「ここかあ、デカいとは聞いてたけど……」
博麗神社の近くにある地底と繋がっている大きな穴。パッと見たところだいたい幅は20mくらいはあり、軽いクレーターのようになっている。その近くには丁寧に【地底への穴 入口】という看板も建てられており、地底は危ないという者もいるが危険視する要素は今のところなさそうだ。
「どれどれ…?」
奥を見ようと穴の手間まで行き、姿勢を前に傾ける。
「ん~真っ暗で何も見えないけど…本当に地底に妖怪なんかいるの?」
「いるよ♪」
「え?」
ドンッ!
「え!?えええええ!!!?」
ようこそ地底へ、楽しんでいってね♪─────
知らない誰かの声だけが穴の中にこだまする。
「いやちょっとまってええええええ!!!?」
だんだんと落下スピードは上がっていく。…どうすればいい!?せめて飛べれば───って俺飛べるじゃないか!
霊力を操り、フワッとスピードを緩めて頭から真っ逆様の状態から身体を起き上がらせて霊力を調整しながらゆっくりと降りていく。
「はあ~危なかった。俺が飛べなかったらどうするんだよあの声の子は…」
声からして小学校高学年くらいの女の子。遊び半分だかなんだかしらないが人をいきなり落とすとは見過ごしておけないな。もしまた会えるならしっかりと叱っておこう。
さて、穴を下ること10分くらいだろうか、まだ明かりもなにも見えてこないが、少しずつ温度が暖かくなってきているのがわかった。一体地底とはどのくらい暑いのだろうか、さとりちゃんはそんなとこ住んでるなんて可哀想だな。とそんなことを考えていると下から妖怪の気配を感じる…いや、上だ!
と、上を向いた瞬間、桶が降ってきたではないか!とっさに身をひるがえし、避けようとした、が───避けようとしてふと下を向くと、耳が少し尖っていて金髪の女の子がこっちをすごい怖そうな眼で見ている────と思ったつかの間、
「…あ、忘れてた────ぐっはああああ!!!?」
存在をすっかり忘れていた桶が脳天に激突。しかもけっこう重かったのだろうか、俺は気絶してそのまま下に落下していった。
「んーいや暇だねえーこんな時誰か地上から来る者なんかいないかねえー…」
と大きな穴の上を見上げながらつぶやいていると、
チュドーーーーン!!!!
「は!?え?何?」
いきなり見えた黒い人影のような物が降ってきて地面に勢いよく衝突。謎の物体がぶつかった場所は少しくぼんでおり、白い煙をあげている。私は慌ててその場に近づく。
「いったいなんだい?…ってこりゃ人間じゃないか!」
胸に耳を当てる。…どうやら心臓は動いているようだ。口に手をかざしても息はしているし命に別状はないだろう。心配なのは出血のほうだ。こめかみのあたりからかなりの血が流れている。
「う~んここらには医者はないし…とりあえず私の家まで運ぶかな」
腕を組みこう考えてから落ちてきた人間を担ぎ、急いで家まで運んだ。
…………?
気づいたら俺は学校の教室を上から見下ろしていた。
「なんだ?…これは」
あたりを見回してみる。最初は誰だか分からなかったが、よく見ると慣れ親しんだ懐かしい友人やらが教師が書いている板書をノートに写している。この制服は…
「これは…俺の中学時代か?」
となると俺の席は廊下側の一番後ろにあったはず…っと、こいつが俺だな?でもなんで今更中学時代なんだ…?
キーンコーンカーンコーン
「起立ー」
と、係が号令を掛け、クラスの連中が立つ。
「あざっしたー」
「「「「ありがとございましたー」」」」
「はいお疲れ、お前らー明日は卒業式だからしっかりした格好でこいよー休むんじゃねーぞー」
「!!?」
まさかとは思うが…嘘だろ?だってこの日は──────
~中学時代の龍真くんサイド~
最後の最後の授業が終わった。中学も長いようで短かったような、そんな感じだ。そんなことを考えながら荷物を学校指定のカバンに入れていく。
「…ふう、ついに明日卒業かー…お?」
荷物を入れる手を一旦止める。
「お疲れ、龍真」
「お疲れ中畑。お前は卒業してから入試だよね?頑張れとしか言えないけど応援してるよ」
「俺は絶対落ちねーぞ。お前はもう推薦で決まってていいよなーこんちくしょうめ、羨ましい限りだぜ」
「はは、むしろ推薦じゃないと落ちてたからさ、運が良かったよ」
「またそんなこと言って、成績は結構いいくせに何言ってるんかねー、あ、そうだ明日の卒業式のあと皆で飯食いに行くっていうやつなんだけどさ」
「もちろんOKだよ」
「了解、一応確認のために聞いたけど心配なかったな。では俺はラストの追い込みをかけるため帰るぜ、じゃあな!また明日!」
「ああ、じゃあね」
そうして中畑は教室から走るように出て行った。そうだなーあいつとも違う高校なんだよな。と寂しく思いつつまた手を動かし始める。
「なんだか寂しそうな顔ですね、大丈夫ですか?」
と、白銀の髪の女の子が俺の顔を覗き込んでくる。
「あ、やっぱり君だったか…いやあ、やっぱりみんなバラバラになっていくんだろうなあってね」
「そうですねえ、でも私は別れも大事だと思います、別れがあることによって新たな仲間が出来るってよくある言葉じゃないですか。友人の輪が広がって将来で昔の仲間に再会することでより強い結びつきが生まれると思うんです」
「…ははっ、それ小学校の卒業式前にも言ってなかった?」
「そうでしたっけ、忘れてましたよ、ふふっ」
と言って美しい笑顔をみせる彼女。
彼女の名前は魂魄妖夢。俺の小学校以来の幼なじみで家も近所。高校も共に歩んでいく子だ。
かなりお待たせして申し訳ない!しかもまたテスト期間という屈辱!これは辛すぎです…。でも時間の合間使って頑張ります!
では今回もありがとうございました!感想待ってます!