鎮守府が、異世界に召喚されました。これより、部隊を展開させます。   作:Red October

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今回はちょっとした日常回です。
まあ戦時下とはいえ、こんな回があっても良いでしょう。



137. 戦時下のムー大陸の日常

 中央暦1643年2月26日、第二文明圏列強ムー国南東部 商業都市マイカル。

 マイカルのムー統括海軍泊地に停泊するロデニウス連合王国海軍第13艦隊・ムー派遣艦隊。その()(かん)(なが)()」の長官私室にて、

 

「うーむ……」

 

 艦隊の指揮官たる男、(さかい) (しゅう)(いち)中将が、机に向かって何やら唸っていた。彼の手には(はく)()のカップが握られており、そこから湯気が立ち昇っている。上記の唸りは、その湯気に混じる匂いを嗅いだ際の彼の反応だった。

 (おもむろ)に彼はカップを口元まで持っていった。カップの中には、透き通った赤茶色の液体が入っている。それを口に含んで嚥下しながら、彼は目を閉じて何やら考え込んでいる様子である。ややあって目を開き、

 

「うーん……」

 

 カップから立ち昇る湯気の行方を追うようにして、視線を天井まで動かした後、堺は一言だけ呟いた。

 

「どっちかといえば……アッサム、かなぁ……」

 

 何をしているのかというと、堺は神聖ミリシアル帝国産の紅茶を試飲しているのだ。

 タウイタウイ島からムー大陸へと向かう際、第13艦隊を含むロデニウス連合王国軍・ムー派遣部隊は、神聖ミリシアル帝国東部にある港街ゴースウィーヴスに寄港し、燃料や食糧、飲料水などの補給を行った。その際、ミリシアルでは紅茶がよく飲まれている、ということを聞きつけた彼は、わざわざ上陸してまでミリシアル産の紅茶を買いに行ったのだ。その時仕入れた紅茶を、ここで試しているという訳なのである。

 そして彼の見立てでは、ミリシアルの紅茶はどうやら、地球の紅茶でいうところの「アッサム」に似た香りと味わいだったようだ。

 

「こいつはストレートで飲むにはちょっと味が濃いな。ミルクが欲しいところだ。

あと、残念ながら俺の好みとはちょっと違うようだ……」

 

 堺の好みは、地球の紅茶でいうなら「ダージリン」か「ウバ」なのである。

 

「まあ、これはこれで良いか。今後は当分、ミリシアル産の紅茶の世話になることは確実だしなぁ……」

 

 ロデニウス大陸から遠く離れたムー大陸に来ているのだ、どう考えてもロデニウス大陸産の紅茶の葉を取り寄せるのは困難すぎる。ならば、第二文明圏でも多少は流通しているミリシアル産の紅茶で我慢するしかない。

 ちなみに堺は、紅茶かコーヒーかと聞かれたならば「紅茶」と即答する紅茶派である。ついでに言えば、コーヒーを「泥水」としか考えていないという、とんでもない認識の持ち主なのである。コーヒーにうるさい“Graf(グラーフ) Zeppelin(ツェッペリン)”のおかげで、多少はコーヒーを飲めるようになってきたが、それでも紅茶スキーという根本は変わらなかった。

 余談であるが……彼がコーヒーにおいて最も苦手としているのは、その苦味である。このため、彼はどうしてもコーヒーを飲まなければならない時(で、なおかつ“Graf Zeppelin”の監視の目がない時)は、砂糖と練乳をありったけ投下して飲んでいる。

 なに、関東地方の某県民のソウルドリンク? 何のことだか分かりかねます。マックスとか言われても分かりません。

 

 

 一方、その“Graf Zeppelin”はというと、

 

「うむ、これは良いな。コクが深く、良い味をしている。ムーの人が言った通りだったな」

 

 自らの指揮する航空母艦「グラーフ・ツェッペリン」の艦橋にて、湯気の立つマグカップを手にして、表情を綻ばせていた。ただし、彼女のマグカップに入っているのは赤茶色ではなく、真っ黒な液体である。そう、堺が「泥水」と酷評するところのコーヒーであった。

 “Graf Zeppelin”はコーヒーには強いこだわりを持っており、豆の選定から煎り方、煎り時間、湯の温度などなど、諸々の条件を自分で細かく調整し、一番美味しいコーヒーの飲み方を追求している。そして、かつてムー国外務省の女性文化調査官アイリーン・グレンジャーから「ムー国にもコーヒーがある。香りが高くコクが深い」という情報を聞いたことがあったため、一度飲んでみたいと常々考えていたのだ。その機会が降って沸いた、というわけであった。

 

「これだと、ロースト具合は中煎りが一番合うか。味としては、エメラルドマウンテンに近いかな。ブラックも良いが、ミルクも合いそうだ」

 

 呟きながら、ムー国で栽培されたコーヒー豆を品評する“Graf Zeppelin”。そして一息に残りのブラックコーヒーを飲み干し、微かに笑みを浮かべる。(きゅう)(だい)(てん)だったようだ。

 

「この国のコーヒーも、悪くないな」

 

 そう言うと、彼女はミルクを用意してお代わりのコーヒーを淹れ始めた。

 

 

 その頃、マイカルのムー統括海軍基地では、軍人たちが講堂に集まって歓声を上げていた。戦闘における勝利の報告とかではない。慰問ライブがあったのである。

 ……察しの良い読者の方はもうお気付きかもしれない。今、ムー海軍マイカル基地で慰問ライブを開いているのが何者なのかということに。

 

 即席の舞台で歌っているのはそう、言わずと知れた「艦隊のアイドル」こと“()()”である。ムー国軍人たちとの親睦会のようなものとして、ライブが開催されていたのだった。もちろん彼女が歌っている曲は、十八番(おはこ)の「恋の2-4-11」である。

 何だかんだ言っても、艦娘たちには容姿の優れた者が多い。また、見た目も軍人たちの恋人や妻、あるいは子供くらいの年齢に見える者も多い。そのため、軍人たちの慰安役としてはうってつけだったのだ。

 普段から軍務が厳しく、その上いつ命を落とすか分からない戦時下とくれば、このくらいの慰安はあっても良いだろう。

 

 ただし……忘れてはならない、彼女たちは人間であると同時に軍人であり、同時に「軍艦」なのだ。そのため、「手を出そうとした者が返り討ちに遭った」という黒い噂もあったりなかったり……。

 

 

 ライブ以外にも、マイカルに停泊するムー海軍艦艇の(ほう)(すい)所(早い話が台所)や基地の食堂で働く兵士たちが、なんと“()(みや)”に弟子入りして(よう)(かん)の作り方等を習っている。ムー海軍に対して第13艦隊から「ご挨拶の品」という形で「間宮の羊羹」がプレゼントされ、それが多くのムー海軍兵士の胃袋を鷲掴みにしてしまったのだ。そこで「うちの艦でもあんな甘味が食いたい」という意見が多数噴出し、結果として多くの烹炊員たちが“間宮”に弟子入りしてしまったのである。そういった兵士の中には、「俺、退役したらここで習ったことを使って、小料理屋か駄菓子屋でもやるわ」などと言い出す者もいる。ムー国の食文化の将来が楽しみである。

 また、“那珂”の持ち歌になっている「恋の2-4-11」を含め、艦娘たちの持ち歌がレコード(地球にもある、あの黒くてでかい円盤である)に記録され、「特別先行販売」という形でムー海軍内に出回った。もちろん、これを買おうとする将兵は後を絶たず、レコードは飛ぶように売れ続けており、第13艦隊や第13軍団の資金源の1つとなっている。

 このレコード、最初はマイカル基地だけでの限定販売だったのだが、次第に売れ口を増やしていき、オタハイトやスカパ・ブロー、パテルなど各地のムー海軍基地へと広まっていった。その後今度はムー陸軍の基地や飛行場にまでも進出を開始している。げに恐ろしきは浸透圧である。

 ここにも2人、その浸透圧にあてられた者がいた。

 

『♪凍える君を抱いて 雨に打たれ続けてた……』

 

 ジュークボックス(レコード再生装置の上に巨大なラッパが付いたような見た目の機器)から流れる「艦娘特別艦隊」の音声を聴いているのは、ムー海軍の戦艦「ラ・コンゴ」艦長ラッサン・デヴリン大佐である。艦長室にてただ1人、乗組員たちの訓練計画を立てながら音楽を聴いていたのだ。だが今や、計画書に走らせるべきペンを持つ手は、空中で止まっている。

 

(………)

 

 ラッサンが考えていたのは、家族のことだった。いや、もっと正確に言えば、まだ若い妻のことだった。

 妻と聞いて察しがついていると思うが、実は彼は結婚済である。中央暦1640年8月にロデニウス連合王国から帰ってきた後、見合い婚ではあったが年内に式を挙げたのだ。

 今でこそ仲睦まじくやっているが、結婚当初は見合い婚だったせいもあって、夫婦仲はどことなくギスギスしていた。それを吹き飛ばしたのが、中央暦1641年7月のことである。休暇を取って自宅に帰った際に、夫婦で散歩に出ていたらいきなり空が曇ってきて、バケツをひっくり返したような土砂降りの夕立に遭ったのだ。何とか雨宿りのできる場所を見つけて駆け込んだものの、その時点で2人ともずぶ濡れになっていた。凍える妻を何とかして温めようとしたラッサンが取った手が、ハグだったのである。その時のことを、彼は思い出してしまったのだ。

 

 徐に机の引き出しを開け、ラッサンは1枚の紙を取り出す。1週間ほど前に妻から届いた、最新の手紙だ。無事の帰還を祈っている旨が書かれている。

 

(すまないが、どうか待っていてくれ。必ずや、生きて戻ってくるから……!)

 

 オロセンガにて自身の無事を祈っているだろう妻のことを思い、ラッサンは決意を新たにしていた。

 

 

 そして、時を同じくしてラッサンと全く同じ曲を聴いていたのが、戦艦「ラ・カサミ改」艦長ミニラル・スコット少将である。元々の階級は大佐だったのだが、2月6日の「オタハイト沖海戦」での奮戦を讃えられて少将に昇進したのだ。

 そのミニラルは今、オタハイトの海軍本部の一室にて音楽鑑賞中だった。なぜこんなところにいるのかというと、「ラ・カサミ改」が大破してドック入りしてしまったため、彼は臨時に海軍本部付となったからだった。

 

『♪ねえ 2人の証は消えることない そう Let’s not say goodbye……』

 

 その歌詞を聴いた時、ミニラルの心に浮かんだのは昔日の思い出だった。

 ミニラルの昇進の契機となったオタハイト沖海戦。同海戦において、ミニラルは昔から世話になった先輩にして、旧ムー首都防衛艦隊司令官アルフレッド・ムレス少将を失った。「ラ・カサミ改」と「ラ・コンゴ」の出撃が遅れている間に、ムレスは首都防衛艦隊を率いて圧倒的に強力な敵艦隊に挑み、無慈悲な航空攻撃の前に散ったのだ。

 敵艦隊を全滅させ、ムレスの仇は討ったものの、それで彼が帰ってくる訳ではない。

 自分たちがもっと早く、それこそ首都防衛艦隊と一緒に出撃していれば、敬愛するムレス先輩は戦死しなくても済んだのではないか。今でもミニラルは時々そう思う。そしてその度に胸が締め付けられるような苦しさを覚える。

 こうなった以上、自らが進むべき航路(みち)は1つしかない。散って逝ったムレス先輩に代わり、自分がムー国を守るのだ。それだけが、先輩に顔向けできる唯一の方法だろう。

 

(見ていてください、先輩……ムー国は、私が守ります)

 

 かつて酒を酌み交わした日々を思い出しつつ、ミニラルは1人静かに涙した。

 

◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 中央暦1643年3月2日、第13艦隊ムー派遣部隊・旗艦「長門」。

 

「ったく……何で俺がこんなことしなきゃなんねえんだ?」

 

 ぶつくさ言いながら、堺が“(あお)()”と共に廊下を歩いている。

 

「仕方ないでしょう、司令官? ドイツ語を少しくらい()しますし、何よりこの艦隊で男性って言ったら司令官しかいないんですから」

「いや、それは分かるがよ。何で俺が、声優めいたことをしなきゃならんのだ?」

「ムーを含む諸国との関係構築のためだと思って、諦めてください。さ、着きましたよ!」

 

 たどり着いたのは、艦内放送を司る一室だった。入室してみると、既に何人かが集まっている。

 

「相棒よ、貴様も呼び出しがかかったのか」

「ああ、そもそも男性が俺しかいないんでな……仕方ない」

 

 堺の姿を見るなり声をかけてきた()(さし)”に、彼は肩を竦めてみせた。

 

「青葉、私は外来語は苦手なんだが……」

「大丈夫ですよ! 長門さんに担当してもらうのは、日本語だけのパートなので!」

 

 どうやら“長門”にも呼び出しがかかったらしい。そして。“

 

「で、私を含むドイツ艦の皆は、提督と共にドイツ語パートを担当、ということか」

 

 “Graf Zeppelin”も召喚されていた。他に“Bismarck(ビスマルク)”、“Prinz(プリンツ) Eugen(オイゲン)”、“Z1(レーベレヒト・マース)”“Z3(マックス・シュルツ)”、“呂500”も揃っている。

 

「はい。歌ってもらう曲が、元々男性の方に歌われていたものなので、どうしても声の低い方が必要なんですよね。なので、男性に似た低めの声を出せる方が最低4人、そのうち2人はドイツ語ができる方、そしてバックコーラスとして高い声でドイツ語を話せる方数人、という(ふるい)にかけると、皆さんしか残らなかったのです。これでも幸運な方だったんですよ、司令官がドイツ語を解しなかったら、グラーフさん1人でドイツ語パート全部歌うことになったんですから!」

 

 言いながら、“青葉”は全員にスコアを渡し、手際良くマイクをセットしていく。

 

「おい……バックコーラスまで入れたら、ドイツ語パートの分量やたら多いんだが……。これ練習要るんじゃねえの?」

「そうですね、司令官とドイツの皆さんは発音練習も兼ねて、ちょっと練習お願いします。あと、歌詞ありバージョンの原曲は、音質悪いですが音源が見つかったので、流しときますね。雰囲気だけでも掴んでください! ついでにアニメの方にあったオープニングも用意しました!」

 

 何故かやたらと気合の入った“青葉”であった……。

 

 

 数時間後、「長門」長官公室。

 

「改めまして司令官、今回はご協力いただきありがとうございました」

「気にするな、青葉。あれも我が艦隊にとって必要なことだったみたいだし」

「そう言ってもらえると助かります。それで司令官、話って何ですか?」

 

 楽曲の収録を終えた“青葉”に、堺が「ちょっと話があるから、片付けが終わったら公室に来てくれ」と言い渡していたのだ。それを今から話そうという訳である。

 人払いが済み>”と2人っきりになった長官公室で、堺はミリシアン・ティー(ミリシアル産の紅茶)を”青葉”に出しながら話を始めた。

 

「うむ、まずは話の前に1つ聞きたいことがある。青葉、お前の目から見て、グラ・バルカス帝国ってのはどんな国だ? 些細な印象でも良い、教えてくれ」

「グラ・バルカス帝国ですか? そうですね……」

 

 紅茶で喉を湿らせてから“青葉”は回答する。

 

「一言で申し上げるなら、典型的な帝国主義国家です。周辺諸国を武力で威圧ないし征服し、植民地化して支配する。そして植民地にした国々から、労働力としての人間、軍事利用のための土地、石油やゴム、鉄鉱石やボーキサイトを含む天然資源など、全てを収奪していく……まさに、第二次大戦前後の地球における各先進国の動きそっくりです。それに技術レベルも。おそらくですが、レーダーは第二次大戦当時の米軍並みの性能を持つでしょう。

国力は完全にアメリカレベルです。数が多いので、油断なりません。

あと、選民思想の()もありますね。我が国の外交官と向こうの非公式会談の報告書を読むなどしましたが、向こうの外交官の口ぶりからそんな様子が窺えます」

 

 紅茶のカップを傾けながら話を聞いていた堺は、“青葉”が話し終えると「うむ」と頷いた。そして一言。

 

「90点ってところかな」

「どこが不足ですか?」

「彼らの愛国心の強さ」

「ふむ……」

 

 盲点を衝かれ、“青葉”は一瞬言葉に詰まった。

 確かに、グラ・バルカス帝国人の愛国心の強さについてはリサーチ不足だ。そこは調べていなかった。

 

「では、なんで俺が“愛国心の強さ”なんてファクターを尋ねたか、分かるか?」

「そうですね……」

 

 少し考えてから、“青葉”は返答した。

 

「敵軍の練度の高さを測るためですか?」

「半分正解だな」

「では、残り半分は……?」

「“ある懸念”を検証するためだ」

 

 明快に言い切った堺に、“青葉”が一瞬眉を動かした。

 

「その懸念とは何でしょうか?」

「分からんか? ……ではヒントだ。グラ・バルカス帝国人の愛国心が並々ならず強い場合に限るが……戦況が逼迫し追い詰められた場合、戦闘において彼らはどんな手を取ってくると思う?」

「! まさか……」

 

 ある可能性に気付き、“青葉”は堺に耳打ちした。その内容に、彼は満足そうに頷く。

 

「そう、それを警戒しているんだ。何せ奴ら、零戦に似た機体持ってるんだし」

「その手、使ってくるでしょうか?」

「確信はない。だが可能性はある。アレをやられたら色々と厄介だからな」

 

 そして堺は、ある命令を下した。

 

「というわけで青葉、お前の情報局の腕を貸してくれ。ちょっと集めてもらいたい資料がある」

「何を集めれば良いでしょうか?」

「グラ・バルカス帝国で使われてる教科書・参考書だ。大学レベルのものでも、(じん)(じょう)小学校のような初等教育レベルのものでも何でも良い。教科は、できれば社会と国語を優先してもらいたいが、原則的には数学だろうが理科だろうが家庭科だろうが何でも良し。

ああ、今無理に集めろとは言わん。何ならムー大陸における総反攻作戦が始まってからでも結構だ。旧レイフォル国やその属国を解放すれば、グラ・バルカス帝国の学校なんていくらでも(ぶん)()れるだろうし」

「承知しました! お任せを!」

 

 “青葉”はいい笑顔でビシッと敬礼した。

 

◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 その頃、グラ・バルカス帝国領レイフォル州 州都レイフォリア 帝国外務省レイフォル出張所にて。

 

「という訳で、我が国はグラ・バルカス帝国、帝王グラ・ルークス陛下に忠誠を誓おうと思います。

どうか……どうか、国民の命、そして衣食住だけは……確約していただきたい」

 

 独特の民族衣装に身を包んだ者達が、グラ・バルカス帝国の外交官ダラス・クレイモンドに深々と頭を下げる。

 小国がグラ・バルカス帝国に降った瞬間だった。

 

 いつものように冷酷な目で眺めながら、ダラスは対応する。

 

「帝王グラ・ルークス陛下は偉大であり、そのお言葉は絶対だ!!

お前らのような文明レベルの低い現地人であっても、理由なく命を奪うようなことはするなと仰った。そこは安心するがよい」

 

 彼は続ける。

 

「それでは、さっそく征統府(グラ・バルカス帝国が他国を統治するために作られた機構)員を派遣する。

受け入れ準備を整えよ。きちんともてなせよ」

 

 ムー大陸中央部にある第二文明圏の小国、ヒノマワリ王国。この国はグラ・バルカス帝国の軍門に降り、国としての形やプライドを捨てることで、国民の命を守ることが出来た。

 ヒノマワリ王国の使者たちは安堵の顔をして、退室した。

 

「やはり『力』を見せると、実に仕事がやりやすくなるな……」

 

 ヒノマワリ王国の使者たちが退室した後で、書類を整理しながらダラスは呟く。

 先月初旬にムー大陸西方バルチスタ海域で行われた、神聖ミリシアル帝国を柱とした連合軍と、グラ・バルカス帝国の戦い。同海戦において、帝国の誇る歴史上最大にして最強の戦艦「グレードアトラスター」は、その主砲をもって敵が絶大な信頼を置いていた空中戦艦を粉砕した。

 世界最強と言われた国が、秘密兵器を使用したにも関わらず、敗走したのだ。この事実を知り、各国は「グラ・バルカス帝国に勝てる国は、世界に存在しない」と分析したのだろう。

 とりわけ、現在帝国の勢力圏に近いところにある国が、次々と降伏してくる。国に戦火を及ぼす前に降る。賢い選択だ。

 

 ダラスが書類の整理を続けていると、ドアがノックされた。そして、ダラスの上司であるシエリア・オウドウィンが入室してくる。

 

「ヒノマワリ王国は何と?」

「降りました。詳細条件はこれからですが……」

「そうか」

 

 この世界に転移した時、「前世界」こと惑星ユグドに全ての植民地を置いてきてしまったグラ・バルカス帝国。一時はその支配面積を本土のみにされてしまったが、転移以来その版図は拡大の一途を辿っている。再び周辺国を征服し、植民地を増やしつつあるのだ。

 しかも、この世界の文明は「魔法」などという奇天烈なものがあるとはいえ、惑星ユグドよりも基本的に遅れている。自分たちに対抗できる力を持つ国など、ミリシアル国だけだ。いずれ帝国は、この世界の全土を支配下に収め、永遠の平和を実現するだろう。

 帝国の未来は明るい……ダラスもシエリアも、本気でそう思っていた。

 

 だが実際のところは、彼らの思うようにはなっていない。というのも、グラ・バルカス帝国の植民地の統治方法に問題があったのだ。

 そう、グラ・バルカス帝国の植民地統治方法は、はっきり言ってしまえば「恐怖政治」なのである。軍事力の差を背景に、被征服地の民を奴隷同然に扱い、農業、工業などあらゆる産業面で強制労働を強い、様々な資源を徴発するという過酷な統治なのだ。ぶっちゃけて言うと、旧パーパルディア皇国の統治と大して変わらない。

 さらには、抵抗運動を起こした現地民を次々と捕らえ、強制収容所に押し込んでいる。そこで強制労働をさせている……とダラスとシエリアは思っているが、実際のところはそんなものではないのである……。

 

 

 少し時間が経って午後7時、グラ・バルカス帝国領レイフォル州 州都レイフォリア。

 グラ・バルカス帝国外務省 レイフォル出張所の一室にて、異界東部方面担当課長シエリアは、書類仕事を片付けている途中であった。本国に送付する報告書の作成に思ったより時間がかかってしまい、残業になってしまったのである。ちなみにダラスは既に帰宅している。

 必死に書類仕事を片付けている彼女、その腹の虫が小さく鳴った。

 

「む、もうこんな時間か。一旦休憩して、夕食にしよう……」

 

 呟き、彼女は購買部で買ってきていたパンの袋を取り出す。それをデスクの上に置いてから、彼女は部屋の隅に置かれたテレビに歩み寄った。

 グラ・バルカス帝国におけるテレビは、大きな箱型の図体に小さな画面が()め込まれた代物だ。ブラウン管はあるものの、画面の大型化には成功していないため、画面がどうしても小さくなってしまうのである。

 テレビをつけると、チャンネルはちょうどムー国の「マイカーリア・ステーション」のものに合わせられていた。この放送局は、ムー国南東部にある商業都市マイカルを拠点としており、ムー国の南部及び西部一帯を管轄下に置いている。ちょうど番組が切り替わろうとしているところだった。

 そして、その番組を見たシエリアの動きは、完全に停止した。どうしたのかというと、かなり完成度が高く、そしてストーリー性も高い番組が流されていたのである。

 画面の中では、茶髪(おそらく、ということである。なお、なぜ「おそらく」茶髪なのかというと、グラ・バルカス帝国のテレビはモノクロだからである)の少年が1人、目を真円まで見開いて何かを見つめていた。周囲にいる、中性的な見た目の金髪(おそらく)の子供とマフラーを巻いた黒髪の少女も、同じ方向を見つめている。否、その3人の周囲にいる大人たちでさえ、微動だにせずに何かを見つめていた。

 人々が見つめる方向にあったのは、都市1つを丸ごと囲んでいる高い城壁。そして。

 

 

 その城壁を掴んでいる、巨大な手らしきものだった。その付近からは煙が空に向かって立ち昇っている。

 

 

 やがて、城壁に囲まれた街並みに巨大な丸い影が現れた。その影は、城壁の向こうから姿を見せた巨大な人間の頭部によってできたものである。その人間は、頭髪どころか唇も皮膚も存在せず、筋肉と歯が全て剥き出しになっているという恐ろしい見た目をしていた。

 そいつが姿を見せると同時に、女性のものらしい静かな声でナレーションが流れる。

 

『その日、人類は思い出した。奴らに支配されていた恐怖を。鳥籠の中に囚われていた、屈辱を……。』

 

 直後に画面が切り替わり、雨降りしきる森の中を突き進む多数の騎兵が映し出された。全騎がお揃いのフード付きマントを着用しており、その背中に白と黒の翼を象ったらしい紋章を付けている。そのマントの下には制服と長ズボンを着用し、両方の腰の脇に奇妙な装置らしきものを装着していた。揃いの格好であることと、乗馬の練度から考えるに、軍隊と思われる。

 

「目標、接近します!」

「訓練通り5つに分かれろ! 全攻撃班、立体機動に移れ!」

 

 指揮官らしい男性が指示を飛ばすと、馬に乗っていた兵士たちは一斉に腰の脇からアンカーが付いたワイヤーらしいものを撃ち出し、それを木の幹に突き刺して空へと飛び上がった。ワイヤーを撃ち込んでの移動を繰り返し、兵士たちは目標……全裸の巨大な人間へと向かっていく。どうやら後頭部の辺りを狙っているらしい。

 それらの兵士のうち1人が、腰の脇に下げた装置から剣を抜き、思い切り振りかぶりながら叫んだ。

 

「人類の怒りを、思い知れッ!!!」

 

 その直後、剣戟らしい金属音と共に画面は暗転し、タイトルロールへと移行した。

 

 

 もはや今さら語るまでもないが、これは日本で放送されているアニメ「◯撃の巨人(第一期)」第1話の出だしである。何故こんなところで日本のアニメが放送されているのか。それには、ちょっとした訳があった。

 

 ムー大陸に展開したロデニウス連合王国軍。そのうち、マイカルに錨泊している海軍第13艦隊(及び陸軍第13軍団)では、今後ムー大陸周辺で作戦行動を行うにあたって問題が1つ発生していた。軍資金の調達である。

 そもそも第13艦隊の財政は以前から赤字気味であった。これは、第13艦隊が保有する戦力の大きさに付随して発生する大量の支出(艦娘や妖精たちの食費、光熱費、艤装・施設の維持にかかる工費等)に対して、軍部からの予算の割り振りが不足していたためである。海軍の他の艦隊の戦力調達が優先されたため、第13艦隊に回される予算が結果的に少なくなってしまったのだ。この不足分を補うため、第13軍団・第13艦隊司令部は「青葉メディアグループ」と連携し、日本のアニメや映画、書籍、マンガ等を大東洋共栄圏参加各国やロデニウス大陸に提供し、その見返りに一定額の「娯楽料」を徴収してそれを配分し、予算に割り当てるという方法を取っていた。

 それと同じ方法を、ムー国でも実施しようとしたのである。ただし、これを行うにあたっては、堺と“あきつ丸”、それに“青葉”のような有識者たちは綿密な検討の末に、作品提供における厳しい基準を策定した。それは、ざっと以下のようなものである。

 

一. 魔法少女系の作品は、基本的に提供可。

一. 歌詞の入っていない楽曲については、基本的に提供可。

一. 実写系の映画、アニメ作品、それらに使用される楽曲並びに書籍(ライトノベル含む)の提供に関しては、別途基準を制定する。それに従い、第13艦隊司令部及び青葉メディアグループの正式許可を得た上で作品を提供すること。

一. 現在第二文明圏各国は、グラ・バルカス帝国と交戦状態にある。グラ・バルカス帝国は、我が国及び神聖ミリシアル帝国で互角ないし劣勢、ムー国で辛うじて対抗可能、その他の国家は(がい)(しゅう)(いっ)(しょく)で撃破されるような強大な軍事大国である。その事情に鑑み、なるべく絶対的劣勢にある状況を覆していくような作品が望ましい。

 

[供与に関する禁忌]

以下に挙げる作品群は、世界各国への提供は厳禁とする。

一. 地球における「戦間期から西暦2,000年代までの技術」を使用して作られた兵器の実物が登場する実写系映像を含む作品。CG合成によるものも含む。

例. 「◯撃隊出動」「永遠の◯」「Das ◯oot」「◯トラー最期の12日間」「フュー◯ー」「プ◯イベート・◯イアン」「ゴ◯ラ」「◯°ール・◯ー◯”ー」

一. 地球における「戦間期から西暦2,000年代までの技術」を使用して作られた兵器の実物が登場するアニメ作品。

例. 「ガールズ&◯°ンツァー」「◯パング」「◯トライクウィッチー◯”」「◯隊これくしょん」「◯野の◯トブキ飛◯隊」「アニメンタリー ◯断」「◯速雷撃隊」「こち◯」

一. 地球における「戦間期から西暦2,000年代までの技術」を使用して作られた兵器に類似する兵器が登場する作品。

例. 「紺◯の艦隊」「とある◯空士への追憶」「◯末のイゼッタ」

一. アクション系映画(特にスパイ物)

例. 「◯イ・ハード」「◯リス・ストーリー」「◯可能な任務」

一. その他グラ・バルカス帝国にとって戦術・技術発展のヒントになり得る作品。

例. 「宇宙戦艦ヤ◯ト」「銀河鉄道◯◯◯」「◯ヴァンゲリオン」「◯河英雄伝説」「機動戦士◯ンダム」「◯ター・ウォー◯”」「◯”ック・トゥ・ザ・フューチャー」「◯”イオ◯ザード」

 

 結構厳しい制限がかかっているが、こればかりは致し方ないだろう。わざわざ敵国を強化してやることはないのだから。

 この条件を元に(ふるい)にかけた結果、「◯撃の巨人」については「アニメ版最終シーズン、及びそれに対応する書籍版原作については、再検討を要する。それ以前の回については問題無しと判断し、公開可能」と結論付けられた。そして“青葉”は、自分の率いるメディアグループとそのバックにいるロデニウス連合王国軍の金策を目的に、ムー国政府の許可を得てアニメ版(第一期)をマイカーリア・ステーションに持ち込んだのである。

 放送担当区域は広いものの、最近は目玉番組を生むことができず視聴率の低迷が続いており、この状況の打開を狙っていたマイカーリア・ステーション。日本で大ヒットしたアニメを持ち込むことで、ムー国というアニメ文化にとって未開拓の市場を切り開くと共に、資金を稼ぎたい青葉メディアグループ&ロデニウス連合王国軍。

 双方の利害は一致し、なおかつマイカーリア・ステーションの面々は“青葉”自ら持ち込んだアニメ版(第一期)を視聴して「これは当たる」と予感した。そこで、マイカーリア・ステーションと青葉メディアグループは結託し、アニメ版「◯撃の巨人」の放送による視聴率回復と資金回収を狙ったのである。そのおこぼれが、グラ・バルカス帝国領レイフォル州にも届いたという訳であった。

 

 話をレイフォリアに戻すと、シエリアには実は「映画等の鑑賞」という(意外な)趣味がある。その彼女から見て、「◯撃の巨人」は完全に大当たりであった。

 ついつい引き込まれる高いストーリー性。実写ではなく手書きの絵を用いていると思われるにも関わらず綿密な作画。白黒画像にも関わらず、情景描写や感情移入をも容易とするキャラクターの表現の豊かさ。全てが、グラ・バルカス帝国で製作されるテレビ番組の水準を軽く上回っていた。日本の誇るアニメは()()ではない、ということだろう。

 シエリアは夕食のことも忘れて、食い入るように画面を見つめ続けた。そしてあっという間に約30分が経ち、番組はエンドロール、そして次回予告へと入る。「毎週1回、この時間帯に放送します」という趣旨のテロップを見て、シエリアは密かに考えた。これは、仕事の合間に楽しめる趣味が1つできた、と。

 ところが、番組の最後に出てきた「ご覧のスポンサーの提供で、お送りしました」という部分を見て、シエリアはさっと顔色を変えた。そこには、こう表示されていたのだ。

 

『ロデニウス連合王国』

『青葉メディアグループ』

 

 つまり、この映像作品の作成にはロデニウス連合王国が関わっている、ということである。これは大変であった。

 情報収集のためにニュース番組を視聴するくらいならともかく、娯楽のために敵国のテレビ番組を視聴するなど言語道断。となると、これはこっそり楽しまなければならない種類のものだろう。

 1週間ごとの「残業」が増えることが確定したシエリアであった……。

 

 

 結果から先に言うと、「◯撃の巨人」はかなりの大当たりを取った。

 高いストーリー性、感情表現の豊かなキャラクターたち、そして絶望的存在に抗わなければならない作中世界の現状。特に「絶望的存在に抗わなければならない」という部分は、グラ・バルカス帝国に抵抗しなければならない現状を端的に表していると言っても過言ではなかった。そのため、第1話放送終了後から口コミだけで少しずつ情報が拡散していき、第2話が放送された時点でムー国の首都オタハイトまで情報が到達、さらに二次関数的速度で普及していった。当然、「マイカーリア・ステーション」の視聴率は右肩上りに回復し、がっぽり儲かった。

 そして、第1話を含む最初の方数話を見逃してしまった者も多く存在し、再放送まで待つしかない……と思われた矢先。

 

『今人気の「◯撃の巨人」漫画版、始めました。by キクーナ書店』

 

 ムー国内でも大手の出版社兼書店が、漫画を扱い始めたのである。狙ったかのようなタイミングであり、無論これも「青葉メディアグループ」が裏で動いていた。

 さらに、アニメ版の放送が拡大していくにつれて、「番組内で放送されている曲を単品で聴きたい」という注文まで出てきたのだが……

 

『皆様の熱いリクエストにお応えして、「◯撃の巨人」オープニングテーマ曲「◯◯の弓矢」登場! by ツルヤ』

 

 ムー国内のミュージックレコード販売店が、見事にこれに応えた。もちろんこれにも「青葉メディアグループ」が一枚噛んでいる。

 ちなみに、タウイタウイ泊地の図書館に備えられていたデータ類も完全ではなく、特に(西暦2199年時点の日本から見て)古いアニメではデータが欠落しているものも多かった。「◯撃の巨人」も例外ではなく、オープニングテーマ曲の歌詞付きフルバージョンのデータは保存状態が悪く、製品にはできない状態になってしまっていた。歌詞無しのフルバージョンはどうにか見つかったのだが。

 そこで“青葉”は考えた。データがないなら、撮り直せばいいじゃない、と。どうせとっくに著作権は失効しているのだから。

 というわけで、彼女は曲の撮り直しを図り、そのために声の低い艦娘たちに協力を依頼したのだ。また、そのオープニングテーマ曲にドイツ語で歌われる部分があるため、ドイツ語ができる者を同時に求めた。その結果として選ばれたのが、堺、“武蔵”、“長門”とドイツ艦の面々だったというわけだ。

 

 

 今回の「◯撃の巨人」の大当たりにより、ムー国内の各社と青葉メディアグループ(そしてそのバックにいるロデニウス連合王国海軍第13艦隊)にはかなりの額の金が舞い込んだ。放置していても次々と金が転がり込んでくる状況に、各社の重役たちは連日笑いが止まらなくなったという。

 そして、今回の「◯撃の巨人」の試験放送で手応えを感じた青葉メディアグループは、積極攻勢を決定。「マイカーリア・ステーション」を中心としてムー国内各地の放送局に次々に、しかし焦ることなく、アニメや映画による電撃戦を仕掛けることとなる。

 放送された作品は様々であり、どこぞの赤い飛行艇に乗ってる豚の話や、国を奪われた王太子がたった5人の仲間と共に30万人の敵に挑むアニメ作品、頑強な敵の城塞都市を陥落させるために木馬に兵士を詰め込んで潜入・奇襲させる映画などが流行った。特に流行したのは、遺伝子工学によって復活させた太古の巨大生物を収容した動物園を舞台とするパニック系映画で、これはムー国内での視聴率が最終的に60%を突破するという大当たりを取った。ついでにこの映画、シエリアもこっそり視聴していた。

 当然、軍資金もかなりの額を得ることとなり、ロデニウス軍はこれを元に戦力を調達することとなる。

 

 そして実は、シエリアは気付いていなかったが、堺と“青葉”は資金稼ぎ以外の“ある隠された目的”を持ってアニメや映画の放送を行っていた。

 皆様はお気付きになったかもしれないが、例えば「◯撃の巨人」アニメ第一期のオープニングテーマ「◯◯の弓矢」の歌詞を見てみると、「祈ったところで何も変わらない 今を変えるのは戦う覚悟だ」「囚われた屈辱は反撃の(こう)()だ」「何かを変えることができる者は、何かを捨てることができる者」「課せられた不条理は進撃の嚆矢だ」などといった文句が並んでいる。これらが重要な意味を持つのだ。

 そう、堺と“青葉”が(もく)()んだのは、「グラ・バルカス帝国に対する『知られざる反抗の準備』」である。グラ・バルカス帝国にとって想定外のところに種を()いておくことで、今後の布石にしようとしていたのだった。

 ……それと、特に太古の時代の巨大生物を復活させる映画作品に関しては、もう1つ隠された目的がある。尤も、これは今すぐ必要になることではないので、今は置いておくことにしよう。




リストアップした作品名は一部を伏字にしましたが、博学にして聡明なる読者の皆様には、これらの作品が何なのかもうお分かりいただけていると思います。答え合わせはするまでもないと思います。
そして地味に映画にハマるシエリアさんェ……


UA74万突破、そして総合評価がついに9,600ポイントを突破だと……。皆様、ご愛読本当にありがとうございます。心より、御礼申し上げます。

評価9をくださいましたゼロ様、サイル様
評価10をくださいましたRTX様、ガーゴイル様
ありがとうございます!!
また、新たにお気に入り登録してくださいました皆様、ありがとうございます!


次回予告。

マイカルに停泊するロデニウス艦隊。その戦力規模と質を知ったグラ・バルカス帝国は、これを弱らせるために潜水艦隊による襲撃作戦を実行する。そのロデニウス艦隊は、潜水艦を手ぐすね引いて待ち構えていた……
次回「鉄屑積もれる港」


P.S. 活動報告に重要な報告を上げておりますので、そちらにも目をお通しいただけますと幸いです。
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