機動戦士ガンダムSEED C.E.81 LEFTOVERS   作:申業

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さて、会議室の話の続きを、ここで紹介しておこう。
「攻めるとしたら……か」
周囲の表情を確認するが、特に不満げという様子はない。
それでも……と考え、言葉に詰まっていると、ハビエルが、
「士気が下がるとか思ってる?でも、不安要素があるなら……
今のうちに言っとくべきじゃない?いざって時に対処できるし」
そう言うものだから、俺は目を閉じ、少しを顔も下げたまま、
話を続けることにした。
「《ジズ》の武器は、
背中についたプラズマ収束ビーム砲パルジファルだ。
わざわざコクピットを胸から頭に移し、
ジェネレーターを胸に埋め込んでまで向上を図ったというだけあり、
威力そのものはかなり高いが、連射性能は流石にイマイチだ。
パルジファルを2、3発撃っている間に、
例えば《ドム》のビームバズーカでも、その倍飛んでくる。
《ザク》のビームマシンガンなら尚更だ。
それに、戦艦は正面をビームシールドでその身を守っている分、
上や下はまだしも、正面へ向けて撃つ武器がほとんどない」
「……《フレイヤ》のニーベルグ砲は?」
ジョーンが問う。
「パルジファルと同じ理屈だ……手数で負ける」 
一応、見渡してみるが、他に意見する者はない。
「この陣形に穴があるとすれば、そこが。
正面からの敵に対しては、弱いとは言わないまでも、決定力に欠く。
だから、相手がそれを理解して対応したなら、
負けないまでも、膠着(こうちゃく)状態に陥る可能性はあるな」
次に手を挙げたのは、サム。
「つまりは……それでも負ける見込みはないと?」
「あぁ……そう」
と俺が言いかけると、遮って言ったのがハビエルだった。
「……《ダーティ》でしょ?」
一瞬で、ハビエルの言わんとすることは理解できた。
「あれは……打算に入れるべきか?」
「……遭遇する可能性は十分にあるじゃない?」
「そう……だが」
もう一度、周りを確認。
アレハンドロの顔つきなど、早く言えと言わんばかりだ。
「負ける見込みは……一応ある」


PHASE-05 駆け抜ける嵐(4/7)

脱走兵側の主力《ザク》。アーモリー・ワン襲撃時にも数機いた、

所謂《FZ型》のモデルだ。

中には例の《ダガー》もどきの緑色のが2、3機交ざっているが、

大部分はこの《ザク》で、上の艦隊には目もくれず、

俺たちへと襲いかかった。

「まともに戦う必要はない。適当にビームを撃ち込んだら、

さっさと下がるぞ?」

降り注ぐは《ザク》によるマシンガンの一斉掃射。

その中に、《アダガ》のビームライフルの攻撃もいくらか混じる。

こちらはビームシールドで身を守りつつ、徐々に下がっていく。

『ザフトの犬どもに死を!』

そう叫んだ声が戦場に響いていた。敵のパイロットらしい。 

それも、《ダガー》もどきのパイロットのようだ。

俺は背中からブーメラン状の武器を取り、投げつけた。

丁度、そのダガーもどきは気持ち前に出ていた上、

マシンガンに比べれば手数が少ないお陰で、ブーメランは被弾せず、

ソイツまで届いてくれた。

命中したブーメランは、まず腹部を切断、返す刀で首も落とし、

その後で、こちらまで戻ってきた。

『ナイス・ブーメランっすね!』

アレハンドロが機体の右手の親指をわざわざ立てて、

そう言ってくれるが、脱走兵の勢いは収まらない。

まずやられたのは、1機の《ジズ》。シージーという隊員が乗っていた。

ビームシールドの発生装置にビームが直撃、爆発を起こし、

そシールドが消滅したところで、更にマシンガンで1発、2発と受け、

3発目に左腕を持っていかれた。

慌てて俺は彼の方に動き、庇(かば)う。

「その機体じゃ、もうムリだ……退け、シージー」

『……はい』

言われた通り、彼は《フレイヤ》まで引き下がった。

対して《ザク》らの前進は続く。とはいえ、脱走兵側もバカじゃない。

『前に出過ぎるな!……三つ首が迫っている!』

脱走兵側のあるパイロットの言葉だ。

「流石にベテラン勢……やっぱ理解していたか」

ただ、それ以上に、俺の気にかかっていたのは、

ダミー戦艦が壊れた直後、一度だけ姿を現し、

そしていつの間にか見失った、《ダーティ》のことだった。

レーダーにも反応はなく、煙が上がっている場所も周囲にない。

『副長の言う通りになってますが、どうします?』

サムが問う。

「敵は前に出てこないんだ……無理に戦う必要は……」

そう答えようとしたときだった。ソイツらが姿を現したのは。

『何だよ?あの蜘蛛(くも)みてぇなモビルアーマーは』

……蜘蛛か、確かに似ているかもしれない。もっとも、足は4本だが。

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