鎮守府が、異世界に召喚されました。これより、部隊を展開させます。   作:Red October

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今回は、パーパルディア皇国における上層部の緊急御前…あいや、帝前会議+αです。
今回はドンパチはなしですね。



055. 緊急帝前会議

 中央暦1640年5月29日午前9時、パーパルディア皇国皇都エストシラント 皇宮パラディス城。

 その城の一角にある大会議室において今、“パーパルディア皇国の意志”を決定する重要な会議「帝前会議」…その中でも緊急時にのみ開催される「緊急帝前会議」が開始されようとしていた。会議の議題はもちろん、“ロデニウス連合王国に対する対策”である。

 その会議の出席者は、およそ以下の通りである。

 

皇帝ルディアス・フォン・エストシラント(まあ、彼が出席していないと「帝前」会議なんて名乗れないので、彼の出席は当然である)

皇族の代表者5名(レミール・フォン・エストシラント含む)

皇軍最高司令官アルデ

第1外務局長エルト

第2外務局長リウス

第3外務局長カイオス

臣民統治機構長官パーラス

経済担当局長ムーリ

その他農務局長、国家戦略局長、情報局長等の国政を担うトップの幹部たちと、サポート要員として各局の幹部クラスが参加している。

 

 会議に当たり、第1外務局と第3外務局が共同で作成した資料が出席者に配布された。そこに記された内容は、要約すると以下のようになる。

 

 

・中央暦1639年4月中旬、ロデニウス大陸においてロウリア王国とクワ・トイネ公国が戦争に突入する。当初は、皇国国家戦略局がロウリアを支援していたこともあり、“ロウリア王国の圧勝”で終わると見られていた。

・しかし、ロウリア海軍はクワ・トイネ海軍の艦隊20隻に、3,000隻以上の軍船を撃沈され、ワイバーン部隊も大敗して大損害を受ける。

・最終的にロウリア軍はクワ・トイネ公国の領内から追い出され、そればかりか逆侵攻を受ける。

・同年5月上旬、ロウリア王国はクワ・トイネ公国に敗北、降伏して戦争は終わる。

・同年7月、ロデニウス大陸の全国家が連合して、「ロデニウス連合王国」という新たな国家になる。

 

・中央暦1639年9月下旬、フェン王国の軍祭の際にフェン王国への懲罰攻撃のため出撃した国家監察軍東洋艦隊は、ワイバーンロード部隊・戦列艦隊共にロデニウス連合王国軍により全滅。これが、パーパルディア皇国とロデニウス連合王国の初めての武力衝突となる。

・中央暦1640年1月中旬、フェン王国に侵攻した皇軍は、フェン西部のニシノミヤコを占領。その際にロデニウス人100人が皇軍に捕らえられる。

・上記を受けて皇族レミールはロデニウス連合王国に対し、絶対的な隷属を要求。ロデニウス連合王国が人質100人の即時釈放を要求したため、彼女は逆上して100人全員を処刑させた。

・上記処刑を受けたロデニウス連合王国は、1月下旬にパーパルディア皇国に宣戦布告。フェン王国に侵攻していた皇軍は全滅する。

・同年1月末、フェン王国での戦いの結果を受けて、パーパルディア皇国はロデニウス連合王国に殲滅戦を宣言。

・同年4月中旬、ロデニウス連合王国軍の攻撃により、パーパルディア皇国は属領アルタラスを失う。

・同年5月20日、ロデニウス連合王国は「パーパルディア皇国の全土を戦火に巻き込む最終作戦」の発動を通告。

・そして昨日、中央暦1640年5月28日、ロデニウス連合王国軍は皇都防衛隊基地を空から攻撃し、皇都防衛隊は基地ごと全滅。また同時に、エストシラント軍港も攻撃し、2個主力艦隊と皇都直衛艦隊を全滅させ、エストシラント軍港は機能を喪失。その数時間後、皇国の第3艦隊がロデニウス連合王国艦隊と交戦し、全滅する。

 

・ムー国の大使は、“ロデニウス連合王国の一部は異世界から転移してきた”と発言した。文明圏外国が独力でここまで発展できる、とは考えられないので、これは事実であろうと思われる。

 

 

 しばらくすると、各員は資料を読み終えたらしく顔を上げた。しかし、その顔は暗い。

 

「で、ではまず、軍の現状からご説明致します」

 

 まず手を挙げて起立し、報告し始めたのは、皇軍最高司令官アルデ。彼の声は震えている。

 

「まず海軍についてですが、主力の第1・第2・第3艦隊と皇都直衛艦隊は全滅致しました……。更に、アルタラスの戦いで全滅した第4・第5艦隊もその戦力を失ったままですので、これで6個艦隊が全滅した計算になります……。

しかし、デュロに駐屯する第6・第7艦隊と、レノダに駐屯する第8艦隊は健在です。それら3個艦隊を合わせると、海軍の戦力は第1級戦力として戦列艦155隻と竜母8隻、国家監察軍の第2級戦力として戦列艦87隻と竜母5隻が残っております。この戦力ですと、自衛は何とかなるでしょうが、“ロデニウス連合王国本土に渡洋侵攻する”のは難しいと判断します」

 

 アルデの表情は苦渋に歪み、唇はわなわなと震えている。

 現在残っている海軍戦力は、そこらの文明国の海軍よりも遥かに強力な部隊だ。だが、皇国海軍主力艦隊の中でも特に強力な艦隊だった、第1・第2・第3艦隊と皇都直衛艦隊をあっさりと全滅させてしまったロデニウス連合王国軍と戦う、となると不安が残る。

 

「次に、陸軍の状況についてです。皇国陸軍三大基地のうちの1つ、皇都防衛隊基地がロデニウス連合王国の空襲によって完全に破壊され……、防衛隊30万人は根こそぎ戦死致しました……。彼らは“空から爆弾を投下する”という方法で基地を攻撃しましたが、その爆弾の投下量があまりにも多く、これまで全く想定されていない攻撃方法でした。

今後基地を作る際には、“基地に配備する戦力を適度に分散させる”必要が生じましたが、本戦争への戦訓の反映は間に合いそうにありません」

 

 アルデは一旦一息入れ、それから話を続けた。

 

「皇都の防衛体制に大穴が開いてしまったため、属領統治軍を撤収させ、皇都防衛に当たらせます。本件は“皇都防衛”という最重要課題であり、早急に措置を講じる必要があるため、皇軍最高司令官の権限で撤収の指示を出しております。

なお、属領統治軍を全て撤収させ、皇都防衛に充てたとしても、"人数だけ”で言えば皇都防衛隊に匹敵する数を揃えられますが、兵士の練度を鑑みると、“全体的な戦闘力”は皇都防衛隊よりも低下しております」

「ちょ……ちょっとお待ちください、アルデ殿!」

 

 ここで、臣民統治機構長官のパーラスが手を挙げて立ち上がり、アルデの話に割って入った。

 

「属領統治軍を撤収するですと!? そんなことをすれば、属領民の反乱が起こりかねません! 他の基地から戦力を引っ張ってくるわけにはいきませんか?」

 

 パーラスの問いに対し、アルデは、

 

「無理です」

 

 あっさり拒絶した。

 

「デュロは重要な拠点ですし、レノダ(パーパルディア皇国西部にある港湾都市)にしてもパールネウスにしてもそうです。ですので、これらの基地から兵力を持ってきて、皇都防衛に充てる、ということはできません。

参考程度に申し上げますと、陸軍の最大の強みは“地の利を活かせる”ことにあります。私も、これらの拠点から兵力を引き抜いて皇都防衛に充て、代わりにこうした拠点の防衛に属領統治軍を充てることは考えましたが、その案だと“全体的な戦力が低下しすぎる”ことが考えられたため、却下しました」

 

 アルデはここで、パーラスを試すかのような表情をした。

 

「それにパーラス殿、臣民統治機構というのは()()()()()()()()()()()()ように、属領を統治しているのではないですかな?」

「そ、それは……」

 

 パーラスは少し言い淀んだ。

 パーラスが「そうです」と、何故ここではっきり言えなかったのか。それは、パーラスにも後ろめたいところがあったからである。

 実のところ、パーラスは“知っていた”のだ。各属領統治機構の()()ぶりを。

 

 読者の皆様は、パーパルディア皇国属領アルタラス統治機構の“統治”ぶりを覚えているだろうか? もしお忘れになっている方がいらっしゃれば、「アルタラス島を奪回せよ(前編)」を参照いただきたい。

 実は、他の属領統治機構がやっていたことも、アルタラス統治機構のそれに大同小異だったのだ。重税、それとは別の搾取、暴力、性的暴行、殺人などなど、数え上げればキリがない。

 

 パーラスは、それらの統治機構の暴走ぶりは知っていた。だが、彼はそれらを黙って見過ごしていた。

 パーラス自身は、“各属領統治機構の職員たちにも報いなければならない”と考えていたのだ。そのためなら、“多少のこと”は仕方ない、と。

 (もっと)も彼自身、各属領統治機構から寄せられる金品(つまり賄賂)に満足していた上に、属領に住まう者たちを「文明圏外の蛮族」と見下していたことも、その原因の1つであるのだが。

 

「まあ、属領は既に牙を抜かれていますし、属領同士のいわゆる『横の繋がり』はないですので、反乱の心配は低いでしょう」

 

 パーラスが言い淀んだことを少し気にしながらも、アルデは話を続けた。

 

「それに万が一属領が反乱を起こし、属領が失われたとしてもです。皇都の防衛と属領の鎮圧、どちらに兵力を割くべきかは、考えるまでもないと思いますが、如何でしょうか、パーラス殿?」

「それは、アルデ殿の仰る通りですな」

「それに加えて、先ほどもご説明致しましたが、各属領統治軍には既に指示を出しております。そのため、各属領統治軍は皇都に向かう準備を開始しており、行動の早い部隊は既に撤収している、と報告を受けております」

 

 もう行動にかかっているとあっては致し方ないと、パーラスは黙って着席する。それを確認し、アルデは話を続ける。

 

「また、既に皇帝陛下と経済担当局長のムーリ殿には事前に連絡し、ご了承をいただいておりますが、国内に『総力戦体制』を発令致しました。これは、軍人のみならず民間人にも本戦争に協力していただこう、というものです。

具体的には、民間人たちに戦時国債の購入を強く勧め、節約を説くとともに、予備役軍人のみならず退役軍人も召集して再軍備を実施します。また、工業都市デュロの各工場に対しては、武器や弾薬の増産の指示を出し、港湾都市レノダに対してもフィシャヌス級戦列艦の増産と、退役して解体待ちになっている30門級や50門級の戦列艦を戦列に復帰させるよう指示しております。これにより、国内の補給体制に穴がないように致します」

 

 以上で、アルデは報告を終えた。

 彼が着席した直後、今度は第3外務局長のカイオスが挙手し、起立して話し出す。

 

「現在の軍の状況から、“ロデニウス連合王国は決して侮ってはならない敵である"という認識は、皆様共通してお持ちであると思います。そこで、問題となりますのが……」

 

 一呼吸置いて、カイオスは口を開いた。

 

「今回の戦争の終わらせ方……つまり()()()()です」

「「「「「!!!!!」」」」」」

 

 このカイオスの発言に、出席者たちは様々な反応を見せた。息を呑む者もいる。目を見開く者もいる。ある者は生唾を飲み込む。ある者の肩がピクッと跳ね上がる。そんな中にあっても、皇帝ルディアスだけはそんな反応を見せず、(たい)(ぜん)たる様子で玉座に腰を据えたままだ。

 カイオスは、誰もが口に出す必要性を感じてこそいるものの、皇帝の前では最も出しにくい話題を口にしたのだ。

 そのカイオスは、手始めにアルデの方を見る。

 

「皇軍最高司令官のアルデ殿に、お伺いしたいことがございます」

「何でしょうか?」

「現在の軍の戦力で、ロデニウス連合王国に上陸作戦を行い、“皇帝陛下の御意志”である『ロデニウス連合王国人の殲滅』をなすことは可能でしょうか?」

 

 この質問に、アルデはすぐ様回答した。

 

「もちろん、陛下の御意志を達成するため、全力を挙げて取り組む所存であります」

 

 しかし、カイオスは首を振る。

 

「精神論を伺っているのではありません。私が聞きたいのは、“今の軍の戦力で達成できるかどうか”、ということです」

 

 すると、アルデは少し苦い表情をしながら答えた。

 

「“現有戦力では()()()”といえるでしょう。デュロにはまだ、まとまった規模の艦隊や兵力がありますが、あれらはデュロ防衛用の兵力であって、対外侵攻は基本的に考えられておりませんので。レノダにしてもパールネウスにしてもそうです。ですので、“対外侵攻が可能なほどの兵力はない”と言わざるを得ません。しかも、輸送船も多数が沈められた現状、海上輸送も難しい。達成のためには、“多数の兵力と船、そしてそれらを調達し訓練するだけの時間”が必要です」

 

 このアルデの答えにカイオスは、「それまでロデニウス連合王国は待ってはくれないでしょう」と言うだけだった。

 続いてカイオスの目は、第1外務局長のエルトに向けられる。

 

「それでは続いて、ロデニウス連合王国との外交を担当していた第1外務局のエルト殿にお尋ねしたい」

「何でしょうか!?」

「この戦争、どのような方向性で行くおつもりですか?」

 

 エルトは一瞬、皇帝ルディアスの顔に視線をやった。彼女(エルトは女性である)の額には玉の汗がいくつも浮かんでいる。

 

「こ、国家の意志として『ロデニウス連合王国の殲滅』を宣言した以上、皇国がその意志を変更すれば、他国や属国に対して示しが付きません。国益を考えたとしても、このままの方向で進むしかないと思います」

「では、エルト殿はそれが可能であると思っておられるのですか?」

「先ほど皇軍最高司令官のアルデ殿が、“時間をかければ可能だ”と仰いました。軍事、特に戦略的な部分に関しては、私はアルデ殿に口出しできる立場ではありません」

 

(このままでは、皇国は滅ぼされてしまうぞ……)

 

 そう考えつつ、カイオスは質問の切り口を変えた。

 

「ではエルト殿、ロデニウス連合王国が我が国に何を要求しているか、お伺いしたい」

「開戦前の時点でロデニウス連合王国が我が国に要求していたのは……、絶対的な隷属の拒否の承認、フェン王国からの即時撤兵、フェン王国に対する公式の謝罪と賠償、ロデニウス人虐殺事件に関する謝罪と賠償、そして同事件の首謀者・実行者と重要参考人の引き渡しです」

 

 エルトは指を折りながら、ロデニウス連合王国からの要求を1つ1つ挙げた。

 

「このうち、“フェン王国からの撤兵”は、形はともかくとして終わっています。ですから、残りの4つが現時点でロデニウス連合王国から我が国に要求されている事項となるでしょう」

 

 ここで、カイオスとエルトのやり取りを聞いていたレミールが表情を曇らせた。カイオスはそれを決して見逃しはしない。

 

「それではレミール様、“ロデニウス連合王国からのこれらの要求”について如何お考えか、意見をお伺いしたく存じます」

 

 カイオスから突っ込まれたものの、レミールはしばしの間沈黙していた。顔は俯いたままで、彼女がどんな表情をしているのかは窺えない。だが、カイオスには彼女の両肩が小刻みに震えているのが見えた。

 一時して、ようやくレミールは顔を上げる。その顔は青白くなっており、視線はカイオスの方を向いていたものの、瞳は完全にどこか別のところを見るともなしに見ていた。

 そして彼女は、肩と同じく震えている唇を動かし、言葉を発しようとする。

 

「わ……私は……」

 

 だがその時、

 

「もうよい!!」

 

 レミールのそれとは、全く別の声が割り込んだ。威厳のある重々しい声。

 それを聞いた瞬間、何人かの出席者が無意識に姿勢を正した。この会議に出席している全ての者が、たった今レミールに割り込んで発言したのが誰なのかを、瞬時に察して黙り込んでいた。

 その発言者、すなわち皇帝ルディアスは、カイオスの顔をギロリと睨み据え、威厳……というより威圧……を伴った声を発した。

 

「カイオス、お前は何が言いたいのだ! このパーパルディア皇国の長である余と、そこのレミールをロデニウス連合王国に差し出しての()()()()()()()()が、お前の望みなのか!!」

 

 カイオスは直立不動の姿勢で、慎重に言葉を選びながらルディアスに答えた。

 

「いえ、決してそのようなことはございませぬ。私はただ、皇国臣民のためを思って、ロデニウス連合王国が何を要求してきているのか、我が国としてどういった対策が取れるのかを、目を瞑ることなく洗い出そうとしているのです。“あらゆる方策の可能性”を探っているだけでございます」

 

 一言間違えれば、リアルに自分の首が飛ぶ。下手をすれば、家族も道連れにされてしまう。カイオスは念には念を入れて注意深く話していく。

 

「ロデニウス連合王国は強い。これは“紛れもない事実”であります。私は心の底から()()()を抱いているのです。このままでは、栄光あるパーパルディア皇国が、もしかすると倒れることになるかもしれないと、危惧しているのです」

 

 カイオスのこの言葉を聞いて、ルディアスは目を細めた。そしてやおら口を開く。

 

「ほう……。確かに、ロデニウス連合王国は強い。海軍の主力を滅し、陸軍三大基地のうち1つをも滅した。これは事実である。

しかし同時に、デュロとアルーニの大規模基地が健在であり、レノダやパールネウスの中規模基地も健在である。これもまた事実だ。そして、我が国の武器や弾薬の製造を支える工業都市デュロも、造船の中心地である港湾都市レノダも健在だ。武器が尽きることはないであろう」

「仰る通りでございます。しかし陛下、私は“ロデニウス連合王国の陸軍が上陸してくる可能性も否定できない"と考えております」

「ほう、それは何故だ?」

「陛下も覚えておいでだと思いますが、ロデニウス連合王国は"元々ロデニウス大陸にあった国”が連合してできた国家です。つまり、“人口3,800万人を抱えたロウリア王国”も、かの国に含まれています。人口の多さは、そのまま陸軍や海軍に動員できる兵力の数に直結することは、我が国の陸軍を見ればよく分かる話でありますから、ロデニウス連合王国の陸軍は“数では決して侮れない”と思います」

 

 実際、カイオスの見立ては間違っていない。

 現在のロデニウス連合王国陸軍の兵力は、全部合わせて152個師団(約163万人)。しかも、ロデニウス連合王国の人口4,000万人に対してこの数字である。つまり、まだ予備兵力に動員できる人数はある。そして、戦線を支える兵站を担う人々の数も、まだ沢山あるのである。

 対して、現在のパーパルディア皇国の陸軍兵力は、正規軍・属領統治軍を合わせて約170万人(本当は200万人いたのだが、皇都防衛隊基地の壊滅と共に30万人が戦死したと見做された)。兵の数だけでいえば、両国はほぼ拮抗状態である。

 

「うむ、それは余も考えた」

 

 カイオスの説明に、ルディアスは頷いた。

 

「だがそれでも、余は“皇国陸軍が陸上戦で負けることはない”と思っておる。何故なら、もしロデニウス連合王国軍が上陸してきた場合、地の利においては我が方が圧倒的に有利であるからだ。精鋭の陸軍が地の利を生かして戦えば、負けることはなかろう」

 

 ルディアスのこの言葉に、一同が頷く。カイオスもこれに反論はできなかった。皇帝の言葉に逆らえるはずもない。

 しかし、皇国の崩壊に関するカイオスの懸念は、実はそれとは“別のところ”にある。だが、今意見具申をすれば、今度こそカイオスの首が(物理的に)飛びかねない。そのため、カイオスは黙らざるを得なかった。

 

 ちなみにカイオスの懸念とは、“属領の一斉武装蜂起”である。

 カイオスは第3外務局長ではあったが、それと同時に皇国のためを思う“(ゆう)(こく)の士”でもあった。そして、商人たちに協力してもらって皇国属領のデータを集め、皇国の実情を把握しようとしていたのである。その結果明らかになったのは、“皇国の急速な成長が属領の疲弊を無視して行われている”という実態だった。しかも、属領統治機構の職員たちは現地の民を相手に“やりたい放題”だとか。

 今は属領統治軍が睨みを利かせているものの、この有様では、もし属領統治軍が“何らかの理由”でいなくなってしまえば、“現地の民の武装蜂起が発生する可能性”が高い。そして、一つの属領が武装蜂起したという情報が拡散すれば、他の属領もそれに(なら)うだろう。そうなれば、“パーパルディア皇国は国そのものが崩壊しかねない”のだ。カイオスの懸念はそこにあった。

 

 

 カイオスの懸念を別に、ロデニウス連合王国対策会議は昼休憩を挟んで夕方まで続けられた。

 会議の大まかな流れとしては、“ロデニウス連合王国に対して徹底抗戦する”という方向性が固まっている。

 

「……であり、我が国は現在まずい状態に置かれています。従って、経済担当局による国庫からの大規模な戦時特例支出を行い、工業都市デュロに対しては武器・弾薬・戦列艦の徹底した増産を指示します。レノダに対しては戦列艦や竜母、輸送船の新造を急がせます。更に、皇国の予備役・退役軍人たちを召集すると共に、退役して解体待ちの戦列艦も再就役させます。なお、退役していた戦列艦はトクサ級(30門級)やレントル級(50門級)ばかりです。属領からも徴兵を行うことに致します。

そして最終的には、今までの皇国軍主力の3倍の数の軍を作り出し、量産した艦艇と兵士の物量を以て、ロデニウス連合王国本土の沖合に夜のうちに大船団を送り込み、まずピカイアを火の海にします。そして、陸軍を以て陸上作戦を行い、陸と海の双方から攻撃を行って、ロデニウス連合王国の首都を落とします。

このような方向性でいきたいと思いますが、陛下、よろしいでしょうか?」

 

 アルデが提出したこの再建計画を、皇帝ルディアスはその場で裁可した。これを見て、出席者たちは自信を取り戻したかのような表情を浮かべていた。

 だが、その中にあってただ一人カイオスだけは、この会議の進行に深刻な焦りを感じていた。

 

 さっきアルデが提出した再建案は、「ロデニウス連合王国が何もしてこないこと」が前提となっている。だが実際には、ロデニウス連合王国は手を抜くようなことはしないだろう。何せロデニウス連合王国は“殲滅戦を宣言された身”なのだ。取れる手段なら何でも取り、死に物狂いで皇国に刃向かってくるだろう。あの“飛行機械と軍艦”を大量動員して。

 アルデの出した再建案は、明らかに()()()()()である。カイオスは軽い頭痛を覚えた。

 しかも、この机上の空論に対して出席者たちは皆、自信を取り戻したかのような顔をしている。カイオスから見ると、“馬鹿の集まりが雁首を揃え、現実から目を背けて逃避している”ようにしか見えない。

 

 このままでは、結局“皇国が滅ぼされる”ことは明白である。

 これほどの国力を誇り、数多の国家が存在するこの世界でも5指に入るほどの力を持ち、列強とすら呼ばれ讃えられたパーパルディア皇国が、滅亡してしまう。

 

(私が、何とかしなければ……)

 

 カイオスは、そう思うのだった。

 

◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 一方その頃、ロデニウス連合王国クワ・トイネ州北東部 タウイタウイ島。

 (あかね)射すタウイタウイ泊地、人気のない「タウイ図書館」では、ムー国の技術士官マイラスが、閲覧机の上に大量の書物を広げ、そのうち一冊の本を前にして、その身体を震わせていた。

 

「これだ……」

 

 震えるマイラスの唇から、小さく言葉が漏れる。

 彼の視線の先にあったのは、「旧日本海軍の艦艇一覧」と銘打たれた一冊の本。日本海軍が使用していた軍艦が、カラーイラスト付きで紹介された本である。

 そのうち、“日本海軍最大の戦艦”を紹介したページを開き、マイラスは武者震いをしていた。

 

「これが……大和(やまと)型戦艦……!」

 

 そう。マイラスが探していた、戦艦「大和」に関する資料がついに見つかったのだ。

 

 つい昨日、艦娘の"大和"がグラ・バルカス帝国の戦艦「グレードアトラスター」にそっくりな戦艦に変身するところを偶然目撃したマイラスは、この謎の戦艦「ヤマト」について調べるべく、「タウイ図書館」に入り浸りで調べ物をしていた。そしてついに、戦艦「大和」の資料を探し出したのである。

 そこには、マイラスの想像を遥かに超えたスペックが記されていた。

 

 

全長 263メートル

最大幅 38メートル

基準排水量 65,000トン

満載時排水量 72,800トン

速力 27ノット

主砲 45口径40㎝三連装砲3基

副武装 15.5㎝三連装砲2基、12.7㎝連装高角砲12基、25㎜対空機銃150丁

 

 

(何だこのバケモノは……)

 

 それが、マイラスの感想だった。

 まず、全長263メートルという時点で頭がおかしい数字である。ムー国の最新鋭戦艦「ラ・カサミ」でも全長131メートルなのに、この戦艦はその倍の長さの巨体を持っている、というのだ。

 しかも、排水量は「ラ・カサミ」を大きく上回る。それでいて、「ラ・カサミ」の最高速度18ノットを大きく超える、27ノットもの速度で走れるのだ。

 

 だが、マイラスは主砲に関するデータを見て、不思議に思った。

 

(45口径40㎝砲……? いや、40㎝という砲口径自体にも驚くが、砲身長が45口径砲だと?

今ムーでコピー生産しているコンゴウ型戦艦の主砲も、35.6㎝砲とはいえ45口径砲だったぞ。てっきり50口径とか55口径とかの長砲身砲が「ヤマト」に積まれてるんだと思ってたんだが、ここに書かれたデータを見る限り、別段長砲身って訳でもないじゃないか。

……じゃあ、あの「特別な40㎝砲」ってのは、どういう意味だ?)

 

 以前、マイラスが"大和"に主砲の口径を尋ねた時、彼女は「特別な40㎝砲」と答えた。その答えを思い出し、マイラスは不審感を抱いたのである。

 

(ん? 待てよ?)

 

 その時、マイラスは資料を読み返してあることに気付いた。

 

(この資料、「40㎝砲」の0という数字だけ、他の文字とは字体が少し違うぞ? 何で?)

 

 そう、資料の文字が1つだけ、ほんの少しおかしかったのである。

 

(んー……?)

 

 マイラスは、まず真上からその0という文字を見詰めた後、今度は斜め上から見透かそうとした。更に、資料を持ち上げて夕日に透かしたりしてみる。

 他人が見たら「あの変人は何をやっているんだ?」という感想を抱くであろう作業を5分ばかり続け、ついにマイラスはこの謎を解くことに成功した。

 

 よく見ると、この「0」という数字の下に“別の数字”が書かれており、その上に無理やり「0」と書かれていたのである。まるで、データを(かい)(ざん)するかのように。

 そして、0の下に書いてあった数字は……「6」だった。

 

 

 つまり、繋げて読むと大和型戦艦の主砲は「45口径46㎝砲」となるのである。

 

 

(主砲の口径が、よ、46㎝……!?)

 

 謎を解き終えた瞬間、マイラスの全身を衝撃が走り抜けた。

 完全に常軌を逸した数字である。

 

(そうか、大和さんが言っていた「特別な40㎝砲」ってのは、「40㎝以上の大口径砲」って意味だったんだ。って、問題はそこじゃない!!

砲口径46㎝だと……!? これでは、「ラ・カサミ」は下手をすると一撃で真っ二つにされてしまうぞ! いや、「ラ・カサミ」どころか、我が国が今建造しているコンゴウ型戦艦のコピー品でも勝ち目がない……!)

 

 必死にデータをノートに書き留めるマイラスの背筋が、寒くなった。

 更にとんでもない記述が、見つかったのである。

 

『同型艦:大和、武蔵、信濃、111号艦。なお信濃は建造途中で航空母艦に設計変更、111号艦は建造途中で解体』

『これ以外にも、改大和型戦艦1隻、超大和型戦艦2隻の建造が予定されており、日本海軍は大和型戦艦を次世代の戦艦のスタンダードとして、量産しようとしていたことが窺える』

 

(1隻だけでも十分だろうに、こんなバケモノ戦艦を4隻も作ろうとして、そのうち2隻は完成させたのか? 更に、それを超える怪物戦艦まで作ろうとしていたとは……!)

 

 マイラスは、ぞっとした。

 こんな怪物戦艦は、ムー国には到底作れない。技術が全く足りないし、仮に技術があったとしても、この戦艦の建造や維持運用には莫大な金がかかるはずだ。下手をすると、ムー統括軍の軍事予算1年分を丸ごと注ぎ込んでも、追っ付かないかもしれない。

 

(ということはだぞ)

 

 マイラスは、思考の海に沈んでいた。

 

(グラ・バルカス帝国には、この“大和型戦艦に匹敵する戦艦を建造し、運用するだけの国力”もある、ってことだ。しかもこうなると、グラ・バルカス帝国はグレードアトラスター級戦艦を“量産”している可能性も否定できない……。グラ・バルカス帝国は、なんて恐ろしい国なんだ!

……だが、しかし)

 

 マイラスは、ポケットに入れて持ってきていた「グレードアトラスター」の魔写の模写を引っ張り出し、「大和」の画像と見比べる。この2隻は、艦全体のデザインや主砲周りは似ていたが、対空兵装は全く異なっていた。

 

(俺のカンでしかないが、グレードアトラスターと大和には類似性はあるものの、国交の有無の可能性を考えれば、関連性は認められそうにないな。それに、このタウイタウイは「日本」という国から転移した土地だ。そして、日本はかつてこの大和型戦艦を、2隻も保有していた……。

となると、似ていたのは“たまたま偶然”であり、ロデニウスの戦艦とグラ・バルカスの戦艦は別物、という可能性がある。ならば、このままロデニウス連合王国と国交を続けた方が、ムーにとっては得策かもしれんな)

 

 窓の外の夕日を眺めながら、マイラスはそんなことを考えていた。

 

(何にせよ、これはなんとしてもムー本国に報告しなければ……)

 

◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 そして、パーパルディア皇国の帝前会議から僅か4日後に、アルデの再建計画がいきなり破綻するような事態が発生しようとしていた。

 中央暦1640年6月2日、パーパルディア皇国属領クーズ。

 アルタラス島の戦いの結果が全世界に報じられて以来、旧クーズ王国の住民の1人である青年ハキは、列強パーパルディア皇国によるカスのような統治に耐えかね、独立を望む仲間を秘密裏に集めていた。

 仲間の人数は、なんとほんの3ヶ月ほどで3,500名にも達している。これにはハキ自身が最も驚かされた。

 どうやら、パーパルディア皇国の統治に反感を持つ者は多かったようだ。

 

 この秘密組織を、ハキは「クーズ王国再建軍」と名付けた。

 その実質的な戦力はおよそ2,500人程度。だが、決して小さいとは言い切れない。

 そして3,500人の仲間たちは10数人程度の小集団に分かれており、それが魔信ネットワークによって繋がっているだけで、3,500人全員が一堂に会して話をすることはない。これは、パーパルディア皇国統治機構の監視の目を逃れるためである。

 その努力が功を奏し、この組織の存在は統治機構には感づかれていない。

 

 6月2日の朝、ハキは朝食を食べていた。その朝早くに、

 

コンコンコン

 

 自宅のドアがノックされる音が響く。

 

「何だ? こんな朝早くに……」

 

 (いぶか)しみながらもハキがドアを開けると、そこにはよほど急いで来たのだろう、息を切らして立つ男の姿があった。外見年齢はハキと同程度。

 その男は名をイキアといい、クーズ王国再建軍の参謀長である。つまり、ハキの右腕であった。

 

「こんなに朝早くからどうした? 何かあったのか?」

 

 コップに入れた水を出しながらハキが尋ねる。イキアは水をぐいっと飲んでから、口を開いた。

 

「プハッ……ふう、生き返った。

えらいことが分かったぞ。属領統治軍が、2日前から撤収を開始していたんだ! 今日の午前中に、全ての統治軍の戦力がここを出て行くぞ!」

「え!? そりゃ本当か!?」

 

 この情報には、ハキも目を見開いた。

 軍がいなくなったということは、“統治機構を守る戦力がいなくなった”ということ。つまり、“反乱のチャンス”である。

 

「だが待て。その情報、俺たちの存在がバレて、俺たちを炙り出そうという“敵の罠”じゃないのか?」

「いや、違うと思う。これは、兵士たちが話しているのをこっそり聞いたことなんだが……」

「何だ?」

「パーパルディア軍の皇都防衛隊が全滅したらしい。今回の属領統治軍の撤退は、その穴埋めだそうだ」

「……は?」

 

 ハキの脳が、一瞬フリーズした。

 

「そんなバカな! 皇都防衛隊って、パーパルディア皇国の首都エストシラントを守る部隊だよな!? 第三文明圏の中でも最強といっていい軍隊じゃないか!

それが全滅!? 本当かよそれ?」

「俺もそれが気になって、息を潜めて話の続きを聞いていたんだ。兵士たちによると、どうやらロデニウス連合王国軍が攻撃を行ったらしい。どうやってかは知らないが、エストシラントの上空に朝っぱらから堂々と侵入し、ワイバーン隊の迎撃を切り抜けて空から攻撃を行い、皇都防衛隊30万を基地ごと全滅に追いやったらしいんだ」

「まさか、そんなバカな……。物凄い戦果じゃないか…」

「ああ。しかも、それだけじゃない。ロデニウス連合王国の艦隊が、パーパルディア艦隊を撃滅したらしいんだ。ロデニウス連合王国は、空からの攻撃で皇都防衛隊に攻撃すると同時に、エストシラントの港にいた船を1隻残らず沈めた後、50隻ほどの艦隊でパーパルディア艦隊200隻に正面から挑んで、パーパルディア艦隊を全滅させたそうだ。しかも、ロデニウス艦隊には被害はなかったらしい」

 

 もはやハキは、絶句するしかなかった。

 ロデニウス連合王国が挙げた戦果は、常識を遥かに超えている。列強パーパルディア皇国の正規軍に正面から挑んで、皇都防衛隊を全滅させ、それと同時にパーパルディア艦隊も根こそぎ沈めた。あまりにも常識を外れすぎている。

 

「あ……いや、待てよ」

 

 しばし後に、ハキはようやく口を動かし、言葉を発した。

 

「それじゃ、何でまだニュースになっていないんだ? これだけの大戦果だ、第三文明圏はともかくとして、他の文明圏のニュースくらいになっていても、おかしくないんじゃないか?」

「“信じられないほどの大戦果だから”かもな。この情報が本当なら、ロデニウス連合王国はもはや、パーパルディア皇国の技術を大きく超えた技術を持っていることになってしまう。適当なことを言ったら、信用に関わることになるから、どこの国も迂闊には言えないんだろう。ロデニウスとパーパルディア、どっちも正式な発表はしていないし。

他の文明圏に関しては、情報が回っていないだけかもしれないけどな」

 

 イキアの話を聞き、ハキの心は燃え上がった。

 

 列強たるパーパルディア皇国との戦いに敗れ、カスのような統治を受けているクーズ王国。パーパルディアの連中は、自分たちのことを“クズのクーズ”とか抜かし、祖国のことを属領クーズなどと呼んでいた。

 “祖国を取り戻したい”という思いはあった。だが、列強たるパーパルディア軍はあまりにも強い。最盛期のクーズ王国軍を以て彼らを迎え撃ったとしても、あっさりと敗れていただろう。それほどの差があるのだ。

 まして自分たちは反乱軍でしかなく、装備も練度も心許ない。反乱したとしても、“何もできずにあっさり鎮圧される”のは、目に見えていた。

 列強の軍とクーズ王国軍の間には、圧倒的……いや、絶望的といってもいいほどの力の差があった。

 

 しかし……ロデニウス連合王国の登場で、状況が変わった。

 

 ロデニウス連合王国軍は、パーパルディア皇国の属領にされたアルタラス王国を再独立させ、“列強の軍は決して無敵最強などではない”と教えてくれた。

 そして今、ロデニウス連合王国はパーパルディア皇国に真正面から喧嘩を売り、皇国軍に大きなダメージを与えた。そう、属領統治軍を引き揚げさせなければならないほどのダメージを。

 

「イキア!!」

 

 不意にハキは目を輝かせ、大声で話し始めた。

 

「どうした、ハキ?」

「時が来た!!」

「時って、何の時だ?」

「決まってるじゃないか、“クーズ王国を取り戻す時”だよ!

クーズ王国再建軍の初陣だ! 本日の午後3時に一斉決起! まずは、クーズの統治機構を攻め落とすぞ!」

「おいおい、本気か!?」

 

 イキアは、慌ててハキに尋ねる。

 

「俺たちの武器は剣と盾、あと農具くらいしかないぞ? 統治軍が戻ってきたら、簡単に全滅しちまうぞ!」

「統治軍は戻ってきやしない。奴らの首都の防衛に穴を開けるわけにはいかないからな。戦力のいなくなった属領統治機構なんか、2,500人でかかったらあっさり落ちるだろ……クーズは、()()()()()だ!!!」

 

 ハキの頭には、パーパルディア皇国統治機構を倒して独立することしかなかった。

 復讐の亡霊は、ハキの心を燃やし続けていたのである。




はい、というわけで会議編+αでした。
既にアルデの胃は甚大なダメージを受けているのですが、…まだ「おかわり」が山ほどあるんですよね…。


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次回予告。

慌てて対ロデニウス連合王国戦の戦略をまとめた、パーパルディア皇国。それに対し、ロデニウス連合王国軍はアサマ作戦の3合目「スターボウブレイク作戦」を、発動しようとしていた…
次回「アサマ作戦3合目 デュロ攻撃(1)」

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