「──────なるほど、まだ確信はないけど能力のおかげで私の記憶を読み取ったと」
「そういうことになるね。まだ他にも使えるものがあるかもしれないから断言は出来ないけど」
朝食を食べながら俺たちは俺の能力についての話をしていた。・・・とはいっても答えが出たわけではないんだけど。ただ一つ分かっていることはさっきあった通り人をみることでその人の記憶を読みとることが出来るということ。しかし使い方がわからないなあ。
「面白いな。それじゃー試してみよう。私の一昨日の夕飯は何か分かるか?」
「そうだな、ええっと…」
目を細めて魔理沙をじっと見つめて集中する。
「う、じっと見られるとなんか恥ずかしいな」
うーむ…よし出た!
「分かった、名前までは分からないけど…その人が作ってくれたパスタでしょ?カルボナーラ」
「おお、当たりだぜ!作るところまでついてくるとはな」
「ちょいとさかのぼってみたんだ。魔理沙・・・料理くらい自分でした方がいいぞ?手伝いはいいけどその人すごい迷惑そうだったし(事実俺も少し邪魔だった)」
「そ、そこまでさかのぼらなくていいんだぜ!人の勝手だろー!?」
ああ、本当にしたことないんだな。なるほど、あの手先の不器用さ、納得。
「その悟ったような顔はやめろー!…なんだったら龍真が教えてくれよ、料理。アリスにも自慢したいし」
「アリスっていうんだ?宴会では見たことあったけど話せてはないから分からなかったよ」
「そうだぜ。…で、どうなんだ?教えてくれるのか?」
「そんなムスッとしなくても…俺は構わないよ?いつでもおいでよ」
「お、本当だな!?男に二言はないよな?」
「ああ、もちろんさ」
「本当だな!やったー!」
そうとう嬉しかったらしく、ガッツポーズをする魔理沙。でも教えるの大変そうだなあ。さっき記憶見たとき自分で練習してるところがあって料理本見てやってるんだろうけど飲み込み悪いし包丁の扱いが危なかったんだなこれが。基本の基本から教えてやろう。
「よーしそうと決まったら早く紫退治行って今日からやるんだぜ!」
え!?今日から?
「あー…ごめん、今日地底の方に行こうと思っててさ、また今度でもいいかな?」
「む、そうか…じゃあまた今度だな」
「悪いね。あ、でもこっちから紫を探す必要もないみたいだ。・・・そこにいるんだろ?」
俺が後ろの方に目線を向け、声を掛けると、例のスキマが開いて紫が上半身だけを外に出してきた。
「あら?分かってましたの?おかしいですわね…スキマにいるときは妖気には気づかないはずなのに?」
「ほんの少しだけ分かってたよ。それと紫の記憶なんかないかなって思って後ろむいたら偶然それも見れてラッキーだったよ」
紫の黒歴史という情報が手に入ったし!
「き、記憶?そんなた、大したものはないわよ?」
声震えてそっぽ向くあたりかなり分かりやすいなあんた!
「へえ~そんなこと言ってもいいんだ?」
「ひっ…」
おっ?震えて動揺してる。かなーり言われたくないことなんだろうなあ。でもこっちだって見られたくないしやりたくもないことをされたんだ。
「こっちはあんだけやられたんだ、これくらいのプライバシー言っても問題ないよね!」
「ちょっと、外の世界ではプライバシーの保護とかいうでしょ!?」
「「既にお前らはプライバシーを侵害しているんだよ!!!」」とビシッと紫に向かって二人同時に指先をむけた。
「あらそうだったわ!……私としたことが……」
俺と魔理沙の論破ダブルアタックで愕然とするドッキリ仕掛け人。まるであるアニメで探偵に完全論破されたときの犯人みたいだなあ。みんな、カリスマブレイクとはあの人みたいなことをいうんだよ!余計な一言に気をつけようねホント。あと魔理沙は何故この言葉を知っているのかは疑問だが気にしないでおこうかな。
「まあこれまでだ。よ~く聞いて思い出してくれよ・・・?」
「ああ・・・それだけは・・・」
半泣き状態になりながらそれはダメと言わんばかりにこちらに手を伸ばしてくる。そんなに言ってほしくないか。・・・全く、仕方ないなあ。
「・・・と思ったがやめておこう」
俺もそこまで鬼ではないのだ。
「ほんと!?ありが───」
「だがしかしこの情報は有効活用させてもらうぞ。万が一また何かしてきたらの時の保険だ。その時はどうしようかなあ?ブン屋にでも流して幻想郷中に噂を広めてもらうとするか」
「すいませんでしたああああ!」
ジャンピングでスキマから降り、そのまま土下座。幻想郷の賢者がこれでいいのだろうか・・・?情けないったらありゃしない。
「まあ顔上げてくれよ。それで?本当に来た目的はなんなの?」
「あら、それもお見通しだったかしら」
今さっきと打ってかわって態度が変わる。本当に反省してるんだろうか?
「勝手に自滅しに来るバカはいないでしょうに」
「それもそうですわね。・・・で、本題なんだけど、龍真くんはもう自分の能力は一つ見つけたわよね?」
「ああ、記憶を読みとる能力でしょ?」
「ええ。あなたが持っている一つの能力がそれ。物事のきっかけを見つけ相手をみることでその人の映像、つまり記憶を掘り返せることが出来るというものよ」
なるほど、やっぱりそうだったのか。にしても使い方がこんなにも早く馴染めるとはなあ。そういえば霊力弾を打てるようになれたのも空を飛べるようになれたのもとても順応が早かったな。ここまでくると何かあるんじゃないかという気もしてくるけど。
「ん?でも待ってくれ。一つの能力って言ったよね?それじゃまさか」
「ええ。あなたは二つの能力を持っているわ」
「「なんだって!?」」
驚きの余り声が出てしまった。一緒に声を張り上げた魔理沙も驚いているらしくじっとこっちを見つめている。二つ目の能力・・・か。一つ目でさえ見つけるまでが長かったのに二つ目かあ、全く実感がなかったなあ。
「そう・・・なのか。・・・魔理沙、それって珍しいことなのか?」
「おま、そりゃあ珍しい以外の何物でもないぜ!この幻想郷で二つ能力を持ってるやつなんて今まで見たことないしな」
俺が使えるんだから少なくとも幻想郷内に一人くらいはいるんじゃないのか?とも思ったが魔理沙がここまで強調するってことはそうなのだろう。
「俺の・・・もう一つの能力・・・」
自然と顔の前に開いていた右手を強く握りしめる。
「どうしたんだぜ?」
「あ、いや、なんでもないよ」
何があったかって?いや、少し・・・ね。
「そんなに焦らなくてもちゃんと能力の説明くらいはするわよ?」
「紫、教えてくれ。そのもう一つの能力のことを」
そう言って紫の方に体制をかえる。
「分かったわ。・・・あなたのもう一つの能力は、霊力を変換出来る能力
よ。」
「えっ・・・」
なにやら魔理沙がとても嫌そうな顔をしている。どういうことなのか俺にはまだ理解出来ていないわけだが。
「あなた、昨日の宴会で鬼にあれだけ飲まされても全然酔わなかったでしょ」
「ああ、そういえば!」
「それもその一つよ。無意識にあなたが力を変換していたの。その他にもいろいろ使い方はあると思うわ」
なるほど。そう来れば納得がいくな。能力の使い方はこれからやっていけばいいんだろうけど多分これもまた自然と出来るようになるだろう。
「・・・なあ、ちょっといいか?」
少し不機嫌な魔理沙が手を上げる。
「何かしら?魔理沙」
「能力については理解したぜ。だけどよお、考え方によってはこの力、誰よりも強いぜ?やろうと思えば紫の力にだって変換出来るだろ?」
「いい質問ね。確かにこの能力は何にでも変換出来るわ。でも幻想郷はよく出来ていてこの能力には回数制限があるってわかったの」
「「回数制限?」」
「そう。一日単位で回数がリセットされるものよ。この能力は・・・一日4回が限度ね」
4回・・・か。これまた微妙な。まあ記憶を引き出す能力もあるし充分すぎるってことか。強欲はいけないな。反省、反省。
「何にせよ、これから使っていくのはあなた自身。使い道はたくさんあるから試してみるといいわ。ふわあ・・・昨日遅くまで起きてたからまだ眠いわ。帰って寝るわね。それではごきげんよう」
そう言って紫は足元につくったスキマに落ちていった。
それから俺たちは朝食の片付けに入っている。魔理沙が妙に無口なのが気になるけど。
「ん~朝から収穫あったな。今日は頑張れそうだ」
「・・・」
何かまずいこと言ったかなあ、俺!?そう思いながらも手は動かす。
(くそっ・・・なんだぜこの違和感・・・)
「あ、あの~魔理沙さん?」
「龍真!!」
「は、はいい!?」
「また私と勝負するんだぜ!!!」
・・・ええ~~?
二つの能力始動です!回数制限どうしようかと悩みどころではあったのですがね。4回ほどでいいかな~と。
次はひさびさのバトル描写です!うまく書けるかなあ、不安で仕方がないw
ではでは感想お待ちしております!今回もありがとうございました!