鎮守府が、異世界に召喚されました。これより、部隊を展開させます。   作:Red October

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舞台はロデニウス大陸からムー大陸+αへ。いよいよ、対グ帝総反攻の始まりですよ!

それと先に警告しておきます。
今回は比較的ネタ多めです。



187. 逆襲! 第二文明圏連合軍、西へ!

 中央暦1643年7月30日、ロデニウス連合王国 首都クワ・ロデニウス郊外。

 かつてクワ・トイネ公国の公都クワ・トイネだったこの街は、今や第三文明圏外国家だった頃の面影など微塵も感じられぬほど、急速な発展を遂げていた。アスファルトによって舗装された道路の上を多数の自動車やトラック(いずれもタウイタウイ泊地の陸戦隊の所持品を量産したものであるため、「くろがね四起」のような軍用の武骨な車輌ばかりである)が走り、街灯が立ち並ぶ様子は、神聖ミリシアル帝国の帝都ルーンポリスとも比較し得るほどだ。

 そんなクワ・ロデニウスだが、当然ながらかつての公都だった頃からあまり変わらない建物もある。その1つが王宮だ。多少の増改築はあったし、今も一部の建物が建造中であるが、公国時代の面影はまだ大半が残っている。

 そんな王宮の一角にある会議場「(はす)の庭園」。これは、多数の蓮が浮かぶ池の中央にある小島に建設された、テーブルと椅子のある会議場である。クワ・トイネ公国時代からずっと使われ続けてきた、歴史ある部屋だ。

 そんな部屋には今、大勢の人間が集まっている。ロデニウス連合王国国王カナタ1世(元クワ・トイネ公国首相カナタ)をはじめ、王国の政治や軍の上層部メンバーが勢揃いしていた。

 

・連合王国軍総司令官チェスター・ヤヴィン元帥

・陸軍大臣コルビー・ハンキ大将

・海軍大臣ゴーダ・ノウカ大将

・空軍大臣ウルダ・アルデバラン大将

・外務大臣ゴンゾーラ・リンスイ

・財務大臣ミモレド・シラージ(旧クイラ国王)

・海軍第13艦隊情報局長"(あお)()"

・その他各州の知事等

 

 結構な面子が揃っている。

 

「皆様、お忙しい中お集まりいただき、感謝します。さっそく議題に入ります」

 

 時計の針が開会時刻を指すのと同時に、カナタ1世が厳かな口調で開会を宣言した。

 

「本日の主な議題は、フィルアデス大陸方面並びにムー大陸方面における情勢の検討と、今後の方針の策定です」

 

 現在ロデニウス連合王国は、グラ・バルカス帝国と戦争中である。既にムー大陸における総反攻作戦「バグラチオ作戦」への参加は確定しているが、その後が明確には決まっていない。そこで、ムー大陸における自国や他国の軍の状況を共有すると共に、ムー大陸での総反攻が終わった後にどうするべきかを決めようというのだ。

 

「陛下、まずは軍からです。はじめに陸軍について報告します」

 

 ヤヴィンが着席し、代わってハンキが起立する。

 

「我が陸軍は、まず国内においてはグラ・バルカス帝国軍の本土上陸に備えていた部隊を全て撤収しました。第2・第4軍団は、現在は通常配置に戻っております。ただ、本土に展開していた防空隊や爆撃隊は、まだ定数までの補充ができておりません。現状では受けた損害のうち、数的に3割程度が回復した、と分析しています。練度はまだ回復しておりませんので、引き続き訓練による戦力化を急ぎます。

次にフィルアデス大陸方面について、第3軍団のリーム派遣部隊は順次撤退作業に入りました。現地の治安なども考慮しつつ、9月までには全部隊を撤収させる予定です。

次にムー大陸方面ですが、第1・第13軍団はムー大陸における対グラ・バルカス帝国総反攻作戦『バグラチオ作戦』に備え、第二文明圏諸国の軍との合同訓練や物資の集積に力を注いでおります。既にヒノマワリ王国東部のグラ・バルカス帝国軍基地バルクルスを占領しているため、陸軍第1軍団はそこを拠点として攻勢を開始する予定です。また、第13軍団については、マギカライヒ共同体、ニグラート連合、ソナル王国、そして神聖ミリシアル帝国の各国軍との合同作戦で、旧レイフォル領南部からレイフォリアを目指す予定です。現在同軍団はソナル王国軍やニグラート連合陸軍との合同演習に明け暮れており、軍団指揮官のあきつ丸殿からはある程度の共同作戦は可能になっただろう、と評価されております。

最後にムー大陸に展開する陸軍航空部隊についてですが、第11・第12戦略航空爆撃団は物資の集積を8割方終え、現在はグラ・バルカス帝国領レイフォル州東部やヒノマワリ州への空爆に心血を注いでいるとのことです。かの『B-29改 スーパーフォートレス』が、今回も活躍しております。

陸軍からの報告は以上になります。なお、『バグラチオ作戦』の発動は8月末を予定しており、ミリシアル他各国の軍は集結を急いでいるとのことです」

 

 続いてはノウカ海軍大臣の番である。

 

「海軍からの報告です。リーム方面での作戦を行っていた第3艦隊は、陸軍の撤収が完了するまでは交代で艦艇をフィルアデス大陸東部沿岸に張り付けることにしております。対リーム戦に参加した艦艇は、順次交代して本土に帰還させています。ただ、アマオウ型竜母の『アマオトメ』については予備艦がいないため、引き続きリーム沿岸部に留める予定です。

次に第2艦隊についてですが、ロデニウス大陸西方沖大海戦での被害が大きく、完全な立て直しはできておりません。戦力の穴埋めとしては、ウインク型砲艦、もといウインク型護衛駆逐艦2隻を新たに就役させましたが、艦隊型駆逐艦や巡洋艦クラスの艦艇は全く補充できておりません。当面は第4艦隊の戦力再建を急ぎますので、第2艦隊に主要艦艇を回せるのは最低でも6ヶ月先になると見ております」

 

 第2艦隊は、第4艦隊や第13艦隊と合同で、ロデニウス大陸西方沖でグラ・バルカス帝国海軍特務軍艦隊と戦った部隊である。小型艦艇に被害が多かったが、実は受けた被害は第4艦隊よりマシである。

 

「次に第4艦隊ですが、壊滅した状態から全く立ち直っておりません。何分にも艦隊の6割以上が沈没または沈没寸前の大破という被害を受け、残った艦も損傷を受けた艦が多いという状態ですから、戦力としては全滅した、という判定になっております。

現時点で実戦に耐え得るのは、アマオウ型竜母の『アイベリー』と艦隊型駆逐艦1隻、護衛駆逐艦2隻のみです。しかも、『アイベリー』はロデニウス大陸西方沖大海戦でワイバーン隊に被害を出しており、稼働騎数は定数40騎を大きく割り込んで24騎体制となっております」

 

 もはや壊滅状態にある、というのがよく分かるだろう。これでは「大東洋航路の安全確保」どころか「自国の領海警備」ですら覚束ない。

 

「このため、第4艦隊は当面の間、第13艦隊から艦娘たちを一時的にお借りして水上戦力の穴埋めを行うことにしました。第13艦隊司令官代理の大和殿からは了承を得ており、既にピカイアの港には戦艦娘2人、空母艦娘1人、重巡洋艦娘2人、軽巡洋艦娘3人、駆逐艦娘6人が到着して、第4艦隊の訓練や領海警備に当たっています」

 

 高速修復材(バケツ)1個で損傷から疲労まで回復でき、軍艦よりも早い戦力展開を可能とする第13艦隊の艦娘たちは、ここでも活躍していた。第4艦隊の穴埋めのため、"Italia(イタリア)"、"Roma(ローマ)"、"Saratoga(サラトガ)"、"(あし)(がら)"、"()(ぐろ)"、"(てん)(りゅう)"、"(たつ)()"、"()(とり)"、"()()(づき)"、"(きく)(づき)"、"(おぼろ)"、"(あけぼの)"、"(さざなみ)"、"(うしお)"がピカイアに展開している。

(なおいちいち書き換えるのが面倒なため、"香取"は軽巡洋艦扱いになっている)

 

「それと今後の第4艦隊の再建に関してですが、我が国初の潜水艦を配備することになっています。国産潜水艦第一号となる潜水艦『アカミズ』が、2週間後に竣工し第4艦隊に配属されます」

 

 潜水艦の艦名は、転移前に日本で食されていた山菜の名前から取られることになった。

 初めての潜水艦というだけあって、建造に結構な時間を費やしてしまったが、3年がかりでようやく配備にこぎ着けた。ただ、訓練がまだまだなので、戦力化にはもう少し時間がかかる。

 ちなみに設計は、UボートⅨC型の設計データをまるごと使用している。まだ伊号潜水艦のような大型潜水艦の建造と運用は難しいと判断された結果、まずは中型潜水艦から始めよう、ということである。

 

「最後に第13艦隊ですが、本土残留組に関してはアルタラス・シオス両島、フェン・ガハラ両島に数人ずつ艦娘が配置されております。また、潜水艦娘に関してはほぼ全員がアルタラス島に展開していますが、潜水艦の教官担当として伊168殿が本土に戻ってくる、とのことです」

 

 潜水艦に関しては、強力な教官が必要だろうということで、ベテランの潜水艦娘である"伊168"が指導に当たることになっている。

 

「ムー大陸派遣部隊については、堺中将から『現在までに轟沈せる艦娘無し。総員士気昂高、グラ・バルカス帝国何する者ぞ、という気概に満ち溢れ、総反攻作戦に向けて準備中』との報告が届いております。あの強大な敵を相手に戦ってなおこの状態ということで、今後とも彼女たちのさらなる活躍に期待するものであります。

また第1艦隊も、ブルーアイ中将から損害無しと報告されています」

 

 さらに、現在ムー大陸へ遠征中の部隊も十分に戦闘に耐えるものであることもはっきりしている。

 

「以上から、ムー大陸における我が軍の準備は着々と整っている、というところであります」

「分かりました。将兵の皆様には、各国と連携しての奮戦を期待する、と伝言をお願いします」

「「「「ははっ!」」」」

 

 カナタ1世の言葉に、軍関係者たちが揃って敬礼した。

 

「続きまして議題2号、グラ・バルカス帝国をムー大陸から追放した後の方針についてです」

 

 次の議題は、対グラ・バルカス帝国戦の方針策定である。

 

「これに関して、青葉情報局から非常に参考になる意見が提出されました。青葉殿、説明をお願いします」

「承知しました!」

 

 ヤヴィンに促され、"青葉"が起立して口を開く。

 

「お手元の資料を参照ください。

方針案は大まかに2つに分けられます。1つは、グラ・バルカス帝国の本土まで進攻し、無条件降伏させるまで戦い抜く案。もう1つは、ムー大陸からグラ・バルカス帝国勢力を駆逐した後に同国に講和を持ちかけ、そこで終戦、最低でも休戦に持ち込む案です」

 

 「終戦」という言葉を聞いて、出席者たちからにわかにざわめきが上がった。

 

「青葉殿、終戦ないし休戦ですと?」

「はい、そうです」

 

 ロウリア州知事にして旧ロウリア王国宰相カンベール・マオスの質問に、"青葉"は明快に答えた。

 

「いささか性急には過ぎませんか? それに、グラ・バルカス帝国に身内を殺された国民の方々が黙っていないかと思いますが」

 

 マオスの指摘は(もっと)もである。

 

「確かにその懸念はあります。しかし結論を申し上げるならば、私と第13艦隊の堺司令は、ムー大陸で戦争を終わらせるべきであると結論しております」

 

 対して、"青葉"ははっきりと言い切った。

 

「それは、どのような理由からでしょうか?」

「はい、まずはやはり戦費です。シラージさん、現時点で判明している限りで良いので、どれくらいかかっているか教えてくださいますか?」

 

 話を振られたシラージが、手元の資料をさっと確認した。

 

「兵士への給料、戦闘における負傷軍人への手当、戦没者遺族年金、艦艇や航空機の修理・製造に係る材料費及び人件費等、全て合わせると、中央暦1642年4月の先進11ヶ国会議から今まででおよそ3,000億ロデンかかっている」

 

 この膨大な数字を前にして、何人かが息を呑む音がした。

 

「しかもこれは、今までにかかった分だけだ。今後ムー大陸での攻防戦を行うに当たり、最低でもさらに2,000億ロデンは必要になろうと試算されている。財務省からは以上だ」

 

 ほぼ倍プッシュというわけである。

 

「ありがとうございます。そういうわけで国費があまりにも浪費されすぎです。しかも金だけでなく、石油や鉄鋼のような資源も、食糧も、おびただしい量が浪費されているのです。

これらの消費ペースから、このままではあと2年ほどで国力が底を衝く可能性が8割以上と試算されました。従いまして、ここで休戦以上に持ち込む必要があります」

 

 この説明で多くの出席者は納得したようだが、一部にまだ不満げな顔が見える。そこで"青葉"は止めの一撃を叩き込んだ。

 

「それに、皆様お忘れかもしれませんが、グラ・バルカス帝国はあくまで"前座"に過ぎません。我々が戦うべき相手はただ1国、グラ・バルカス帝国とは隔絶した技術力を持つ国…ラヴァーナル帝国です。あの国が相手では、我々は鎧袖一触に撃破されてしまうことは間違いない、と第13艦隊司令部では試算されています。あの第13艦隊ですらそうなのです。

それを防ぐには、我々はもっと技術を発達させなければなりません。極端な言い方をすれば、こんなところで国力を浪費している余裕は全くないのです!」

 

 拳を握り、力説する"青葉"。

 

「以上より、ここで手打ちにすべきであると、我々としては結論します」

 

 "青葉"が着席すると、カナタ1世が口を開いた。

 

「青葉殿、説明ありがとうございました。今の話、しかと胸に入りました。

ひとまず、青葉殿の案を各種情報と共に国民に公開し、世論調査を行いたいと思います。その上で方針を決定し、各国と調整することに致しましょう」

 

 さすがに国王の言に意見できる者は、そうそういなかった。 

 その後は各州の情勢やら税収やら大東洋共栄圏内の各国の状況やらが報告され、そして最後の議題となった。

 

「最後の議題は、戦費の調達についてです」

 

 ヤヴィン元帥が起立し、企画書を手に話し始めた。

 

「こちら、既に陛下の承認を受けております。

今の我が軍にとって、戦費の調達は非常に重要な課題となっております。特に第13艦隊を含む海軍の出費が多く、軍資金はいくらあっても足りないという状態になっています。

また、外務省の情報局や第13艦隊配下の青葉情報局によれば、国内における娯楽も戦時ということで減らされており、国民の間で鬱屈とした感情が高まりつつあり、無視し得ないものとなっている、とのことです。

そこで、こんなものを考えました」

 

 ヤヴィンが示した企画書にでかでかと書かれていたのは、「国営競技」という文字と数枚の写真だった。写真には馬やワイバーンが写っている。

 

「青葉殿から教えていただいたところによれば、日本には『競馬』といって多数の馬を一定のコースに沿って競争させる競技があるとか。その際に『馬券』なる小さな紙切れが発行され、見物人たちは『どの馬が勝つか』を予想して金で馬券を購入し、金を賭けるそうです。要は賭博ということです」

「なるほど、それで娯楽と戦費を一気に獲得しようということですね」

 

 シラージがコメントした。

 

「左様です。既にクワ・トイネ州ダイタル平原の土地を活用して、我が国初の競馬場の建設が始まっています」

 

 とここで、シラージが質問した。

 

「しかし競馬は分かりましたが、このワイバーンのエアレースは何ですか? ワイバーンは日本国にはいないですから、こんなエアレースの設定方法などは知らないと思いますが」

「それは私からお答えします」

 

 リンスイが身を乗り出した。

 

「先日我が軍とムー統括軍が合同でイルネティア島を解放したのは、ご存知かと思います。実はその時に、イルネティア王国正統政府の方から解放作戦の礼としてワイバーンによるエアレースのノウハウを伝授されまして。それでこんな物を考えました」

「そういえばイルネティア王国では、秋に年1回国際エアレースがあるんでしたね」

 

 納得したようにシラージが頷く。

 

「はい。そのノウハウを参考にして、秋のイルネティア、春のロデニウスという形で2大世界大会の創設を目指したいと思っております」

「それで、ここでも競馬ならぬ競飛竜をやって戦費を稼ぐ、ということですね。承知しました。

コースの設定などはどのように行いますか?」

「それに関しては、幾つか候補地を見繕って比較検討に入っております。遅くとも来年度中に実施体制を整えることを目指します」

 

 その時、企画書をパラパラとめくっていたハンキが、急に顔をしかめたかと思うと手を挙げた。

 

「話の流れを切ってすみません。

ヤヴィン閣下、質問よろしいでしょうか?」

「何だ?」

 

 仏頂面のままハンキは口を開く。

 

「競馬そのものが企画として入っている理由は理解できましたし、ワイバーンのエアレースの企画も納得できました。

ただ……企画書の最後に書かれてるこれは何です?」

 

 ハンキが示したページにも競争の企画が書かれているが、とんでもないことになっていた。その企画競争は、ヒト種人間の女性のみに参加対象が限定された「コスプレステークス」なる代物と、馬獣人限定競争と称する「リアルプリティーダービー」なる代物である。しかも「コスプレステークス」の写真(予想図)に写る競争参加者たちは、何故かどこかで見覚えのある服装や髪型をしている。

 

「青葉殿から教えてもらったという『競馬』の情報以外に、()()()()()()()()()()()()の介在を感じるのですが?

ヤヴィン閣下、その外部要因はいったい何なのか、お答え願います」

「そ、それは…」

 

 ヤヴィンが口ごもる。その一瞬の沈黙を貫いて、シラージの声が飛んだ。

 

「胸がずきゅんどきゅん鳴ったんでしょう?」

「なっ!? シラージ殿!!」

「やっぱり……どこかで見覚えがあると思ったら、これ今月から青葉放送局のチャンネルで放送が始まったという"あの日本製映像作品"ですよね!?」

 

 ハンキに詰め寄られ、赤くなったヤヴィンが言い返した。

 

「ハンキ、そういう貴様とて同類だろうが! こっそり録画して見ているのは知ってるんだ! 何のことでしょうか訳わかんないよー、なんて言わせんぞ!」

「ふんぎゃろっ!? ば、バレていたとは…」

 

 痛い所を衝かれたハンキが言い淀む。

 

「この間からお前が急に麦わら帽子を被って拳銃と長靴を着け始めたのは、これが原因だったのか…」

「そういうお主もスイーツの消費が増えただろうが。しかも1つ分けてくれるかと思ったら、あげませんって睨まれるし」

「「………」」

 

 無言で睨み合うノウカとアルデバラン。

 

「やれやれ。それはそうとクイラ州の砂漠でも花卉の栽培が始まったが、何とかして青いバラを育てられんものかね…」

 

 どうやらシラージも"汚染"されているようだ。

 

「全く、どいつもこいつも……」

 

 そう言ってリンスイがため息を吐いた瞬間、テーブルの上にさっと1枚の写真が投下された。

 

「そんなリンスイさんも~」

 

 "青葉"が投下したその写真には、ノリノリで「◯着のポーズ」を決めるリンスイの姿が!

 

「アオバワレェェェェェ!?」

「「「リンスイてめぇぇぇぇぇ!!」」」

 

 修羅場と化した席上を見渡し、カナタ1世はぽつりと呟いた。

 

「私の夢と玉座の景色は譲りませんからね」

 

 国王お前もか、とツッコミを入れたくなった方は挙手。

 

 

 同日午後、ロデニウス大陸北東端部 港街クワ・タウイ郊外 強制収容所。

 かつて対ロウリア戦争、対パーパルディア戦争において多くの捕虜が世話になったこの収容所は、今や新たな入居者を迎えてかなり賑やかになっていた。その収容所の一室にて、「新しい入居者」の1人である壮年の女性が、机に向かって帳面に何やら書き込んでいる。どうやら日記を綴っているようだ。

 

《私がロデニウス連合王国の捕虜となってから、早2ヶ月が経過しようとしている。囚人番号を付けて私の名前が呼ばれるのにも、ようやく慣れてきた。

収容所での生活は、外出制限を煩わしく感じることはあるものの、基本的に何不自由ない。食事は1日3食きちんと出てくるし、その食糧も悪くない質だ。新聞なども定期的に補充されるから、世界の動きも知ることができる。部屋も小さいながら個室が与えられ、ベッドや机など家具が一通り揃っている。こんな生活は、グラ・バルカス帝国の常識では考えにくい。我々の捕虜収容所は、もっとひどい設備や扱いしかしないものである。こういう細かい点を見るにつけ、我々の敗北は必然であったのかもしれないと時々思わされる。

収容所での1日の生活には、およそ一定の規則性があり、退屈さを感じることはあまりない。労役はあるが、それも自分たちの生活を維持するための調理や掃除、畑仕事であったり、ちょっとした日用品を作らされたりするだけであるため、軍務に比べれば何ということはない。また、「座学」と称してロデニウス連合王国における政治体制や経済の仕組みなどを教えられることもある。身体を動かすことは積極的に奨励されているため、私と共に収用された兵士たちの中には、時間の許す限り1日中「サッカー」とか「バスケットボール」とかいう新しいスポーツに興じている者もいる。

また、収容所で働く人間たちも我々に対して非常に親切だ。尋問でも無理に情報を吐かせようとすることもないし、暴力や拷問の類も一切行わない。これもまた、我が国の常識では考えにくいことである》

 

 そこまで書いたところで、女性…かつての特務軍艦隊司令官アンネッタ・ミレケネスは、一度ペンを走らせる手を止め、ちらっと壁の時計を見上げて時間を確認した。今日は何やら新しいことが行われるらしく、いつもなら尋問か座学が入る時間帯に大講義室に集まるよう指示されているが、教科書類を持ってこなくて良いと言われていた。いったい何をする気だろうか。

 まだ少しだけ時間がある。少し頭を捻った後に、ミレケネスの手が再び帳面のページの上で動き出した。

 

《尋問では、基本的に我が国の政治体制や軍の規模、歴史、都市の様子などを尋ねられる。理由を聞いてみると、尋問官は「ロデニウスもグラ・バルカス帝国も、神聖ミリシアル帝国その他の国も、国力という限界がある以上、永遠に戦争をし続けることはできません。必ずどこかで、戦争を終わらせる交渉をしなければならないでしょう。その時に備えて、貴国グラ・バルカス帝国のことを少しでも知っておきたいのです。知っておけば、接し方を変えることで困難な交渉も成立する可能性があることは、お分かりになるでしょう?」と言っていた。なるほど尤もなことだと思う。

ただ、時々妙な質問をされることがある。昨日などは、尋問だと思っていたら尋問官が大量の本や帳面を持ってきて、グラ・バルカス帝国語の文法やら単語表現やらを教えてくれとせがまれ、国語の時間になってしまった。単語表現では果物や野菜などの名前、そして帝国語の文字の書き方を教えたのだが、何故かトラを帝国語で何というのか聞かれたのが印象に残っている。あの質問はいったい何だったのか、謎である》

 

 そこまで書いた時、ドアがノックされた。

 

『ミレケネス司令、おられますか?』

 

 ドアの外から聞こえたのは、旧特務軍艦隊参謀長ミルズ・デルンシャの声である。

 

「ああ。どうした?」

 

 ミレケネスが尋ねると、デルンシャは答えた。

 

『そろそろ集合時間ですので、司令もご一緒に、と思いまして』

「分かった、行こう」

 

 帳面とペンをしまい、ミレケネスは席を立った。部屋を出てみると、デルンシャの他にマリノス・ラクスタルも一緒だった。が…

 

(やはり、まだ元気がないな)

 

 ミレケネスは腹の内でそう呟いた。

 戦艦「グレードアトラスター」の艦長だったラクスタルは、乗艦を撃沈されてからどこか元気がない。この短い期間で5歳分くらいは老けてしまったのではないかと思えるほど、顔立ちにも生気を感じにくかった。

 

(このままではまずいとは思うが……私としても、どうしたら良いのか分からんのがもどかしい……)

 

 ミレケネスは残念ながら精神科医でもなければ、医学の知識を持ち合わせてもいない。そのため、どうにかしなければいけないとは分かっても、何をどうすれば良いのか分からない。それが見えざる(とげ)となってミレケネスの胸に突き刺さっていた。

 だが今は、かけられた呼集に応じなければならない。意識を切り替え、ミレケネスは2人と共に廊下を移動する。

 大講義室に来てみると、既に大勢が集まっていた。いずれも旧特務軍艦隊の将兵だ。それ以外に収容所の職員が数人、そして見たことのない女性が1人来ている。水兵服に似た白と青の衣装を着て、くすんだ桃色の髪を後ろで1つにまとめた女性だ。年齢的には20代後半くらいというところか。

 そして、「スクリーン」とかいう垂れ幕のような白いものが天井からぶら下げられていた。これ自体はミレケネスも知っている。講義の中で何度か写真や映像を見るのに使われたからだ。

 

(何か見せるつもりらしいな)

 

 そう考えつつ、用意されていた簡素なパイプ椅子に腰を降ろす。

 5分ほど経って時間になり、点呼が行われる。その後、さっきの水兵服の女性がマイクを手にして口を開いた。

 

『えー、それでは始めたいと思います。今回は、「将来に備えての軽い勉強」という名目を取ってはおりますが、事実上は「映画の上映会」です』

 

 それを聴いて、周囲の雰囲気が弛緩したのをミレケネスは感じた。どうやら今日はただの休憩に近いものらしい。

 マイクを手にした女性…ミレケネスたちは知らなかったが、この女性こそ"青葉"である…は言葉を続ける。

 

『上映を始める前に、ちょっと皆さんにお聞きしたいことがあります。皆さんは「ラヴァーナル帝国」という国の名前を聞いたことはありますか?』

 

 将兵の大半は首を傾げているが、ミレケネスとラクスタルはその名前に聞き覚えがあった。ミレケネスが手を挙げる。

 

『お、そちらの方は聞いたことがあるのですね。どんな国だと聞いていますか?』

 

 水兵服の女性に尋ねられ、ミレケネスは答えた。

 

「聞いたことがあるとはいっても、大したことは知らない。ただ、この世界に昔存在していた国らしい、ということくらいだ」

 

 実際、ミレケネスは第一次バルチスタ沖大海戦の時の戦闘詳報くらいでしか、ラヴァーナル帝国の情報を得ていない。

 

『なるほど、ありがとうございます。皆さんあまりよく知らない、ということみたいですね。

何故私が急にこんな話をしたかと言いますと、今から上映する映画によって、少しでも良いのでラヴァーナル帝国というのがどんな国なのか、知っておいて欲しいと思ったからなんです。皆さんは我が国の捕虜となってしまいましたので、今は祖国に帰ることはできませんが、将来戦争が終わった時には必ず皆さんの帰国を実現させます。皆さんには、その帰国を果たした後で、ここで学んだことを使ってラヴァーナル帝国に備える準備をしてもらいたい、と思いまして、今回このような上映会を考えました』

 

 話の理解はできたが、ミレケネスにはまだ疑問が残っていた。

 

「趣旨は分かったが、何故そんな昔の国に備えなければならないのだ? 滅んだのではないのか?」

『おお、良い質問ですね。実はラヴァーナル帝国は滅んではおりません。国土に星が落下しそうになったため、国ごと転移した……言わば、どこかへ逃げてしまったのです。そのためラヴァーナル帝国はまだ滅んでいません。しかも、ラヴァーナル帝国は逃げ出す時に、「必ず帰ってくる」と書いた石板を残していったそうです。それに従えば、ラヴァーナル帝国は将来、この世界にまた帰ってくる、ということになります。その時に備えて欲しい、ということです』

「なるほど…分かった」

『まあ、とりあえずは息抜きのつもりで、今から映画を見てもらいます。詳しい話や質問は、その後にしましょう。

では、ちょっと照明を落としますね』

 

 部屋が暗くなり、スクリーンに映像の投影が始ま……らない、と思ったミレケネスだったが、それは違った。よく見ると映像はちゃんと始まっている。ただ、それが「複数の小さな白い点が浮かぶ黒っぽい世界」であり、動きも少なかったために一瞬分からなかっただけだ。

 ナレーションらしい声が聴こえてくる。

 

《無限に広がる大宇宙。静寂な光に満ちた世界……》

 

 その後は天体と思しき、ミレケネスの見たことのない物体が幾つか映像に出た後、えらく赤茶けた星が映し出された。

 

《海は蒸発し尽くし、地上の全生命は死滅した。人類はその生存圏を地下に求めて、細々と生き延びているのだった……》

 

 赤茶けていたのは、海がなくなってしまったかららしい。だが海といえばあれほど広大なものだ、その水の量は相当なものだろう。それが残らず蒸発してカラカラになるとは、いったい何があったのか。

 さらに、地下に都市ができていたが、それは明らかにグラ・バルカス帝国よりも進んだ建築技術によって作られた高層ビル群だった。それほどの技術を持ちながら地下に追いやられるとは、何事だろうか。

 ミレケネスはいつしか、その映像に引き込まれていった……

 

 

 だいたいお察しだと思うが、今"青葉"がミレケネスたちに見せているのは、日本アニメの金字塔というべき、あの某宇宙戦艦のSF作品の第一作である。"青葉"が少し手直しをして、最序盤は劇場版のプロローグを拝借し、途中の宇宙艦隊戦からは26話に分割されたアニメ版の方を流している。編集に違和感がほぼないためミレケネスたちは気付かなかったが。

 "青葉"がこんなものを見せた目的は1つしかない。彼女自身が口頭で述べた通り、ラヴァーナル帝国について触りでも良いから知っておいてもらうためである。

 グラ・バルカス帝国は今でこそ敵国として戦争をしているが、その科学技術と国力には相応のものがある。いずれラヴァーナル帝国が復活した時には、対抗戦力として数えることができるかもしれない。そう考え、"青葉"は収用されて暇になっているグ帝軍人たちのガス抜きも兼ねて、これを見せることにしたのである。

 30分×2話として第3話以降は次回に持ち越すことにし、アニメ上映が終わった後は質問タイムへと移行していった。

 

 上映会が終わった後、まだ夕食まで時間があるということで部屋に戻ったミレケネスは、ベッドに寝転んで天井を見上げた。今は無機質な白い天井しか見えないが、その上には青空が広がっている。その遥か先には……

 

(この青空のさらに上、星の外が「宇宙」と呼ばれる世界なのか…我々は、かなり狭い世界で戦争をしていたのだな)

 

 ミレケネスは宇宙に思いを馳せた。

 

(ラヴァーナル帝国は、そんな宇宙に「僕の星」とかいう観測機械を浮かべ、星の外からこの世界を監視していた、とな……。そうなると、もし我々とラヴァーナル帝国が戦争をすれば、我々は何をしようが全てラヴァーナルに見透かされる、ということだ。そうなれば……ははっ、何もできないまま一方的にやられるだけだろうな)

 

 こんなことを知ってしまったからには、自身の取るべき途は1つしかない。

 

(今はひとまず身体を保つことと、このロデニウス連合王国のやり方や技術、ラヴァーナル帝国について少しでも情報を得ることだ。そして戦争が終わった後に祖国に帰り、立て直しながらラヴァーナル帝国に備えることだ…)

 

 そこまで考えた後で、ミレケネスはふと思い出した。

 

(ラクスタル…あの上映会が終わった後、どこか目に光が戻っていたな…。少しは立ち直っただろうか?)

 

 まだ様子見が必要だが、彼の心が少しでも立ち直っていれば良いな、と思うミレケネスだった。

 

◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 戦火の遠ざかったロデニウス大陸では比較的穏やかな時間が流れる一方、ムー大陸ではかなり物々しい雰囲気が満ちている。

 陸上では、第二文明圏内諸国(ムー国の他にニグラート連合、マギカライヒ共同体、ソナル王国が中心である)が陸上兵力と兵器類、そして軍隊関連物資(弾薬類や食糧等)の集積を進めている。ニグラート連合は既にソナル王国に自国の軍隊の駐留と通行の許可を申請しており、同国との国境に少しずつ部隊を集めていた。マギカライヒ共同体も、自走砲(Ⅲ号突撃砲F型)を主力にした陸上隊を移動させ始めている。

 その一方、イルネティア島に上陸してグラ・バルカス帝国軍駐留部隊と戦っていたムー統括陸軍第3軍は、引き続き同島に留まっている。グラ・バルカス兵の残党による攻撃を警戒しての措置だった。一方で、第3軍を運んできた輸送船団とその護衛艦隊は、疲労や損傷が激しいことからムー本国へ後退している。代わりに新たな護送船団が仕立てられ、補給物資を積んでイルネティア島へと出発していた。

 

「やれやれ、これからしばらくドック入りか…。技官連中の見立てじゃ、今年いっぱいドックから出られないかもしれないって話だったが、何とかならんもんかな…」

 

 ムー北部の造船所都市スカパ・ブローの軍港にて、傷付いた姿をドックに横たえる戦艦「ラ・コンゴ」を眺め、同艦の艦長ラッサン・デヴリン大佐はそう呟いた。

 

「教官役も大事な仕事だと頭では分かってるんだが、俺としてはやはり、グラ・バルカスの艦隊と戦いたいな…」

 

 艦の修理が終わるまでの間、ラッサンは慣熟訓練中のラ・コンゴ級2番艦「ラ・エイヒ」で教官をやるのである。

 

「ま、当面はミニラル大佐殿の『ラ・カサミ改』と、堺司令の艦隊に任せるか」

 

 2月のオタハイト沖海戦で大破していた「ラ・カサミ改」が戦列に復帰した、というニュースがラッサンの耳にも入っていた。当面はミニラル艦長に頑張ってもらおう、と思うラッサンである。

 そして「堺司令の艦隊」……第二次バルチスタ沖大海戦に勝利し、さらにパガンダ島とイルネティア島を解放したロデニウス海軍第1・第13艦隊は、5つの任務群に分かれてムー大陸西岸部の防衛と、侵攻してくるグラ・バルカス艦隊の迎撃に従事することになった。各任務群の駐留先はパガンダ島、イルネティア島、パミール王国、ニグラート連合、マギカライヒ共同体である。その各任務群の編成とコードネームであるが……

 

《以下、堺の回想》

(ムー大陸西部の海岸線は広大だから、必然的に俺たちも分散して防衛に当たらなきゃならねーな。こればかりは仕方ないか。

我々第13艦隊は第二文明圏連合海軍のワークホースとして、あちこちで頑張らねばならんな……。

……ん? ワーク「ホース」?)

 

その時、ふと閃いた!

このアイディアは、各任務群のコードネーム設定に活かせるかもしれない!

《回想終了》

 

 ということで、編成とコードネームは以下のように設定された。

 

イルネティア島駐留 第14.1任務群

コードネーム「ゴールドシップ」

戦艦 アイオワ、ビスマルク

戦艦空母 (あか)()

正規空母 ()()(たい)(ほう)

軽空母 (ずい)(ほう)

重巡洋艦 プリンツ・オイゲン

航空巡洋艦 ()()(ちく)()

軽巡洋艦 ()()()()(しろ)

駆逐艦 吹雪(ふぶき)(しら)(ゆき)(はつ)(ゆき)()(ゆき)(むら)(さめ)(ゆう)(だち)(はる)(さめ)(あさ)(しお)(おお)(しお)(みち)(しお)(あら)(しお)(はつ)(かぜ)(ゆき)(かぜ)(あま)()(かぜ)(とき)()(かぜ)、Z1(レーベレヒト・マース)、Z3(マックス・シュルツ)、リベッチオ

 

パガンダ島駐留 第14.2任務群

コードネーム「シルヴァーブレイズ」

戦艦 ()(さし)(なが)()()()

航空母艦 グラーフ・ツェッペリン、アクィラ

軽空母 (じゅん)(よう)()(よう)

重巡洋艦 ザラ、ポーラ

航空巡洋艦 ()(がみ)()(くま)

重雷装巡洋艦 (きた)(かみ)(おお)()()()

軽巡洋艦 ()()

駆逐艦 ()(つき)()()(づき)(ふみ)(づき)(なが)(つき)(しら)(つゆ)時雨(しぐれ)(くろ)(しお)(おや)(しお)(なが)(なみ)(たか)(なみ)(おき)(なみ)(ふじ)(なみ)(あき)(づき)

水上機母艦 (あき)()(しま)

強襲揚陸艦 あきつ丸(書類上のみ)

潜水艦()500. まるゆ。

補給艦 (はや)(すい)

給糧艦 ()(みや)

移動工廠艦 (くし)()

 

パミール王国駐留 第14.3任務群

コードネーム「サードステージ」

航空戦艦 ()(そう)(やま)(しろ)

航空母艦 (しょう)(かく)(ずい)(かく)(しょう)(ほう)

重巡洋艦 (あた)()(ちょう)(かい)

軽巡洋艦 (せん)(だい)(じん)(つう)()()

駆逐艦 ()(つき)(きさ)(らぎ)弥生(やよい)()(づき)(いそ)(なみ)(うら)(なみ)(あや)(なみ)(しき)(なみ)(うみ)(かぜ)(やま)(かぜ)(かわ)(かぜ)(すず)(かぜ)(あられ)(かすみ)陽炎(かげろう)不知火(しらぬい)(ゆう)(ぐも)(まき)(ぐも)(かざ)(ぐも)(あき)(ぐも)(はつ)(づき)

 

ニグラート連合駐留 第14.4任務群

コードネーム「ホワイトスピリッツ」

戦艦 ()(えい)(きり)(しま)

航空母艦 (うん)(りゅう)(あま)()(かつら)()

航空巡洋艦 (すず)()(くま)()

軽巡洋艦 (なが)()()()()()(くま)

駆逐艦 (てる)(づき)

上記に加えて第1艦隊の全艦が参加。

 

マギカライヒ共同体港街ミル駐留 第14.5任務群

コードネーム「カスケード」

戦艦 (こん)(ごう)(はる)()

航空母艦 (そう)(りゅう)()(りゅう)(りゅう)(じょう)

重巡洋艦 (たか)()()()

軽巡洋艦 ()(はぎ)(さか)()

駆逐艦 (あかつき)、ヴェールヌイ、(いかずち)(いなずま)(うら)(かぜ)(うみ)(かぜ)(やま)(かぜ)(かわ)(かぜ)(すず)(かぜ)(いそ)(かぜ)(はま)(かぜ)(たに)(かぜ)(はや)(しも)(あさ)(しも)(きよ)(しも)

 

 

 例によって、全てのコードネームに元ネタがある。皆様はいくつお分かりになりますか? 今回は全部分かる方もいらっしゃるかもしれないが……。

 

◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 そして同じ頃、神聖ミリシアル帝国西部 帝都ルーンポリス沖。

 

『ソナーより艦橋! アクティブソナーに反応がありました、グラ・バルカス帝国の潜水艦と思われます!』

 

 クリスタル級小型艦「サンドストーンⅠ」の艦橋に、ソナー室から報告が上がった。

 

「ちくしょう、まだ隠れていやがったか!

逃がさんぞ…ここを貴様の墓場にしてやる!」

 

 エルフ族の艦長エドソンズ・リッジ少佐は、青い海面を睨みながら叫ぶ。

 クリスタル級小型艦は、神聖ミリシアル帝国海軍が新たに配備し始めた小型艦の艦級だ。中央暦1640年から設計が始まっていたのだが、1642年になって設計の一部変更が行われた結果、実際の建造が遅れ、今頃になってやっと初期量産型の配備が始まったものである。

 それまでの小型艦と比較して、クリスタル級はややがっしりした印象を抱かせる艦体になっている。これは、最大幅・全長共に拡大されたからだ。

 全長120メートル、最大幅12メートル、基準排水量2,200トンの艦体に、主砲として38口径120㎜連装砲を3基搭載し、それ以外に第3世代イクシオン40㎜連装対空魔光砲4基、アクタイオン25㎜連装対空魔光砲6基を搭載している。魚雷は実用化が間に合わなかったため、魚雷発射管があるべきところにも40㎜対空魔光砲が載せられているが、主砲が新式の両用砲になったこともあり、対空火力は高い。

 最大の特徴は、従来の小型艦にはなかった新兵装の搭載だ。その一例が、ソナーと爆雷投射機及び爆雷投下軌条の装備である。

 ロデニウス連合王国から潜水艦の脅威を伝えられ、さらに第一次バルチスタ沖大海戦でグラ・バルカス帝国の潜水艦に煮え湯を飲まされて以降、ミリシアル海軍は潜水艦に対してどうやって戦うべきかを真剣に模索した。最終的に設計・建造途中だったクリスタル級に白羽の矢が立ち、アクティブソナーとパッシブソナーに加えて爆雷類が設置されることとなったのである。時間短縮のため、アクティブソナーはロデニウス製の「三式水中探信儀」を、爆雷類はロデニウス製の「三式爆雷投射器」と「九五式爆雷投下軌条」をそのまま転用したが、パッシブソナーについては「九三式水中聴音機」がロクデナシの代物だと知るや、ロデニウスから得た情報を元に「四式水中聴音機」相当にアップデートしている。

 また、機関にも大きくメスが入っていた。なんと新開発の、雷属性系魔法を駆使した機関になっている。ちなみにこの機関、あろうことか重油でも運用できる。どうやって運転するのかというと、雷属性系魔法石からは雷魔法を取り出してそのまま電気として使用し、重油の場合は重油を燃やして発電機を回し、そこから電気を得るのである。早い話がハイブリッドエンジンなのだ。

 そして、電化に成功したことでクリスタル級はこれまでにない装備を手に入れることに成功した。夢の電磁レーダー搭載に、ようやく手が届いたのだ。

 クリスタル級には電磁レーダーとして、ロデニウス製の「13号対空電探改」が搭載されている。これによって、魔力を発しない機械式航空機も探知できるようになった。艦隊の目や耳としての能力を、大幅に高めたのである。

 これに加えて、ちゃっかり「射撃演算装置」という名の「九四式高射装置」まで手に入れている。このため対空射撃の精度が大きく向上した。

 

 ただし良いことばかりではなく、クリスタル級の建造価格は従来の小型艦に比べて4割増となっている。

 また、このクリスタル級が入手した「13号対空電探改」の探知距離・精度が(ミリシアルの知るレーダーとしては)あまりに優秀だったために、最新鋭の物であるはずのミスリル級魔導戦艦の魔力探知レーダーが…というよりミリシアルが自力で製造した対空魔力探知レーダーが軒並み負けてしまい、面子がなくなってしまっている。この事態を打開するべく、「ルーンポリス魔導学院」の他に、アルバリオスに拠点を置く「ルーンクレスト魔導学院」が皇帝の勅命を受けて魔力電磁レーダーの解析を急いでいる。また、「ルーンズヴァレッタ魔導学院」は「13号対空電探改」の軽量ぶりと機構の簡易さに目を付け、これを元にした天の浮舟搭載用レーダーを独自に開発中である。

 

 この小型艦「サンドストーンⅠ」は、クリスタル級の中でも船団護衛に主眼を置いて対空・対潜能力を高めたタイプ「サンドストーン型」として設計されている。これ以外に、"前に向けて爆雷を投射できる砲"などを搭載した対潜重視型である「アンデサイト型」、潔く爆雷投射器を減らして対空特化にした「マーブル型」、対空魔光砲を減らして魚雷発射管を搭載したオールラウンダー型となる「グラニト型」などが計画されていた。

 

 神聖ミリシアル帝国の沿岸部では、このところグラ・バルカス帝国の潜水艦によるものと思われる船舶の被害がぽつぽつと見られている。この状況を打開すべく、ミリシアル海軍は新鋭のサンドストーン型を潜水艦掃討に送り込んだのだった。それに、近々行われるムー大陸での対グラ・バルカス帝国総反攻作戦にはミリシアル陸軍も参加する。その陸軍部隊をムー大陸へ運ぶには、針路上の潜水艦を掃討することが必要である。ということで、乗員の実戦訓練も兼ねた作戦になっている。

 速力を5ノットに落とし、「サンドストーンⅠ」はゆっくりと海面を走る。その艦首はまっすぐに敵潜水艦がいる海を指していた。

 

『音源近付きます…距離150……100。敵深度80メートル!』

 

 ソナー室からの報告を聴きながら、リッジはタイミングを測る。そして待望の『敵潜、本艦の真下です!』という声を聴くや、「爆雷投下始め!」を命じた。

 「サンドストーンⅠ」の後部甲板では、レールの上をドラム缶のような金属製の円筒がゴロゴロと転がり、一定の間隔で海中へと落ちていく。これが爆雷である。

 16発もの爆雷を海中に叩き込み、「サンドストーンⅠ」はそのまま直進で海域を離れる。と、「サンドストーンⅠ」の後方の海面がぐわっと白く盛り上がり、次いで鈍い爆発音と共に真っ白く太い水柱が噴き上がった。その数は1本、2本、3本と次々増えていく。

 爆雷が炸裂しているのだ。今頃グラ・バルカス帝国潜水艦の乗員たちは、水中で爆圧に小突き回され、生き地獄の真っ只中にいるだろう…リッジ艦長以下の乗員たちは、そう考えていた。

 最後の爆雷が起爆し、水柱が崩れ落ちたのを合図に、「サンドストーンⅠ」は海上をゆっくりと右旋回し、爆雷を投下した海へと向かう。浮遊物を確認するためである。

 

「どうだ、何か見えるか?」

 

 リッジ艦長の質問に、見張員からは『まだ何も見えません』と返事がきた。

 

(うーむ、し損じたか…? いや、まだ分からん。ロデニウスの教本によれば、潜水艦との戦いは根気の勝負だ。焦れた方が負ける。

ここはじっと耐えて、浮遊物が何も見つからなかったらソナー室に頼るしかないか)

 

 とリッジが考えた、その時だった。

 

『見張より艦橋、左舷海上に黒い浮遊物を発見! あ、救命具らしきものも見えます!』

 

 興奮した声で見張員が報告してきた。

 

「そうか!」

 

 自身も双眼鏡を覗きながら、リッジはソナー室に連絡を取った。

 

「艦長よりソナー、海中の音はどうか?」

『少々お待ちください……これは?

艦長、パッシブソナーにて海中に機関音を確認! 本艦のエンジン音ではありません!

音源深度70……60、急速浮上中と思われます!』

「なに!?」

 

 一瞬驚いたが、リッジはすぐに教本の内容を思い出した。

 

《損傷した潜水艦は、浮上後に備砲を使って砲撃戦を挑んでくる可能性がある。砲口径自体は比較的小さく、基本的には駆逐艦の主砲と同程度、口径70㎜~120㎜の砲1門か2門程度である。しかし、中には140㎜砲を持ったものや、計画だけで終わったが200㎜級の砲を持つ砲撃潜水艦もある。以上より、潜水艦との戦闘にあたっては「敵潜水艦を完全に撃沈した」とはっきり言い切れるまでは油断しないことが重要である》

 

「艦長より全員、対水上砲戦用意! 敵潜水艦が浮上砲撃してくる可能性がある!

対水上砲戦、配置急げ!」

 

 リッジは即断し、艦内に指示を飛ばした。次いでソナー室に尋ねる。

 

「艦長よりソナー、敵の動きは?」

『ソナーより艦橋、敵潜依然浮上中…深度20! 本艦左舷に浮上する見込み!』

「了解した!」

 

 「サンドストーンⅠ」の乗員たちが慌てながらも持ち場についた時、「サンドストーンⅠ」の左側の海面が盛り上がった。そして海面を割くようにして、背の低い異様な艦が飛び出してくる。

 

「あれが…!」

 

 リッジは一瞬言葉を失った。

 全体に小さく、それなのに横幅は異様に大きい。背丈の低い艦橋と思しき部分の根元が大きく膨らんでおり、異様さにいっそう拍車をかけている。

 

「配置完了! 対水上砲戦用意よし!」

 

 砲撃戦の用意が整った。

 

「艦長より航海、潜水艦は艦首と艦尾に魚雷発射管を持っている。敵の正面と真後ろには出ないように気を付けろ!」

『航海より艦橋了解。敵の真横を維持します!』

「主砲、左砲戦! 目標、敵潜水艦!

弾種徹甲だ、撃ちまくれ! 奴にミリシアル海軍の力を見せつけろ!」

『測的完了、照準よし! 装填よし! 全主砲、砲撃用意よし!』

「撃てっ!」

 

 号令一下、120㎜連装両用砲が一斉に火を噴いた。交互撃ち方にしているため、3発の砲弾が飛んでいく。

 

「弾着! 全弾近、仰角プラス3! 照準修正よし!」

「第2射、撃て!」

 

 両用砲ゆえに装填は早い。敵潜水艦がその主砲を向ける前に、「サンドストーンⅠ」は砲撃を放った。

 

「弾着!」

 

 その報告と同時に、敵潜水艦の艦橋根元の膨らみにぱっと火花が散った。それが消えた時、膨らみには大穴が開き、そこから黒煙が噴き出しているのがはっきりと見えた。

 

「命中っ!」

「次から斉発! 奴に撃たれる前に仕留めろ!」

 

 リッジはけしかけるように命令した。

 敵はおそらく、ロデニウスの教本にあった「シータス級」と呼ばれる種別のものだ。となると主砲は140㎜砲であるから、喰らえばまずい事態になりかねない。

 しかし、潜水艦は脆いとロデニウスの教本にあった。ならばそれを信じ、撃たれる前に沈めるだけだ。

 

「全主砲、斉発用意よし!」

「これで仕留めろ! 撃て!」

 

 6門の120㎜砲が轟然と咆哮した。さらに装填の早さを生かし、弾着の前に第2斉発を放つ。

 第3斉発が放たれる直前、第1斉発の6発が落下した。敵潜水艦が水柱の向こうに見えなくなる直前、爆炎が見えたように思えた。

 水柱が消えると、敵潜水艦は新たに艦体後部から黒煙を上げている。気のせいではなかった、とリッジは確信した。

 その直後に第2斉発が落下する。その瞬間、敵潜水艦の艦首辺りでピカッと閃光が走り、続いてこれまでのものとは全く異なる凄まじい炎が広がった。かなり大きな爆発だったらしく、衝撃波が「サンドストーンⅠ」の艦体を叩き、艦橋の窓ガラスがビリビリと震えた。

 水柱が収まると……そこには、艦尾を高々と空に突き上げて海中に消えていく潜水艦の姿があった。

 

(勝負あったか…?)

 

 リッジは勝利を確信しかけて、その直後に打ち消した。まだ撃沈したと断定はできない。最後の証拠が要る。

 

「艦長よりソナー、海中の音はどうだ?」

『海中に金属音源探知。敵潜水艦が潜っていきます…深度30』

 

 そのまま報告を聴いていると、敵潜水艦は潜るばかりで浮いてくる気配がない。そして。

 

『敵潜深度130……150、圧潰音を探知しました!

撃沈! 撃沈です!』

 

 ソナーマンの喜ぶ声に、リッジはふうと息を吐いた。

 これで1隻は仕留めた。だがまだ油断はしきれない。潜水艦の怖いところは「何隻がこの海にいるか分かりにくい」ことだからだ。

 

「艦長より全員、敵潜水艦を撃沈した。よくやった!

だが、まだ敵潜水艦がいるかもしれん。気を抜くなよ!」

 

 その後も3時間ばかり、「サンドストーンⅠ」はこの海面に留まり続けるのだった。

 

 ミリシアルの反攻も、着々と準備が進んでいた。

 

◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 そして……その刻は来た。中央暦1643年8月31日、まだ朝日もろくに昇らぬ時刻。

 

「いよいよか…!」

 

 旧ヒノマワリ王国領・第二文明圏連合軍前線基地。かつてグラ・バルカス帝国が「バルクルス」と呼んでいたその基地で、ムー統括陸軍第2軍司令官ジェイク・アイゼンハウアー中将は、緊張した面持ちでそう呟く。その呟きを、強烈な砲声がかき消した。

 ムー陸軍の誇る「22型105㎜イレール砲」の砲撃だ。発射された砲弾が唸りを上げて、ヒノマワリ領へと飛んでいく。

 第二文明圏連合軍は、ムー大陸における総反攻作戦「バグラチオ作戦」に備えてきた。陸軍部隊を集結させた他、ロデニウス軍の航空部隊が中心となってグラ・バルカス帝国領に空爆を繰り返し、工場地帯や都市に戦略爆撃を加えている。グラ・バルカス側も戦闘機を上げて迎撃していたが、ロデニウスの超大型爆撃機「B-29改」は頑丈であり、さらに護衛の「F-86D改」には全く歯が立たず、いたずらに戦闘機の損害を増やすだけとなっている。制空権はほぼ完全に掌握されたと判断されたため、事前空爆と事前砲撃を経ていよいよ反撃開始、というところであった。

 

「司令官、ロデニウス陸軍第1軍団から入電! 『ヒノデハヤマガタ』。繰り返します、『ヒノデハヤマガタ』!」

「始まったか…!」

 

 ジェイクは小さく頷いた。

 

「よし、我々も出るぞ! 戦車のエンジンに火を入れろ!」

 

 時に中央暦1643年8月31日。

 ムー大陸の北部や南部でも戦略爆撃が続く中、中部・旧ヒノマワリ王国領にて、ついに「バグラチオ作戦」の火蓋が切って落とされた。同時に神聖ミリシアル帝国の帝都ルーンポリスや、同国南部の港街カルトアルパスからは、ミリシアル陸軍を乗せた輸送船団が護衛と共に出撃を開始する。

 総反攻は、始まった。




第1・第13艦隊を合同して分割した各任務群のコードネームの元ネタは、以下の通りです。なお、5つのコードネームの共通点は「競走馬」ということでした。架空の競走馬ばっかりですが。

「ゴールドシップ」…こいつだけ実在した競走馬。元ネタは言うまでもなく、西暦2011年から2015年にわたって日本競馬界を席巻した「黄金の不沈艦」、葦毛の競走馬ゴールドシップ号である。
…ハジケリスト? 黙れば美人喋れば奇人走る姿は不沈艦? 何のことだ?

「シルヴァーブレイズ」…元ネタは、シャーロック・ホームズシリーズの一巻「シャーロック・ホームズの思い出」収録、「Silver Blaze(邦題は「白銀号事件」「銀星号」「名馬シルバー・ブレイズ号」など)」に出てくる競走馬。アイソノミー号の直系子孫らしい。

「サードステージ」…元ネタはゲーム「ウイニングポスト」に登場する架空のスーパーホース。トウカイテイオー産駒である。つまり、シンボリルドルフ→トウカイテイオー→サードステージと血統が繋がっている。

「ホワイトスピリッツ」…元ネタは「名探偵コナン」に登場した、行方不明となった競走馬。なおこの事件の推理の際、コナンは本件に類似した事件としてシャーロック・ホームズの「白銀号事件」を挙げている。

「カスケード」…元ネタは「みどりのマキバオー」に登場した、主人公ミドリマキバオーのライバルのうち1頭。モデルは日本の競走馬フジキセキ号であるとされる。

日本の競馬も元々は優秀な軍馬を得るために始まったものでしたから、軍隊と競馬に関係があるのは史実ネタです。でも夢中になりすぎるのは止めましょう。でないと「金返せ白いの」と叫ぶ羽目になりますよ。
それとロデニウス連合王国上層部連中、いったい何やってやがる。いつの間に"推しメンバー"決めてたのか。
ヤヴィン:「訳わかんないよー」でお察し。
ハンキ:ツッコまれた直後のあの台詞回しで一目瞭然。
ノウカ:ただの大食いならともかく、スイーツ限定大食いということは…。しかも「あげません」付きということは、2人同時に推してるのか。
アルデバラン:麦わら+拳銃+長靴といえば、あのカウガールしかいない。
シラージ:青いバラに関係のある者は1人だけである。
リンスイ:あのポーズではもはや言い訳不能。どこであれを知ったんだ…
カナタ:とある実況者の語った言葉「あなたの夢は(総大将)か、(不死鳥)か。私の夢は◯◯◯◯◯◯◯◯です」+ナントカの景色は譲らない…!

ちなみに私の"最推し"は異次元の逃亡者さんです。育成回数ぶっちぎり最多です。

いつぞやの侵入者「アタシの出番これだけかよっ! よーし決めた、オマエの今日のトレーニングは『ゴボゴボ☆マリアナ海溝ダイビング』だ!!」
堺…の代理たるうp主「えっちょっ待っt」
この後うp主はめちゃくちゃドロップキックされました。ついでに大東洋行きのマグロ漁船に連行されました。


評価10をくださいましたソロモンの狼様、にゃんこンゴ様、ありがとうございます!!
また、新たにお気に入り登録してくださいました皆様、ありがとうございます!


次回予告。

ついに始まった「バグラチオ作戦」。最初に進攻を開始したのは、第二文明圏連合軍を構成する3つの軍集団のうち、ムー陸軍第2軍とロデニウス陸軍第1軍団を中核とする「中央軍集団」だった。旧ヒノマワリ王国の都市オクライトを舞台に、総反撃の狼煙が上がる!
次回「オクライト攻防戦」

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