、装填の手間がちょっとは減るだろう?」

「はい!」

 

 セイにもようやく分かってきた。

 

「という訳で、その重いのを頑張って持ち上げる訓練だ! 筋力と体力が無きゃ、砲兵は務まらん!

いいかお前たち、これが終わったら、次は穴掘りタイムだぞ! 新しいフラック(Flak)が到着するんだから、それを据え付ける場所を確保せにゃならん! ついでに陣地の構築方法も教えてやるから、よく勉強するんだぞ!」

「「「はっ!」」」

 

 セイの受難は、まだ始まったばかりだった。

 

 

 同時刻、ムー国北部の造船都市スカパ・ブロー。

 ムー国の中でも北方にあるこの都市は、基本的に寒さが厳しい。今もまだ空はどんより曇っており、時々粉雪が舞い落ちてくる。その鉛色の空の下、海に向かって長々と突き出た埠頭の1つに、巨大な船が停泊していた。

 それは、明らかに軍艦であった。それもかなりの大型艦だ。全長200メートル、幅20メートルもあろうかというその艦体には、既に艦橋と煙突が(きつ)(りつ)している。但し、艦橋の高さは比較的低く、地球でいう“第一次世界大戦期の戦艦”程度しかない。

 そして今、その軍艦の横に立った巨大なクレーンが稼働し、軍艦に主砲を据え付けようとしていた。砲口径は目測で350㎜、砲身長も45口径はあるだろうか。その連装砲は、“従来の”ムー海軍の戦艦には搭載されたことのない巨砲であった。

 

「オーライ、オーライ……!」

 

 艤装員たちが両手を振りながら、寒風に負けまいと声を張り上げ、主砲の据え付けを行っている。2人の男性が、その様子を埠頭に立って見詰めていた。

 

「いやー、こうして見ると本当に大きいっすね」

 

 そのうちの1人、造船関係を専門とするムー海軍技術士官リアス・アキリーズ少佐が、クレーンで吊られた主砲を見詰めながら、もう1人の男性に話しかける。それは、ムー統括軍切っての最優秀若手技術士官と言われる、マイラス・ルクレール中佐であった。

 

「ああ。確か、45口径35.6㎝連装砲だったか?」

「はい。射程距離は優に20㎞を超え、威力もラ・カサミ級の40口径30.5㎝連装砲とは比べものになりません。さらに、……ええと、何でしたっけ、何か新しい機構が付いていた筈ですが」

(そっ)(きょ)()な。言ってみれば、敵艦との距離をその場で算出するための“機械式”計算機だ」

「そうそう、それです。それがあるお蔭で、命中率もラ・カサミ級の主砲と比較して圧倒的に高くなる見込みです」

「おいおい、勘違いするなよリアス。測距儀は確かに優秀な装備だが、使うのはあくまで人間だ。だから、砲手の腕がしっかりしていないと、どんな優秀な装備があっても当たりっこないぞ。それに、ロデニウスで見た本によれば、測距儀の本命は砲塔に付けられた砲側照準用のものじゃなくて、艦橋の天辺に据えられた統制射撃用のものだ。それが無けりゃ、意味が無いぞ」

「あ、はい、すみません」

 

 マイラスに指摘され、リアスはしゅんとした。

 

「それにしても、これ1隻建造するのに大分時間がかかったな」

 

 マイラスは話題を転じる。

 

「はい。設計図が届いたのが1639年の暮れでしたっけ。1年以上かかってますけど、なかなか完成しないもんですね」

「まあ、ある程度は仕方無い。我々ムー海軍にとっても、これほどの巨艦の建造は初めてのことなのだから。これがリグリエラ・ビサンズのような民間企業じゃなくて、軍の工廠で建造してただけまだマシだったな。民間企業だったら、かなりの時間がかかってたぞ」

「仰る通りでしょうね。これが完成する時が楽しみです」

 

 2人が見詰める先でだんだんと完成に近付いていくその艦は、ムー海軍が初めて建造している超弩級戦艦であった。ラ・コンゴ級戦艦1番艦「ラ・コンゴ」である。ロデニウス連合王国から設計図を供与された金剛型戦艦を、ムー国の力()()で建造したものだ。砲塔なども、全てムー国の独力で造っている。ラ・カサミ級建造の経験が役に立った格好だ。

 なお、「ラ・コンゴ」という名前は、設計図の提供元であるロデニウス連合王国及び日本国に敬意を表して、「(こん)(ごう)」の名から一部を頂いたものだ。ラ・コンゴ級は既に4隻の建造計画が決定されており、現在追加で4隻建造する計画が予算申請中であるが、日本における金剛型戦艦の命名に則り、1番艦から4番艦までは順番に「ラ・コンゴ」・「ラ・エイヒ」・「ラ・ナルハ」・「ラ・リシマ」と名付けられることまで決定している。もちろん「金剛」・「()(えい)」・「(はる)()」・「(きり)(しま)」のリスペクトだ。

 

(リグリエラ・ビサンズ社やマイカル重工業は、ラ・コンゴ級戦艦の艦体の大きさに合わせて、傘下の造船所のドックを急ぎ拡張中だと聞いている。だが、まだ不足だ。ラ・コンゴ級戦艦の数が足りないし、それに何より、我がムー海軍には強力な全金属製単葉機を飛ばすことのできる、全長200メートル以上かつ速力30ノット以上の大型航空母艦、それからその護衛に当たることのできる防空能力の高い快速の巡洋艦と駆逐艦、そして潜水艦が無い……!)

 

 実際、ムー国の海軍はロデニウス連合王国海軍に比べて、近代化が大幅に遅れていると言えるだろう。しかも、大和型戦艦擬き(グレードアトラスター級戦艦)を有するグラ・バルカス帝国の脅威が差し迫っている以上、なりふり構ってはいられない。多少強引でも、戦闘力を高めておく必要がある。

 

(来週には、ロデニウス連合王国……もといタウイタウイ泊地から、全金属製単葉機の爆撃機及び雷撃機の実機と、「十分な防空戦闘能力を持つ巡洋艦及び駆逐艦」の設計図が届く手筈になっている。それに加えて、いよいよ魚雷の実物も届く予定だ。空母についても、設計図を供与する艦艇を現在選定中だと聞いている。

最終的には、潜水艦も空母も自国で建造できるようにしたい。何としても、ムー海軍の近代化を急がなければ……! そしてそれを担うのは、俺たちの世代なんだ……!

タウイタウイで習った「過労死」だけは御免だが、それに気を付けて事を進めていかなければ……!)

 

 近代的な空母機動部隊及び潜水艦を手にし、見違えるように強くなったムー海軍艦隊の姿を、マイラスは鉛色の水平線の先に見た。

 

 ちなみにであるが、あの合同軍事演習以来、マイラス率いる情報分析課に対する上層部からの評価は格段に良くなり、情報分析課にはこれまでより、多くの予算が回されるようになった。これは、演習の結果についての「予言書」の内容が見事にピタリと当たったことが原因である。このため、「これからも職務に邁進するように」という一言と共に、多くの予算が回ってきたのだ。マイラスの喜びもひとしおである。

 

 

 海軍の強化と同時に、ムー陸軍と空軍も強化が進みつつある。ロデニウス連合王国軍部(厳密には堺とヤヴィン元帥などの上層部)が、ムー国を「対グラ・バルカス帝国の最前線」と見做し、戦時にはムー大陸に展開することになるであろうロデニウス連合王国陸軍の補給体制の確立も兼ねて、ムー陸軍の兵器工場などの近代化を積極的に押し進めたお蔭で、それまでムー陸軍の主力であったレバーアクション式銃はあっという間に姿を消し、代わってロデニウスから輸入されたボルトアクション式ライフル銃が主力となった。しかも偶然にも、ムー陸軍の最新式銃が三八式歩兵銃と変わらない性能だったために、大東洋共栄圏の筋から大量の三八式歩兵銃がムー国に流れ込み、同時に九六式軽機関銃と三八式普通実包(三八式歩兵銃や九六式軽機関銃の銃弾)も提供されたことで、ムー陸軍歩兵銃の近代化は一挙に進んだ。将来的には九九式小銃や九九式軽機関銃もムーに提供し、それと同時に九九式普通実包の製造ラインもムー国内に設置することで、ムー陸軍の強化を図ると共にロデニウス陸軍の主力小銃・「M40GRG ガラント銃」の銃弾の補給も可能ならしめる計画である。そしてこれと同時に「ワルサーP38」及び「MP40」、そして「パンツァーファウスト」の供給もスタートした。

 また、ムー陸軍首都防衛隊の機甲師団が、他の部隊に先駆けて近代化改修を受けた。それまでの主力だった「ラ・テックス戦車」(サン・シャモン突撃戦車擬き)に代わって、新型の装甲戦闘車輌……「Ⅲ号突撃砲F型」が配備されたのである。

 火力・装甲貫徹力・防御力・機動力、全てにおいて「ラ・テックス戦車」をぶっちぎる性能を持った「Ⅲ号突撃砲F型」は、一躍人気の装備となり、回転砲塔の技術がまだ未熟なせいもあって、ムー陸軍は当面の陸軍機甲師団の主力を自走砲とすることを決定。Ⅲ号突撃砲F型に「ラ・スタグ自走砲」という独自名称まで付けて即座に制式採用し、生産ライセンスまでゲットして自国調達しようとした。但し、車高の低さにだけは辟易している模様(ムー国には身長の高い人が多く、そのため車高の低いⅢ号突撃砲は乗りにくかった)。

 なお、Ⅲ号突撃砲がムー国に輸出されたのにも、もちろん理由がある。ロデニウス陸軍機甲師団への補給を可能とするためだ。現在のロデニウス陸軍機甲師団の主力・IV号戦車H型は、Ⅲ号突撃砲F型と同じ48口径75㎜砲を持つ。従ってこの砲弾の製造ラインをムー国内に築いて置けば、ロデニウス陸軍機甲師団も補給に困らない。将来は70口径75㎜砲(パンター改の主砲)の砲弾の製造ラインも設けると共に、ムー陸軍に「IV号駆逐戦車 L/70」の生産ライセンスも渡すことになるかもしれない。ついでに言えば、これらと併せて装甲戦闘車輌の車載機銃たる「MG34機関銃」も、ハノマーク装甲車や8トンハーフトラックと共に、生産ライセンスが譲渡されている。ただ、まだムー国内に工場が作られていないので、当面はロデニウスから購入せざるを得なかった。中には自国の自動車工場の製造ラインを弄って、ノックダウン生産が可能なようにしようとしているところもあるようだが。

 空軍は「アラル艦上戦闘機」こと、九六式艦上戦闘機の開発に全力を挙げていた。これを開発できなければ、ムー空軍は立ち行かなくなる……そんな強迫観念じみた考えの下、航空技術者たちは血眼になって仕事をしていたものである。

 

 

 さて、兵器を強くするのも結構だが、同時にそれを扱う「人」もまた強くしなければならない。特に艦隊の指揮官クラスなどは、ロデニウス連合王国に人員を送ってノウハウを学習させなければならないだろう。そう考えたムー統括軍上層部は、直ちにロデニウスに軍事留学生を送り、特に将来有望な若手士官たちにロデニウス連合王国軍で勉強をさせようと……陸軍にしても海軍にしても軍事の最先端を行くであろう強国の陸海軍に学ばせようとした。

 

「という訳で、諸君には本日付を以てロデニウス連合王国に半年間留学し、軍事研修を受けて貰う! 諸君はこれからの我が国の陸海軍を支えることになるのだ、同盟国に敬意を表して精一杯学んでくるように!」

 

 ムー統括軍総司令から訓示を受けているのは、以下のような面々であった。

 

・陸軍中佐 エルク・ウィーズリー(機甲師団指揮官志望。そのためロデニウス陸軍への師事を希望した)

・海軍中佐 ラッサン・デヴリン(砲術士官。専攻は特に戦艦用の大口径砲の砲術及び艦の運用術)

・海軍大佐 ボイシ・マーカス(空母機動部隊指揮官志望。そのためロデニウスの機動部隊で学んでくる予定。なお、レイダーの後輩である)

・海軍大佐 ウィレム・バルドー(同じくレイダーの後輩にして、空母機動部隊指揮官志望)

・海軍中佐 バーグ・アーロン(元は砲術士官だったが、「マイラス・レポート」を読んで水雷戦志向に転換。そのためロデニウスにて水雷戦を学ぶ予定である)

 

 いずれもまだ若く、将来のムー陸海軍を担うことになる(しゅん)(えい)ばかりである。

 選ばれた者たちは急いで荷物をまとめると、翌日には旅客機兼大型輸送機「ラ・カオス」に乗り込んでアイナンク空港から、一路ロデニウス連合王国へと飛び立った。なお、彼らと同じ機体にはムー外務省の老外交官ムーゲが同乗している。「軍事同盟の締結」と「大東洋共栄圏への参加」という2つの事象によって、ロデニウス連合王国との外交事情が大きく変化したため、駐ロデニウス大使のユウヒだけでは荷が重いと判断され、補佐官として抜擢されたのだった。

 

◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 5日間の長い旅路を経て、軍事留学生たちがロデニウス連合王国本土に到着した頃、中央暦1641年2月14日 午前7時。

 ムー国の首都オタハイト郊外にあるムー陸軍の基地では、連日ビシバシ鍛えられている兵士たちが朝食を摂りながら話をしていた。

 

「おい、お前はもう会ったか? アキ教官……ロデニウスから来た教官殿に!」

「いや、まだ会ってない。だけど、軍には珍しい女性軍人だと聞いてるぞ」

「俺昨日、アキ教官の訓練の様子見たぜ」

「「「何だと!?」」」

 

 瞬間、1人の兵士に他の兵士たちの視線が突き刺さった。

 

「どんな人なんだ!?」

「デカいって聞いたぞ、本当なのか!?」

 

 話を振られた兵士は、噛んでいた目玉焼き(ムーにも鶏卵があるのだ)を飲み込んでから口を開いた。

 

「何ていうか……見た目からして純粋なヒト族で、身長は俺らよりちょっと高いくらいだな。あと肌がめっちゃ白い。あの人、本当に血通ってんのかな……」

「そんなに白いのか? 化粧とかじゃないか?」

「いや、見た限り地肌の色だと思う。って、気にするのはそこじゃなくて……めっちゃ()()()んだよ」

「デカいって、何が?」

「馬鹿、女性相手に身長()()でデカいって言ったら、“あれ”しかないだろ!? 後は察しろ」

 

 それだけぶっきらぼうに言うや、わざとらしくマグカップを取り上げてコーヒーを喉に流し込む兵士。だが、それを聞いた他の兵士たちは、揃ってスケベ笑いを浮かべていた。まあ、気持ちは分かるが……お前ら自重しろ、と言いたい。

 

「けどよ、そうやって笑えるのも今のうちだぜ。あの人めっちゃ厳しいからな」

 

 コーヒーを飲み干した兵士が再び口を開く。

 

「厳しい? 性格がか?」

「性格もだろうけど、それ以上に訓練内容がヤバい。例えば……」

 

 と、そこまで会話が進んだ時、ガラガラと音を立てて食堂の横開き戸が開いた。

 

「おいおい、噂をすれば……」

「おいでなすったのか?」

 

 兵士たちがちらっと戸口の方を振り返る。

 其処にいたのは、軍には珍しい1人の女性だった。軍服らしい黒色の詰襟の上衣とミニスカート、其れにサイハイソックスを身に纏い、黒髪を肩の高さより少し上で揃えている。軍服のデザインが、ムー陸軍のそれとは異なるから非常に目立つ。そして兵士が言っていた通り、アルビノじゃないかと錯覚するような真っ白な肌であった。夜中に見たら、幽霊に見えなくもないだろう。そして、

 

「でけぇ……!」

「マジかよ……サイズいくらだろ?」

 

 慌てて目を逸らしながら兵士たちは(ささや)き合う。そう、彼女の肩の下10㎝ほどのところには、二つの巨大な膨らみが“全く自重せずに”その存在を主張しまくっていた。

 

「おはようございます、アキ教官殿!」

 

 偶々戸口の近くにいた兵が挨拶する。

 

「おはようであります! 今日の訓練でも、よろしくお願いするであります!」

 

 アキ教官と呼ばれたその女性……陸軍特殊船丙型の艦娘"あきつ丸"も挨拶を返した。

 そう、ムー国軍人たちの指導のため、第13艦隊から"あきつ丸"が派遣されていたのだ。身分を隠すため、「アキ」という偽名と偽の階級を与えられて。

 彼女の仕事は、ムー陸軍の兵士たち……特に機関銃部隊の兵士たちを鍛えること。契約期間は一先ず半年とされていた。まだ到着して3日目なのだが……既に彼女は、ムー陸軍の兵士たちをビシバシしごいていた。

 

「さあ、朝食が終わったら腹ごなしに運動であります! 上体起こし、腕立て伏せ、スクワット、(けん)(すい)。どれも200回やるまで終われないでありますよ!」

 

 午前8時(マルハチマルマル)、機関銃部隊の訓練開始と同時に"あきつ丸"がムー陸軍の兵士たちに命じたのは、筋力トレーニングであった。三列横隊を作って綺麗に並び、筋トレを行っている兵士たちの前に立ち、彼女は持参した竹刀を杖代わりにして監督している。時々自身も一緒に腕立て伏せなどをやっていた。

 

「そこ! 上体が降り切っていないでありますよ! もっと低くするであります!」

 

 時折、ムー陸軍の兵士たちに喝を入れている。

 1時間ほどかけてトレーニングが終わるや否や、続いては。

 

「全身持久力と根性を鍛えるであります! 全員グラウンド30周! 駆け足!」

 

 陸上部でもよくある“走り込み”であった。但し、その距離がハーフマラソン以上もあるという、“準備運動”としては凄まじいものである。

 

「2時間で30㎞走るであります! 走り切れなかったら、罰則として腕立て伏せ50回であります!」

 

 完全に“スパルタ式”の訓練である。そして彼女自身、ヒイコラ言いながら走る兵士たちに混じって走っている。

 

「そこ、遅れているでありますよ? 腕立て伏せ50回になっても良いのでありますか?」

 

 脚が遅くなっている兵士たちを監督しては、そんな言葉をかける。結局このマラソンは、8割もの兵士たちがタイムに間に合わず、腕立て伏せ50回を行う羽目になった。

 

「まだまだでありますな! 我が国の陸軍の兵士たちは、このくらい屁でもなく走るであります!」

 

 そして、午前11時(ヒトヒトマルマル)からは「近接戦闘訓練」と題する剣術の訓練である。如何に銃メインの軍隊であっても、近接戦闘の可能性はあるからだ。

 訓練は体育館を借り切って行われたのだが……これまた地獄であった。「まずは皆の剣の腕と耐久力を見てみたいであります」という彼女の号令一下、総当たり戦が行われたのである。"あきつ丸"は、()()()1()()で多数のムー陸軍兵士たちを相手に戦う羽目になったのだ。多対一、しかも男性対女性。普通に考えれば、"あきつ丸"の方が数と力の差で押し負ける……と思われたが。

 

「イヤーッ!」

「遅い! イヤーッ!」

 

 正面から斬りかかってきたムー陸軍の兵士。それに対し、彼女は最小限の動きで相手の木刀を回避すると、電光石火の突きを兵士にお見舞いした。

 

「グワーッ!」

 

 腹部に一撃を貰った兵士は勢いよく吹っ飛び、ズダンと大きな音を立てて床に転がる。そして起き上がれなくなった。どうやら体力を使い果たしたらしい。

 

「貴様はたった今戦死! “(やす)(くに)行き”になったであります! 次!」

 

 そう言う彼女の周囲には、戦死判定を下されたムー陸軍の兵士たちがバタバタと倒れており、死屍累々という様相を呈していた。2本の足で立っている者は、もう5人しかいない。

 

「では私が! イヤーッ!」

「動きは良いであります! しかし!」

 

 言いながら、"あきつ丸"はほんの数㎝()()()()で相手の剣戟を避ける。そして、

 

「踏み込みが甘い! イヤーッ!」

「グワーッ!」

 

 お返しの"あきつ丸"の一撃が兵士の横腹に強かに打ち込まれた。数メートルばかりも吹っ飛んだ兵士は、床に転がって動かなくなる。

 

「貴様も戦死! 二階級特進であります! 次!」

 

 彼女がそう言った時、残る4人の兵士たちのうち3人が互いに顔を見合わせて頷き合った。そして3人が進み出る。

 

「教官殿、では3人同時に行かせていただきます!」

「む!」

 

 "あきつ丸"も気合を入れ直した。

 

「3対1、上等であります! 戦闘の基本は、強敵には数を以て当たること! 貴様たちの選択は正しいであります!」

「「「イヤーッ!」」」

 

「しかし、“相手が悪い”であります!」

 

バシィッ!!!

 

「「「グワーッ!!」」」

 

 気合一閃。"あきつ丸"の放った剣戟は、なんと3人の兵士の剣戟すら弾き返し、勢いそのまま3人まとめて吹き飛ばした。ムー陸軍の兵士たちは3人揃って床に転がされる。

 

「まだまだみzy……」

 

 ところがその時、"あきつ丸"の背後に忍び寄っていた最後の1人の兵士が、木刀を振り上げて斬りかかった。そう、さっき3人がかりで挑んだのは囮であり、“本命”はこちらだったのだ。無言の内の、見事な連携である。

 勝った、計画通り。そう考えながら、兵士は木刀を彼女の背中に向けて振り下ろす。

 

がしぃ!

 

「なっ!?」

 

 だが、その木刀の一撃は寸前で"あきつ丸"の竹刀に防がれた。“後ろにも目がある”かのように、()()()()()()()()のだ。まさかの事態に動揺する兵士に、"あきつ丸"は前を向いたまま叫ぶ。

 

「奇襲、上策! しかし稚拙! 気配が消えておらずバレバレであります!」

 

 直後、彼女は身体ごと振り返りながら木刀を引き剥がし、兵士と正面から向き合った。そのまま2合続けて打ち合った……と思った瞬間。

 

「隙あり!」

バシィッ!

 

 相手の横薙ぎの一撃を防いだことでガラ空きになった相手の正面に、彼女は神速の一撃を叩き込んだ。

 

「ぐはっ……」

 

 剣道でいう「面」の一撃が綺麗に決まり、額に赤く太い直線を描かれたムー陸軍の兵士が膝から崩れ落ちる。その手から離れた木刀がカランと音を立てて床に転がった。それが最後だった。

 もう立っている兵士は誰もいない。全員が床に転がされ、まともに立つ力を失っていた。まさに「そして誰もいなくなった」である。

 

「では、少し早いでありますが、午前中の訓練はここまでであります! 午後は1時(ヒトサンマルマル)から座学になりますから、全員5分前には教室に移動しておくように! では解散であります!」

 

 かくして、スパルタ式極まりない訓練が一時中断した。

 

「「「………」」」

 

 鉛のように重く、言うことを聞かない足を引きずるようにして着替えに向かうムー陸軍の兵士たち。疲れたのと「女性に負けた」という敗北感で、誰も一言も口を利かない。そのまま無言で着替え、順にシャワーを浴びた後、彼らは揃って食堂へと向かっていった。

 

「うあー……疲れた……」

「アキ教官、容赦無さすぎるだろ……」

 

 食事を摂ってエネルギーを回復すると、彼らもどうやら口を利く元気が戻ってきたようだ。

 

「まさか、通常の教官の訓練の方が楽に感じられるなんて思わなかった……」

「ガチ過ぎるだろあの訓練……。しかもアキ教官、オーガみたいに強いし……」

 

 朝のテンションはどこへやら、げんなりしている様子の機関銃部隊の面々。他の兵士たちがそれを見てドン引きしている。

 

「お前らいったいどんな訓練受けたんだ……?」

「お前らがここまでへばるのは初めて見るよ……」

 

 その後も座学、新たな装備として支給された「MG34機関銃」の取り扱い説明と分解整備、射撃訓練、戦術講義等と、"あきつ丸"の地獄の特訓が続いたのであった……。

 

 

 そしてロデニウス連合王国に到着した軍事留学生たちも、割り振りを決められていた。といっても海軍士官の場合、全員配属先は()()()()()()。ロデニウス海軍第13艦隊である。空母機動部隊、超弩級戦艦からなる戦艦部隊、そして水雷戦隊、この()()()()()()部隊はここだけだったからだ。

 堺の采配により、空母機動部隊指揮官を志望する2人は二手に分けられ、バルドーが第二航空戦隊に、ボイシが第五航空戦隊に配属されることとなった。どちらかというと、バルドーの方が地獄だろうか。何せ、第二航空戦隊には「二代目人殺し()(もん)(まる)の渾名を冠せられた艦娘"()(りゅう)"がいるからである。

 一方、ラッサンはというとムー海軍の事情に鑑み、堺の采配で第三戦隊への配属を言い渡された。第三戦隊と言えば、もう皆様お分りですね? ……そう、ラッサンの教官となったのは、この方である。

 

「youがMu国からの留学生デスネ? 対パーパルディア皇国戦勝祝賀partyの時にお会いしましたネ、覚えてますヨー!

教官担当となる金剛デース! ヨロシクオネガイシマース!」

「はっ、はい! よろしくお願い致します!」

 

 第三戦隊を構成する4隻の金剛型戦艦、そのネームシップ"金剛"である。彼女は、"()()"と共に古くからタウイタウイ泊地を支えた古参であり、その経験と練度の高さを買われての教官抜擢であった。

 但し、彼女の教育もまた完全にスパルタ式である。何しろ、大日本帝国海軍時代には戯れ歌の中で「鬼の(やま)(しろ)、地獄の金剛、音に聞こえた蛇の(なが)()」「鬼の山城、地獄の日向(ひゅうが)、いっそ金剛で首吊ろか」「地獄山城、鬼金剛」などと歌われるほど、シゴキが苛烈だったのだ。特に横須賀の「山城」と佐世保の「金剛」は、「鬼」と「地獄」で表現されるほど制裁が凄まじく、“東西の双璧”とまで並び称されたほどである。そんな彼女の教育を受けることになったラッサン……死なないことを祈るしかない。

 だが、そんな彼すらも差し置いて“最も過酷な教育”になると思われるのが、バーグ中佐である。というのも、彼が配属された部隊は第二水雷戦隊だったからだ。……そう、()()第二水雷戦隊である。

 一言解説しておくと、第二水雷戦隊というのは旧日本海軍に6個存在した水雷戦隊の1つで、その実力は全ての水雷戦隊の中でも“トップクラス”とされる最精鋭の部隊である。「華の二水戦」とも称され、ここに配属されることは最精鋭の証であり、全ての水兵にとっての誉れであった。だが、それはつまり最強であるために、訓練もまた他の部隊から頭一つ抜けて()()であることを意味する。「華の二水戦」は同時に「鬼の二水戦」なのだ。特に、旗艦が(じん)(つう)()(しろ)である場合は地獄である。

 そしてバーグの教官に選出されたのが、よりにもよって"神通"だったのだ。そう、「華の二水戦」の栄光を築き上げ、同時に「鬼の二水戦」の称号も不動のものとした彼女だったのである。ちなみに、彼女にしごかれた経験があるロデニウス海軍第3艦隊司令官のパンカーレ中将曰く、「“常在戦場”を合言葉に、24時間いつ訓練があるか分からない。しかもその訓練内容も、言葉にできないほど凄まじい。あの訓練を平然と熟せる彼女は、到底人間とは思えない」だそうである。……南無妙法蓮華経。それ以外の言葉が見付からない。

 

 その一方で、ロデニウス連合王国にも恩恵があった。ムー国が大東洋共栄圏に加盟したことにより、ムー国の立法や税制・政治といった内政ものや外交・工業技術の勉強がしやすくなったのである。特に建築関連は(コンクリート建築を除けば)総じてムー国の方が技術が上であるため、多くの大工や外交官・文官等が挙ってムー国を訪れ、ムーに学ぼうとしていた。「一式陸上輸送機」(一式陸上攻撃機を空挺用に輸送機にしたもの)を転用した「39式旅客輸送機」を使った民間航空路線も開設され、比較的廉価で利用できることもあって、ムー=ロデニウス間で人の往来が活発になりつつある。

 また、ロデニウスがムーから新たに得られたものとして「自動二輪車」……つまりオートバイがあった。意外に思われるかもしれないが、これまでロデニウス連合王国には、オートバイは存在していなかったのだ。これは、タウイタウイ泊地にいた陸軍妖精隊に「銀輪部隊」はあっても「自動銀輪部隊」は無かったためである。オートバイの開発が後回しにされていたことも原因であった。だが、これによりロデニウス陸軍は気軽に偵察に使うことができ、機動力も高い便利なものを入手することができたのである。

 

 

 ともあれ、軍事同盟の締結と大東洋共栄圏への参加により、ムー国とロデニウス連合王国との関係は新たなる局面を迎えた。そして、これまで科学技術を中心に扱ってきたムー国にも、大東洋共栄圏を経由してパンドーラ大魔法公国などから魔法技術が入るようになり、魔法の利用の幅が広がる等、思わぬ効果も生まれていた。

 もし仮に、強くなったムー国にグラ・バルカス帝国の脅威が降りかかった時、グラ・バルカス帝国軍の兵士たちが目にするのは何か……それはまだ、誰にも分からない。




というわけで、ムー統括軍強化の巻でした。

ちなみに公式さんによれば、グ帝陸軍の主力小銃はボルトアクション式ライフル銃、とのことなので、ぶっちゃけ小銃に限ればムーはグ帝と同格レベルになります。戦車については…グ帝が九七式中戦車チハ(旧砲塔型)、ムーがⅢ号突撃砲。回転砲塔があること以外勝ち目ないじゃねえか、グ帝のチハ…
海軍は、まず戦艦と巡洋艦は勝てないですね。金剛型戦艦vs大和型戦艦じゃあ、金剛型に勝ち目はありません。巡洋艦にしても、ムーの巡洋艦は第一次世界大戦レベルの代物なので、グラ・バルカス帝国海軍の巡洋艦、特に重巡洋艦には勝てないと思われます。ムーは駆逐艦持ってないですし、空母は…ロデニウスから供与される設計図の内容次第ですね。
空軍は、なんとか対抗が可能な程度の力はつき始めている…というところでしょうか。


総合評価が、7,100ポイントを超えた…だと…!?毎度、ご愛読ありがとうございます!!

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次回予告。

トーパ王国にて魔王ノスグーラに関する神話に登場した「太陽神の使い」なる存在。それに関連するものが自国内にあると聞き、堺は自らそれを確かめに向かう。その頃、あの「世界最強」の国家が動き始めていた…
次回「古代の神話と最強の国家」


p.s. 間章を描くに当たって、少しアンケートを取りたいと思います。お題はずばり、「どちらを読みたいか?」ということです。
最終的にはどちらも描こうと思っていますが、人気の高かった方から先に描きたいと思います。活動報告にアンケートをご用意しておりますので、投票よろしくお願いします!

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