(ん・・・朝・・・か?なんか重いんだけど・・・)
俺はゆっくりと瞼を開く。と同時に目を見開き、この光景を疑った。
「・・・これは夢だ」
ポツリとつぶやきまた目を閉じて、夢よ覚めろ!と念じてみる。そしてまたゆっくりと、ゆっくりと目を開けるのだが────同じ光景でした。
(ななな、なぜこうなったんだ~~!!??)
状況を整理しよう。今俺はベッドに仰向けに寝ている。もちろん掛け布団掛けてね。ここまではいいんだよ。ここまでは。ただぐっすり寝てましたねってそういう話になったわけだ。しかし状況は違う。俺の上にはなんと、うつ伏せの魔理沙が乗っかっているではないか!?しかも寝息がかかってますよそれぐらい近いんです!魔理沙さん。俺で良かったね。普通の野蛮な男たちだったら襲われてたよ!なんて言ったらすべての男性陣からフルボッコなので口には出さないけどね。魔理沙起こしちゃうし。うん、考えてみよう。昨日はしっかり魔理沙を別室のベッドに寝かせたはずだ。酔いのレベルで考えたらまず起きることなんてないと考えたいけど・・・。実際には魔理沙は起きてこの部屋までたどり着いたということか?いやでも、部屋にたどりつくのはいいとして・・・勝手に魔理沙がこんなことをするはずはないよな?会ってまだ一週間と少し。まだあいさつまわりで弾幕バトルをして二度の宴会の場でしか話せてはいないからな・・・俺としてはこれからも仲良くやっていきたいつもりだ。それにしても・・・この寝顔は危険だな。ほんとにやらかしかねない。ああ、この際言っておくけど好きとかそんなんじゃないからな?とにかく落ち着け。今この状況で魔理沙を起こしたらヤバい気がする。なにせ昨日はあれだけ俺が飲ませたのだ。記憶なんかなくなってるに違いない。この至近距離でマスパなんか撃たれたら即死ものだ。今俺がやるべきことは───
【指令】魔理沙を起こさずベッド、及び部屋からの脱出をせよ!絶対に生き残れ!
と、心の誰かが指令をだしたのだ。いや誰だよ。でもそうと決まったらやるしかないな。
逃げられるかどうか少し動いてみる。が、しっかりと密着されてらっしゃるので全くもって動けません。あれ?これもう摘んだ?
指令内容をクリアすることは早々に不可能になったわけである。でもだ。まだ手はないことはない。二つ考えがある。
一つ、もう諦めて魔理沙を起こし、マスパを食らう覚悟で説明にあたり、食らったとしても事後処理にあたる。
二つ、一気に反転して魔理沙に俺が見えないように掛け布団をかけて覆い隠しベッドを抜け出し、全力で部屋から出る。魔理沙が部屋から出てくる前にリビングへ向かい、最大限の平常心で対応。
これ、一つ目完全アウトだよね。方法になってないよ。二つ目の方しかないよなあ…。と魔理沙にかからないよう首だけ横を向いてため息をつく。
二つ目だな。決定だ。と心の中で意気込む。あとはタイミングと勢いが重要になってくる。何度も繰り返しイメトレを入念にする。
よし・・・いくぞ。
掛け布団の両側を持ち、ゆっくりと両膝を立てる。ここまでは気づかれてないようだ。ほっと一息つく。あとは難関の反転だけだ。
「ふっ!!!」
グルンッと勢いよく一回転ーーー!するはずだったのだのだが・・・。何でしょう、魔理沙も布団をがっちり掴んでおり、一緒に回ったのである。奇跡的に元の位置に戻ってしまい、当然、魔理沙も・・・。
「・・・ん?何事なんだぜ・・・?」
ゆっくり瞼を開け、目を擦る魔理沙。そして目を見開き、なんで!?ととても驚いたようにこっちを真っすぐ見直す。
ああああしまったあああああ!!!!最悪の事態が起こってしまったぞ・・・・!
「あ、あの・・・魔理沙・・・ええっと・・・」
「ご、ごめん!!!」
「え?」
一言そう言って恥ずかしいのか顔を赤らめた魔理沙は逃げるように俺から離れ、部屋にある机の椅子に座った。何やら説明したそうだったが何しろ俺は今寝たままだ。少し待ってくれ、と制止をして起き上がって布団から抜け出し、ベッドメイキングをパパっと済まし、ベッドに座る。
「それで、なんで謝ったの・・・・?」
「え?ええっ・・・と・・・その・・・」
不思議そうに俺が問いかけると、魔理沙はもじもじして何か言いたくなさそうな感じだ。ん~?俺が寝ている間に何が起こったんですかい!?怖いんだけど・・・。
しばらく沈黙が続いたが、やっと観念したご様子で言い始めた。
「私、夜中に目が覚めちゃってさ、ここどこだーなんて思って家を軽く探索してたんだぜ」
「いや、二階のこの部屋まで来る時点で十分軽くじゃないから」
「あう・・・ごめん」
「いやまあ昨日俺が無理やり飲ませたせいで記憶がないのなら少ししょうがないけどさ。・・・んで、この部屋が分かったとしてもなんであの体勢になったのかご説明をいただけないですかね・・・?」
いやまあこんなこと聞くのもあれかなとも思うけど・・・誰でも気になるでしょあれは!あとなにか怪しい感じもするんだけど・・・駄目だ、思いつきそうもない。いったん話を聞こうか。
「ええっと・・・少し言いづらいんだが・・・なにか身体が変だったんだぜ。暑いし龍真見るとドキドキするし・・・」
あれ?あながち間違いでもないのか!?
「あ、でも好きとかそんな感じではないんだぜ。もっとこう、無理やり動かされているような・・・ん?なんで泣いてるんだ?」
「あーいや、つい昨日読んでた小説を思い出してね・・・連想させるんだーなんて・・・」
「面白そうだな、今度貸してくれよ!」
「うん、ぜひぜひ・・・」
嘘ですよ、はい。残念だよ馬鹿野郎!・・・・そっか。そうだよね。変な期待した俺が馬鹿でした。気をつけよう、うん。・・・なんというか、小説持っててよかった。
話を戻すか。無理やり・・・ときたか。よく媚薬なんていうけどそんなの使われたりするのかな?・・・あ、でも待った!
「魔理沙、昨日の宴会の記憶はいつとぎれた?」
「ん~と、たしか永琳、紫、幽々子と飲んでいたのが最後だな。それ以降は覚えてないぜ」
紫ならなにかしかねないな・・・。しかしあとの二人は霊夢の話で聞いたくらいだな。八意永琳先生。迷いの竹林の奥で診療所をしているらしい。西行寺幽々子、白玉楼というところに住んでいる。この三人がなにをしていたのかさえ分かればな・・・。と魔理沙をもう一度見る。
「・・・うん!?」
その時、俺の頭の中で映像、音声が鮮明に流れてきた。それはもう、はっきりと。
幽々子さんが紫に話しかけている。
「────ねえ、本当にやっちゃっていいの~?」
「いいのよ。たまにはこういういたずらも面白いじゃない?隠しカメラも設置したしあとは永琳から作ってもらった薬をお酒に入れてあとは来た人に実行するのみよ。ふふふふ」
と紫が媚薬入りのコップを持ち上げ、怪しい笑みを浮かべていた。
「何に使うのかと思ったら・・・やっぱりくだらないことだったわね・・・暇ねえあなたも」
「あ、魔理沙が来たわ。・・・決定ね。ねえねえ、魔理沙こっちで飲まない?はいどうぞ」
「ん?紫にしては気前がいいな。なんか気持ち悪いぜ。まあもったいないから頂くけどさ」
(ふふっ・・・これで完璧よ)
───映像はそこでとぎれた。はあん・・・なあるほどね・・・。紫、楽しいひとときだったな・・・。それと、まだ確信してはないが、能力に目覚めさせてくれてありがとうな・・・。
「ど、どうしたんだ龍真?笑っているけどなんかすっげえ霊力を感じるぜ?」
そう言われ、俺はっと我に返る。
「ああ、ごめん。どうやら犯人がわかったみたいだ。これからぶっ潰しに行きたいんだけど、魔理沙も来る?」
「おお、行く行く!・・・でもなんで分かったんだ?」
「それはまたあとで話すよ。もうこんな時間だし、朝ご飯でも食べようよ」
「あ、もうそんな時間か。じゃあ私も手伝うぜ」
「ありがとう。じゃあとりあえず一階に降りるか」
そう言って二人とも立ち上がり、リビングへ向かい、朝食を作り始めたのであった。
待ってろよ、紫──────。
はい、龍真くんの能力覚醒の時がやってまいりました!長かったなあ…。でも本人はまだ使い方をよく理解はしてないみたいだからこれからですね。
今回イチャラブシーンになるかと思いきや案外さらっと流れましたw魔理沙は龍真くんをどう思っているのやら…?
次回は紫さん潰しに二人が動きますよ~。しかしテストときたもんだから困った困った。成績に入るラストのテストなので秘想封併物語の方と平行してこっちも遅くなることをあらかじめご報告しておきます。
では今回もありがとうございました!感想お待ちしております!