鎮守府が、異世界に召喚されました。これより、部隊を展開させます。   作:Red October

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…ふぁっ!?
もうお気に入りが19もあるの…?

皆様どれだけこの「日本国召喚」がお好きなんですか…

評価9をくださいましたsigure4539様、評価5をくださいましたぼるてる様、そしてお気に入り登録してくださった皆様、本当にありがとうございます。
今後とも拙作をよろしくお願い申し上げます。

予告通り、今回はクワ・トイネ公国の立場からのファーストコンタクトを描きます。
原作Web版だと1話しかかかってないのに、この場面だけで3話も使うことになるとは…



それでは、


























003. ファーストコンタクト ークワ・トイネ公国の立場からー

 中央暦1639年1月24日。

 その日は、少しばかり風のある、そしてめずらしく霧が出た日だった。

 (だい)(とう)(よう)に浮かぶ小さな大陸にある小国の1つ、クワ・トイネ公国の竜騎士・マールパティマは、相棒のワイバーンと呼ばれる飛竜に乗り、公国の北東部の沿岸哨戒の任に就いていた。

 クワ・トイネ公国の北東方向には、国は何もない。ただ青い海が広がるばかりだ。かつて、何人もの冒険者が、この水平線の先には何があるのか探るべく、()ぎ出していったのだが、帰ってきた者は1人もいない。

 では、なぜ彼がそんな方角の哨戒に当たっているのかというと、それは、公国を取り巻く状況が原因だった。

 

 クワ・トイネ公国は、この世界ではロデニウスと呼ばれる、オーストラリア大陸の半分程度の面積の大陸にある国なのだが、ロデニウス大陸にはクワ・トイネ公国以外に2つの国がある。1つは、クイラ王国。もう1つは、ロウリア王国。

 ロウリア王国が最も力があり、また同国はヒト族のみが住まう国家だった。対して、クワ・トイネ公国は農業立国であり、人口の約3分の1くらいを()(じん)と呼ばれる種族……具体的には(じゅう)(じん)やエルフ、ドワーフなど……が占めている。クイラ王国は、耕作に適さない()せた土地が国土の大半を占める貧しい国家であり、同じく人口の3分の1が亜人だった。

 そして、ロウリア王国は、国家戦略として「亜人を(せん)(めつ)し、ヒト種の王道を開き、ロデニウス大陸を統一する」ことを掲げている。それはすなわちクワ・トイネ、クイラ、両国との敵対を意味していた。そして、クワ・トイネ公国とクイラ王国は、(ゆう)()以来互いに助け合って、ロウリア王国に対抗してきたのである。

 

 いまマールパティマが、高度500メートルもの高空を飛んで、何もない方角の警戒を行っているのは、ロウリア王国の海軍に備えるためである。同国がこの方角から軍船を回し、奇襲をかけてくるかもしれないので、それへの備えとして哨戒をしているのだ。

 もうだいぶ晴れてきたものの、まだ霧が少しかかっていて、海面は(かす)んで見える。

 

「しかし、今日はどうしたんだ? 霧なんてめったに出ないのに……。このところヘンなことが続くなぁ……」

 

 実際、昨日は夜の時間帯だったのに、まるで昼のように空が明るくなる、という現象が発生している。もっとも、明るくなったのは短い間だけで、すぐ元通り暗くなったのだが。

 そして今日は、霧である。クワ・トイネ公国では霧なんぞ、1年に1回あるかないか、というくらいの頻度でしか発生しない。

 ぼやきながらも、敵の軍船を見落としては大変だと、彼は海に目を凝らしながらワイバーンの高度を落とそうとした……その時だった。

 彼の視界の(すみ)、空のほうで、何かがピカッと光った。

 

「何だ?」

 

 気のせいだとは思えず、彼は空を見上げる。すると、日本基準で視力3.0を誇る彼の目に、とんでもないものが飛び込んできた。

 

「ひ、飛竜だと!?」

 

 彼は思わず叫んだ。

 国も何もないはずの方角の空に、飛竜が飛んでいる。通常は、味方のワイバーン以外には、空を飛ぶものなどありえない。ロウリア王国のワイバーンでは、航続距離が足りなさすぎる。三大文明圏の国には、(りゅう)()と呼ばれる、洋上でワイバーンを運用可能な特殊な船があるらしいが、ロウリア王国がそんな船を持っているという情報はない。当然、味方もそんな船は持っていない。

 その飛竜は、だんだん近づいてくる。それを見ているうちに、彼はそれが味方の飛竜ではないことを察した。

 

「羽ばたいていない……?」

 

 当然だが飛竜は“羽ばたく”もの。竜に限らず、鳥、虫、なんでもそうだ。羽ばたかずに空を飛べるものなど、マールパティマは聞いたことがなかった。

 

「こりゃまずいな……」

 

 マールパティマはすぐに、通信用の魔法器具を手に取り、司令部に通信を行った。

 

「司令部へ、こちらマールパティマ。我、未確認騎と(そう)(ぐう)。これより確認し、(よう)(げき)を行う。現在地は……」

 

 報告を終えるや、彼は再度羽ばたかぬ飛竜を見る。

 幸いにも、自分の飛竜と相手とは、高度差はほとんどない。彼は、一度すれ違ってから、相手の後方から接近しようと考えた。そして、ぐんぐん近づいてきた未確認騎とすれ違う。

 未確認騎の大きさは、ワイバーンよりも大きい。鼻先に何かがついていて、それが猛烈な速さでぐるぐる回っていた。鳴き声だろうか、ブーンという音がする。背中のほうは緑色、腹側は白で、翼の先端と胴体には赤い丸が描かれていた。そして、鼻先の回転物体のすぐ後ろに、何やら透明な部位がある。

 

(目だろうか? でも、1つしかないうえに、妙な位置にあるし妙な形をしている……)

 

 そんなことを考えていた彼は、その目の中を覗き込んで……心臓が口から飛び出るかと思うほど驚いた。

 

 

 未確認騎の目の中にいる人間のような存在と、目が合ったのだ。

 

 

「な!?」

 

 マールパティマは心底驚愕した。目の中に人がいるわけがないのだが……確かにいた。しかも、間近で見た未確認騎は、どうやら全身を金属で固めているらしい。となると、もしやこれは竜ではなく、機械なのか!?

 彼が驚いている間に、未確認騎はとっくにすれ違ってしまっていた。慌てて彼はワイバーンを反転させて追いかけようとする。が……

 

「なっ!? 速い! 速すぎる!!」

 

 ワイバーンの最高速度235㎞/hをもってしても、全く追いつけないのだ。それどころか逆に、未確認騎はぐんぐん彼を引き離していく。

 ワイバーンは、生物の中でも最も足が速いと言われる存在だ。未確認騎はそれを、軽々と引き離していく。もしかすると、文明圏の国が持つと言われるワイバーンの改良型よりも速いかもしれない。

 

「くっ! 何なんだ、あいつは!?」

 

 歯ぎしりしながら、マールパティマは司令部に緊急通信を送った。

 

「司令部! 我、未確認騎を確認しようとするも、相手が速すぎて確認できず! 未確認騎はマイハーク方面へ進行した。()(かえ)す、未確認騎はマイハーク方面へ進行した!」

 

 通信を送ると、彼は魔法器具を元の位置へ戻し、

 

「くそっ!」

 

 自分自身に悪態をついた。

 

◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 クワ・トイネ公国の国土でいうと、中央の北部沿岸に存在し、公国の中では(くっ)()の規模を誇る経済都市マイハーク。そこは今、大混乱に陥っていた。

 港に停泊した帆船からは、船員たちが大急ぎで船を降り、避難していく。市街地の道路という道路は、家財道具を抱えた多くの避難民で溢れ、軍の歩兵が必死で交通誘導を行っていた。そして、マイハーク基地ではワイバーン隊に緊急発進(スクランブル)の命令が出て、それ以外の()(どう)()(きゅう)(せん)(へい)などは城壁にずらりと並んで空を見上げている。

 ワイバーンを上回る速度で哨戒線を突破した未確認騎。それがこのマイハークへ進行しているというのだ。攻撃してくる可能性は捨てきれない。

 

 彼らが戦闘配置を整えた頃……まだ避難民の誘導が終わらないうちに、その未確認騎はマイハーク上空に、その姿を見せた。

 

「き……来たぞぉ!」

 

 誰かが叫び、空を指差す。数十の目が一斉に、その方角を見る。この時、既に未確認騎は、その高度を4000メートルまで上げていたため、地上からでは小さな点のようにしか見えなかった。だが、視力の高い見張り員などは、しっかりと見つけている。

 

「ちっ……高度が高い!」

 

 マイハーク守備隊の隊長である、黒髪をポニーテールにまとめた凛々しい女性・イーネは歯嚙みする。あれでは弓も魔法もとても届かない。

 未確認騎は、マイハーク市の上を何度となく旋回する。だが、することといえばそれだけで、攻撃は全くしてこない。

 

「何がしたいんだ、あいつは?」

 

 イーネはひとりごちる。その時、未確認騎に突進していく複数のワイバーンの姿が目に映った。

 

『こちら第6飛竜隊! 未確認騎を視認、これより攻撃する!』

「了解、撃墜せよ」

 

 魔法通信器具から飛び出してきた報告に、イーネは短く命令する。

 第6飛竜隊のワイバーン12騎は、横1列に並んで長い首をまっすぐ伸ばし、頭、首、胴体を一直線にした。(どう)(りょく)()(えん)(だん)の発射準備だ。これが当たれば、落ちぬ飛竜などない。

 ところが……発射準備が整いつつあったその時、未確認騎は信じがたい行動に出た。なんと、騎首を上に向け、急上昇を開始したのだ。

 

『なにっ!?』

 

 通信機からは飛竜隊長の困惑した声が聞こえる。

 ワイバーン隊は、この突然の行動に全く対処できない。導力火炎弾の発射態勢に入っていたうえに、そもそも高度4,000メートルはワイバーンの上昇限界だ。

 誰もが空を見上げることしかできぬ中、未確認騎はいずこかへ飛び去っていった。

 

◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 その翌日、中央暦1639年1月25日。

 クワ・トイネ公国首都の政府の建物に場面は移る。その一室、臨時政治部会の席で、同国の首相カナタは頭を痛めていた。いや、カナタだけでなく、政治部会の出席メンバー全員が頭を痛めている。その原因は彼らの目の前の報告書。もちろん、昨日の未確認騎についての報告である。(こう)(とう)()(けい)としか思えない内容なのだが…軍民問わず多くの者が見た以上、事実に違いない。

 それに、ロウリア王国が怪しげな動きをしており、先の未確認騎がロウリア軍のものではないかという疑いは、まだ晴れていない。頭痛はそのせいでもある。

 

「全員、報告書は読んだかね?」

 

 頭を悩ませながらカナタが発言すると、全員が無言で頷く。

 

「昨日我が国の空に出現し、マイハーク上空を旋回したこの謎の未確認騎について、皆はどう思うか、どう(かい)(しゃく)するか? 意見を聞かせてくれ」

 

 カナタの言葉に、まず情報分析部の代表、エドが手を挙げ、発言する。

 

「情報分析部の報告としては、この未確認騎は世界五列強の1つ、ムー国が保有している飛行機械に酷似しています。ただ、ムー国の飛行機械は、最新鋭機でも最大で時速350㎞程度です。今回の未確認騎は、時速400㎞以上の速度が出ているようだとの報告で、ムーの機体としてはあり得ないと思います。ただ……」

「ただ?」

 

 言い淀んだエドに、カナタが尋ねた。

 

「ただ、ムーの遥か西、第二文明圏から離れた地に新興国家が出現し、付近の国々を攻め落とし、暴れまわっているとの報告が寄せられています。諜報部によれば、その国は昨日、第二文明圏外の全ての国家に宣戦を布告したとか。彼らがどんな武器を使うのかは、不明です」

 

 会議の席上に、僅かに笑いが起こる。

 第二文明圏と言えば、ムーも含めて世界五列強のうち2国が存在し、文明圏内の国家の力もなかなかのものだ。それに釣られるように、文明圏外の諸国家も、相応の国力を持っている。そんな第二文明圏の全ての圏外国家に対して、それも新興国が宣戦を布告するとは、なんというか、無謀にも程がある。

 

「しかし、ムーですら我が国からみて西方2万㎞以上の遠方である以上、それより更に遠い国家のモノがこんなところに出現するとは、どうしても考えにくいです」

「確かにな。では、何なのだ?」

 

 と聞かれても、答えが出るはずもない。情報が少なすぎるのだ。その未確認騎には、赤い丸が描いてあったというが、そんな紋章を持つ国は、この世界に存在しない。

 もしその未確認騎が味方だというのであれば、接触を図ってくれば済む話なのだ。しかしその騎は、こともあろうに領空侵犯をやらかしており、その点から考えれば敵である可能性が高い。

 

 と、その時だった。

 部会を行っている会議室の扉が、いきなりノックもなしにバタン! と大きな音を立てて開かれたのだ。駆け込んできたのは、外務省の制服を(まと)った職員の1人。

 

「ああ、(がい)()(きょう)、こちらにいらっしゃいましたか!?」

「何事だ! 政治部会中だぞ!」

 

 少し(あん)()した様子の職員を外務卿リンスイが(とが)めるも、カナタはそれを制した。

 

「いや、そうとわかった上で飛び込んできたのだろう? よほどの事態のようだ。私もいる、話を聞かせてくれ」

「はっ! 失礼しました! では報告します!」

 

 職員は、半ば緊張した面持ちで報告する。

 

「本日の朝、マイハークの沖合いに、全長250メートル以上の超大型艦が、突如として出現しました! 臨検した海軍の話によれば、同艦には日本と名乗る国の特使が乗っており、我が国との国交を求めているとのことです」

 

 ここまでは、まあ、なんとか理解できる(はん)(ちゅう)であった。

 しかし、次の報告で、彼らは耳を疑うこととなる。

 

「その、彼らなんですが……なんでも、他の世界から突然転移してきたそうで……。それで、元の世界と完全に断絶されてしまい、周辺の状況を把握すべくコウクウキなるものを飛ばして付近を(しょう)(かい)していたそうです。その際、我が国の領空を侵犯してしまったようです」

 

 

 

「……はぁ?」

 

 

 

 全員の頭に疑問符がついた。

 

「では何かね? 昨日の未確認騎は、そいつらのものだということか?」

「はい、その通りです。その件についても、正式に謝罪をしたいと、特使は述べていました」

 

 リンスイの疑問に、職員は即答する。

 

「ふん! 領空を侵犯しておきながら、謝罪だと!? 分を弁えぬ者どもだな、追い返してしまえ!」

 

 (いき)()くリンスイだが、

 

「まあ、そう言うな。国交(うん)(ぬん)はともかく、謝罪くらい、聞いておいてもいいのではないか?」

 

 カナタがたしなめた。

 

「私は一度、その特使に会っても良いのではないかと思っている。転移の話は信じられんが、それを抜きにすれば彼らの話は筋が通っている。また、海軍に対しても丁寧な対応をしたのではないか?」

 

 カナタは発言しながら、職員に質問した。

 

「はい、臨検にあたった者たちは、全員口を揃えて、あんな丁寧な対応は見たことがない、と報告しています」

「ならば、パーパルディア皇国のような無茶ぶりはしてこないはずだ。とても誠実ではないか」

 

 と、ここで職員が何かを思い出したらしく、口を開いた。

 

「あ、すみません、1つ報告し忘れていました」

「何だ?」

「国交開設の判断は、なるべくお早めにお願いしたい、とのことでした。それが叶えられるのであれば……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「特使殿が指揮している軍隊が、我が国の軍の指揮下に入ることになっても構わない、と」

 

 

 

「「「な、なにぃぃぃぃぃ!?」」」

 

 見事に全員、意見がハモった。

 

「おいリンスイ殿、これはありがたい話ではないか!? それだけ大きな船と、あの高速の飛竜。いかにロウリア軍といえど、そんなものは持っていないだろう。彼らの力があれば、ロウリア王国軍にも対抗できるかもしれないぞ?」

 

 軍務卿ヤヴィンが、真っ先に食いつく。

 

「確かにな。ん? 貴様、いま軍って言ったか? 海軍ではなくて?」

 

 これはエドの質問だ。 

 

「はい。なんでも、陸軍も空軍も備わっていると」

「なんてことだ! これなら、本当にロウリア王国にも対抗できるかもしれんぞ!」

 

 たちまち部会は、大騒ぎとなる。

 

「そういうことだ。私は会ってみようと思うが、どうだ?」

 

 それを収めてのカナタの発言に、リンスイも含めて全員が首を縦に振った。

 

◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 そして、その翌日。

 港町マイハークにて、カナタをはじめとするクワ・トイネ公国の代表団と、堺を中心とする日本国((正確には、日本国海上護衛軍艦娘部隊・タウイタウイ泊地駐留艦隊首脳部)は、正式に国交を締結することとなる。

 その内容は、具体的には、

 

 

・堺の保有する全ての軍は、クワ・トイネ公国軍部の指揮下に入る。ただし、クワ・トイネ軍の装備と堺の部隊の装備は全く異なるものであるため、実質的に堺の部隊は遊軍として動くことが多くなる。また、そのための権限も与えられる。

・堺の部隊…艦娘部隊、妖精陸戦隊、それに各空母と基地の航空隊…は、クワ・トイネ公国軍部の命令があれば、率先して動くこと。ただし、意見具申等あれば、軍部に具申した上で、ある程度自由に動ける。

・クワ・トイネ公国は、堺の部隊に対し、全面的に食糧を供給する。

・堺の部隊は、見返りとしてクワ・トイネ公国及び同国陸軍に技術を供与する。具体的には、軍艦内の設備の設計を駆使したインフラストラクチャーの提供、道路の整備、及び妖精陸戦隊の陸軍装備の供与と訓練指導である。なお陸軍装備というのは、「三八式歩兵銃(銃剣付き)」「九六式軽機関銃」「九七式手榴弾」「十四年式拳銃」「九七式狙撃銃」「八九式重擲弾筒」「九四式37㎜速射砲」「九〇式野砲」「八八式75㎜野戦高射砲」および「八九式中戦車」「九五式軽戦車」である。なお、後に九四式新軍刀が加えられることとなる。

 

 

 というものである。

 

 ……やっぱり、どう見てもクワ・トイネ公国が圧倒的に得をしているようにしか見えない。

 

 

 ちなみに会談が終わった後、堺がクイラ王国について尋ねてきたため、カナタは「国のあちこちから、耕作に適さない燃える水が溢れ出ている、貧しい国である」と説明した。すると、いきなり堺の目の色が変わり、その燃える水とは何色なのか、ドロッとしているのか、と質問した後に、「これはひょっとしたら……」と呟き、「一度、その燃える水を直に見せて貰ってきます」と言って、会談終了もそこそこに、クルマと称する謎の乗り物に乗って、クイラ王国へ行ってしまった。

 その後、この国交は少し拡大され、タウイタウイ泊地、クワ・トイネ公国、クイラ王国、この3つの間に、これまでのクワ・トイネ公国の歴史上で最も複雑な国交が、開設されることとなる。




いくつか独自設定を放り込んでしまいました。まあ、ある程度は脳内補正とかしないと話の筋が通らなくなりますし、ね?
あ、ちなみに、瑞鶴の索敵隊3号機も、このロデニウス大陸、クワ・トイネ公国の領空を侵犯しているのですが、この機が犯した地域には人家がほとんどなく、また飛んでいるワイバーンもいなかったため、捕捉されていませんでした。時間的にも、索敵4号機がマイハークに接近して、軍の注意がそっちに向いている頃に侵入したので、たまたまバレなかったのです。

ちなみにワイバーンの大きさについてですが、体長6メートル、両方の翼を広げて、その先端同士を測った幅が約5メートル、高さ約3メートルだと勝手に想像しています。ですので、全長11メートル、全幅13メートルの彩雲は、ワイバーンよりも大きく見えるわけです。
それに、見慣れない物を見た上に、それが領空を犯したとあって、マールパティマは緊張状態にあったと考えられます。人間、緊張したりすると、正常な判断能力を失ったりしますよね。

さて…実は、対ロウリア戦終了までのプロットは、ほぼ完成しております。文章化するだけなんですが…リアルがかなり忙しいので、時間がかかるかと思います。気長にお待ち頂けますと幸いです。


次回予告。

タウイタウイ泊地が転移して2ヶ月。クワ・トイネ公国とクイラ王国は、双方ともすさまじい発達を遂げた。そんなクワ・トイネ公国に、ロウリア王国の魔の手が迫る…
次回「目を見張る発達、忍び寄る戦乱」

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