鎮守府が、異世界に召喚されました。これより、部隊を展開させます。 作:Red October
お待たせ致しました……グ帝の日常の様子、上手く描けてると良いのですが…。
中央暦1644年4月16日、グラ・バルカス帝国帝都ラグナ ド・デカテオン社所有のとある造船所。
「軍艦じゃない船の修理は、何だか久しぶりな気がするな…」
ドックに入ってきたタンカーを見て、マーク・デルフィーノはそう呟いた。
ド・デカテオン社はグラ・バルカス帝国の重工業会社の1つで、造船部門を有している。この造船部は、オリオン級戦艦やヘルクレス級戦艦の建造を担っており、その他にも軽巡洋艦や駆逐艦、その他民間向けのタンカーや輸送船などを建造していた。そして、船の建造ができるということは、船の修理もお手のものだということである。
今回は、西方の植民地から原油を運んできたタンカーが雷撃を受けたとのことで、その修理を担うことになったのだった。
船が盤木に乗ったのが確認されると、ドックの海水が少しずつ排水されていく。その様子を眺めながら、マークの周囲にいた同僚の工員たちが話し合う。
「雷撃を受けた船って話だが、よくまあ生きて帰って来れたな…」
「石油の備蓄区画で浸水食い止めたのか?」
「いや、戦艦ならまだしもこいつはタンカーだぞ。限度があるだろ」
「この船が幸運だったんだろな。俺の友人もこいつくらい運の良い駆逐艦に乗れてりゃなぁ…」
「おい滅多なこと言うな」
喫水線下に大穴を開ける魚雷は、船にとっては下手な爆弾より遥かに恐ろしい兵器である。防御力の十分でない民間船などが魚雷を喰らえば、一撃で真っ二つに折れて沈没することも十分あり得るのである。
工員たちが話し合っている間に、排水作業はどんどん進んでいった…が、船腹が見えてきた時、彼らはあっと叫んだ。
「おい、あれ…!」
「魚雷!? 刺さったままじゃねえか!」
「あぶねえな!」
「なるほど、不発だったから助かったのか…幸運だったな」
タンカーの右の横腹に、魚雷が1本突き刺さっていたのだ。弾頭は深々と食い込んだらしく、スクリューと胴体の一部だけが覗いている。
不発魚雷発見の報告はすぐに上に上げられ、急遽出動した兵士たちによってドックは封鎖され、魚雷の抜き取り&信管除去作業が始まった。そのためマークたち一般工員は、いったん他のドックでの仕事に回されることになった。
ちなみに後日、マークはこの一件の顛末をこっそり教えてもらうことができた。元々軍に所属していたマークは、ドックに来た海兵の1人ケリー・コズウェル二等兵曹と知り合いだったのである。
「例のあの魚雷なんだがな、どうもロデニウス軍の潜水艦から撃ち込まれた奴らしい」
「何だって!? ロデニウスが、潜水艦まで持ってんのか?」
「ああ。もしかしたら、帝都を襲った潜水艦と同一かもな」
「おいちょっと待て何つった? 帝都が襲撃? 潜水艦に?」
「しっ、声がでかい」
「す、すまん」
ケリーは一気に声を潜めた。
「元旦の空襲覚えてるか?」
「もちろん」
「実はな、その空襲の直前、まだ夜が明けてない時間帯に、ラグナ軍港に停泊していた船が雷撃を受けている。そして、当時ラグナ軍港にいた船の乗員のうち何人かが、ロデニウスの潜水艦らしき艦影を見たって言ってたんだ」
「夜なのに、潜っている潜水艦を見つけたのか?」
「いや、潜水艦の方が軍港内に浮上して砲撃してきたんだ。軍港ど真ん中に浮上して砲撃とか、よっぽど頭のイカれた奴らだぜ」
「……恐ろしいな、なんて勇敢で腕の良い潜水艦乗りだよ」
マークの背筋が寒くなった。
「そんな訳で、もしかしたらあのタンカーは、ラグナ軍港を襲った潜水艦から雷撃されて、何とか生き延びたのかもしれん。もしそうなら本当に幸運なタンカーだぜ」
「本当にな。俺の同僚が嘆いてたよ、スハイルがあのタンカーくらい幸運だったらな、って」
「スハイル? そいつの友人でも乗ってたのか?」
「ああ。スハイルは西部方面艦隊所属の新鋭艦、ハレー級駆逐艦だったんだよ」
「西部方面……あぁ、ロデニウス艦隊に沈められたのか」
マークもケリーも沈痛な顔をした。
秋月型駆逐艦にそっくりな姿・性能を持つハレー級駆逐艦。その1隻だった「スハイル」は、第三次パルチスタ沖大海戦にてロデニウス軍機のロケット弾により轟沈してしまっている(197話参照)。
「それは気の毒にな…。
まあそれはそれとして、今はあの魚雷だ。ロデニウス軍の魚雷であることは間違いないだろうから、敵の兵器を鹵獲したってことになる。今うちの部署が全力を挙げて解析に当たってる」
「どんな感じだ?」
「まだ何とも。だが不思議なことに、あの敵の魚雷は弾頭が紡錘形だったんだ。我が海軍の魚雷はどれも半球形弾頭なんだがな。
あの紡錘形弾頭には、何の意味があるんだろうな…」
ケリーは首を傾げていたものである。
閑話休題。
タンカーの脇腹に突き刺さった魚雷を見たその日の夕方…といってもとっくに陽が沈み、空が星々と月に支配されつつある時間帯。
残業して本日分の仕事を済ませたマークは、疲れた身体を引きずるようにして家路を急いでいた。
彼の通勤手段は路線バス+徒歩である。といっても、彼が免許を持っていない訳ではない。1台しかない自家用車を妻が使うことが多いため、必然的に彼はバス通勤せざるを得ないのである。おまけに、このところガソリンや木炭といった燃料の値段が恐ろしく高くなってしまい、おいそれとマイカーを使えないのであった。
「おかえりなさい、あなた」
「ああ、ただいま」
店じまいをしていた妻キャサリンが、マークを見つけて声をかけた。マークの家は1階部分を使って薬局を開いているのである。
「ちょっと買い物してきたら、掘り出し物があった。ほら」
「あら、これは…」
マークが見せた掘り出し物…なかなか立派な一尾の魚に、目を輝かせるキャサリン。
「今時こんな大きいの、珍しいじゃない。どうしたのよ」
「スーザンさんとこの"気まぐれ"さ」
「ああ、運が良かったのね」
「全くだよ」
彼らが贔屓にしている魚屋は、「店主の気まぐれタイムセール」と称して、日によって異なる時間にタイムセールをやっている。マークは運良くこれの開始時刻に遭遇し、目玉商品であろう掘り出し物をゲットできたのだ。
「しかし、また値段が上がってる。うちもちょっと苦しくなってきたな」
「本当にねぇ…」
現在のところ、グラ・バルカス帝国本土では物価の上昇傾向が続いている。その理由は、食糧品や衣服を作るための布などの消耗品を軍部が根こそぎ吸い上げてしまうため、民間に出回る量が減っているからだ。特にガソリンはそれが顕著である。
また、食糧品に関しては元旦当日(グラ・バルカス帝国における元旦は、中央暦でいうと4月2日である)のロデニウス軍の空襲の影響も大きい。あれにはラグナに住まう一般市民の大半…全員と言っても良いかもしれない…が強い衝撃を受けた。そして、絶対安全を保証していたはずの帝都防衛隊の護りが突破され、甚大な被害を受けたことから、「もう本土も安全ではない」という考えが出てきた。
こうなると、人々の関心は己の生活に向かう。ひとまず先行きの不透明感を払拭しようと、人々は食糧品や医薬品などの買い集めと備蓄に走った。その結果、ただでさえ需要より供給が少ない傾向だったのがさらに強まってしまった。
帝都各地の店は軒並み商品の値段が上がっており、一部ではインフレーションめいた状況になりつつあった。キャサリンの薬局も例外ではなく、彼女は必死で値段を抑えようと努力しているが、じわじわと値上げせざるを得なくなってきている。
あと、漁業に関して言えば「壊滅的」と言って良い影響が出ていた。というのも、ロデニウス艦隊の奇襲に驚いた軍部が、本土近海の安全を確保しきれないとして漁船の出港を厳しく制限してしまったからである。このため需要に比して供給ががくっと減ってしまい、結果として魚介類は天井知らずの勢いで値段が上がりまくっている。マークが大物を比較的安値でゲットできたのは、本当に幸運である。
…なお、実はこの値上げには、ロデニウス艦隊による通商破壊作戦の影響はまだ完全には表れていない。このため、さらに値段が上がることは確定している。
「しかも、あなた聞いた? この頃のパンは…」
「混ぜ物してるって噂だな? 質の悪い小麦粉を混ぜて使っているとか…」
「一部では、もはや小麦粉ですらないものを混ぜているという話もあるわよ」
「……ろくでもないな」
物資不足になった時の対処法その1、物価を上げる。その2、値段はそのままで量を少なくする。その3、混ぜ物や薄める等して質が低くなったものを使う、である。
「もしかしたら、うちの娘の方が食べ物に困ってなかったりして」
2人の間にできた娘マキ・デルフィーノは、ムー大陸に渡った結果としてロデニウス軍の庇護下に入ってしまった。先日の帝都空襲に紛れて、3ヶ月前に書かれた手紙が投下されたっきり音沙汰が無い。だがキャサリンは、マキは生きていると確信していた。
「冗談でもそんなことを言うな…と言いたいが、あり得そうだから困るな」
マークは知っている。本来なら通商破壊にあたるはずのグラ・バルカス帝国潜水艦隊は、今やひっそりと隠れ潜むことしかできなくなっているということを。
どうもロデニウス軍が非常に高い対潜能力を有しており、その薫陶を受けたムー大陸諸国の対潜能力も少しずつ上がっているようだ。ロデニウス軍の対潜戦闘は特に徹底しており、アクティブソナーの実用化はもちろん、爆雷を艦の前方へ投射する等のグラ・バルカス帝国軍では考えられない戦法を使っている。それによってグラ・バルカス帝国の潜水艦は完全に封殺されてしまい、今や索敵が精一杯。雷撃準備は手の込んだ自殺、というレベルに達している…と、マークは海軍の友人から聞いている。
そんな訳で、ロデニウス軍は本土から離れたところでもロデニウス大陸産の旨い食糧をたっぷりと支給されているのだ。本土での食糧調達すらままならないこちらとは雲泥の差だ…とマークは感じている。
「苦しいところではあるけれど、もう少し頑張らないとね。あの娘が帰ってくる家が必要だわ」
「違いないな」
自分たちの生命や生活と、娘の生命。どちらもを心配せねばならない苦しい状況ながらも、マークとキャサリンは何とか生きていこうとしていた。
なお、マークとキャサリンの心配しているマキであるが、
「お願いします! また両親に手紙届けてもらえないですかぁ…?」
瞳をうるうるさせて頼み事をしていた。
「うーん、そう言われましても…」
その瞳の先で困ったように眉をハの字にしているのが、陸軍特殊船丙型の艦娘"あきつ丸"である。
「まず、マキ殿の手紙の届け先って帝国本土、それも帝都でありますよね…? そこまで持っていくのが大変なのですが…。
それに、帝都に進入した時点で激しい迎撃を受けることは確実でありますから、その中で悠長に降下して手紙を届ける余裕なんて無いでありますよ…」
両親を想って手紙を出したいというマキの気持ち自体は、分からないでもない。が、最大の問題は届け先が絶賛戦争中の敵国の首都だという点である。
「でもでも、前の時手紙書けって言ったじゃないですか。あれ届けられたんですよね!?」
「ま、まあ、それは何とかやりましたが…戦闘詳報によれば、手紙の配達といっても紙吹雪みたいに上からばら撒いただけでありますよ? 撒いた手紙、無事にご両親に届いたのでしょうか?」
「それは帝都の人たちが何とかしてくれたはずです! 近所のアステリアさんとかが…!」
「あの空襲の最中でありますよ? 混乱している中で届けられるものでありましょうか?
屋根の上に落ちた手紙だってあるで…」
「一回できたんならいけるじゃないですか!」
"あきつ丸"とは年齢が近いと見なされたのか、マキの口調は何というか、姉に駄々をこねる妹みたいになっている。
「おねがーい、届けてきて」
語尾にハートマークが付きそうな甘ったるい声、完全に妹属性が発揮されている。「おねだり」にほとほと困り果てる"あきつ丸"であった。
…で、"あきつ丸"が困るなら当然のように困る人物がいる。
『…という次第であります。もう3通くらい持ってこられているでありますよ』
「……なかなか始末に負えんなぁ」
堺である。通信機から響く"あきつ丸"の声に、髪をバリバリと掻いていた。
「俺のところにも、昨日本土から段ボール4箱分くらい手紙が届けられたよ。ロデニウス大陸本土に収容されているグラ・バルカス帝国軍捕虜が書いたものだ。何とかして家族に届けてもらいたい、だとさ」
『気持ちは分かるのでありますが…』
「届け先がなー……もっかい帝都攻撃とか面倒この上ない」
堺とマキの年齢差は5を超えている(堺が年上)。なので絵面だけ見れば、甘えん坊の妹に振り回される兄といった体である。
「とはいえ、マキさんたちの心情も分からんでもない。それに段ボール4箱も持ってこられちゃ、無下にできん。
仕方ない、何か考えるからとりあえず受け取っといてくれ」
『承知したであります。それでは、自分はこれで』
「おう。残敵掃討はなかなか骨の折れる仕事だと思うが、頑張ってくれ。あと少しで奴らを腹ペコにできるはずだ…和平ないし停戦が成立次第、タウイタウイへの帰還の準備に入る」
『了解であります!』
現状、"あきつ丸"率いるロデニウス陸軍第13軍団は、ムー大陸でのグラ・バルカス帝国軍残党の掃討戦くらいしかすることがないのである。長きに渡ってムー大陸に出征していることもあって、部隊内での精神面への悪影響が少しずつ懸念され始めていた。
"あきつ丸"との交信を終え、堺は再び頭を悩ませる。
「正直なところ手紙は届けてやりたい。捕虜になってる方々の願いを叶えてやるのは大事だしな」
この手紙配達作戦であるが、実施目的はあくまでも「捕虜の方々のため」である。断じて、「ちょうど良いからグ帝一般市民の心理を揺さぶって非戦世論の形成を促したろ! あとこれを貸しにして戦後にグ帝に恩を売っとこ!」とか思った訳ではない。
「とはいえなぁ…配達のためだけにわざわざグ帝本土強襲すんのもコスパが悪すぎる。せめて何かしらの戦略目標をぶっ叩くついでに配達、という形にできりゃあ一番良いんだけど」
そんな都合の良い話があるはずがない
「提督、以前から捜索が提案されていたウラン濃縮施設についてなんですが、目星がつきました」
「マジか!」
……なんてことはなかった。
"ヤマト"が持ってきた報告に、渡りに船とばかりに食いつく堺。
「これですね。放射線量や熱量からして、ここで間違いないでしょう」
タブレット端末の表面を"ヤマト"の白い指が滑る。すると、画面に表示されていたグラ・バルカス帝国本土の地図がみるみる拡大され、最終的に本土中西部の山地の麓にある一群の施設を映し出した。
「放射線量? 熱量は何となく分かるんだが放射線量ってどういうことだ」
「うちの艦の技術班にも意見を聞いたんですが、どうやらこの施設はガス拡散法によってウランを濃縮してるみたいです。ガス拡散法では濃縮するのに多量の電力が必要になります。
このためか、この施設は火力発電所も併設されているようで…」
「はー、なるほどな。言われてみりゃ、この画像にも煙突らしきものが写ってる。
で、放射線量って?」
「上空2,000メートルからの測定で、平均して毎時0.1ミリシーベルトを記録しています。自然環境ではあり得ない数値です」
自然環境内にある天然ウラン鉱石の場合、ウラン含有量はかなり小さい。なので、こんな数値はあり得ないのである。
ちなみに、放射線に関する単位には他に「ベクレル」「グレイ」というのもあり、ややこしいと思うので雨に例えて解説すると、"一定時間に降った雨の総量"がベクレル、"降った雨のうち人体に当たった量"がグレイ、"人体に当たった雨による影響…例えばどれだけ体表温度が下がったか…"がシーベルトである。
「ってか、これヤバくね? 上空から探知してその線量だろ?」
当然だが、線源から離れるほど被曝線量(=探知できる放射線量)は少なくなる。それなのに、線源から2,000メートルも離れて0.1ミリシーベルトということは、
「遮蔽ザルじゃん」
「ザルどころか無いに等しいですね」
そういうことである。
「めっちゃ被曝してない?」
「してるでしょうね」
どう考えても、この精錬プラントで働く人々は放射線被曝しまくっているだろう。
「奴ら気付いてないんかね? 放射能の恐ろしさに」
「気付いていたら、こんな危険すぎるプラント操業させる訳がないでしょう」
「だよなぁ…」
"ヤマト"の正論に、堺はがっくりと項垂れた。
「ちくしょう、面倒事ってのはどうしてこうも減らないんだ。1つ潰しても後から後から湧いてきやがる」
「そういうもんじゃないですか? それと、提督が不運の星の下に生まれているという説もありますが」
「冗談でもそんなこと言わんでくれ…」
堺はますますしょぼくれた。
「まあ、とりあえずウラン濃縮施設の場所が分かったのは良かった。強襲作戦計画立てることにするわ。追加データ得られたら頼む」
とは言ったが、実は堺は既にある程度の計画を思い付いている。そしてそれに気付かない"ヤマト"ではない。
「そう言って、もうなんとなくアイデア思い付いてるんじゃないですか?」
「……君のような勘の良い奴は苦手だよ」
背中にしなだれかかる"ヤマト"──ついでのように『九一式徹甲弾』がきっちり2発直撃している──に苦笑する堺。
「ここは内陸部だし、敵さんもこの施設の重要性を分かっているはずだから、早期警戒網も厳重なはずだ。然るに、我々はこの施設を短時間で破壊し、なおかつ実験データやら何やら持ち出されないようにするために、攻撃開始寸前まで敵に気付かれないよう接近せねばならん。そんな矛盾したことをやろうとすると…」
「敵のレーダーの特性を考えるなら、方法は1つしかなさそうですね。そして、それは私にしかできない」
鼻先にまで近付けられた"ヤマト"の瞳に、堺はニヤッと笑ってみせた。
「ああ。作戦方針はずばり『ミニットマン』だな」
マークとキャサリンが娘の身を案じている頃、ケリーが属する先進技術実験室は総力を挙げてロデニウスの魚雷の解析を急いでいた。どうにか信管と弾頭を外し、外装をバラして調べているのだが…
「何だこれは…」
先進技術実験室の主任技師カンダルは、目の前に横たわる魚雷の胴体部分を見て呟いた。その指が魚雷に伸び、そこから小さな石のかけらのようなものを引っ張り出す。
「こいつは魔石か?」
その質問に応じたのはケリーだった。
「はい。調べたところ、旧レイフォルで使われていたのと同じ、『風神の涙』とかいうものに似ているそうです。ただ、レイフォル製のものより質が良いように見受けられます」
旧レイフォルの戦列艦を鹵獲解析した時の資料を紐解きながら、カンダルは唸った。その資料によれば、「風神の涙」は風を起こす魔石であり、帆に風を吹き付けることで戦列艦を進ませる、実質的なエンジンになっていた、とある。
「ふーむ、ではこいつで風を起こし、気室内の気体をエンジンに送り込んでいたんだな」
「そうなります。それと、気室内に僅かに気体が残っていたので解析したんですが…」
ケリーは眉を引き攣らせながら、震え声で報告した。
「100%に近い純度の酸素であると判明しました」
その瞬間、カンダルの目が見開かれる。
「なにっ!? では、こいつはやはり…」
「はい…認めたくありませんが…ロデニウス軍は我が軍に先駆けて酸素推進型魚雷を実用化し、水上艦艇や潜水艦に幅広く配備していると考えられます」
「そうか…」
カンダルは天井を仰いだ。
「ロデニウス軍が酸素推進型魚雷を実用化している可能性は、以前から指摘されていたんだが……やはりそうだったか…。
となると、この『風神の涙』とやらの存在意義はもしかして、燃焼開始時の酸素流量の調節か?」
「現時点ではそのように考えられます。実際、こいつの気室からエンジンまでの配管をバラして調べてみると、気室出口には気体の流量を調節するための弁があります。我が軍の魚雷にはそんな弁はついていません。それに、この『風神の涙』も弁の付近で見つかったものです。
こんな弁や魔石を必要としたのも、特に燃焼開始の段階ではエンジンに送り込む気体の量を厳密に調整する必要があったからでしょう。そうしなければ爆発してしまう、等の理由で」
「だろうな。我が軍の実験でも、酸素推進型魚雷は始動時の爆発事故があまりにも多く、実用レベルの安全性を確保できなくて開発中止になっている。しかし、ロデニウスの連中は魔法の力を借りることでこの問題を解決し、酸素推進型魚雷を実戦配備してしまった、という訳か…」
仏頂面をするカンダル。科学技術で最先端を行くと自負していた彼からすれば、自国では実用化できなかった酸素推進型魚雷をロデニウスが実戦運用している、というのは面白くない。
なお、実はカンダルは誤解している。ロデニウス、ならぬ日本は、魔法の力を借りることなく酸素魚雷を実用化しているのだ。今彼らの目の前にある酸素推進型魚雷…「41式魔導酸素魚雷改」は、「九五式魚雷」と呼ばれる潜水艦用酸素魚雷の改良品なのである。
「しかも、戦闘記録を読んだ限り、奴らは2年前のカルトアルパス湾沖海戦の時から酸素推進型魚雷を運用していた可能性があります。それを考慮すると、我々が思っている以上にロデニウスの技術は高いのかもしれません」
苦り切った顔でケリーがコメントした。
「だろうな…この弾頭の爆薬を見ただけでも分かる。我が軍の爆薬よりも威力が高い上に、我が軍の魚雷の炸薬とは組成がまるで違う。今のところ、何の物質を組み合わせたらこれができるのか想像もできん」
実は先日、弾頭に仕込まれた炸薬の一部を使って爆破実験を行っている。結果は、同量であればグラ・バルカス帝国製の炸薬よりも威力が高い、という結論が出て、実験に関わった全員が青くなる羽目になった。
「だが幸い、この魚雷は直径53㎝だ。これは、我が帝国海軍の潜水艦・水上艦艇で使われている魚雷と同じ直径である。つまり、こいつを解析し構造をちょっと弄れば…」
「我が海軍もついに酸素推進型魚雷を配備できる、ということですね!」
ケリーが目を輝かせた。
「ああ。ということで、弾頭の炸薬も興味深いがそれの解析は後回しだ。とりあえず胴体部分やエンジンだけ解析してしまおう。弾頭は我が軍のものに差し替えれば良い」
「はっ!」
思いがけず転がり込んできた酸素推進型魚雷配備のチャンスを逃すまいと、グラ・バルカス帝国軍先進技術実験室は総力を挙げて、「41式魔導酸素魚雷改」の解析を急ぐ。
◆◇◆◇◆◇◆◇
中央暦1644年4月21日、グラ・バルカス帝国帝都ラグナ 帝王府ニヴルズ城。
帝国の中枢というべきこの城の一角…正確には地下に設けられた戦時会議室…にて、帝王グラ・ルークスを交えた帝前会議が行われようとしていた。
「ま、まずは国内の現状についてご報告を致します…」
産業経済庁長官レンス・メルダースが、脂汗をかくどころか血相を欠いて白くなった顔で報告を始めた。
「元旦の空襲で破壊されたオラーク水力発電所ですが、……復旧の目処は今も全く立っておりません。溢れた水は引きましたので瓦礫の撤去が始まったのですが、その量は膨大なもので、川の流れもあって土木機械を以てしても追いつきません。
ダムだけでなく、下流の都市や工場地帯、農地も大きな被害を受けており、これらの再建もなかなか進んでいません」
正月に受けたロデニウス軍の空襲の際、帝国本土中部にあるオラーク水力発電所は雷撃を受けて破壊され、ダムから溢れ出した大量の水が洪水となって下流の都市や工場地帯、畑などを呑み込んでしまっていた。何とか再建しようとはしているが、被害があまりにも大きすぎて瓦礫の撤去もまだ完了していない。
「ぐ、具体的にはどのくらいの被害に…?」
帝王府副長官オルダイカ・ヤルブが震え声で尋ねた。
ちなみにオルダイカは、帝国の大企業の1つ「カルスライン社」の重役エルチルゴと癒着しており、兵器製造に関して様々な便宜を図る代わりに賄賂を受け取る、という関係を作っている。今回の洪水ではカルスライン社の工場も甚大な被害を受けており、オルダイカはエルチルゴから工場建て直しのために多額の金をせびられるのではないかと恐れていたのである。
このロクデナシが、と思った貴方は決して間違っていない。
「まず農地の被害からですが……被害面積は総計約235万平方メートルに達すると試算されています」
ざっくり東京ドーム50個分という広大な面積である。
「これは単純な面積だけの話です。農林庁に確認したところ、我が国で主食となっている小麦の栽培面積は、これらのうち約65%を占めているとの報告を受けました。このことからして、本年度の小麦の値上がりは避けられません。値上がりの幅については、推測値しか出せませんが、1㎏辺りおよそ20グーラン程度は上がるものと見込まれます」
日本円あるいはロデニウスロデンとの為替レートが設定されてないため一概には言えないが、大雑把に1㎏辺り2,000円くらいの値上がりである。
「また、工場や都市部の建て直しにも多額の資金が必要です。水力発電所を含めて全てを再建するには、最低でも50億グーラン以上必要だと試算されています」
額の大きさに、出席者たちからはざわめきが漏れる。
「なんて…ことだ…」
オルダイカも絶句してしまった。
いくらオルダイカが金持ちであっても、50億なんてそう容易に出せる訳がない。
「また、ウドゥの家具製造工場も壊滅したため、帝王府への家具の納品が不可能になっております」
「それについては、私もそのように聞いている」
帝王府長官カーツ・エドモンズが口を挟んだ。
「正月休み明けに納品されるはずだったタンスなども全滅だそうだ。……おのれロデニウスめ…」
しれっと毒が混じっている。
「こうした工場地帯の被害によって、本年度以降の税収も落ちることが推測されます。
また、オラーク水力発電所の他に、ラグナ火力発電所も破壊されたことで、帝国本土東部を中心に大規模な停電が発生しました。火力発電所は最低限復旧しましたが、以前の発電量の22%しか発電できておらず、引き続き電力使用量を制限せざるを得ない状態です」
つまるところ「計画停電をしている」という訳である。
まあ、火力発電所が復旧しきっておらず、水力発電所のダムに至ってはまだ瓦礫撤去の段階であれば仕方がない。
「さらに、漁業関係者からは漁船の出航制限に関して非難に次ぐ非難の連続です。このままでは商売上がったりだ…と。一般臣民からも、魚介類の値段が上がりすぎて全く手が届かない、という声が多数届いています。ですので、海軍や空軍の方ともご協議いただき、漁船の出航制限を早期に解除していただけますと幸いです。
産業経済庁からは以上です」
いくら帝政であろうとも、一般国民の声を完全に無視することなどできない。特に、国民の数で押し切られた場合には。
「人的被害はどうだ?」
帝王グラ・ルークスの質問には、カーツが答えた。
「皇国臣民の人的被害ですが……現時点で判明している限り、死亡者は2,354人、行方不明者508人、負傷者991人を数えております」
苦虫を100匹くらい噛み潰したような苦い顔でカーツが報告する。
「それほどの臣民が死傷したのか……実に悲しいことだ」
グラ・ルークスも額に手を当てた。
「ともかく、東部の、特に工場の復旧を急がせよ。敵機動部隊が本土の庭先をうろついている以上、兵器が無ければ対抗できん」
「はっ! 産業経済庁を通じて厳命しておきます」
兵器の増産というのは、敵に対する迎撃能力を高めるという意味では正しい選択である。…問題は、それを運用するための人員と運用プラットフォーム(例えば航空機なら飛行場)があるかということだが。
「それと、漁船の出航制限については、これを解除する方向で検討せよ。軍にも缶詰等の形で魚介類が必要だ。
漁師たちの安全確保については、哨戒機を増やす方向で検討せよ」
「はっ!」
まだ本国艦隊には複数の艦艇が残っている。本土の航空隊と合わせて活用すれば、哨戒網を張ることが可能だ。
また、戦闘機が飛んでいる姿を見せることで相手を威圧し、手を出すのを思い留まらせる効果を見込める。警察用語でいう「威力警備」という奴である。
……尤も、武装警備の様子を見せて相手の襲撃を抑止するという性質のものなので、言い換えると「襲撃の意志を強く持った者に対しては無意味」ということになるのだが…。
「次に、軍からの報告を聞こう」
グラ・ルークスのその言葉に、軍本部長サンド・パスタル元帥が青い顔で立ち上がった。
「現在のところ、軍は甚大な被害を受けています。
まず陸軍についてですが、ムー大陸に派遣されていた第8軍団を中心とする陸軍部隊は全滅…。陸軍・植民地警備部隊等を合わせて32万人が戦死又は行方不明又は捕虜となりました…。これは、正月の空襲の際にロデニウス軍が投下した書類と突き合わせても明らかです。
また、軍とは別にムー大陸に入植した帝国臣民も、40万人前後が死亡又は行方不明又は捕虜になっております」
グラ・バルカス帝国の人口が約8,000万人であることを考えると、この時点でかなりの人的被害である。
「次に、海軍の被害ですが、主力艦隊は全滅……帝都で再建中だった東部方面艦隊も、正月の空襲で壊滅しました…。
現在、残存している艦艇は全て本国艦隊所属となっており、艦艇総数は500隻を超えていますが、いずれも練度不十分と見込まれます。本土を空襲したロデニウス艦隊と戦うのも、覚束ないでしょう…。外征はもはや不可能です」
おそらく最も大きな被害を受けているのが海軍だろう。何せ文字通りに国家を(財政的に)傾けてまで建造した戦艦や正規空母を、ごっそり喪失してしまったのだ。
戦艦・正規空母を合わせると100隻近い数が、ロデニウスとの戦争で撃沈されている。凄まじいまでの被害である。これだけでももう卒倒しそうな被害であるが…軍艦の乗組員とか母艦機のパイロット等の人的被害を忘れてはいけない。こちらもとんでもない被害が出ているのである。
「最後に空軍ですが、正月の空襲と、その直後に発生した敵超大型飛行戦艦の襲撃によって、本土各地の飛行場は壊滅的被害を受けました…。特に、空軍特殊殲滅作戦部は人員・機材共にほぼ全滅し、超重爆撃機グティマウンの製造費用の高さもあって、再建は実質的に不可能です。
現在、攻撃を受けた飛行場の復旧を急いでいますが、襲撃を受けた飛行場が33箇所に昇るのに対して、航空機の運用が可能になった飛行場はまだ2つしかありません」
あの襲撃から3週間程しか経っていないせいもあり、復旧工事はまだまだである。
「……分かった」
グラ・ルークスが重々しい声で言った。
「軍の再建を急ぐように。それとパスタル」
「はっ、はい!」
「海軍に命じて、何とか1個艦隊だけでも外征用の艦隊を再建してくれ」
「承知致しました。海軍のホーキンス元帥と相談し、東部方面艦隊の再建を急ぎます」
平伏するサンド・パスタルであった。
「それから、先進技術実験室のカンダル主任から報告がございます」
「ほう、申してみよ」
「は!」
サンドに代わってカンダルが立ち上がる。
「実は先日、西方の植民地から帝国本土に向かっていた輸送船団が、ロデニウス軍の潜水艦らしき相手から攻撃を受け、複数の輸送船と護衛艦を失いました。その攻撃を生き延びて本土に戻ってきたタンカーのうち1隻に、不発の魚雷が突き刺さったままになっていたのです。おそらくロデニウス軍の魚雷と見られます」
にわかに席上がざわつく。そのざわめきの中、カンダルは続ける。
「先進技術実験室では、その魚雷を回収して解析を行いました。その結果、大変なことが分かったのです。
まず、この鹵獲した魚雷ですが、推進用に用いられていた気体は圧縮空気ではなく、純度100%の酸素でした。従いまして、ロデニウス軍の魚雷は酸素推進型魚雷であると判断します」
海軍関係者のざわめきが大きくなる一方で、他の軍関係者や事情を知らない軍以外の出席者は首を傾げている。
「酸素推進型魚雷は、我が先進技術実験室と海軍が共同で研究していた最新兵器でした。もし実用化できれば、従来の魚雷より遥かに高威力・高速・長射程で、なおかつ敵に発見されにくくなるという、魚雷の新時代を築く素晴らしいものになるはずでした。
しかし、酸素は取り扱いが難しく、特に起動直後の酸素燃焼の統制が困難で爆発事故が多発する、という理由から実用性を確保できませんでした。ですので、我々先進技術実験室としても、酸素推進型魚雷は理論上は素晴らしい兵器ではあるものの、実用化できないとして開発を断念したのです。
しかしロデニウス軍は、我が軍でも実用化できなかった酸素推進型魚雷を実用化し、潜水艦や水上艦艇に配備していると考えられます」
科学技術に優れるグラ・バルカス帝国の力を以てしても作れなかった兵器を、ロデニウス連合王国が作って使っている、という事実に、会議室のざわめきが最高潮に達した。
「まさか、我が帝国でも作れないものを使っているとは…」
「そんな、そんなことがあるのか…!」
グラ・ルークスが手を挙げたことでざわめきは収まった。まだカンダルからの説明が残っていると察したのだ。
「現在、先進技術実験室では鹵獲した魚雷を解析し、何とか我が軍に取り入れようとしております。以上で、先進技術実験室からの報告を終わります」
「ふむ、報告ご苦労カンダル主任。引き続き解析を行い、何としても我が軍に取り入れよ。必要とあらばそちらに資材を回す」
「ははっ!」
その後いくつかの報告や質疑応答を経て会議は終了した。
参加者が持ち場に戻っていく中、サンドだけはグラ・ルークスに呼び止められたため会議室に残っている。何か軍に関する大事な調整だろう…と、参加者たちは思っていたのだが、実はそうではなかった。
「サンド、例の兵器はどうなっている?」
「はっ、何とか濃縮を始めたのですが…なかなか上手くいっておりませぬ」
「上手くいかないだと?」
「は、鉱石に含まれている成分の量が少なく、兵器としての実用レベルに持っていくには大量の鉱石が必要なのです。ですが、このところのロデニウス軍の攻撃によって鉱石を運ぶ輸送船が沈められ、なかなか本土に運び込まれません」
「なるほど、原料が届かないという問題か…」
「それに加えて、濃縮工場の従業員に正体不明の体調不良者が多数発生しておりまして」
「体調不良だと?」
「は。具体的には、吐き気や嘔吐、下痢、倦怠感、頭痛などを訴えている者が多いそうです。それも、不良者の数が日に日に増加しつつあると……軍医も何とかしようと奮闘しておりますが、原因もよく分かっておらず…」
グラ・ルークスの眉間にシワが寄った。
「体調不良者の増加とは困ったな、この国難の時に…。原因は引き続き調査させるように」
「はっ」
「それと…兵器に関しては、万難を排して完成させよ。1発で都市1つを破壊できる威力など、ものすごく魅力的だ」
「はっ、承知しております!」
何やら、どえらい兵器を製造しようとしているらしい。いったいどうなることやら……。
その日の夜、ラグナ郊外 高級料亭「ミルトコウモ」。
出された料理を前にして…オルダイカとエルチルゴは顔を見合わせた。そして従業員が引き下がった後、小声で囁き合う。
「おい……何だこの貧相さは?」
「これであの値段ですか…随分と値上がりしたものですなぁ」
以前と値段は変わらないのだが、中身はかなり貧相になっていた。具体的には、魚の切り身は厚みが薄くなったり小さくなったり、野菜の鮮度が見るからに落ちて萎れかけていたり。そして主食のパンも、明らかに味が落ちていた。何か小麦に混ぜ物でもして焼いたと見える(史実でいうと、ドイツのKブロート…第一次世界大戦期に登場したジャガイモ粉混ぜパンが該当する)。
ちなみにこの料亭のパン、高級料亭だからまだマシな方である。一般国民向けのものだと、なんと小麦にジャガイモ粉やおがくずを(それも結構な比率で)混ぜて焼いたパンを出しているのである。
キャサリンやマークが聞いた噂も、あながち間違いではないということであった。
「帝国が誇る高級料亭までもが、ここまで食べ物が貧相になっているとは…」
これもうヤバいんじゃねえか……それがオルダイカの直感であった。
ということで今回はグ帝が中心でした。
娘さんの身を案ずるマークとキャサリン、それに対してめちゃくちゃ平和そうなマキ。この辺はなんとも対照的ですね。
その一方で、グラ・バルカス帝国内で徐々に国民生活を蝕みつつある物価高……このままではインフレ待った無しとなるでしょう。何気にオルダイカも被害を喰らっています。
サンド・パスタルとグラ・ルークスの間で、何やら不穏な施設の情報が共有されていますが、これはまさか…。
また、堺と"ヤマト"で放射性物質濃縮施設の情報が共有され、攻撃対象に入ってますね。この攻撃対象=グ帝の一部のみ知る不穏な施設なのでしょうか?
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次回予告。
ついに放射性物質濃縮施設の存在を突き止めた堺と"ヤマト"。核兵器開発に繋がる重要施設ということで、2人は直ちにこの施設を攻撃目標に定める。作戦方針として示された「ミニットマン」とは…?
次回『ラヴクラフト⑥