鎮守府が、異世界に召喚されました。これより、部隊を展開させます。 作:Red October
私事ですがカプリコーン杯の開幕も間もなくです……ニシノフラワーもアストンマーチャンも夏休みタイキもいない当チームですが、勝てるよう頑張るぞ、えい、えい、むん!
さてさて、本年最初の更新はリーム王国の王都ヒルキガでの戦いです。
中央暦1643年6月19日 午前5時、第三文明圏リーム王国 王都ヒルキガ。
この日、ヒルキガ市民たち(一部住民は「疎開」として昨夜のうちに脱出していた)やヒルキガにいるリーム王下直轄軍の将兵の目覚まし時計となったのは、突然の爆発音と非常用の鐘の音だった。朝っぱらからロデニウス軍の空襲である。
投入されたのは、アワン王国から発進したロデニウス海軍第16航空戦隊の航空機、そして沖合にいるロデニウス艦隊から飛び立った艦載機による空襲である。飛来したのは零戦52型と爆装した零戦62型、一式陸上攻撃機、それに「
それだけではなく、「ヘルキャット」の中には弾数と機銃の門数に物を言わせてセルコ城(リーム王城)に接近し、機銃掃射やロケット弾を見舞う機体まである。民間人も多数いる施設に遠慮なく実弾をぶち込むなど、
そして空襲はこれだけでは済まなかった。空襲が終わって少し経った午前6時、再びヒルキガに警報の鐘が鳴る。その音を塗り潰すようにして、太く低いエンジン音が聞こえてきた。空を見れば、南の方から複数の機影が接近してくる。
その機影は、これまでヒルキガの民が目にしたことのないものだった。まず非常に大きい。これまでに飛来したどの飛行機械よりも大きい。翼には左右合わせて4つの高速回転する物体がある。
これまでに襲ってきた小さな機体ですらかなりの攻撃力を持つというのに、これほど大きな機体となればいったいどれだけの攻撃力を持つというのか。迫り来る未曾有の機影を目にして、ヒルキガの市民たちはパニックに陥った。とはいえできることといえば、戸や雨戸を固く閉じて家の中に潜み、だんだん拡大するエンジン音に身を震わせることくらいである。
そう、襲来したのは「B-29改 スーパーフォートレス」である。それもロデニウス大陸から直に飛来した機体であった。護衛機を一切伴っておらず、30機だけでヒルキガ上空へ乗り込んできたのである。
ヒルキガ郊外の飛行場は使えなくなっていたが、それより離れたところにある飛行場が健在であり、そこからリーム側のワイバーンがぱらぱらと上がってきていた。それらの飛竜は「B-29改」めがけて突進していったものの、途中で上昇を止め、狂ったように飛び回っている。
というのも、「B-29改」が飛んでいるのは高度6,000メートル。ワイバーンは高度4,000メートルまでしか上がれないから、届かないのである。さらにここまで高度が上がると対空バリスタも魔法も届かず、打つ手無しという状態であった。
何の迎撃も受けることなく「B-29改」はヒルキガ上空に侵入すると、目立つ建造物であるセルコ城を目標にして抱えてきた爆弾を次々と投下した。無誘導の250㎏爆弾ばかりで誘導弾は持ってきていないが、今は市街地に少しでもダメージを与えられれば良いためこれでよしとされたのである。
「B-29改」が飛び去った後、ヒルキガ市街地は大きな被害を受けていた。セルコ城周辺では複数の建物が炎に包まれ、城そのものにも複数の爆弾が命中。城壁の一部が大きく崩壊し、庭園は深く掘り返され、建物も屋根や壁に大穴を開けられている。ステンドグラスや窓ガラスが割れ、生き残った文官や侍女たちが必死で消火活動や負傷者の救助、後片付け等を行っている。
市街地では、魔導士が水魔法を使って消火活動を行なったり、市民たちが桶に水を汲んできてぶっかけたりしているが、あまり奏功しているとは言えない。
「やれやれ、ったく朝っぱらから……ふあぁ、眠い」
「せっかく頑張って作ったってのによ…爆弾でみんな吹っ飛ばされちまった」
「しょーがねえよ。ま、材料に困る訳じゃなし、バリケードくらいちょっと頑張ればすぐできるさ」
市街地東部、海に近い辺りの通りでは、爆撃で粉微塵に吹き飛ばされたバリケードを見てリーム陸軍の兵士たちが嘆息している。まあ、昨夜の苦労を一瞬で水の泡にされたのでは無理もない。
「ちょっと材料調達してくるわ」
2人の兵士が通りを走る。周辺に破壊された家などがないか、見に行こうとしたのだ。廃材は良いバリケードの材料になる。
ところが、海が見える通りに出た瞬間、その2人の足が止まった。そして。
「おい、何だあれは!」
「船だ! しかもめちゃくちゃデカいぞ!」
2人揃って叫び声を上げる。
「何だどうした?」
他の兵士たちもぞろぞろ出てきたが、その全員が海を見て目を見開く。
彼らの視線の先には、ヒルキガ港の沖合を埋め尽くさんばかりに展開する無数の船の姿が見えた。白波を
ついにロデニウス連合王国の艦隊がヒルキガの沖合に姿を現したのだ。「カーディアーカ作戦」に基づき、リーム本土攻略に当たる陸軍第3軍団と第1海兵師団が、護衛艦隊と共に向かってきたのだ。
陸軍第3軍団の主な装備は、M40GRG ガラント銃(M1ガーランド)をメインとして、九九式小銃(狙撃用)や九九式軽機関銃、八九式重擲弾筒、MP40、MG34機関銃、パンツァーファウスト、九〇式75㎜野砲、九六式150㎜榴弾砲等。他にハノマーク装甲車やIV号戦車H型、IV号突撃戦車ブルムベア改、ヴィルベルヴィントやクーゲルブリッツ等の対空戦車、パンターG型改、少数ながらVI号戦車E型 ティーガーIがある他、新開発の戦闘車輌を2輌だけだが持ってきていた。他にもう1つ新兵器があるが、これは飛行場を確保しなければ使えないため、今はまだ出番はない。海兵師団の主な装備は、アサルトライフルStG44-RにIII号戦車のM型やN型、LVT-4水陸両用装甲車。
オーバーキルにもほどがある装備である。これだけかき集めれば、リーム王国軍などあっさり消し飛ばせると思われる、とてつもない軍備であった。だが彼らに油断はない。強襲上陸に市街戦とあって被害が出やすいし、敵も死に物狂いで抵抗してくるだろうことが容易に想像できていたからだ。
それらの上陸部隊を護衛するのは、ロデニウス連合王国海軍第3艦隊と第13艦隊。第3艦隊はアイカ型(ロデニウス製
第13艦隊からの参加艦娘が少ないように感じるかもしれないが、これが現状第13艦隊が出し得る最大の戦力である。これでも、他の艦隊や本土防空隊との連携によって本土の防衛体制がぎりぎり成立するくらい…つまり限界まで戦力を捻出しているのだ。
始まりを告げる号砲は、ロデニウス艦隊の艦砲射撃であった。
「てぇーっ!」
第3艦隊司令官コンテ・パンカーレ中将の号令一下、20.3㎝砲弾や14㎝砲弾、12.7㎝級の砲弾が次々と海岸一帯に降りそそぐ。リーム王下直轄軍が急ごしらえで作った木製の防壁や障害物が砲弾の炸裂と共に消失し、木屑が辺りに撒き散らされる。海に近いところにある一般人の家屋にも砲弾が落下し、住宅街が瞬く間に炎に覆われていく。そこに容赦というものは全く存在していなかった。
それに混じって、一際大きな砲声が轟き渡る。
「主砲、4基8門、一斉射!」
ドドドオォォン!!
“伊勢”である。第13艦隊メンバーで唯一対地砲撃に参加していた。ヒルキガ沖にいる全てのロデニウス艦の中で最も高い火力を持っているのは彼女であるため、それを買われてのことである。
35.6㎝砲弾が向かう先は、リーム王下直轄海軍の軍港だ。軍港内に閉じ込められている戦列艦や竜母、そして港湾設備が攻撃目標である。
あっという間に、軍港内は炎の海と化した。発射された35.6㎝砲弾は、港の上空で炸裂して金色の流星雨を降らせる。その1つ1つが
艦隊をあっさり無力化した35.6㎝砲は、続いて港湾施設にその猛威を振るった。石などで頑丈に作られていた海軍司令部はたった1発の砲弾で叩き潰され、フレーゲル海将以下司令部の要員たちはその場でほとんどが即死。ドックも魔信施設も崩れていき、石灰岩で作られていた桟橋は陶器のように粉々に粉砕されていった。
前日からの空襲を生き延びていた沿岸砲台が、ロデニウス艦隊を追い返さんと砲弾を放つが、砲弾が届かない。虚しく海水を噴き上げるだけである。むしろ砲撃によって自身の位置を暴露してしまい、直後に数倍もの砲弾を浴びせられて永遠に沈黙させられてしまう。
この時になってやっとリーム側の竜騎士団80騎が到着したのだが、それを上空で待ち構えていたのが”鳳翔”の零戦隊である。
「行くぞお前ら! 教導飛行隊、久しぶりの実戦だ!」
「
実は一航戦の飛行隊は、確かに実戦経験は豊富だが、総合的な練度は一位ではない。最も高い練度を有するのは、”鳳翔”の教導飛行隊なのである。使用機材は零戦でありながら、卓越した技量によって「相手がP-51だろうと勝てる」と豪語する(そして模擬空戦で「
ヒルキガ上空で激突する、80騎の竜と8機の戦闘機。その空戦の結果はというとお察しの通り、
「オラオラオラオラオラオラ!!」
「無駄無駄無駄無駄無駄ァ!」
「墜ちろカトンボ!」
「獲物じゃヒャッハー!」
「俺が前に出る、後ろのヤツを頼む!」
「ウィーブ了解!」
「早い者勝ちだ、墜とせ墜とせ!」
「1騎撃墜! これで7騎め、入れ食いだな!」
「う、後ろにつかれた! は、速い! 振り切れない! がぁっ!」
「リーパー!? くそっ、リーパーがやられた!」
「ああ! ジャンの奴もやられた!」
「落ち着け! ルイス、指揮を引き継げ!」
「こちら第4竜騎隊! 隊長も死んだ、生きてんのは俺だけだ!」
「どうなってる!? 何でたかが8機を落とせないんだ!」
戦闘機…零戦隊の圧倒的優勢である。ヘッドオンで真正面から突っ込んだ後、相手の火炎弾を躱しながらすれ違いざまに短連射で2騎、3騎と撃墜。その後はサッチ・ウィーブ、木の葉落とし、ハイスピード・ヨーヨー、スプリットSなど、あらゆる空戦機動を試しながら次々とワイバーンを撃墜していく。もはや零戦のワンマンショーだ。
そして、20分ほどで空戦は終了。零戦隊は1機の被撃墜どころか被弾すらもなく、ワイバーンとワイバーンロードの混成編隊80騎を全騎撃墜した。完全勝利である。
「ふいー、食った食った」
「周囲に敵影無し。なれど流石に弾と燃料がない、これより順次着艦する」
制空権を確保した零戦隊の真下では、艦砲射撃が続いている。そして各輸送船では舷側にネットが垂らされ、海兵隊員や陸軍の兵士たちがボートや「大発動艇」に乗り込んでいた。
1時間に渡って艦砲射撃を行った後、ついに上陸作戦が開始され、第4海兵師団が先陣を切った。兵士を満載した「大発動艇」や「LVT-4 ウォーターバッファロー」、「特二式内火艇」、III号戦車を乗せた「特大発動艇」が波を掻き分け、岸へと接近する。徹底的な事前空爆と艦砲射撃のおかげか、上陸部隊に向けて砲弾が飛んでくることはなかった。
海岸にのし上げた「大発動艇」は船首をパタリと倒し、搭乗していた海兵隊員たちを吐き出す。「ウォーターバッファロー」や「特二式内火艇」はそのまま装甲車になり、機銃や砲を振り回して警戒に当たる。その中で「特大発動艇」から降りてきたIII号戦車が展開し、即席の防御トーチカを形成する。兵士たちは今まで乗ってきた装甲車や戦車、あるいは周囲の砲弾孔を防御陣地に転用し、低く身体を伏せて防御姿勢を取る。敵に銃があることを知っているため、射線を切ろうとしているのだ。
このタイミングでリーム王下直轄軍は迎撃戦力を差し向けてきた。即応兵力として騎兵2,000騎を送り込み、ロデニウス軍を海に追い落とそうとした。
しかし、その騎兵隊を待ち受けていたのが装甲車輌である。騎兵隊はIII号戦車の車載MG34機関銃と「ウォーターバッファロー」の12.7㎜機関銃、それに「特二式内火艇」の37㎜砲でバタバタ倒され、何もできないまま全滅してしまった。その後も数度に渡って騎兵隊が攻撃を仕掛けたが、全て失敗に終わり、逆に多くの騎兵が機関銃の矢襖に斃れている。
海岸の橋頭堡で戦闘が起きている頃、ヒルキガ上空に複数の双発機が姿を現した。ロデニウス軍の機体だが、「一式陸上攻撃機」ではない。「一式陸上輸送機改」である。爆弾ではなく人を乗せた機体ばかりだった。何をしに来たかは、言うまでもない。
「よーい! 降下!」
飛行中だというのに何故か開け放たれた機体側面の搭乗ドア、そこから人間が1人飛び出した。飛び降り自殺ではない。その証拠に、その人間が背中に背負った鞄から白い布が飛び出し、風船のように広がっている。その布にぶら下がり、人間はゆっくりと地上へ降りていく。
そう、空挺降下である。ロデニウス軍が投入した「第13空挺団」だ。怪物的な練度を持った兵士ばかりが所属している。その目的は、ヒルキガ西部の街道を封鎖してリーム軍や王族の脱出を阻止することである。
しかも今回は、空挺部隊には本来ならいないはずの人間が同行していた。
「準備はよろしいですか?」
「いつでも!」
「よし、前の人に続いてもらいます。背中は押した方が良いですか?」
「大丈夫ですよぉ! ネタを追いかけるために、度胸は鍛えてますから!」
1機の輸送機の中に、空挺兵に混じって女性が1人、降下の順を待っている。空挺部隊員と同じ服を着ているが、そのスタイルの良さは隠しきれていない。そして鞄にはなんとタブレット端末とボイスレコーダーとペンとメモ帳を放り込み、銃の代わりに一眼レフのカメラを大事に抱えていた。
降下の順番がくる。搭乗口から身を乗り出した彼女の頭髪が風になびく。グレーが混じった桃色とでもいうべき、独特の髪色だ。
「降下!」
「よし、
度胸一発、女性…”青葉”は輸送機から身を投げた。空挺兵に混じって地上へと降りていく。
彼女が地上に降り立つや、先に降下していた隊員たちがわらわらと集まってきた。その理由は、彼女の落下傘を外すため。そして、もっと大事なものを受け取るため。
「青葉さん、ここにお願いします!」
「オッケー! はい野砲と、それから弾! ついでに1枚、ハイチーズ!」
そう、彼女の艤装の積載量を生かして、本来なら空挺団の装備としては持ち込めるはずのない野戦砲を持ってきたのである。これも艦娘ゆえの便利さだ。このため、艦娘が1人でも同行している空挺部隊は、見た目をはるかに超える火力を有しているのである…。
「いい天気で、よく見えますねぇ。さあ、青葉張り切って取材しちゃうぞ!」
ついでに”青葉”自身も、完全に取材する気満々であった。
海岸に橋頭堡を確保したロデニウス連合王国軍は、海兵隊が急ぎ鉄条網などの障害物を設置して橋頭堡を固め、その一方でいよいよ陸軍の揚陸を開始した。海岸にのし上げた戦車揚陸艦から次々と戦車が降り立ち、九六式150㎜榴弾砲が据えられる。ヒルキガ攻略の準備は、着々と進められた。
上陸した陸軍第3軍団は、司令官クワルク・サムダ中将の統率の下で部隊ごとに固まり、進撃準備をする。朝っぱらから上陸したロデニウス連合王国軍であったが、陸軍の部隊編成があらかた完了した時にはもうお昼になりつつあった。
全周警戒しながら野戦糧食で昼食を取った後、陸軍第3軍団はついに前進を開始。ここにヒルキガ攻防戦が始まった。
最初に戦闘が発生したのは、ヒルキガ南部の都市外縁部である。ここには王都諸侯団のうち騎兵・歩兵・砲兵合わせて2万名が駐屯し、守りを固めていた。だが、ロデニウス陸軍第3軍団はリーム王国軍の野戦用魔導砲(射程1㎞)のはるか射程外から野戦砲をバンバン撃ちまくり、さらに竜母から飛び立ったワイバーンロードによる航空攻撃を実行。ある程度敵の数を減らしたところで一気に肉薄し、魔導マスケット銃の射程の倍以上も離れたところから機関銃や小銃を雨あられと撃ち込み、瞬く間に2万の守備兵力を粉砕した。
ここでロデニウス陸軍は兵力を二分した。片方は市街地郊外の田園地帯を突っ切り、市街地を迂回して空挺部隊との合流を図る。そしてもう片方はそのままヒルキガ市街地へと突入してきたのである。
ヒルキガの街路には家具や戸板などを使ったバリケードが築かれており、またそこかしこに建物を利用した防御陣地が築かれていた。そこには当然、何人ものリーム王国兵が立て籠もっており、接近するロデニウス連合王国軍に対して攻撃を行ってくる。また、便衣兵の中にはヒルキガの地理に詳しいのを利用して、裏路地などから奇襲を仕掛ける者もいた。
これに対して、ロデニウス連合王国軍が取ったのは「
「第13軍団の連中から習ったことを思い出せ! 市街戦は『焦らず、じっくりと』が基本だ!
まずは拠点となる永久建造物を確保し、そこから攻勢線を出して制圧部を広げるぞ!」
陸軍第3軍団の司令官サムダ中将が、無線に向かってそう叫んでいる。
永久建造物とは、石やコンクリートなどの取り除くことが難しい素材でできた建物のことだ。そういった建物には防御陣地が築かれることが多く、兵の行動はこの建物の周囲で簡素化されるのである。
それらの建造物を「点」として確保したら、そこから「線」へ、そして「面」へと制圧領域を拡大していくのが、「点-線-面戦略」と呼ばれる戦法である。また、その「線」を確保する際に、戦車や装甲車で突進してはUターンして素早く戻る動きが繰り返される。この動きが、槍を突いては抜き突いては抜きを繰り返す動きに似ているため「槍機戦術」と呼ばれるのである。
「敵陣を攻略する時も焦るな! 建物は一部屋ずつ確実にクリアリングしろ! 部屋への突入時は、手榴弾を投げ込むのを忘れるな!」
サムダは、嚮導部隊たる第13軍団から学んだことを忠実に守っていたのであった。
戦闘が始まって30分も経つ頃には、ヒルキガの最南端部はほぼ陥落寸前となっていた。
ロデニウス軍の戦車は、リーム王国軍の砲弾や銃弾を跳ね返しながらバリケードを踏み潰し、陣地になっている建物に遠慮無しの砲撃を放つ。その間に装甲車がアクセルを全開にして建物に突っ込み、壁に穴を開ける。そこから歩兵が突入し、リーム王国軍と激しい銃火を交わしていた。
リーム王国軍は地の利を生かしてどうにか持ち堪えようとしたのだが、もともと火力はロデニウス軍のほうが圧倒的に優勢である。必死の戦いも虚しく、リーム王国軍は火力の差で押し負け、ヒルキガ最南端の通りを失おうとしていた。そして戦闘開始から1時間後、ロデニウス軍は最南端の通りをほぼ占領し、ここを攻勢発起点としてヒルキガ市内の中心部に攻め込む動きを見せた。
「卑怯卑劣なりロデニウス人! 同じ武器で勝負しようとは思わないのか!」
「戦争に卑怯もクソもあるか!
ハイエナどもに貶される筋合いはない! くたばれ!」
戦場にお約束の「汚い言葉による罵り合い」もまた、激しさを増している。
そんな中、ロデニウス連合王国軍の新兵器が戦場後方に到着していた。それは、全体に角張った形状をしており、足回りは複列転輪に支えられた幅広の無限軌道になっている。車体前面の装甲はきつい角度で傾斜していた。が、この兵器の最大の特徴はそんなところにあるのではない。最大の特徴は、その前面装甲から突き出た主砲だ。
主砲の砲身は短いのだが、あまりにも太い。まるで戦艦の主砲の砲身を短く切って移植したかのようであり、あまりにもアンバランスな感じがする。そしてその太さは、発射される砲弾の威力の大きさを何よりも雄弁に物語っていた。
ヒルキガ市街地の外側1㎞の地点に布陣した新兵器の数は、2輌。その2輌に、早速前線から支援砲撃の要請が飛び込んだ。
『こちら第314歩兵連隊、砲撃支援を要請する!』
「第1重自走臼砲分隊、了解した。砲兵隊に標的を指示せよ!」
『了解した。グリッドH12地点に砲撃を頼む!』
「グリッドH12、了解。照準を合わせる、しばし待たれよ!」
砲手が急いで手元の地図を照合し、照準の調整を開始する。ややあって照準が完了した。砲撃の準備が、整ったのだ。
「さあ、思い知れリーム王国! これが、我が国最強の陸上砲撃だ!」
車長が叫び、
「発射!」
砲手がトリガーを引いた。
その瞬間、車体を凄まじい衝撃が襲う。圧倒的な爆音が周囲の一切の音を圧し、大口径の砲弾が奇妙な推進音を響かせて飛んで行った。
「ふう! いつ撃っても、この感覚には慣れんなぁ」
次の砲弾の装填を手伝いながら、車長が呟く。
「そりゃそうでしょう。戦艦レベルの大砲を車輌に乗せるなんてキチガイじみた発想、そうそうやりませんって」
専門の装填手が大汗を掻きながらそう言った。
第1重自走臼砲分隊の装備は、「43式VI号自走臼砲 シュトゥルムティーガー改」。ティーガーI重戦車の車体を弄って88㎜回転砲塔を撤去し、車体前面の装甲を斜めに倒して厚さを150㎜にした上に、主砲として破壊力抜群の380㎜ロケット臼砲を搭載した、文字通りの「火力オバケ」である。
しかもこの車輌は、史実のシュトゥルムティーガーにはない装備として「測距儀」を搭載している。歩兵携行型の砲隊鏡をたたき台にして作られた簡易な代物で、車体天井部のハッチを開き身を乗り出して使う代物だが、その威力は非常に大きかった。臼砲とはいえ仮にも口径380㎜の大口径砲、それを正確に目標に叩き込めるとなれば、言うことはない。
発射された380㎜ロケット砲弾は、独特の推進音を立てながら空中を飛翔。そして、砲撃要請があった座標に正確に着弾した。
狙われたのは石造りの一軒家で、ここにはリーム王下直轄軍の一部隊が陣地を築いていた。そこに落下した380㎜砲弾は、その一部隊を建物ごとたった1発で消し飛ばした。さすがの威力というべきである。
「シュトゥルムティーガー改」に負けじと、ヒルキガ郊外に展開したロデニウス軍の野砲が火を噴く。重々しい砲声と共に九六式150㎜榴弾砲の砲弾が飛び出していった後、次弾装填にかかる隙間を埋めるように九〇式75㎜野砲の砲声が響く。さらに、火力支援に当たる「ブルムベア改」も容赦ない砲撃を見舞っていた。
ヒルキガの建物は石造りの物が多く、そのため火にこそ強かったが、砲撃にはどうしようもなかった。次々と撃ち込まれる大小の砲弾の前に、壁に大穴を開けられ、屋根が落とされ、打ち砕かれてゆく。それと一緒に、抵抗しようとするリーム王下直轄陸軍の将兵の命も消えていく。
一方その頃、空挺部隊と合流すべくかっ飛ばしていたロデニウス軍機甲部隊は、飛行場らしき広がった場所にぶつかっていた。そこから何発もの砲弾や銃弾が飛んでくる。が、しかし。
ギィンッ! バチン!
ロデニウス軍の先頭にいる角ばった形状の戦車が、その全てを受け、弾き返している。
「さすが100㎜装甲…」
「やっぱすげぇな、まさに無敵じゃねえか…」
後続のロデニウス軍戦車の中では、兵たちがそんなことを言い合っている。既に部隊は飛行場に踏み込み、滑走路らしき場所へと差し掛かっていた。
さて一方、こちらは飛行場の守りに就いていたグラ・バルカス帝国陸軍の兵士たちである。建設中の飛行場を守るため、工員ですら扱い慣れない銃を持たされて防衛戦に動員されていた。
この基地はまだ建設が始まって間もないため、装備は充実しているとは言えない。歩兵たちが使うボルトアクション式小銃は充足しているが、それ以外には軽機関銃や小型迫撃砲が少数、それに九七式自動砲に似た対戦車ライフル2丁と37㎜速射砲2門しかない。グラ・バルカス帝国本土から見れば遠い僻地であったが、地竜リントヴルムの防御力が不明であったため、速射砲と対戦車ライフルは優先して回してもらえた。
それらの装備を用いて対戦車戦闘を戦っている訳である…が。
「くそっ! 37㎜速射砲が通じないだと!?
何故だ! この距離なら25㎜の装甲でも貫通できるはずだ!」
「対戦車ライフルも効いてないぞ!」
「か、数が多い! こんなの防ぎ切れるのか!?」
撃っても撃っても、まるで効いている様子がない。命中はするのだが、衝突音と共に火花が散るだけで、貫通しているとはとても見えない。
実は相手が悪すぎるのだ。彼らが相手にしているのは「ティーガーI」なのである。垂直装甲とはいえ車体前面100㎜、砲塔前面120㎜の重装甲の前には、37㎜速射砲ですら通用しない。それより小口径の対戦車ライフルも、効く訳がないのである。
「ティーガーI」に全く通用しないのを見て、目標を切り替えようとするグラ・バルカス帝国軍の兵士たち。だがその前に、「ティーガーI」が反撃の咆哮を上げる。順次その場に停止し、必殺の88㎜砲を撃ち始めたのだ。
ドガァーン!!
「「「「ぎゃああああーー!!!」」」」
88㎜榴弾の炸裂で数人のグラ・バルカス帝国兵が宙を舞い、37㎜速射砲が粉砕される。続けて対戦車ライフルの操作要員や機関銃が吹っ飛ばされ、最後まで残っていた37㎜速射砲も操作員の全滅によって沈黙する。あっという間にグラ・バルカス帝国軍の抵抗は排除されてしまった。
誰も動く者がいなくなった防衛線に、「ティーガーI」を先頭にしたロデニウス軍が殺到する。無人のまま佇んでいた37㎜速射砲を、「ティーガーI」の幅広の履帯が踏み潰し、基地内部へと進んでいく。あちこちにテント式の兵舎があり、そこからなおも少なくない数の歩兵が出てきて抵抗してくるが、全て戦車の主砲と車載機銃によって叩き潰し、装甲車から降りた歩兵で制圧して止めを刺す。
必死の抵抗も虚しく、建設中のグラ・バルカス帝国軍基地はロデニウス軍によって20分ほどで制圧されるのだった。
戦闘開始から数時間が経過し、西の空を紅に染めて夕日が沈む頃には、ロデニウス軍の戦車部隊は空挺部隊との合流を果たし、早くもヒルキガは市街地全体の約1割が陥落していた。リーム陸軍や軍に協力する民間人たちは地の利を生かして必死に抵抗し、ロデニウス軍の兵士に百数十人規模の死傷者を出させたのだが、力の差は歴然としていた。
さすがに夜になると、ロデニウス軍は一旦攻勢を中止し、確保した陣地を使って夜を明かす方針に切り替えた。つまり休息を取ったのである。このタイミングでリーム陸軍は夜襲をかけたのだが、これも機関銃と戦車の前に頓挫し、逆に多数の騎兵を失う結果となった。
夜襲において戦果を挙げていたのは、正規軍よりもむしろ動員された市民である。武器も貧弱なものしかないのだが、土地勘があるおかげで裏路地を巧みに駆使し、奇襲によってロデニウス軍に人的被害を与えていた。とはいえ、それが通用するのは歩兵、その中でも小銃で武装した部隊のみであり、機甲戦力がいる場合や歩兵でも短機関銃を持っていた場合は蜂の巣になるのがお約束であったが。
夜が明けて戦闘2日目、ヒルキガの人々にとっての目覚まし時計は砲弾の爆発音である。
夜明けと同時に各方面に対してロデニウス軍の砲兵隊や自走砲、さらに艦隊が一斉砲撃。30分にわたって事前砲撃を行った後、いよいよ歩兵部隊と戦車部隊が前進を開始した。彼らのやることは昨日と同じ、しらみ潰しに建物をクリアリングすることである。
タタターン! ダダダダダダ!
ドンッ! ヒュルルルルル……ズドォンッ!
リーム側のバリケードを発見するや、歩兵隊は小銃や短機関銃をぶっ放し、その後方で迫撃砲が間接射撃を行う。空から降ってきた81㎜砲弾は見事にバリケードの裏側に着弾し、そこにいた複数のリーム兵をボロ雑巾のような姿にして吹っ飛ばした。
パパパーンッ!
「ぐあっ!」
「1人やられた! 衛生兵、来てくれ!」
「リロード!」
「了解、援護する!」
「パンツァーファウストを喰らえ!」
バシュンッ! ドオォン!
「行け行け! 突入!」
建物に立て篭もるリーム兵の銃撃を受け、1人のロデニウス軍兵士がくず折れる。仕返しとばかりに数倍もの銃弾が撃ち込まれ、挙句にパンツァーファウストで建物の外壁がぶち破られる。そこにロデニウス兵が短機関銃や小銃を構えて突入していった。
「ひゃっはー! 敵は焼却だー!」
ゴオオオオオオオオ!!
「「「ぎゃあああー!!!」」」
そして、建物を巡る閉所戦において活躍していたのが火炎放射器である。酸素を奪って高熱を浴びせ、また炎という分かりやすい脅威を示すことで敵を炙り出すなど、強烈な威力を見せつけていた。
「立て篭もりとかめんどくせぇ! こいつで吹っ飛ばしてやらぁ!」
ズドンッ! …ドガァーンッ!
中には面倒がって「ブルムベア改」に援護を要請し、150㎜砲で敵を建物ごと木っ端微塵に吹き飛ばす場面まである。
ギュオオオオーン!
ボウッ! ……ドォン!
「ナイス支援だ! 突っ込め!」
ヒルキガの空を舞うワイバーンロードは、全てロデニウス軍の竜騎士だ。竜母「アマオトメ」から発進してきたワイバーン隊がリーム軍が篭るバリケードや建物に導力火炎弾を撃ち込み、陸軍部隊の進撃を援護する。
「邪魔だ、退けぇっ……!」
ロデニウス軍の戦車は、魔導砲の砲撃やマスケット銃の射撃、魔法による攻撃を物ともせずに突進し、バリケードごと敵の抵抗を踏み潰す。
とはいえ、ロデニウス軍ばかり優勢な訳ではない。ロデニウス軍のIV号戦車の中には、建物の窓から落とされた火炎瓶(素焼きの壺などに油を入れ、火を付けた棒などを突き刺して素早く落とすもの)が運悪くエンジン部分に当たって動けなくなってしまう物がいたし、巧妙な伏撃によって負傷者が続出している。死者は少ないものの、負傷者の後送に人員を割かれるためかえって厄介であった。
しかし、戦況は全体にロデニウス側が優勢である。ヒルキガ市街地の約3割が陥落し、このままではセルコ城への直接攻撃も間もなく始まるだろうというところまで来ていた。
ヒルキガ攻防戦3日目、ついにセルコ城が戦場となった。
固く閉ざされていた城門は、「シュトゥルムティーガー改」の主砲の一撃で崩壊し、ロデニウス軍の歩兵たちは一斉に城へ突入。玄関ホールで、廊下で、あちこちで激しい戦闘が始まった。
セルコ城は歴代のリーム国王が統治に使用していた拠点であり、歴史ある建物の中は豪奢な内装によって煌びやかに装飾されている。普段であれば宮廷音楽隊が美しい音色を奏で、芳しい香が焚かれている。
しかし今や大きく様変わりしている。建物には砲弾や銃弾が次々と撃ち込まれて砕かれ、雅な音楽ではなく銃声と悲鳴と怒号と爆発音その他の戦闘騒音が響き、香の代わりに硝煙の香りと生臭い鉄の匂いが充満している。廊下や各部屋の床に敷かれた絨毯は軍靴の足跡や空薬莢、割れた窓ガラス、死体と血糊でべったりと汚れていた。
セルコ城に詰めていた衛士たちは、魔導マスケット銃や剣などで必死に戦ったが、マスケット銃より遥かに高威力で連射できる短機関銃にかかってはひとたまりもなかった。着込んでいる鎧も意味を成さず、9㎜パラベラム弾の嵐を前にバタバタと斃されてゆく。
「クリア!」
「こっちも全滅した!」
「よし前進だ! とっとと国王を見つけ出せ!」
ロデニウス軍の兵士たちが探しているのは、リーム王国の当代国王バンクスただ1人。彼を捕らえ、リーム全土に対して降伏宣言と停戦命令を出させることで戦争を早期に終結させようとしているのだ。
バンクスを探して、ロデニウス軍歩兵たちはセルコ城を駆ける。
そして、戦闘開始から5日目、中央暦1643年6月24日。
ついにヒルキガのほぼ全域がロデニウス軍の占領下に入った。空挺部隊と戦車部隊によって退路を完全に絶ったことと、王城ではなく街の一角にあった冒険者ギルドのヒルキガ支部で指揮を執っていた、キルタナという諸侯を捕らえたことで、一気に占領区域を広げることに成功した結果、当初の想定より早くヒルキガ占領作戦が終わったのだ。
まだ市街地の一部では降伏に反対する軍の兵士や動員市民が抵抗しているが、彼らはあちこちに分散した状態であり、主要な道路を押さえられた今、相互の協力も不可能だ。後は各個に撃破していくだけであり、完全に市街戦の最終段階である掃討戦に入っている。
しかし残念なことに、セルコ城を隅々まで探し回ったにも関わらず、バンクスの身柄を確保することはできなかった。キルタナの他、捕虜となったリーム側の衛士を尋問してみると、上陸作戦が始まる前、6月18日の夜にバンクスは何人かの重鎮と共にセルコ城を脱出し、どこかへ逃げてしまったという。
そこへ、リーム王下直轄軍の魔信を盗聴していた魔信工兵から報告が入った。魔信を通じてバンクスがリーム全土に徹底抗戦を呼びかけているという。それを元に再びキルタナを尋問した結果、バンクスはリーム西部の高原都市アリーナに逃げ込んだ可能性が高い、とのことだった。
これを受けて「カーディアーカ作戦」は延長が決定し、ロデニウス陸軍第3軍団は直ちに西進の準備に取りかかった。
占領されたヒルキガの飛行場は、工兵隊によって迅速に爆撃孔を埋め戻され、その上から有孔鉄板を敷いて応急修理が行われた。リーム王国の内陸部を攻める際に、航空支援機を飛ばすためである。
飛行場には、順次本土から航空機が集まってきていた。舗装されていない滑走路でも運用可能な、海軍の基地航空隊である。ヒルキガには、アワン王国から移動してきた海軍第16航空艦隊の一部隊、第16.2航空戦隊が展開しつつあったのだ。
戦闘機が上空を警戒し、「一式陸上攻撃機」が羽を休めんと降り立つ一方で、駐機場には既に多数の単発機が整列し、整備兵による点検を受けていた。上向きに折れ曲がった独特の主翼、突き出た固定脚、液冷エンジンらしく槍のように尖った機首。「Ju87C改」である。その固定脚の根本には、小さなプロペラのようなものが付いていた。
そんな中、飛行場の一角に奇妙な機体がその姿を見せていた。翼端を下向きに折り曲げたテーパー翼を持ち、垂直尾翼はH字型になっており、プロペラエンジンが見当たらない。エンジンはジェットエンジンらしいが、主翼の後方、機体上部にあるという特異な配置をしている。そして機首には、やたらと太い機関砲の砲口が覗いている。
それは、ムー大陸に出立する前に”
元々「A-10 サンダーボルトII」自体が、完全な制空権下でしか行動できない機体である。しかし、ロデニウス連合王国においては「リーム王国相手なら、完全に制空権を奪取できる」と判断され、フィルアデス大陸戦線こそ本機の実戦テストに相応しい場所だと考えられて、試作された2機とも実戦投入に至ったのである。
両翼に新開発のナパーム弾やクラスター弾をしこたま抱え込み、「GAU-8 アヴェンジャー30㎜七連装ガトリング砲」の銃身を鈍く光らせて、出撃の時を今や遅しと待ち構えている2機の対地攻撃の神。しかも、遠いご先祖様といえる「Ju87」すら居合わせている。
この2種類の攻撃機がリーム王国の空を舞い、その恐るべき力を発揮するのは、そう遠いことではないだろう…
《リーム王都ヒルキガ占領 我が空挺部隊奮戦せり》
去る中央暦1643年6月24日、我がロデニウス連合王国と戦争状態にあったリーム王国は、我が軍の総攻撃によって王都ヒルキガを占領された。これにより、我が軍はリーム王国の内陸部への進攻にも利用可能な橋頭堡を確保するに至った。
リーム王国の国王バンクスは、わずかな重鎮を伴って王国西方へ落ち延びたという情報がある。我が軍は何としてもバンクスを捕らえ、この戦争を終わらせるつもりである。(関連記事3面)
(分析: ソロモン)
以上、6月25日発行の新聞「青葉新報」号外の一面記事より抜粋。
というわけでヒルキガ占領完了です。
ただバンクスには逃げられてしまいました。何としても追いかけて捕らえ、この戦争を終わらせる…ということで、ロデニウス軍は進撃準備を急いでいます。
次回予告。
延長された「カーディアーカ作戦」を開始し、西進を開始するロデニウス陸軍第3軍団。その上空には比類なき力を持つ近接航空支援機が展開し、進撃を援護する。目的はただ1つ、バンクスの捕縛による戦争終結のみ!
次回「落日悲歌ーー鎮魂歌は誰がために」
今年も拙作「鎮守府が、異世界に召喚されました。これより、部隊を展開させます。」とそのスピンオフを、よろしくお願い申し上げます!