機動戦士ガンダムSEED C.E.81 LEFTOVERS 作:申業
このモビルスーツ、『ZGMF-X56S インパルス』について。
ヤキン・ドゥーエ戦役後、結ばれたユニウス条約において、
モビルスーツの運用制限が決定された為、
当時の技術者連中は苦肉の策として、
分離合体の機能を持たせたこの機体を、
モビルスーツとしても運用できる3機の航空機であるとし、
屁理屈っぽいが、まあ、条約の制限規約の穴をつこうとした訳だ。
とはいえ、実際製造してみれば、
パーツの複雑化から高いコストがかかり、
後にユニウス条約が無力化していく中で、量産化の計画はお蔵入り。
正確なところは知らないが、
残ったインパルスは俺へと渡されることになった。
そうして使ってみれば、
元々高性能だったってこともあって、多くの戦果を上げ、
攻撃を受けたときに体の一部を分離させて避けるとか、
フェイントがわりに分離したところを相手にぶつけるとか、
そういうインパルスならではの戦い方も出来るってんで再評価され、
最近じゃ量産化を視野に開発が進んでいるらしい。
そのプロトタイプが、俺やハサンが乗ったIm/A-Pで、
名前自体インパルス(IMPULSE)と、
英語で「汎用の、多目的の」って意味がある「All-Purpose」由来。
Im/A-Pとインパルスとで、もう2年余りも乗っている計算になる。
乗った期間は2番目に長いらしい。ヴァイデフェルトから聞いた。
……まぁ、とにかく、
それだけ縁の深いモビルスーツって訳だ。
まず仕掛けてきたのはフォース。
ビームライフルを乱射するが、ほとんど命中せず、
当たった部分も対ビームシールドで防がれた。
すぐにソードのビームライフルとブラストのビーム砲が撃ち込まれ、
前者は左手のビームシールドで防ぎ、後者は避ける。
その間もフォースは接近し、ビームサーベルを抜いた。
こちらも左手にライフルを持ち替え、右手でビームサーベルを取る。
同じ頃、
ソードが背後のビームブーメランに手をかけたのも見えていた。
やがて間合いは詰まり、フォースのサーベルが襲いかかる。
こちらは右手のビームシールドを展開。
大したものだ。ビームサーベルを受けるとは。
丁度、
こちらとフォース、ブラストとが一着線に並ぶ構図となった。
フォースの機体越しに動くブラストを見つつ、
背中のバーニアに火をつけ、
フォースの体を足場に踏み込んで、後方に飛んだ。
この間、フォースは背中のビームライフルに手をかけ、
こちらも同じくビームライフルの照準を合わせる。
一撃でフォースのコクピットを貫いた。爆発するフォース。
爆風に機体が押されて、機体は更に後退する。
数秒後、煙を抜いて2つのビームブーメランが飛んできた。
片方は避け、片方はサーベルで切り落とした。
ソード、ブラストが接近してくる。
ブラストがミサイルランチャーとレールガンを撃ち込んできた。
フェイズシフト装甲がある分、避ける必要はないが、
そういうこと以前に、そもそもほとんどが当たらなかった。
次に背後に迫っていたビームブーメランを、
逆手に持ち直したサーベルで突き刺す。
サーベルからビーム刃を消して腰に戻す背後で、
破損したブーメランが地面へと落ちる音がした。
ソードは、もうそこまで迫っていた。
ソードが降り下ろす、連結した対艦刀を、左手で掴んだ。
こちらが左のビームライフルを撃ち込めば、
相手は対艦刀、脆くも砕けた。
それでも、破壊されたのは連結していた上部のみで、
分離して残る下部の刃を振り上げ、斬りつけてはくる。
上体を反らしてこれを避けると共に、
頭部のビームガンを連射して、刀身とメインカメラを破壊。
次にだめ押しでビームライフルをもう一発撃ち込めば、
それでソードは終わり。
その後、俺はブリッジするような体勢のまま、スラスターに任せて、
一気に機体を上昇させた。
ブラストが撃ち込んでくるビーム砲を避けながら、
空中で旋回し、体勢を変える。
そこからはビームシールドを発動しつつ、ブラストへと急接近。
当然、ブラストは再度ビーム砲を撃ち込んでくるが、
あえて今度は避けず、左のビームシールドで受けてみた。
防御性能が見たかったのだ。
シールドはやはり優秀で、ビーム砲を優に受けきった。
そのままビームサーベルを抜いて、すれ違い様に腹部を切断した。
着地して間もなく、背後でブラストが爆発四散する。
「……フゥ」
と息を漏らして、まもなく、
一筋のビームが飛んできた。
咄嗟に避けて、向き直るとそこにはデスティニーの姿が。