鎮守府が、異世界に召喚されました。これより、部隊を展開させます。   作:Red October

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総合評価950ポイント超、そしてついに総合評価2位にランクインだと!? しかも、また日間ランキング入りして、これまでで最高位の16位を獲得してたし…!
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はい、今回はアルタラス王国編です。

それと…あとがきに幾つか注意を挙げましたので、守っていただきますようお願い申し上げます。

それでは、ごゆっくりどうぞ!



027. 激動のアルタラス島

 今回は、最初に地理の話をさせていただこう。

 ここまでで何度か出てきた、「第三文明圏」という括り。これは、この世界の東側にあるフィルアデス大陸の、南半分にある国家の集まりを意味している。その中心となるのは、言うまでもなくパーパルディア皇国で、この国が第三文明圏の大半を占める。他には、リーム王国(パーパルディア皇国から見て北東隣。この国よりさらに北は文明圏外になる)、パンドーラ大魔法公国(パーパルディア皇国から見て北西隣。なおこの国はリーム王国とは隣接していない)、マール王国(大陸南西部の半島国家。パンドーラ大魔法公国の南隣にある)等がある。

 

 そして第三文明圏外に目を向けると、北から南まで多数の国家がある。ロデニウス連合王国は、そのうちフィルアデス大陸の南南東の海に浮かぶ大陸国家である。ロデニウス大陸とフィルアデス大陸の距離は、直線距離にして約1,100㎞前後。

 また、フィルアデス大陸からほぼ真南、距離約500㎞ほどのところに、アルタラス島という日本の本州よりやや大きい島がある。その島全土を1つの国が支配していた。その名は、アルタラス王国。

 この国は南にあるため、気候は全体的に温暖であり、人の住みやすい環境ができている。実際、アルタラス王国の人口は約1,500万と、列強国や旧ロウリア王国(人口3,800万)ほどではないにせよ、かなり多い。

 また、シルウトラスをはじめとする巨大な魔石鉱山を幾つも国内に有しており、それらの鉱山で産出する魔石は高い質で評判を得ていた。

 アルタラス王国は、この魔石を各国との交易に使うことで、外貨の獲得に成功しており、国民はいずれも(文明圏外国としては)豊かな暮らしをしていた。そして、外貨の獲得によって資金を得たアルタラス王国軍は、魔導砲(ただし文明国で使われる、射程距離1㎞程度の球形砲弾を放つもの。パーパルディア皇国の魔導砲から見たら型落ち同然の旧式品)を装備した魔導戦列艦隊を保有し、さらに、「風神の矢」という独自兵器を有するなど、()()()()()()()()()突出して高い軍事力を持っていた。ちなみにこの「風神の矢」とは何かというと、簡単にいえばバリスタの弾である。ただし、バリスタの弾としてはかなりの大型であり、弾の中部には螺旋状の帆と「風神の涙」(風を吹かせる魔法器具。魔石を加工した品である)が取り付けられている。これは、弾道を安定させると同時に2㎞という長射程を実現するための工夫だ。そして先端の(やじり)は、爆裂魔法を封入した魔石になっており、文明国の木造船程度なら10発も当てれば大破させられる威力を持つ。

 もはや、通常の文明国と同程度の軍事力である。

 

 ちなみに、このアルタラス王国の軍事力の高さは、経済力の高さに加えて、隣国であるパーパルディア皇国を仮想敵と定めて同国の技術を研究していたからこそ、である。

 

 

 中央暦1639年11月17日、アルタラス王国 王都ル・ブリアス。

 円を基調とする建築様式の建物が多く建てられた、アルタラス島南岸の港湾都市ル・ブリアスは、いつもと変わらぬ繁栄ぶりを見せていた。人口50万人を擁するこの街は、いつも人々の活気に満ちている。

 しかし、そんなル・ブリアスの王城において、人々の活気とは裏腹に頭を抱える男が1人。アルタラス王国の現国王、ターラ14世である。

 

「これは……正気か?」

 

 苦渋に満ちた表情で、彼は手に持った外交文書を見つめる。それは、毎年必ず送られてくる、パーパルディア皇国からの要請文書であった。“要請”と言いつつ実際は“命令”なのだが。

 ターラ14世は、何度も文面を読み直す。

 

「有り得んな……」

 

 気になるその文面には、とんでもないことが書かれていた。

 

『・アルタラス王国は、魔石鉱山シルウトラスをパーパルディア皇国に献上すること。

・アルタラス王国は、王女ルミエスを奴隷としてパーパルディア皇国に差し出すこと。

以上2点を、2週間以内に実行することを要請する。』

 

 要請文書はそれで文章を締め括る……かと思いきや、最後に『できれば武力を行使したくないものだ』と付け加えていた。

 

 魔石鉱山シルウトラスは、アルタラス王国の魔石鉱山の中でも最大の規模があり、世界的に見ても間違いなくトップ5に食い込める規模を持つ。そのため、アルタラス王国の経済の中核でもある。

 これを失えば、アルタラス王国は経済・国力において大きなダメージを負うことになる。

 

 そして、王女の奴隷化。これは、パーパルディア皇国にはメリットがほとんどない。当然、アルタラス王国にはデメリットでしかない。明らかに"アルタラス王国を怒らせる"ためにある項目だとしか思えない。

 

 しかし……何故だ? なぜ今頃、こんな要求をしてくる?

 

 パーパルディア皇国は、前皇帝が崩御した後、ルディアス・フォン・エストシラントが皇帝に即位した。彼は、「国力増強」「皇国の領土の拡大」を公約として掲げ、圧倒的な武力を背景に、各国に対して領土の献上を迫っているという。だが、その献上の対象となる場所は、当事国にとって()()な場所(つまり、経済的に大きなダメージを負ったりしない場所)であったり、当事国とパーパルディア皇国双方に利益がある場所であることが多い。

 しかし今回要求してきたことは、いずれもその原則を逸脱している。少なくともこれを受け入れた場合、アルタラス王国に利益は1つもない。

 

 そう。パーパルディア皇国は、アルタラス王国に戦争を仕掛けようとしているとしか思えないのだ。

 

 何故だ!? 今まで屈辱的とも言えるパーパルディア皇国からの要求の数々を呑んでいたのに、いきなり掌を返したかのような態度。全く以て、理由がわからない。

 ターラ14世は、ル・ブリアスの一角に設けられたパーパルディア皇国の第3外務局出張所を訪ね、事の真意を探ろうと考えた。

 

 

 その少し後、パーパルディア皇国第3外務局・アルタラス出張所。

 

「待ちかねたぞ、蛮族の王よ!」

 

 アルタラス駐在パーパルディア大使カストは、()()()()()()()()()()()()()()ターラ14世を出迎えた。その様子は、言動も相俟ってとても品行方正とは言えない。加えて、カスト自身は皇国では割と上流階級であったため、過分な食事と不健康な栄養バランスにより、中年太りしていた。

 カストの分以外に椅子はなく、結果としてターラ14世は立ったまま話をすることとなる。

 

(なんと無礼な……)

 

 至極尤もなターラ14世の感想である。

 

「あの要請文書の真意を伺いに参りました」

 

 ターラ14世は話し始める。するとカストは、

 

「文章そのままの通りだが?」

 

 ターラ14世の様子など気にも掛けず、平然と言い放つ。

 

「魔石鉱山シルウトラスは、我が国の最大の鉱山であり、我が国の経済の中心です」

「それがどうした? 他にも魔石鉱山はあるだろう。

それとも何か? え? ルディアス皇帝陛下の御意志に逆らうというのか?」

 

 堺がこの場にいたら、憤慨すること間違いない。

 

「とんでもないことです、逆らうなど。……しかし、これは何とかなりませんか?」

「ならん!!」

 

 いつの間にか尊敬語が丁寧語に変化しているあたり、ターラ14世の心情の変化が表面化しているように感じられる。それに対して、カストは相手の言動を気にしている様子が全くない。

 パーパルディア皇国の極度の傲慢さが、こんなところにも現れている。

 

「では、我が娘、王女のことですが、何故このようなことを?」

 

 確かに、一国の主がする要求としては、かなり下賤に過ぎる。

 するとカストは、こう答えた。

 

「ああ、あれか。王女ルミエスはなかなかの上玉だろう? 俺が味見をするためだ」

 

「……は?」

 

 このカストの答えを聞いて、ターラ14世のように「は?」と思った方、素直に手を挙げなさい。ちなみにうp主は両手を挙げます。

 

「俺が、味を見てやろうというのだ。まあ飽きたら、淫所に売り払うがな」

 

 このあまりの要求に、ターラ14世は、さすがに内心の動揺と苛立ちを押し隠すことができなかった。顔を引き()らせながら、言葉を紡ぐ。

 

「……それも、ルディアス様の御意志なのですか?」

 

 ターラ14世のこの言葉を聞いて、カストは不意に大声をあげた。

 

「ああ!? なんだ!? その反抗的な態度は! ()()()()使()()()()()()()()は、即ち皇帝ルディアス陛下の御意志だろう!!

()()()()()! 誰に向かって話をしていると思って……」

 

 これ以上の話は無駄だと判断し、ターラ14世はカストの言葉を皆まで聞かず、背中を向けて立ち去ろうとする。

 

「おい!! 話はまだ終わっていないぞ!!」

 

 カストが叫ぶが、聞く耳を持たずにターラ14世は退出した。

 ターラ14世が去った出張所に、カストの声は静かに響いた。

 

「俺様を無視するなよ、蛮族の王よ」

 

 

 王城に帰ってきたターラ14世は、怒り心頭といった様子で吼える。

 まあ、あんな対応と真意では怒らないほうがおかしいだろう。

 

「あの()鹿()()使()をパーパルディア皇国に送り返せ! 要請には従わぬ、国交も断ずる、とはっきり向こうに伝えるとともに、国内のパーパルディアの資産を凍結しろ!」

 

 つまり、武力衝突は避けられぬ事態となったのである。

 

「軍を全て召集し、王都の守りを固めろ! 予備役も全員召集だ!

奴らの()()()()()が来るぞ! パーパルディア皇国に、我が国の意地を見せ付けてやれ!!」

 

 あんな屈辱的な要請を呑んでいては、もはや独立国ではない。()()だ。

 国家監察軍に一撃を喰らわせ、早期講和に持ち込む以外に、アルタラス王国が生き残る道はない。

 

(我が国は豊かだから、文明圏外国としては突出した軍事力を持つ。その軍事力は、そこらの文明国にも引けは取らん。奴らの中でも比較的旧式の装備しかない国家監察軍相手なら、ある程度戦えるはずだ。見てろよ……)

 

 ターラ14世は、窓の外の夕日を眺めながら、来るべき皇国相手の戦争に決意を燃やすのだった。

 

◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 その翌日、中央暦1639年11月18日、パーパルディア皇国 皇都エストシラント 皇宮パラディス城。

 

 第三文明圏における唯一の列強、パーパルディア皇国。その皇宮…つまり皇帝の住まう城であるパラディス城は、建物を支える柱の1本1本に至るまで、彫刻で丁寧に装飾され、綺麗に磨き上げられている。見る者を圧倒するその様は、まるで皇国の威を示すかのよう。

 庭は、どこかのヨーロッパの国を思わせる、左右対称になるような形に繊細に整えられ、しかし鮮やかさを失ってはいない。天国がこの世に顕現したか、と錯覚するほどの美しさだ。

 そして宮殿の内装は、豪華絢爛という言葉以外では表現できないレベル。この世の富が全て掻き集められたかのようにも思える。

 

 これはつまり、建物そのものから美しい庭、豪華な内装に至るまで、それだけの物を用意できる皇国の国力、そしてそれを維持できる人的資源や能力の高さをも意味している。

 

 この宮殿を訪れる各国の大使や国王は、皆こう思うだろう。

 

 なんと凄まじい国力だろうか、と。

 

 また、その外側。皇都エストシラントは、間違いなく第三文明圏で最も繁栄している街である。

 この街を訪れる旅人や商人たちは、皆こう思うだろう。

 

 なんと凄まじい規模の街だろうか、と。なんと国民が豊かなのだろうか、と。そして、なんと美しい街なのだろうか、と。

(実際には、この繁栄ぶりは全て()()()()()の上に成り立っているのだが、それは言っちゃいけないお約束。)

 

 その皇宮パラディス城の一角に、(ひざまず)く男が1名いた。

 男の名はカイオス。パーパルディア皇国第3外務局の局長である。

 

(おもて)を上げよ」

 

 まだ若さは感じられるが、それでも威厳たっぷりの声が掛けられる。カイオスは顔を上げた。

 彼の前には、立派な椅子が置かれており、そこにまだ30代にも届くかどうかという若い男性が座っていた。威光をそのまま体現したかのような、派手な服装をしている。

 この若い男性の名は、ルディアス。そう、若冠27歳にしてパーパルディア皇国の現皇帝、ルディアス・フォン・エストシラントその人である。

 

「フェン王国への懲罰攻撃の件、余への報告はどうした?」

 

 カイオスは、顔を少し下げる。

 

「ははっ! 監察軍派遣の報告を行わず、誠に申し訳ございま……」

「たわけっ!!!」

「っっ…!」

 

 しかし、カイオスが謝罪を最後まで言う前に、皇帝のカミナリが落ちた。カイオスの心臓が(はや)(がね)のように鼓動する。

 

「余への派遣の報告を行わなかった事は、どうでも良い。それは、余が第3外務局に認めた権限だからな。一々蛮国への侵攻の報告なぞ聞いていたら、1日が終わってしまうからな。

それは良いが、問題は……()()()()ことだ。しかも、派遣した国家監察軍は()()()()というではないか?」

 

 カイオスの背中を、滝のように冷や汗が流れ落ちる。

 

「どこの国にやられた? まさか、フェン王国か?」

「はっ! い、いえ、相手がどこかということについては、目星はついております。当時、国家監察軍を率いていた提督は、『敵はロデニウス連合王国』と最後に言い残しており、この魔信を信用すれば、敵はロデニウス連合王国であると考えられます。現在、第3外務局の全力を挙げて、同国の調査を行っております」

「まだ正確には分かっておらぬ、ということか……」

 

 ルディアスは、ありありと怒りを顔に浮かべ、不機嫌さを隠さぬ口調でカイオスに告げる。

 

「旧式の装備しか持たぬ国家監察軍が相手だったとはいえ、我が皇国に土を付ける()()()()()()()()()がいるとは……。その国には、必ず責任をとらせるように。皇国に逆らうことが如何なる結果を招くか、きっちり()()を行え」

「ははっ!」

 

 カイオスは深々と頭を下げる。

 

「各国は、栄えある皇国がフェン王国に敗れたと見るだろう。我が皇国に逆らった国家が判明すれば、国家監察軍ではなく皇軍が、フェン王国もろとも叩き潰す。良いな?」

「ははっ!!」

 

 読者の皆様は既にご承知のことと思うが、実際にはロデニウス連合王国を叩き潰すなぞ、()()()()()()()()()()()()()()全くといっていいほど不可能な話である。少なくともロデニウス連合王国は、この世界最強の国家・神聖ミリシアル帝国にも勝るとも劣らない装備を有しており、軍事力・技術力においては間違いなく上位列強クラスなのだから。

 しかし、ルディアスはそのことに全く気付いていない。

 

「皇帝陛下、それとあと1点、ご報告したいことがございます」

 

 カイオスは恐る恐る、口を開く。

 

「何だ?」

「アルタラス王国の件ですが……()()()()、シルウトラス魔石鉱山の献上を断ってきました」

「ふむ」

 

 カイオスの報告を聞き、ルディアスの口元に微笑が浮かぶ。

 

「更にアルタラス王国は、我が国との国交を断絶するということと、国内における皇国資産の凍結を通告してきました」

 

 ルディアスは今や、顔全体まで笑みを広げている。

 

「ほう……ここまであからさまに反逆してくるとはな。舐められたものよ。予定通りだが……(いささ)か頭にくるな」

 

 そしてルディアスは、はっきりと宣言する。

 

「アルタラス王国は国家監察軍ではなく、皇軍によって叩き潰す。皇軍の出撃準備はできているな、アルデ?」

 

 ルディアスは不意にカイオスから顔を逸らし、傍らに立つ軍の礼服を着た男に問う。その男、皇国皇軍最高司令官アルデは、胸を張って答える。

 

「はっ! 皇帝陛下の命があれば、いつでも出撃する用意は整っております。陛下のお言葉1つで、皇軍はすぐにでも出撃し、アルタラス王国を滅し、シルウトラスも含めて全ての魔石鉱山を陛下に献上いたします」

 

 アルデの答えに、ルディアスは満足そうに頷く。

 

「そうか、では任せた。アルタラス王国の民の扱いについては、分かっているな?」

「はっ、臣民統治機構のパーラス長官にも、お話しておきます」

「よかろう」

 

 こうして、アルタラス王国の運命は決したのであった。

 

 

 中央暦1639年11月18日、パーパルディア皇国、アルタラス王国に宣戦布告。

 

◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 翌11月19日、アルタラス王国 王都ル・ブリアス。

 アルタラス国王ターラ14世は、自分の娘であるルミエスを執務室に呼び出していた。

 

「お父様? ルミエス参りました」

 

 ルミエスは20代前半とまだ若く、そして黄金比をそのまま体現したんじゃないかと思えるほど、美しい体型をしている。

 ターラ14世は、そんな娘を側まで呼び寄せて言った。

 

「ルミエスよ、今手配を済ませた。お前は早急に王都から逃げるのだ」

 

 ターラ14世の顔には、かなりの焦りが見える。

 

「王都から逃げる? 何故ですか?」

「パーパルディア皇国が、我が国に宣戦を布告してきた」

 

 その言葉を聞いた瞬間、ルミエスもその意味をしっかり理解した。

 

「この意味は分かるな? 来るのは国家監察軍ではなく、皇軍だ。そう、第三文明圏最強の軍隊だ。国力の差を考えると、恐らく我が国は負けるだろう。だから、お前には逃げてもらいたいのだ」

 

 事態の理解こそしたものの、ルミエスにも王族としてのプライドや感情がある。彼女は、父に反論する。

 

「民を捨て、王女だけが逃げるなど…民に示しが付きません! お父様、私も共に戦わせてください!」

「よく聞くんだ、ルミエス。今までパーパルディアと戦って負けた国々に何があったか、知っているだろう? 王族は、親戚縁者まで含め老若男女問わず皆殺し。しかもその遺体は磔にされ、晒し者にされる始末だ。

彼らに捕まれば、お前の行く末はとても非道いものになる。それだけは避けたいのだ。良いな、ルミエス? 逃げるのだ」

「し、しかし……!」

 

 涙目でなおも言い返そうとするルミエス。それを遮るように、ターラ14世は話す。

 

「私は、一国の王としては最悪なのだろうな。親族だけ逃がして……。しかし同時に、一人の父親として、娘に助かって欲しいと思っているのだ。ルミエスよ、お父さんの言うことを、よく聞きなさい」

 

 国王としてではなく一人の父親としてこうまで言われては、さしものルミエスといえど従わぬわけにはいかない。

 

「わ……分かりました……グスッ」

 

 ルミエスは泣きじゃくりながら、父の言葉に納得する。ターラ14世は、そんな娘を優しく抱き締め、ゆっくり語り掛ける。

 

「戦争が始まる前に、商船を装った船で王都を出るのだ。もちろん、船も人員もこちらで用意する。南海海流に乗れば、ロデニウス大陸に辿り着けるはずだ。

商人たちから噂を聞いたが、今その大陸を支配しているロデニウス連合王国は、パーパルディア皇国にも負けぬ軍事力を持ち、しかしそれを威嚇や武力制圧に使ったりするでもなく、平和的に事を運ぶ優しい民族が住まうそうだ。私も信じられないが、彼らはフェン王国での軍祭の時にパーパルディアのワイバーンロードを多数撃墜したそうだ。できるなら、ロデニウス連合王国に保護してもらえ。そこなら、多少なりとも安全だろう。

無事を祈る」

「お父様……お父様も、どうか……ご無事で……!」

 

 泣き声でどうにかそれだけ言うと、ルミエスはいよいよ堪え切れなくなり、父親の胸に崩れ落ちた。

 ターラ14世は、娘の美しいセミロングの黒髪を、優しく撫でるのだった。

 

 その夜、ルミエスは商船を装った脱出船に乗り込み、護衛として選ばれた女騎士リルセイドとともに、アルタラス島を離れた。船の行き先は、ロデニウス大陸。

 王都ル・ブリアスの市街地の僅かな灯りが、暗闇の中に消えてしまうまで、ルミエスは胸の前で両手をきつく組み、祖国の無事を祈り続けていた。

 

◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 しかし……彼女の祈りは、届くことはなかった。

 

 中央暦1639年11月24日、パーパルディア皇国艦隊とアルタラス王国艦隊の間で「アルタラス沖海戦」が発生した。

 パーパルディア海軍はフィシャヌス級戦列艦「シラント」を旗艦として戦列艦211隻、竜母12隻、輸送船101隻、計324隻の大艦隊に、竜母より発進したワイバーンロード騎士団100騎が参加。一方アルタラス海軍は、50門級戦列艦「アルタラス」を旗艦として戦列艦100隻、それに加えて本土の基地を飛び立った竜騎士団120騎が参加した。

 結果は、アルタラス軍は艦隊・竜騎士団ともに全滅、パーパルディア海軍は旗艦「シラント」の小破の被害のみ。アルタラス王国軍は、王国海軍長ボルド、竜騎士団長ザラム以下、総員が戦死した。

 また、同日中にパーパルディア軍はアルタラス島北岸に上陸した。

 

 続いて11月27日、ル・ブリアス北方約10㎞の平野にて、パーパルディア皇国陸軍3,000人と、アルタラス王国陸軍20,000人が激突。しかし、アルタラス王国陸軍はパーパルディア皇国陸軍が投入した地竜(リントヴルム)の導力火炎放射、陸上運用する野戦用魔導砲、歩兵の持つマスケット銃、そしてパーパルディア艦隊の支援砲撃により、国王ターラ14世以下全員が玉砕を遂げた。アルタラス王国は、パーパルディア皇国により占領されてしまったのである……

 

 

中央暦1639年11月28日、パーパルディア皇国、アルタラス王国の占領と属領化を、昼12時の「世界のニュース」にて、世界に公表。アルタラス島には、パーパルディア皇国の機関としてアルタラス統治機構が設置され、同地を統治することとなった。

また、アルタラス王国の国民の大半は、魔石採掘のための奴隷労働力と見做され命だけは助かったが、王族は脱出に成功したルミエスを除き一族郎党皆殺しとなり、旧アルタラス王城下に(はりつけ)にされるという憂き目を見た。

 

 

 一方、ロデニウス連合王国クワ・トイネ州 経済都市マイハークの北西20㎞の沖合いでは。

 

「第13艦隊司令部へ、こちら第13艦隊・第二一駆逐隊、駆逐艦(はつ)(しも)。我が隊は哨戒活動中に、領海内にて商船らしき不審な帆船を1隻発見。位置は、マイハークの北西20㎞地点の海域。西の方角より来たと思われる。これより接触、臨検する。1158(最後の数字は送信時刻です。この場合、11時58分に送信しています)」

 

 哨戒に当たっていた第二一駆逐隊…駆逐艦「(はつ)(はる)」「子日(ねのひ)」「(わか)()」「初霜」が、不審な帆船……つまり、ルミエスの乗る脱出船を発見し、臨検しようとしていた。

 

「そこの帆船、今すぐ停船せよ。我々はロデニウス連合王国海軍である。貴船は、我が国の領海を侵犯している。命令に従わない場合には、侵略行為と見做し、武力行使も辞さない。直ちに停船せよ。繰り返す、直ちに停船せよ」

 

 司令駆逐艦である「初春」から、妖精の1人が拡声器を使って大陸共通語で呼びかける。各駆逐艦の「12.7㎝連装砲」は、空砲による威嚇射撃の準備を完了しており、砲口を帆船に向けていた。

 するとどうだろう、帆船はすんなりと帆を降ろしたではないか。更に船首の方では、乗組員が錨を海に投げ込むのが見えた。どう見ても、停船命令に従っている。

 

『こちら初春、取り敢えずは命令に従ってくれたようじゃ』

 

 無線では、各艦の艦長となっている艦娘たちが、やりとりを行っていた。

 

『ということは、あとは臨検だね!』と"子日"。

『いや、騙し討ちの可能性は捨て切れないぞ』と"若葉"。

『軽くでも武装した上で、あの船に内火艇を送ってみますか?』と"初霜"。

 

『うむ、それで行こう。(わらわ)から内火艇を出すから、皆は周囲の警戒を頼む』

 

 "初春"が、全員の意見をまとめた。

 

『『『了解!』』』

 

 そして、"初春"が帆船のすぐ近くに艦を進め、残り3隻は初春と帆船を中心に大きなトライアングルを描くように展開して、警戒を続けた。

 

 こうして、アルタラス王国の王女ルミエスとリルセイド以下の護衛の者たちは、どうにかロデニウス連合王国との接触に成功した。

 

 

「亡命?」

 

 1時間後、13時のタウイタウイ泊地。

 堺は、"大和(やまと)"が持ち込んできた報告に聞き入っていた。例にない、"(おお)(よど)"のそれに似た真面目な口調で"大和"は報告する。

 

「はい。本日11時58分、マイハーク北西方20㎞の沖合いを哨戒していた第二一駆逐隊が、商船と思われる不審な帆船を発見し、臨検しました。その船は、商船とは名乗っていましたが、商品らしいものを積載していなかった上に、食糧がほとんど尽きかけた状態でした。更に、明らかに上流階級の出身と思われる服装と雰囲気の成人女性が1名、その船に乗り込んでいたそうです。

"初春"がまとめた報告電文によれば、その女性はアルタラス王国のルミエス王女と名乗り、我が国に自身と護衛の者たちの保護を求めてきたとか」

「アルタラス? それってさっきの『世界のニュース』で名前が出てきてたよな? パーパルディア皇国に滅ぼされた……」

「はい。状況証拠ですが、これらの報告から、本件は通商を装ってのアルタラス王国王女ルミエスの亡命だと考えられます。恐らく、パーパルディア皇国の目を誤魔化すために、船を商船に見せかけたのでしょう。本件は、既に軍部を通じて外務部にも報告済みです」

「相変わらずの仕事ぶりだな」

 

 軽口を叩きながらも、堺の表情は優れない。

 

「ですが提督、アルタラス王国が滅亡したということは……」

「何を言いたいかは、分かっている」

 

 堺はちらりと、提督室の壁に掛かった第三文明圏の地図を見た。

 

「アルタラス島からロデニウス大陸の北西部、ロウリア州の沿岸部までは、直線距離にして約600㎞。パーパルディア皇国の艦艇は、だいたい12ノットの速力だから……ざっと計算すると、1時間で約22㎞進めることになって、600㎞を進むのにかかる時間は約27時間。1日ちょっとでアルタラスからここまで来ることができる計算になる。

覇権国家が目と鼻の先まで進出してきている、極めて危険な状態だ。そう言いたいのだろう?」

「そうです。提督、これは……」

「ああ。俺から海軍大臣に、第2種警戒態勢を敷くよう上申してくる。今のところ、ロデニウス海軍でパーパルディア海軍相手にまともに戦える艦を動かせるのは、この第13艦隊だけだからな。

あと、今日からロウリア州方面の哨戒を増やそう。哨戒に充てる駆逐隊を増やし、哨戒飛行隊と合わせて24時間対応の警戒体制を敷く。尤も、彼らもアルタラスを占領したばかりで、兵の進出拠点として整備しなければならないだろうから、そうすぐには動かないとは思うが……。大和、駆逐隊のシフトの編成を頼めるか?」

「お任せくださいませ。飛行隊の方は、(ほう)(しょう)さんにお話を通しておきます」

 

 頭を下げる"大和"。

 

 かくして、中央暦1639年11月28日、今は亡きアルタラス王国の王女ルミエスは、ロデニウス連合王国の保護を受ける(堺たちの立場からいえば、ロデニウス連合王国に亡命する)ことに成功した。

 この事件がもたらす影響は何か、それは神のみぞ知ることである。

 

 

 同じ頃、ロデニウス連合王国ロウリア州 州都ジン・ハーク。

 戦争によって混乱した経済を立て直さんと、市民たち皆が今日もあくせく働いている。しかしそんな市民たちにも、昼の休みが必要だった。

 ジン・ハークの一角に店を構える酒場「竜の酒」では、時間帯がお昼時なのもあって、多くの人が昼食を摂っていた。この店は、()(むろ)でキンキンに冷やしたビールやスパイスをたっぷり使った肉料理が名物である。最近そのビールを、旧クワ・トイネ王国より伝わった強炭酸入りのものに更新し、その冷やしぶりと炭酸の味わいが重なって、更なる人気を博していた。

 旨い飯に旨い酒とくれば、話も弾むというものである。

 

「でよ、うちの親方ったら厳しいんだぜ。ビーズルの工場の図面を2週間で描き直せ、だと! 無茶言うぜ、本当に」

「お前はまだ少しましだと思うぞ。俺なんか宮大工見習いだから、神経の休まる暇もありゃしない!」

 

 あるテーブルでは、町人や職人たちが昼食を摂りながら、自分たちの仕事の愚痴を言い合っている。

 別のテーブルでは、4人の商人たちが食事がてら情報交換をしていた。

 

「全く、アルタラス王国が滅ぼされたせいで、俺の商売の先行きが不透明になっちまった。パーパルディアが魔石の取引に関して、どんな条件を出してくるか分からんから、(ゆう)(うつ)だぜ。ハァ……」

 

 魔石の交易をしている商人が、ため息をつく。

 

「お前の気持ちは分かるよ。俺もそうだ。

俺は魔法具の取引をしてるんだが、商売先が1つ減っちまった。パーパルディアは、魔法具の買い取りに関してかなりケチなんだ……。その点、アルタラスは多少高くても買ってくれてたから、実入りのいい取引先だったんだが……くそっ、うまくない」

 

 魔法具の商人が同情すると、

 

「ったく、これが飲まずにやってられるかっつうの!」

 

 魔石商人はヤケクソ気味に、ジョッキに波々と注がれたビールを一気に呷った。

 と、同席していた別の商人が口を挟む。

 

「そんなに言うならお前ら、このロデニウス連合王国と商売したらどうだ? ここはまだ連合として建国してから半年も経ってないから、まだまだ発展の余地がある。

風の噂に聞いたが、最近この国は魔法具だの魔石だのをあっちこっちから買い集めてるらしいぜ。おおかた新しい魔法の研究でもやってるんだろう。ここならまだ実入りもいいと思うが?」

 

 魔法具の商人が、これに食い付いた。

 

「その話、本当か?」

「風の噂だから、本当かどうかは保証できんがな。どうする?」

 

 魔法具の商人は少し考えてから、口を開いた。

 

「よし、ならその話、信じてみよう。ここの取引所ってどこだっけ?」

「この街のか? 中央広場のすぐ北だ」

「ありがとよ。これはお礼だ」

 

 魔法具の商人は、情報を教えてくれた商人にビールを奢る。

 ここで、魔石商人が口を挟んだ。

 

「しかしこの国、ほんとすげえよな。第三文明圏外だとは思えない発展ぶりだ。こんなところでムーやミリシアルの車みてぇなもんにお目にかかるなんてな。夢でも見てるみてぇだぜ」

 

 すると、これまで黙っていた4人目の商人が口を開いた。

 

「そうそう、見るといえば。俺とんでもないもの見ちまったんだ。誰も信じてくれねえけどよ」

「お? 何を見たってんだ?」

「安心しろ、俺は魔法具の商いで諸外国を巡って、珍しいものを山ほど見てきてる。よっぽどキテレツなものでもない限り信じるぜ」

 

 他の商人たちが食い付く。

 すると4人目の商人は「じゃあ、これはその“よっぽどキテレツなもん”だな」と前置きした上で話し始めた。

 

「あれはそう、1ヶ月ばかり前のことだ。俺は魚介類とその加工品の商いをしていてな、主にアワン王国で現物を仕入れて、各地にそれらを売っている。

1ヶ月ほど前のある日、俺はいつものようにアワン王国産の魚介類やその加工品をしこたま船に積んで、このロデニウス大陸に向かっていたんだ。ロデニウスは人口が多いからな、魚介類でもそこそこの実入りがあるんだ。で、ロデニウス大陸の北の海まで来て、あと少しだって時に、“とんでもないもの”を見ちまったんだ。何を見たと思う?

それはな……釣り鐘(・・・)が空を飛んでたんだ」

「「「……は?」」」

 

 見事に3人、声がハモった。

 

「ハッハッハ! 釣り鐘が空を飛ぶだぁ!? そんな話聞いたこともねえぞ!?」

 

 魔法具の商人が大笑いする。

 

「だから言わんこっちゃない、キテレツだって言ったのに……」

 

 落ち込む魚介商人。その横で、魔石商人が質問する。

 

「ま、まあ、にわかには信じられねえな。それ、どんなものだったんだ?」

「どうって、本当に釣り鐘みたいな形だったんだよ。色は真っ黒。音も立てずに空中に浮いているから、不気味ったらありゃしない。あと、その釣り鐘には奇妙な紋章みたいなものが描かれてたな」

「奇妙な紋章?」

「なんつったらいいのかよくわからんけど、直線のみで描かれた妙な紋章だったよ。あんな紋章は見たことがねえ。それでよ、しばらく見上げてたら、そいつは音もなくスーッと動いて、雲の中に消えていったんだ。それで終わり。あんなのは見たこともなかったから、本当に怖くて仕方なかったよ」

「それだけか? まー確かに、釣り鐘が空を飛ぶわけがないしな。俺が見てもビビるだろう。

それはそうと、俺はその奇妙な紋章ってのが気になるな。どんな紋章だったか覚えてるか?」

「そう、俺はその紋章を忘れないうちに紙に描いておいたんだ。ちょっと見てくれないか?」

 

 そう言うと、魚介商人は懐から大事そうに折り畳んだ紙を取り出した。そして食器を押し退け、それをテーブルに広げる。

 

「これなんだ」

「ん? どれどれ……」

 

 魔石商人と他2人も、一斉にそれを覗き込んだ。そこに描かれていた紋章が、これである。

 

 

【挿絵表示】

 

 

「おい、こんな紋章見たことがあるか?」

 

 真っ先に口を開いたのは、3番目に口を利いた商人。

 

「うんにゃ。全く初めて見るよ」

「俺もだ。こんな紋章使ってる国あったか?」

 

 魔石商人、魔法具商人ともに“初めて見る”とのことだった。

 

「分からんか? いや、ありがとう。皆も見たことがないってんで、安心したよ。俺だけがおかしくなってる、ってわけじゃないんだな」

 

 魚介商人はこれまた大事そうに紙を折り畳み、懐にしまう。

 

「しかし、釣り鐘が空を飛ぶたぁ奇妙だな。とても信じられん」

「全くだ。集団幻覚でも見たんじゃねえのか?

お前の乗ってた船だけだろ? その釣り鐘とやらを見たのって」

「そうなんだよ! 他の船でもコイツを見てたなら、まだ(しん)(ぴょう)(せい)があるんだけど、俺の船しか見てないから信じてもらえねえんだよ、ちくしょう」

「まま、そうカッカしなさんなって。ビールでも飲めよ、奢るぜ。ここのビールはほんっと旨いよな。特にこの強烈なシュワシュワした感じはたまんねえ。この国でしか提供されてないのが残念だぜ」

 

 その後も、商人たちの噂話は続くのであった。




はい、やはりと言うべきか、アルタラス王国は滅亡してしまいました。まあ、ロデニウス連合王国の支援を受けていたわけではないですし、仕方ありませんよね。

それと、貼り付けた画像…すなわち紋章の内容と、そこから『アレ』の正体が割り出せたとしても、箝口令です。ネタバレ禁止!
どうしても話したいなら、うp主にダイレクトメッセージをお願いします。感想でその手の話題を出された場合、うp主はお答えできかねます。
また、答え合わせの結果、予想があっていたとしても、ネタバレ禁止でお願い申し上げます!

また、テスト期間に入りますので、更新が遅い状態が今しばらく続きます。どうかご理解のうえご容赦くださいますようお願いいたします。


次回予告。

アルタラス王国の滅亡を受けて、第三文明圏外諸国は急遽、「大東洋諸国会議」をロデニウス連合王国にて開催した。そしてそこで、新たな提案がなされる…
次回「新たなる共同体の誕生」

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