Rust Resort   作:NAIADs

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イギリスの詩人フィリップ・ラーキン曰く、『ママとパパは君を駄目にする。悪気はないがダメにする。自分たちの欠点を君に受け継がせ、新たなおまけさえ付けて』

アリスギアはもうちょっと待ってね。
今書いているから。


File.03 『一式の瞳』

…重い。

 

正確に言うと誰かが俺に乗っかって寝ている。

誰だ…?

余りの寝苦しさで起きてしまったぞ。

壁掛けの時計を確認すると、明け方の4時前。

まだ寝ぼけ眼だが、半開きのドアがユラユラしているのは見える。

しまった、鍵をかけ忘れたか。

 

では誰が乗っかっているか推理しよう。

まず職員ではない。これは確実だ。

何故かというと、工場のメンツは工場を寝床にしているから。

…驚くことなかれ、本当に工場の床で変わりばんこで雑魚寝している。

折角ふかふかのベッドを持つ宿舎があるのに、何の意味も無い。

そして戦術人形でもない。

彼女らが居るのは数百キロ先の基地。

いくら彼女たちの個性が爆発しているとはいえ、流石に海をじゃぶじゃぶ数十キロ泳いでくる猛者はいないだろう。

まぁ輸送機で送られてくる補給用の荷物に潜んでやってくる可能性も捨てきれないというかやりかねない奴が居るが、それならとっくの昔に騒ぎになっている。

…となると、ラストドールの誰かなのだが。

正直誰でもあり得る話なんだよなぁ。

レイはバ…天然なので寝室を間違える事があるし、寂しがり屋のヒトミが人肌を求めて布団に入った可能性がある。

フタバは睡魔に負けると廊下であろうと上官の部屋であろうとどこでも寝てしまう。

…では誰なのか。

右側頭部にそっと手を当ててみよう。

固い感触がないのでフタバではないし、眼帯の紐の感触も無いのでレイでもない。

となると、残っているのはヒトミだ。

その推理を決定付ける為に、彼女の寝息に耳を傾けてみよう。

 

「ふみゅう…ふみゅう…」

 

ハイ決定、侵入者の正体はヒトミだ。

掛け布団を剥がしてみると、少女が綺麗な金髪を振り乱して眠っていた。

青いワンピースにフリルのついたエプロンドレスを身に着け、白黒のボーダーニーソを履いている。

不思議の国のアリスをモチーフにした服装だ。

こんなかわいい少女が元処刑人だったなんて誰が思うだろう。

元エクスキューショナーだった人形は、現在はヒトミという名前だ。

こいつは頭の半分から上が吹っ飛んでいたので、その辺のパーツを交換している。

その結果生まれたのが、金髪碧眼で勝気な声をした甘えん坊の少女。

そのギャップでヘリアンを笑い殺しかけた張本人である。

たまに思うのが、レイとヒトミの声が逆ならよかったのにという事。

逆ならば性格と声がバッチリ符号して笑わずに済むのだが。

 

「ゆっくり寝ていろ…」

ヒトミを起こさないようにそっとベッドから起き上がり、彼女の頭をそっと撫でる。

そして音を出さないように忍び足で自室を出た。

 

〇〇〇

 

宿舎を出た俺が向かったのは、宿舎からほど近い位置にある工場。

ここは決して眠る事のない鷲峰島基地の中心地。

ここでは日夜、寝る間を惜しんで職員が真面目にティルトローター輸送機の完成を目指して様々な開発を行っている。

…と思いたいのだが、如何せん俺達の居ぬ間にスクランブルコースターを造ったメンツだ。

地下深くのデータバンクに眠っているオールドカミングプロジェクトの機体データがどんな形で生かされるのか、ちょっと心配になってくる。

俺がそんな場所に来たのは連中にハッパをかける為ではない。

というか、今は誰にも声を掛けてほしくない気分だ。

誰にも見つからない様にガラクタに隠れてゆっくりと進み、だだっ広い工場の奥に置かれたある作業台の元へと辿り着く。

忘れ去られたも同然のこの机はあの作業をするには丁度良い位置だ。

雑巾で積み重なった埃をふき取り、作業台の下に隠してあった道具箱を取り出す。

 

この場所で何をするかというと、愛銃の定期メンテナンスである。

基本的に航空機に搭乗するのであまり出番のない代物だが、いざというときにジャムってしまったら困るので定期的にこの作業台でメンテしている。

では、何故プロである(筈の)工場のメンバーに任せず、隅っこでバラしているのか。

その理由は簡単、彼らに託せば絶対に余計な改造をされてしまうからだ。

…というかされてしまったし。

メンテ序でに改造をするってどういうアフターケアだよ。

その証拠がそこにある。

ガンオイルで黒光りしているのが、S&W M500だった物…の魔改造版。

改造したのは勿論あの連中。

改造点として、10インチモデルの銃身に溶け込む様に超音波振動する刃が仕込まれている。

鉈の様に振り下ろせば、鉄血のガードタイプの持つ盾がすっぱりと切れるすんごい性能。

彼ら曰く、近距離戦から格闘戦まで出来る仕様らしい。

一回しか使ったことないけどな。

ショットガン並みの反動でも銃が跳ね上がらないのが唯一といえる利点。

狙撃をする銃ではないけれど。

そしてどんな人形や人間だろうと近距離で頭にぶち込めば頭自体が無くなる程の弾の威力を誇る。

 

そして今バラしてクリーニングしているのが、9ミリ機関けん銃。

いわゆるサブマシンガンという奴で、かなり昔にどこかで拾った以来の相棒。

見た目はUZIとトンプソンの間の子供と表現できる武骨なデザインだ。

元は自衛隊という場所で運用されていたらしい。

命中率は微妙といえる性能だが、弾丸ばら撒き機というサブマシンガンの立場としては合っていると言えよう。

最近では俺の筋力が付いてきたのか銃が暴れなくなったけどな。

まぁまぁサイズが小さいので、携行性が良いのが救い。

この携行性がぶち壊されたら堪らないので、この銃だけは自分でメンテするようにしている。

クリーニングを終え、逆再生するように銃を組み上げた。

こういう作業をしているうちに、すっかり銃のクリーニングとメンテナンスが俺の得意分野になってしまった。

カッコいいとは決して言えない相変わらずの武骨さだが、長年使っている分手に馴染んでいる。

さてと、早速射撃場で試し撃ちしてみるかな。

 

「お父様、メンテナンスしてくれてありがとー!」

 

あ、ヤバい。

ヒトミも武器のメンテナンスに来てたのか。

今の装備で彼女に会うのは不味い。いろいろな意味で。

とりあえず両方の銃のセイフティを掛け、そーっと忍び足で出口へと向かう。

よし、あちらには気付かれていない。

伊達にサイレント・ウォーカーと呼ばれてないんでね。

よしよし、後もうちょっと踏ん張ればゴールの出口にたどり着く。

「ん?パパのにおいがする」

くそっ、気付かれたか!

何であいつらヒトミの五感をここまで強化したんだよ!

彼女はクンクンしながらこっちに寄ってくる。

…こうなったら覚悟を決めるしかない。

「ふみゃー!」

あ、やっぱりズドドドドッと走ってきた。

ヒトミは俺を見ると条件反射的に飛びついてくる。

ここで注意しなければならないのが、きちんと彼女の方を向いて体勢を整えなければならない事。

何故なら、見た目はかわいい少女でも大刀を振り回していたあのパワーは健在だからだ。

ちゃんとした体制で抱き留めないと、ヒトミもろとも壁や床に吹っ飛んでしまう。

人生初のぎっくり腰はそれが原因だった。

もうちょっと加減して欲しいものだ。

彼女とのふれあいですっかり骨と筋肉が強くなった気がする。

いやいや、振り返っている暇はない。

ヒトミの現在のスピードは現在61.84kmh。

体勢…よし。付近に壁は…なし。

…準備完了。

まずは鳩尾へのダイレクト頭突きを何とか耐え、彼女が俺の腰に手を回すのを待つ。

この時きちんと踏ん張らないと100%転ぶ。

万力の様な抱きしめに耐えつつ、彼女を支えてゆっくりと着地させる。

最後に優しく撫でれば、ヒトミがふにゃふにゃと甘え声をあげて完成だ。

正直言って悶絶したいけど。

「もうっ!もうっ!勝手に居なくならないでよ!寂しかったんだから…」

「…済まないな」

「むー…!」

分かっているからぺしぺししないで。

子供ならあれだが、君の身長だと叩いているのは君が頭突きした鳩尾だから。

せめて力加減して。…気絶しちゃうから。

「分かった、分かったから!何がしたい?」

「じゃあ遊ぼ!」

「今から射撃場に行くところだ。付いてくるか?」

「うん、ありがとパパ!」

 

ヒトミに関して困ったことが二つある。

一つは今の通り、彼女が俺を”パパ”と呼ぶこと。

頭脳を変えたことによるバグなのか本人の意思なのかは知らないが、ラストドールとして彼女と出会った時からヒトミは俺をこう呼ぶ。

彼女を造った工場長を”お父様”と呼んでいるにも関わらずである。

…意味が分からんよな。

コスプレのような見た目といい、この呼び方といいどうも犯罪臭がする。

実際これが原因で上司のヘリアントスに睨まれた事があるしな。

フタバの”おやっさん”ならば近所の喫茶店のマスターみたいな感じで良いのだが。

なぜヒトミが俺をパパと呼ぶのか、それを聞いたことはない。

というか聞いても100%はぐらかされる。

 

二つ目はなんと言うか…時折こいつが怖い。

花の様な笑顔の中に闇の一面がひょっこり現れる。

遠隔通信で戦術人形と話している時、開いたドアの外からじーっとこちらを睨んでいる。

何もない暗い部屋でボソボソと何かを呟いていることもしばしば。

私室で視線を感じてドアの覗き窓からのぞいてみると、ヒトミは覗き窓越しにニヤァと暗い笑顔で笑いかけてきた。

普段はあんなにいい子なだけに、ふと闇の一面と出会うと物凄く怖いのだ。

 

そういえば、この関連でもう一つ困った事を思い出した。

一部の戦術人形ととてつもなく仲が悪いのだ。

ヒトミはあの性格もあってスプリングフィールド等と仲が良く、M4 SOPMODIIとは親友の様な関係を築いている。

ただ、出会うと彼女が必ず威嚇する戦術人形が居るのだ。

9A-91やUMP姉妹など…どういうものなのかは分からないが、彼女なりに威嚇する基準があるらしい。

ただ威嚇するだけならマシなのだが、前に人形達の居る基地に連れて行った時にいつの間にかUMP姉妹と殴り合いの喧嘩になっていた。

双方ともかなり本気の喧嘩だったらしく、取り押さえるのが大変だったらしい。

喧嘩が鎮圧された後に現場に駆けつけた時、416やM4A1に取り押さえられているUMP姉妹の表情が普段からは想像もできない程に恐ろしい怒りの形相だったのを覚えている。

その反面ヒトミは嘲笑するような笑みを浮かべていたことも。

この喧嘩の原因は分かっていない。

何発も殴られつつヒトミを止めたレイ曰く、『化けの皮がどうとか猫かぶりがどうとか罵り合ってやしたけど、なんせ途中で入ったもんで原因は全然わかりやせん』との事。

三人とも何故揉めたのか頑なに言おうとしないし。

結局のところ、ヒトミをあの基地に連れていかないという事で結論付けた…というか先送りにした。

将来、戦術人形が我が基地に入る事を考えるとこの問題は解消しなければならないのだが…。

問題の原因を俺が全く推測できないのが問題だな。

 

そうこう考えているうちに射撃場に着いた。

まぁ、工場の真向いにある格納庫の裏に急遽据え付けられただけだからな。

急造だから射撃場といっても海風に吹きさらしになった木の標的が数体しかない。

誰も使わないからな。

懐からメンテした銃を取り出し、セーフティを解除する。

左手に9mm機関けん銃、右手にM500の二挺持ちで人型の標的に向かう。

ズダダダダダッ、ダァン!

9mm弾が標的の全身に穴を開け、12.7mm弾がその首を折った。

…命中率39.44%。

やはり、戦闘機の様にはいかないか。

「私もやる―!」

エクスキューショナーは近接特化型の人形だったが、その傾向はヒトミにも受け継がれている。

彼女の言うお父様によれば、ラストドールへの改装に合わせて五感が極限まで強化されているらしい。

だからこそさっき臭いで見つかったわけだが。

格闘戦用の武器を使う部分はそのままヒトミに引き継がれており、メインウエポンに『秋水』、サブウェポンは『藤花』という名前の武器を採用している。

もちろん製作者はあの工場だ。

サブマシンガン『秋水』は基本構造に俺の持つ9mm機関けん銃をコピーした奴を採用しているが、何故か日本刀と組み合わさった形状を採っている。

しかも銃身と刀身が垂直になるような形で。

確かにこいつならばグリップと柄を同じように扱えるが、これじゃ撃ちにくいだろう。

いや…撃ちながら接近して斬る、という使い方なのか。

超音波振動する刃はマンティコアを普通に叩き切るレベルの威力を持つ。

重たい剣によって反動が抑えられており、サブマシンガンの割には命中率が良い。

弾の威力は俺のと変わらないが。

リボルバー『藤花』の基本構造は魔改造S&W M500と共通している。

大きさは一回り大きい。

装弾数を4発に減らした代わりに0.80インチ(20mm)という大口径を採用している。

それ以外…例えば超音波振動する刀などはそのままだ。

20mmという大口径なのだから当然ながら強力な反動があるはずだが、ヒトミは普通に片手撃ちで200m先の標的を狙撃する。

藤花に装填されていた炸裂弾は標的である木の板を木っ端みじんに爆砕した。

弾丸の威力とそれを撃つ鉄血ボス人形のパワー恐るべし。

標的の残存数ゼロ…命中率56.124%。

…流石だな。

じっとこちらを見るヒトミの目が褒めて褒めてとせがんでいる。

いつもの通り彼女をナデナデしようとしたその瞬間。

 

…格納庫に据え付けられた電話がプルルルルと鳴った。

 

警報は一切鳴っていないが、こういう時は大体…。

『おやっさん』

「どうした。先日に引き続き基地のレーダーが反応しました…ではないよな?」

『残念。今度は艦船だ』

「了解、ヒトミが傍にいるからこのまま一式陸攻で出撃する」

『ん、引き続き通信で呼び掛けてみる』

「了解」

受話器を電話に戻した瞬間、何故か左手に激痛が走った。

あのな、ヒトミさん。

そんなに左手をギューってしたら左手が砕けるのだが。

後、いきなり天真爛漫な笑顔から無表情になるの止めて。…怖いから。

えーっと、何で機嫌悪いんだ?

「…何?」

「仕事だ。対艦攻撃任務だぞ」

「はぁーい、じゃあパパも一緒に乗ろう?」

「え?いや俺は戦闘機でお前の援護を…」

「いいから、パパが操縦して」

「え…ま、ちょっ」

変な威圧を出す彼女にズルズルと引き摺られ、俺は葉巻型の機体に投げ込まれた。

この機体の名前は一式陸上攻撃機。

葉巻の様な胴体が特徴の双発の中型爆撃機だ。

長距離偵察と遠洋の敵艦隊の攻撃の為に、双発機でありながら四発重爆撃機並みの航続力を要求された機体であり、この機体もその特性を受け継いでいる。

具体的な形式は分からないが、こいつのモデルは防御力の向上を狙った後期型らしい。

武装としては自衛用に機体両側面と胴体上面、尾部に20mm銃座を装備。爆弾倉と主翼のパイロンには3t前後を搭載できる。

…でまぁ、こいつも例外なく工場の連中により魔改造が施されてしまった。

まずはフォローの為にいい改造個所から説明しよう。

各銃座にドラグーンと呼ばれていたマシンガンを扱う鉄血人形を改修して配置することで、パイロット一人でも運用できるようになった。

これは褒めよう。実際運用上のネックだったからな。

更に、パワーのある鉄血人形を配置することで銃の重さを気にする必要がなくなり、弾倉を45発のドラムマガジンから200発のベルトリンクに変更することが出来た。

防御機銃の弾は多い方が良いので、この改造は最適だったと言えるだろう。

…だがな。

いくら何でも機首の防御機銃を取っ払って76mm砲1門と20mm機関砲6門を搭載するのはダメだろう。

工場長曰く双発爆撃機に搭載された武装の一つらしいが、これは流石にやりすぎだ。

一式陸攻の計算された流麗な見た目が、葉巻につまようじを突き刺したような不格好なものになってしまっている。

オマケにこの追加武装によって爆弾を1t以上積むと飛び立てず、オールドカミングプロジェクトで追加された主翼下のパイロンが意味を成さずに取り払う羽目になった。

対地対艦攻撃には優れているとはいえ、この改造を施され操縦性という意味でも機体運用という意味でも大分扱いにくい航空機と化した。

ヒトミに大型機の操縦適性があったから良かったものを…。

「で、俺の役目は?」

「私が砲手やるからパパは操縦!」

「了解、シートベルト締めろよ」

「はーい。ラストリゾート、出撃ぃ~!」

「…はぁ」

通信で不審船の位置を聞きつつ滑走路へと出る。

スクランブルの為に爆装はしていないが、76mm砲は対艦攻撃に十分な威力を持つ。

もしもの時はアイツを呼べばいいしな。

モーターの出力を上げた一式陸攻は地面を蹴って離陸する。

久しぶりに経験するもっさりとした操縦性に戸惑いつつ、俺達は不審船の迎撃に向かった。

…のだが。

現場海域に着いてみると、侵入者の正体はコンパスと長距離無線機の壊れた民間船舶であった。

がっくり感という疲労が俺達を襲ったのは言うまでもない。

 

〇〇〇

 

…その日の深夜。

じっとりとした闇が支配する宿舎の中を私は歩いていた。

夜だし、私を含めた4人しか利用しないから大半の電源を切られているもんね。

レイのような特殊な目を持っていないので、私の目は真っ黒な景色しか写さない。

でも私は鼻をクンクンと嗅ぐだけでいい。

…捉えた。

仄かに香る、硝煙と金木犀の混ざったいい匂い。

僅かすぎて犬でもわからないだろう。

この能力を付けてくれたお父様に感謝しなくちゃ。

私はその匂いに引き寄せられるように歩き、ある部屋のドアの前へと立つ。

その取っ手に手を掛け…チッ、鍵が掛かっている。

昨日は開いてたのに。

ポケットからペンライトを取り出し、壁に設けられたある蓋を探す。

秘密の蓋を外し、その中を這う電線を弄ってロックを解除する。

引き戸をそーっと開けると、ベッドで匂いの元がすやすやと眠っていた。

私がパパと呼ぶ人間だ。

いつも私を援護してくれる人、私が乗る機体を与えてくれた人。

そして私が一番愛している人。

私が彼をパパと呼んでいるのは、彼とずっと一緒にいる為。

恋人や嫁だったら別れる可能性が高いけど、娘ならば離れる可能性が低い。

しかも幼い演技をすれば堂々と甘えることが出来る。

最近理性のブレーキが緩みがちな私にとっては丁度良い。

こうやって布団の中に潜り込んでも怒られることはない。

だから仕方なく嫁の座は誰かに譲っておく。

 

まぁ、戦術人形とかいうグリフィンのガラクタには絶対譲らないけどね♪

 

パパはティ何とかを開発してまで戦術人形が必要だなんて言っているけど、私はこの基地には私たちラストドールしか要らないと思うの。

理由は単純、弱すぎてパパの役に立たないから。

占領任務には役に立つけど…結局それだけしか出来ないし。

その癖、唯一役に立てる占領任務でも私たちに航空支援を要請しまくる。

彼女たちは地上を這う亀なのだ。空を駆ける彼や私達にとって邪魔でしかない。

…なのに、それなのに。

パパに恋心を抱くどころか私達の手から奪おうという連中が居る。…しかも沢山。

私たちが出撃出来なかった時にヘマやらかしてパパを怪我させたっていうのに。

本当にムカつく。

あんなガラクタ人形共は全部バラバラにしたいけど、パパが悲しむだけなので今はやらないでおいてあげる。

…あくまで今はね。

全く、占領任務をやりたいというのなら、ここでスタッフとして使っているリッパ―やらイェーガーを使えばいいのに。

あれなら恋心なんて余計な感情も無いし同士討ちを誘えるという意味でも効率的だと思えるのだけど。

まぁいいや、パパにゆっくりとそれを分からせば良いんだから。

 

あぁ、奴らを合法的にバラバラにできる日が楽しみ♪

 




ヤンデレタグ付けた方が良いのかしら…。


始めのアレ、ネタとしてただ言いたかっただけです。
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