ようこそ高度育成高等学校へ~大切なもの~ 作:Phospho Miller
5月1日ーーー
携帯端末を確認すると昨日カフェで払った後の残金とまったく変化がなかった・・・
「マジか・・・まさか0ポイントとはな。とりあえず、準備して行くか」
この後Dクラスで起こるであろうことを考え、心の中で玲二は笑みを浮かべながらDクラスへ向かうのだった。
ーーーDクラス
「なーポイント入ってたか?」
「いや、振り込まれてなかった」
「なんでだろ~。学校のミスかな?」
「どういうこと?」
「おまえも?」
「なんで?」
などとクラスメイトたちが話していると茶柱先生が教室へ入ってきた。
「席に着け。朝のHRを始める」
「せんせーポイントが振り込まれてないんですけどー」
「毎月1日に支給されるんじゃないんですか?」
「その通りだ。各クラスに確実に支給されている」
Dクラスの生徒のほとんどが茶柱先生の話がまったく理解できていない様子だ・・・
「でも、実際に支給されてないし」
「本当に愚かだなー。お前たち」
・・・まったくだ。愚か過ぎて笑えるよ
「なるほど。そういう意味かティーチャー。私たちには1ポイントも支給されなかったということさ!」
「は~?なに言ってるんだよ高円寺!毎月10万ポイント振り込まれるって言ってたじゃないか!」
「私はそんなことは聞いていないがね?」
「高円寺の言うとおりだ。まったくなぜここまでヒントを出したのに気がついた者が数人とは」
茶柱先生はあきれながらいった。
平田が席を立ち・・・
「なぜ振り込まれなかったのでしょうか?」
「遅刻欠席、合わせて98回。授業中の私語や携帯電話を触った回数391回。良くこれだけのことをやらかしたものだ・・・この学校では、クラスの成績がポイントに反映される。査定の結果Dクラスは貰えるはずだった10万ポイントをすべて失った。今月支給されるポイントは0だ!入学式の日に説明したはずだ。この学校は実力で生徒を測ると」
また平田が発言をする
「僕らはそんな説明受けていません。」
「なぜだ?説明されなければ何も出来ないのか?」
「当然です!説明があれば私語や携帯を触るといったことはしなかったと思います」
「そーだ!そーだ!」
「説明しなかった佐枝ちゃん先生が悪い!」
「それはおかしいな?確かに私はポイントの査定基準などの説明はしなかった。しかし、学校での授業中私語をすること、携帯を触ることはしてはいけないことだと小学校、中学校で習わなかったのか?・・・教わっただろう?それらをすることは悪だと。説明されていればやらなかった?当たり前だろ!やらないのが普通なんだよ!それを説明されなかったからと私を攻める?お門違いだろう?ふざけるな!」
やっぱりこうなったか・・・何も考えないで毎日を過ごしているからだ・・・
「何の制約もなく毎月10万も使えるはずがないだろう!国が運営している優秀な人材教育を目的とするこの学校で?ありえないだろう?常識的に考えて。なぜ疑問を疑問のままにしていた・・・」
それでもDクラスの生徒は文句がとまらなかった・・・
「おっと、無駄話が過ぎたな・・・これが各クラスのポイントつまり成績だ」
Aクラス 940ポイント
Bクラス 650ポイント
Cクラス 490ポイント
Dクラス 0ポイント
「おかしくない?」
「Aクラスから順に下がっていってる・・・」
「Dクラス以外は1ヶ月暮らすには十分すぎるほど支給されている。」
「なんでほかのクラスはポイントが残ってるんだよ!」
「おかしいよな?」
「なぜここまでクラスに差があるのですか?」
「理解してきたか?この学校は優秀な生徒がAクラスにダメな生徒はDクラスへ、と。クラス分けされている。しかし、感心もしている。1ヶ月ですべてのポイントを吐き出したクラスははじめてだ!これを見れば誰もがお前らが不良品ということが分かるだろう!」
茶柱先生はわざとらしく拍手をした。
「ポイントが増える機会はあるのですか?」
「あるぞ。そうだなーこの時期でいえば次の中間試験で良い成績をとることだ。だが・・・これを見ろ!」
そういい茶柱先生は大きな丸めた紙を黒板に貼った。
「この数字がなんだか分かるだろう?先日やった小テストの結果だ。揃いも揃ってバカ丸出しの点数だな?次回赤点を取ったものには即退学とする」
「は、はあああああああ?」
「マジかよ!なんでだよ!」
「勉強なんて出来ないよ」
退学はまずいな・・・貰えるポイントが少なくなる・・・
「これも学校のルールだ。それともう一つ・・・国の管理下にあるこの学校は高い進学率と就職率を誇っている。が・・・世の中そんなうまい話はない。お前らのような低レベルな人間がどこにでも進学、就職できはしない」
「つまり希望の進学、就職先にいけるにはCクラス以上に上がる必要があるということですね?」
平田が代弁して発言するが・・・
しかし、茶柱先生は・・・
「間違っているぞ平田。希望が叶うのはAクラスに上がるしかない」
「そ、そんな・・・」
「みっともないねぇ。落ち着きたまえ」
「高円寺!悔しくないのかよ!Dクラスだったんだぞ!黒金もそうだろ?」
・・・なるほど成績トップの俺に振ってきたか・・・
「悔しいわけがない。この学校が私のポテンシャルを測りきれなかっただけのこと。私は誰よりも自分のことを評価し、尊敬し、尊重し、偉大な人間であることを自負しているのだよ!学校側がたとえ落ちこぼれでダメな生徒と判断しようと私には関係ないことなのだよ!」
「それに私は高円寺コンツェルンの跡を継ぐことは決まっている。DでもAでも些細なことなのだよ」
どうやらあの時高円寺に言ったことは役に立ったみたいだ・・・
「中間テストまで約3週間じっくりと考え退学を回避できるように頑張ってくれ。お前らがテストを乗り切れる方法があると確信している」
確信している・・・か。まぁ俺には必要ないことだがな。というよりここからだな・・・
先生が出て行くとすぐに平田が立ち
「みんな聞いてくれ今回ポイントは貰えなかった卒業までこのままとはいけないと考えてる。明日から勉強会を開きたいと思う。それと、入学式のとき自己紹介した人は今日残っていてほしい」
最後の平田の言葉でほとんどの生徒が玲二の方を向いた・・・
フフフ・・・平田が動いたか・・・放課後が楽しみだな