ようこそ高度育成高等学校へ~大切なもの~ 作:Phospho Miller
では、10話目どうぞ!
教室を出ると携帯がなった。メールだ・・・
「・・・一之瀬か」
(これから、カフェで話しませんか?)
(ああ、いいぞ。30分後でいいか?)
(うん!いいよ!)
「とりあえず、やることを済ませておくか・・・」
ーーー職員室
「失礼します。茶柱先生、いらっしゃいますか?」
「ん?佐枝ちゃん?」
「はい」
「佐枝ちゃんは生徒指導室にいるよ?」
「生徒指導室・・・ですか?」
「うん。以外でしょ?」
「そうかもしれませんね・・・それでは廊下で待たせていただきます。失礼しました」
玲二は職員室を後にする
「佐枝ちゃんに用事があるんでしょ?なら、生徒指導室に行こうよ!」
「えっと・・・あなたは」
「あ、そうだったね。私はBクラス担任の星之宮知恵です!」
・・・一之瀬さんの担任か
「そうでしたか。先ほどはありがとうございました。」
「君は?」
「黒金玲二です」
といいつつ頭を下げる。
「黒金君か~。君もかなり格好いいね~。モテるでしょ~?」
・・・君も?
「いえ、そんなことは無いです」
「え~そう?そんなことは無いと思うけどな~」
このままではいつまでたっても目的の場所にいけそうに無いので話を切った。
「とりあえず、生徒指導室に向かいますか?」
「あ、そうね。行きましょうか」
予想外にもBクラスの担任星之宮と生徒指導室に向かうのだった。
ーーー場面は変わりDクラス
「おいおい、どうするんだよ!」
「ポイントは入らないし、入ったとしても3万はとられるんじゃいつまでたっても0のままじゃねーか!」
「本当に最悪」
「玲二君はどういうつもりなんだろ~?」
「どういうつもりもあるかよ!詐欺だっちゅうの!」
平田が立つ・・・
「これからの方針だけど、さっきみんなの前で話した通りクラスで協力していく必要があると思うんだ」
「そんなこと言っても・・・先生が言ってたじゃないか」
「そうだよ。たとえ私語や遅刻などを直してもポイントが増えることはないって・・・」
「確かにそのとおりだけど、続けていたら増えることは絶対ないよ」
「確かにそうだけど・・・」
「玲二君・・・」
一方で玲二はーーー
「星之宮先生、なぜついてきたのですか?」
「ん~?だって、面白そうなんだもん!」
「面白そう・・・ですか?」
「うん!だって佐枝ちゃんに用事があるんでしょ?佐枝ちゃんに相談なんておかしいもん」
「担任の先生に相談することがですか?」
「うん!」
・・・なぜだ?まだまだ俺が把握できていない情報がありそうだな。いや、個人的なことか?
「着きましたね」
「そうね」
ガラガラ~
「お?堀北さんと綾小路じゃないか」
「玲二か。・・・星之宮先生と何かあるのか?」
「いや、職員室で茶柱先生のことを尋ねたらついてきただけだ」
「・・・そうか」
「やっほ~綾小路くん!」
「どうも」
「何の話してたの?」
バシーン
「いったぁ~。何するの!佐枝ちゃん!二回目だよ!」
「先ほども生徒に絡むなと言っただろ?」
「でも~」
「黒金?どうした?」
「授業のことで質問がありまして・・・」
「・・・そうか。綾小路、堀北、話は終わりだ」
「わかりました。ですが先生私の考えは変わらないと覚えておいてください」
「・・・わかった」
堀北と綾小路は戻ると思ったが・・・
「黒金君に話があるので待っていてもよろしいでしょうか?」
「・・・かまわん」
「お前はさっさと戻れ」
「え~、いいじゃん!私も黒金君の話し聞きた~い!」
「授業の質問についてか?」
「うん!」
「はぁ~。これ以上言うなら上に報告するぞ?」
「私はただ佐枝ちゃんと黒金くんの話を聞きたいだけなんだけどな~。・・・まぁ、いっか」
「いいならさっさと行け!」
「は~い。じゃーね、黒金君。また話そうね?」
「はい、さようなら。星之宮先生」
「で?話とは?」
綾小路と堀北さんがいるけどいいか・・・
「小テスト、1位だったのでポイントをください」
「そうか。今回も1位だったな、わかった。振り込んでおこう」
「茶柱先生。次から1位をとったら自動的に振り込んでいただけませんか?毎回言うのは面倒なので・・・」
「次も1位をとれるかわからないと思うが・・・わかった。次からもテストで1位をとったら報告なしで振り込んでおこう」
「ありがとうございます」
「話はこれで終わりだな。なら私は職員会議があるから戻るぞ」
そう言い残し茶柱先生は立ち去った。
廊下には・・・玲二、綾小路、堀北がいる。
「黒金君、すごいのねすべて100点だなんて・・・それに綾小路君も」
「なぜ俺が出てくる?玲二よりもだいぶ下だぞ?」
「嫌味ね。あんな点数だったのに」
「綾小路は今回のテスト50点だったと思うがどうしてだ?」
「簡単な問題を間違えて、難しい問題を完璧に解いていたからよ」
「なるほどな。その話も、していたんだな」
「ええ、そうよ。・・・本当に綾小路君はAクラスには興味がないの?」
「堀北こそ、Aクラスに随分と執着しているようだな」
「いけない?Aクラスに行きたいと思うことが」
「そうだな。俺もできればAクラスで卒業したいな。綾小路は違うのか?」
「なれたらいいなー程度だな」
「なによそれ。それに希望する進学先に行くために努力することがいけないこと?」
「いや、自然なことだと思う」
「しかし、その希望する進学、就職するためにはAクラスにならなければいけないぞ?」
「そうね・・・ところでさきほど茶柱先生に言ってたことどういう意味?」
やはり聞いてきたか・・・
「言葉とおりだ。テストでいい点数をとったからポイントを貰おうと思っただけだ」
「それはおかしいわ。茶柱先生は最初テストでいい点数を取っただけじゃポイントを貰えるとは言ってなかったもの」
「確かに言ってはなかったが・・・」
「そうだな言ってはなかったが、貰えないとも言ってない。それに一番最初に言っていただろう?実力で生徒を測るって、だから学業もひとつの実力だと思ったんだ」
「・・・なるほど、そういうことね」
「よく気がついたな、玲二」
「綾小路も気づいていただろう?」
「・・・いや、全然気づかなかった」
「そうか?まぁいい」
「ポイントはどれくらい使ったのかしら?」
「ん?俺か?」
「そうよ。綾小路君も」
「俺は1万くらいかな?」
「俺は2万くらいだ」
「私も2万くらいかしら・・・それにしても黒金君はよく1万で過ごせたわね?」
「そうだな。ここにはいろんな施設に無料のものが多いからな」
「それにしても、10万も貰えば少し贅沢したくなると思うのだけれど・・・」
「そうか?まぁ、確かにほとんどの生徒は使い切っていたしな。でも、堀北さんとほとんど変わらないと思うけど?」
「そうかしら?」
「堀北さんこそ女の子だしいろいろ必要なんじゃないか?」
玲二がそういうと堀北は綾小路のことを睨んだ。
「ん?どうした?」
「・・・いえ、綾小路君にセクハラされたことを思い出したのよ」
「セクハラ?」
綾小路のほうを見ると・・・全力で顔を横に振っていた。
「してない。してない。」
「したじゃない。初対面の人に対してかみそりでーーー」
「してない!」
「まぁ、いいわ。二人にはお願いがあるの」
「なんだ?」
「お願い?」
「私がやることはまず私が本当にDクラスなのか確かめること。もし本当ならAクラスを目指すこと。いいえ、かならずAクラスになる!」
「相当大変だぞ?」
「そうだな、現実的じゃない。遅刻や居眠り、授業中の私語をやめて、なおかつテストの点数を上げて要約±0だ!」
「玲二の言うとおりだな」
「・・・わかってるわ。出来れば学校側のミスであることを願うわ」
そういえば、このあと一之瀬さんと話があるんだったな・・・
「痛って!」
「どうした?」
「なんでもない」
綾小路は脇腹を抑える。
「そんなことより、すぐに改善しないといけないことは三つね。遅刻と私語。それから中間テストで全員が、赤点を取らないこと」
・・・最初の二つは何とかなるがテストはな~
「そこで、綾小路君と黒金君に協力してほしいの」
「「協力ぅ~?」」
バシっ!
「「痛て!何するんだよ!」」
「仲いいわね?」
「そうかもしれないな」
「暴力反対!俺は協力しないぞ!」
「いいえ、綾小路くんは協力してくれるわ。・・・協力してもらえるわよね?」
「断る!」
「ありがとう。綾小路くんなら協力する、そう言ってくれると信じてた。」
「ちょっと待て!しっかり断っただろうが!」
「いえ、私には協力させてくださいと聞こえたわ」
・・・怖っ!
「黒金君もいいわよね?」
「いや俺は役に立てないと思うぞ?」
「私よりも良い点数を取っておいてそんなことをいうの?それに、いち早く学校側の意図に気づき行動できるのだから凄いわ」
「そこまで言ってくれるとは思わなかった・・・多少の協力はする。が、決定権は俺にしてくれ」
「・・・まぁいいわ。とりあえず綾小路君は確保できたし」
「ありがとう」
「おい、玲二!俺を売ったな!」
「そんなことはない。・・・あ、悪い。このあと約束があるんだった。また明日な!」
「待って、黒金君。・・・これ、私の連絡先あとで連絡するわ」
「わかった。また明日な!」
「ええ」