鎮守府が、異世界に召喚されました。これより、部隊を展開させます。 作:Red October
ですが、ネタバレ(予想含む)はまだお待ちください。しかるべき時に、私の方から申し上げます。
(あらすじ)
「天使の実」を食することで到達が可能な夢の世界。そこには、「天使の実」を食べた人や、その人と共通点を持つ人が集まり、談笑や食事を楽しめるバーがある。
今宵の利用者は何人もおり、そのうち2人、堺 修一氏とエレイン・ペンウッド氏が既に入室している。2人の会話がちょうど一区切りついた時、3番目の来訪者がやってきた。
その時、コンコンとノックの音が鳴った。
「「はい、どうぞ!」」
2人の声が重なる。
入室してきたのは、堺やエレインと同じくらいの背丈の男性だった。……と思いきや。
(男性……? いや、それにしては髪が長いな、女性か……? 顔だけじゃ判断できん……)
顔立ちが中性的な上に、黒髪の長さも男性にもあり得る程度のものだったので、堺には一瞬判別ができなかった。
スタイルは「
(この軍服、見覚えがあるな。確か旧日本海軍の第二種軍装がこんな感じの形だったはず。ただ、第二種軍装は白のイメージなんだが…こっちは黒いな。
…待てよ、菊花紋章があるってことは、もしかしてこの方、
と堺が考えていると、3番目の入室者は脇を締める形の敬礼をした。
(お、これは日本海軍式の……。ということは、やはり未知の艦娘? それとも旧海軍の関係者か?)
そう思いつつ、堺は相手の自己紹介を聞く。
「お初にお目にかかります。自分は『
「え!?」
思わず堺は声を上げてしまった。当然であろう。
"大和"といえば堺の嫁カッコカリである。その"大和"を見慣れた堺からすると、この状況はあまりに異常だったのだ。
「どうされましたか?」
大和を名乗る女性(?)に尋ねられ、堺は慌てて返事をする。
「いや、これはすみません、失礼しました。というのも、私も『大和』と名乗る方を知っているのですが、その方と貴方は全く違う見た目だったもので、つい……」
「ふーむ、異なる容姿ですか……失礼ですが、貴方の知る『大和』はどんな見た目なのですか?」
とここで、堺は自己紹介が抜け落ちていたのに気付いた。またしても失敗したのである。
「その前に、軽く自己紹介をさせてください。私は堺 修一と申しまして、ロデニウス連合王国海軍第13艦隊司令官を務めています」
「ロデニウス連合王国? 連邦共和国ではないのか?
確かロウリアとの戦争の後に、3ヶ国が連合して共和制になったはずだが……」
この話を聞いて、堺は確信した。おそらくこの「大和」を名乗る方は、エレインと同様に自分とは違う世界から来た方だ、と。
「大和さん、驚かずにお聞き願いたいのですが」
「はい、どんなことでしょう?」
「実は、ここにいる3人……少なくとも私と貴方は、似ているようで異なる別々の世界から、ここに来ているらしいのです」
「何?」
そこへエレインが口を挟む。
「失礼、私は神聖ミリシアル帝国海軍の巡洋艦戦隊司令、エレイン・ペンウッドと申します。
もしかすると大和さん、貴方も『天使の実』を食べたのではありませんか? 私も堺殿も、『天使の実』を食べてここに来ています」
その時、『大和』がはっとしたような顔をした。心当たりがあるらしい。
「『天使の実』……そういえば夕食後に『
夢の中で別の世界の住人と話せるとは……この世界はつくづく常識が通じないな」
(ん? 『紀伊』だと!?
おかしい、艦娘にそんな名前の子はいないぞ! 俺の記憶が正しければ、『紀伊』は未成に終わった超大和型戦艦に付けられる名前の1つだったはずだ…!
それに、この方も転移してきたようだし、これは何かありそうだな……)
この不思議な『大和』の存在に、堺は少なからぬ興味を抱いた。
『大和』は今度はエレインの方を見て口を開く。
「エレインさん、神聖ミリシアル帝国のことは、私も耳にしています。直接貴国を訪問したことはありませんが、魔法文明が高度に発達し、世界最大の軍事力と素晴らしい魔法技術をいくつも有する、と聞き及びます。いつか行ってみたいと思っています。
本日はよろしくお願いいたします」
「こちらこそ、よろしくお願いします」
握手を交わす2人。握手に加わった後で、堺は気になっていたことを尋ねてみた。
「失礼ながら大和さん、私は貴方のような艦娘は聞いたことがないのですが……」
すると『大和』がきょとんとした顔をした。
「カンムス? 何でしょうか、それは?」
「へ?」
まさかの返しに、堺の口からすっとんきょうな言葉が飛び出す。そして。
「自分はカンムスではありません。KAN-SENと呼ばれる存在の1人です。……特殊な方だけど」
「か、カンセン!??」
艦娘とは全く別の種族であることが発覚してしまった。そりゃあ同名ながら全く見た目の違う存在ができる訳である。
「そして自分、『大和』は、大和型航空母艦の1番艦なのです」
「大和型……空母ですって!?」
さらに、艦種まで違うときたのである。
「その反応ですと、堺殿の知る『大和』さんは、空母ではないようですね」
「はい、そうなのです。私の知る"大和"は、大和型戦艦の1番艦でして…この写真を見てください」
堺は所持していたパスケースを開き、お守りとして入れている"大和"の写真を見せた。艤装を付け、"艦娘形態"で出撃しようとしている姿が写っている。
「なるほど、自分とは全然違いますね。完全に女性の見た目とは…驚きました。
それに、戦艦として完成した俺か……計画通りに事が進んでいれば、俺も戦艦として生まれていたんだろうな」
この事実には、堺は目玉が飛び出るかと思うほど驚いた。『大和』はというと、驚いたようではあるが、どこか複雑そうな表情を浮かべている。
それに気付いた堺は、この表情の原因は何だろうかと考えた。
「そういえば、大和さんは先ほど、大和型航空母艦の1番艦だと仰っていましたね。空母の大和型も、3番艦まであるのですか?」
史実では、戦艦として建造された大和型は、艦体が建造された分だけで「大和」「武蔵」「信濃」の3隻あった。本当はもう1隻作られる予定だったが、戦況の悪化などの理由で建造中止となっている。
「はい、大和型航空母艦は自分を含めて3隻就役しました。2番艦の『
「『蒼龍』? 『
「はい。元々は『信濃』という名で就役するはずでしたが、訳あって戦没したばかりの『蒼龍』の名が付けられました」
「そうでしたか……」
堺は戸惑いと同時に好奇心を抑えきれなかった。こうまで史実と異なる経過をたどることになるとは、よほどの事情があるらしい。可能ならば是非ともそれを知りたい、と思った。
その時、会話に全くついていけていなかったエレインが口を挟んだ。
「すみません、ちょっと待ってください……理解が追い付かないのですが、大和さん、貴方は何者なのですか?」
そして返ってきた答えに、エレインは完全にフリーズした。
「KAN-SEN……軍艦であり、同時に人でもある存在、といえば良いでしょうか」
「なっ……!? え、ええと、人間が軍艦に変身できる、ということなのか? あるいはその逆…?」
「軍艦の姿も取ることができる人間、という感じでしょうか」
「何……だと……!? そ、そんな存在がいるのか…!?」
エレインも驚きのあまり我を忘れてしまい、つい口調が素に戻ってしまっている。そして早口でまくし立てるように続けた。
「そんな存在、我が国のおとぎ話でも聞いたことがないぞ!?
そして堺殿はこんな超常的存在を前にして、なぜそんなに平然としていられるのだ!?」
「あー……実はですねエレインさん」
頭を掻きながら堺は説明する。
「私の部下にも、『大和』さんのような存在がいるのです。私のところでは『カンセン』ではなく『艦娘』と称しておりますが。
簡単に申し上げると、戦艦や航空母艦、巡洋艦といった様々な軍艦が、人間の少女もしくは女性の姿をとった存在、ということになります。
なので、カンセンである『大和』さんを前にしても、特に驚かなかったのです。…私の知る"大和"とは全く異なる、という部分には驚いたんですけどね」
名前は違えど「擬人化艦船」というカテゴリーは同じであるため、そういった存在に慣れていただけである。
「何ということだ……私が
がっくりと肩を落とすエレイン。このままでは彼女のメンタルに再起不能のダメージが発生しそうだ。
助け船を出したのは、『大和』だった。
「ま、まあ、せっかくバーのような所に来たのですし、何か飲んで落ち着きましょうか」
「そうですね! 私もちょうど、もう少し飲もうかと思っていたところです。エレインさんも一つ飲み直しましょう。落ち着くには温かい飲み物が一番です」
心中密かに、大和さんGJ、と思う堺であった。
「あぁ……そうだな、そうしよう。ちょっと驚きすぎた」
というわけで3人揃ってカウンター席に座る。初めての注文に戸惑う『大和』には、エレインが注文を実演してみせた。
ちなみに堺とエレインは、最初に注文した紅茶は既に飲みきっている。
「なるほど…これは不思議だな。さすがは夢の世界だ」
そう言いながら、『大和』は宇治抹茶の湯飲みを手にする。
(緑茶まであるのか、このバーは……)
そう考えつつ、堺は注文した「エメラルドマウンテン」コーヒーに練乳を思いっきりぶち込んだ。もはやカフェオレを通り越して、コーヒーを名乗るナニカになっている。
「えぇ……堺殿、何だそのコーヒーの飲み方は……」
新たに注文したハーブティー……カモミールらしい香りがする……に砂糖を混ぜながら、エレインが呆れる。こちらは角砂糖1個と常識的だ。
「いや、私はコーヒーの苦味がどうにも苦手で……苦味を消しながらコーヒーを飲むために試行錯誤した結果、こんな方法を考え付いたのです」
「まあ、苦味が苦手というのは理解できます。私もそうですし。
そしてコーヒーにそんな飲み方があるとは初めて知りました」
某県民のソウルドリンクは異端らしい。どこぞの専業主夫希望の少年が聞いたら、
ちなみに『大和』は、堺のコーヒーの飲み方を見て「コーヒーはあの苦味が良いのに……」と少し残念そうにしていた。
「コホン……では、カンセンと艦娘という、新たな擬人化艦船との出会いを祝して」
「新しい友人との出会いに」
「ロデニウス連合王国、ならびに神聖ミリシアル帝国の方との友好に感謝して」
乾杯、という言葉と共に3つの容器が掲げられた。
「ところで堺殿、貴方は『カンムス』という存在を指揮していると仰っていたが、自分たちKAN-SENとはどういうところが違うのだろうか?」
そして真っ先に出てきた話題はこれである。
「そうですね、私もちょうどそれが気になります。『大和』と名の付く存在なのに艦種が違う、という時点でいろいろと異なるでしょうし」
「でしたら、私にも聴かせてください」
まずは『大和』からKAN-SENの説明が始まった。
「では、自分たちKAN-SENについて話す前に、自分たちが元いた世界のことを少しだけお話させてください。その方が理解も深まると思います。
自分たちのいた世界にも、この世界と同様に海がありましたが、外敵に支配されていました。自分たちはその敵を『セイレーン』と呼称しています。『セイレーン』は圧倒的な物量と個々の力…特に艦隊旗艦クラスと思しき存在が持つ高い実力により、世界中の制海権を次々と奪っていきました。
自分たちKAN-SENは、その『セイレーン』に対抗できる唯一の存在です。戦艦、航空母艦といった主力艦から、駆逐艦などの小型艦艇まで、様々な種類が存在します。また、自分たちは所属する陣営ごとに性能や見た目が異なっており、一説には別の世界で起こった『大戦』の記憶を持つと言われますが詳細は分かりません」
そこで一呼吸入れ、『大和』は付け足した。
「
「それはまた、どうしてです?」
これは堺の質問である。
「それは、自分がKAN-SENとしては特異的な存在だからですよ。本来KAN-SENは女性しか存在しておらず、自分のような男性型KAN-SENはあり得ない存在なのです。
そのような存在が突然現れたとしたら、堺殿、貴方はどうしますか?」
「それは……」
堺は言い淀んだ。
自分なら、ひとまず交渉した上で味方に付けるか、それが叶わない場合は監視対象と見なすだろう。だが、それはおそらく『大和』の望むところではないはずだ。
堺の心中を察したのか、『大和』は言葉を続けた。
「……まあ、そういうことです。どの陣営についても
「そういうことでしたか…」
これである程度の事情は分かった。だが、なぜ彼が「空母として」生を受けることになったのかは、まだ不明だ。
堺がそれを尋ねようとした時、エレインが質問した。
「先ほど『複数の陣営に分かれている』とお話がありましたが、具体的にはどんな陣営があるのですか?」
「主だったものは4つあり、それぞれ《ユニオン》《ロイヤル》《鉄血》《重桜》と呼ばれています」
(名前の響きから考えて、《ロイヤル》はおそらくイギリス、《鉄血》はドイツ……ということは《ユニオン》はアメリカ、《重桜》が我が日本か)
堺はそう考えた。
「その他にも《アイリス》《ヴィシア》《北方連合》《東煌》《サディア》などがありますが、特に大きいのは最初の4つですな」
(どこだろうな、こういった陣営は。見当がつかん……後で確かめてみるか?)
『大和』の話はまだ続いている。
「あまりにも強大な『セイレーン』に対抗するため、各陣営は連合して1つの国際組織を作ったのです。それが『アズールレーン』と呼ばれるものです。
結成後しばらくは一丸となっていたのですが、やがて『アズールレーン』内部で対立が起きました。『アズールレーン』は『セイレーンの完全駆逐』を旨としていたのだが、『鉄血』と『重桜』を中心に『セイレーンとの共存』を主張する者たちが現れた。こうした者たちは後に『アズールレーン』を離脱し、別の組織『レッドアクシズ』を立ち上げた。現在、私たちが元いた世界は、《ロイヤル》《ユニオン》を中心とする『アズールレーン』と、《鉄血》《重桜》を中心とする『レッドアクシズ』、それに『セイレーン』が分立するという状態だな」
(何という内ゲバっぷりだこれ…。こういう内部対立はどこに行っても発生するのかね?)
これが偽らざる堺の感想である。
「他の陣営も、無関係ではいられなかった。例えば《アイリス》は元々1つの陣営だったが2つに分裂してしまい、分裂した《ヴィシア聖座》は『レッドアクシズ』に、残った《自由アイリス教国》は『アズールレーン』に、それぞれ加わっている」
(なるほど、見当がついた。《自由アイリス教国》は自由フランス、《ヴィシア聖座》はきっとヴィシー政権に該当するんだな。あいにくうちにはフランスの子は1人しかいないけど…)
「また、《サディア》は『レッドアクシズ』に加わったが、《鉄血》との関係があまり良くないと聞いている」
(《サディア》か…おそらく『レッドアクシズ』は枢軸国、『アズールレーン』は連合国だ。ということは、《サディア》ってひょっとしてイタリアか? 第二次大戦中に海軍力のあった枢軸国といえば、日本、ドイツ以外ではイタリアくらいしかないし。
それに第一次大戦の時、イタリアは三国同盟だったけどドイツと対立し、後に三国協商側に入ってる。この辺は『大和』さんの話と一致するな)
そしてここで、ちょうど『大和』の説明が終わったようだ。
「自分たちKAN-SENについては、こんな感じです。堺殿のいう『カンムス』も、似たようなものでしょうか?」
今度は堺のターンである。
「私の知る艦娘も、様々な艦種が存在する、という点は同じです。ですが、艦娘の場合は《陣営》ではなく、《国家》ごとに特徴が異なる、という形になっています。
そしてここで『大和』さんに確認したいのですが、確かKAN-SENは別世界の『大戦』の記憶を持つと言われているのですよね?」
「はい、そうですが?」
「その『別の世界』ですが…実はそれ、私と艦娘たちが元いた世界のことである可能性があります」
「何?」
『大和』の眉が微かに動いた。エレインははっきりと目を見開き、驚いた様子を示している。
(反応が違うということは…『大和』さんはもしかして、何かを悟っているのか?)
堺はそう考えた。
「それは本当か?」
「はい。確認のためいくつか質問させてください。
まず、『大和』さんの話にあった《重桜》ですが…」
「《重桜》だな」
「その《重桜》のKAN-SENに、こんな名前の方はいませんか?
堺が次々と挙げた日本の艦娘の名前に、『大和』は目を細めた。
「会ったことがない方もいますが…確かに全員《重桜》陣営にいますね」
「やはりそうでしたか……」
どうやら堺の推測が当たったらしい。
「では次に、《重桜》と同じ陣営にいるという《鉄血》で確かめさせてください。《鉄血》のKAN-SENに、ビスマルク、プリンツ・オイゲン、グラーフ・ツェッペリン、シャルンホルストといった名前の方はいますか?」
「今挙げられた名前のKAN-SENは、全員私の仲間です。仰る通り、陣営は《鉄血》です。しかし、ここまでぴったり当てられるとは……」
戸惑った様子の『大和』。まあ、ここまでばっちり当てられたのでは、無理からぬことであろう。
ちなみにシャルンホルストは艦娘としては見つかっていないが、"Bismarck"が言及しているため、堺はどこかに艦娘がいると考えている。
「それから《ユニオン》のKAN-SENですが、アイオワ、サラトガ、レキシントンという名前に心当たりは?」
「会ったことはありません。ただ、サラトガとレキシントンは《ユニオン》陣営にいる、と聞いたことがあります」
これも、艦娘データブックの"Saratoga"の項に「Lexington級2番艦」と書かれているため、ネームシップ(つまり姉)たる"Lexington"がどこかにいるらしい、と堺は考えている。
「《ロイヤル》に、ウォースパイト、クイーン・エリザベスという方は?」
「両名とも《ロイヤル》陣営にいると聞いています。会ったことはありませんが」
これでほぼ確定したようなものである。ちなみにクイーン・エリザベスも、"Saratoga"と同じ理由でいるのだろう、と堺は考えている。
「しかし、ここまで一致するとは……」
「あと最後に、リットリオ、ローマ、アクィラ、ザラ、ポーラ、リベッチオといった名前に心当たりはありますか?」
「全て《サディア》陣営の方ですね。リットリオとは会ったこともあります。まさか、全員ぴったりと当たるなんて……」
止めの確認であった。
「というわけで、どうも私と艦娘たちの元いた世界の大戦の記録が、『大和』さんとKAN-SENの皆様の記憶に関わっているらしいのです。ご理解いただけましたでしょうか?」
「はい、よく分かりました。しかし、こんな出会いがあるなんて……
堺としてもびっくりである。事実は小説より奇なりというが、こんなことがあるのか。
「いえ、私のほうこそ驚きました。これも何かの縁があったということでしょう。改めて、本日はよろしくお願いします」
「ええ、こちらこそ、よろしくお願いします」
堺と『大和』は、互いに頷きあった。
ちなみにエレインは途中から話についてこられなくなり、ハーブティーを飲むマシンと化している。ただ、問題なのはエレインを挟んで堺と『大和』が上記のやり取りをしていたことだ。彼女にとっては疎外感が凄まじい。
(だ、誰か助けてくれ……話についていけない……)
そんな彼女の切なる願いが通じたのかは定かではないが。
ともかくも、ノックの音がバーに響いたのであった。
だいたいこの辺で、大型企画の正体が分かってきたと思います。
そしてまだ序の口ですよ。来訪者はまだまだおられます。
次の来訪者が来られるのは、マルフタマルマル時ですね。